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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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防衛大会 前衛

 
前書き
どうも!心はいつも自由(フリーダム)です!皆さん久しぶりです!中々更新出来ずに申し訳ありません!
この妙にハイテンションなのには理由があり、それは後書きで言わせてもらいます!

では、前書きはここまでにし、本編をどうぞ! 

 
平和なのはいい。例えば、この緑……心地よい風……空……自然。例えば、無邪気にはしゃぐ子供達。活気に溢れ、不思議と大人や老人だけでなく、俺達にさえその温かさを伝える。例え、それが意味分からないものだったとしても。

「…………って、俺はいったいなにやってんだ!? 」

「ヒメラギィ!シュート行ったぜ! 」

オノさんから言われゴールを防ごうとするが、届かずにボールはゴールの中へと吸い込まれていった。

「かっー!ちっこいのになんで運動神経いいんだよ!? 」

「ちっこい言うな! 」

「てかヒメラギ!ツッコミ入れてる場合じゃねえよな!?きちんとキーパーやれ! 」

と、理不尽にオノさんに言われる。

「いやツッコミ入れッスよそりゃ!?なんでサッカーなんだよ!? 」

そう。俺は今、どこかのクラブのサッカーをやり、ゴールキーパーをやらされていた。そこにキハラさん、ミサカさん、オノさん、俺も混じっている。

「ガンプラの関連性はどこいってんだよ!? 」

ちなみに、サッカーをする前は長距離マラソンや、なぜかオノさんの家にあるエアホッケー等をやらされた。ガンプラには一切触れていない始末だ。

「くそっ…………ラインの履歴を見たらグループ通話がやってっし、他のやつらはどーなってんだ? 」

この人選だ。多分、ろくでもない人に飛ばされてんだろーな。いや、そう信じてーな。俺だけ変な事をされてるとか嫌だし。

「おらヒメラギー!ボールボール! 」

「……うーっす」

ボールをオノさんに投げ渡し、大きくため息を吐く。

「ヒメラギ。あと少しだ。頑張って」

そんな俺を見かねてか、キハラさんが声をかけてきた。

「キハラさん…………流石に言わせてもらうッスけど、今までの事になんの意味があるんスか? 」

「う~ん…………まあ流石に愚痴が出るよね。けど、意味が無いことなんて無い。ヒントをあげるなら、最初にオノが言ってたことかな? 」

「オノさんが言ってたこと…………確か、忍耐力とか精神力とかッスよね? 」

改めて口にしてみるが、やはり今までやってきたものに意味があるのか疑問に思う。

「君がそう思うのはしょうがない。一見遊んでいるように見えるしね。けど、その全てには共通点がある。それを考えてね」

そう言うと、キハラさんのメガネがキランと光った。

「りょーかいッス」

「うん。さて、じゃあキーパーも頑張ってね」

「うーっす」

気だるけに返事をし、言われた通り共通点を考えてみる。最初の長距離マラソン…………そのあとすぐにエアホッケーをやらされたな。休憩無しだったからけっこーキツかったな。

そんで今のサッカーだろ?んで、キーパーをやらされてんだろ?………………わかんねーよ!?元々馬鹿だって自覚は多少あっけどよ、さすがに他の奴にもわかんねーよ!

「ヒメラギ!もう一発来るよ! 」

「だっー!くそっ!考えても仕方ねー!ひとまず、ガムシャラにやってみるしかねー! 」

半ばヤケクソ気味になり、キーパーとして試合に貢献していった。




ーーー--





「おーっす!お疲れさん! 」

「今日も一日お疲れだ、ヒメラギ。よくやった」

「どーもッス……」

今日のスケジュールを終え、クタクタな状態で椅子に座る。その時、キハラさんが一枚の紙を持って近寄ってきた。

「ヒメラギ。そろそろガンプラバトルをするかい? 」

その言葉に、迷わず首を縦に振る。

「なら、早速大会に出ようか。内容は簡単なタワーディフェンス系。防衛目標をどれだけ長く守れるか競う大会だ。ヒメラギも、こういうのは得意だろ? 」

確かに、俺はゲームでもそーいうのは得意としている。てか、どこ情報なんだそれ?

「日程は明日。登録は既にしているから、今日はゆっくり休んで」

「りょーかいッス! 」

とにかく、この無意味だと思っているものから解放されるというのもあり、気合いがこもった返事をする。





ーーー--





「ここか…………」

翌日、俺は大会が開催されるという店の中にいる。

「つーか、筋肉痛がヤベーな」

肩を軽く回すだけで、身体全体が悲鳴をあげる。コンディションとしては最悪にも近いものだ。

「ヒメラギ。大丈夫? 」

「これぐれーよゆーッスよ」

が、弱気を吐くわけにもいかないので、強がってそう答える。

「オーケー。じゃあ軽くルールのおさらいをしよう。昨日も言ったけど、この大会はタワーディフェンス系。防衛目標をどれだけ守れるか競う大会だ」

昨日言われた事を再び説明され、頷いて話を聞く。

「そして、これは四人一組のチーム戦でもある。分かってるね? 」

「はい。けど、そうなるとキハラさん達も参加するんすね」

「いや、俺達は参加しねーぜ?別のメンツを呼んであったから、お前はソイツらと組め! 」

「へっ? 」

いきなりの事で、すっとんきょうな声をあげてしまう。はっ!?知らない奴と組むのか!?聞いてねーよそれ!

「すまない。私達が参加したら、お前の為にもならない。そこは分かってくれないか? 」

「…………分かったッス。それで、メンバーは誰なんすか? 」

「それはね…………」

キハラさんはそう言って後ろを振り返ると、どこかで見たことのある人物が立っていた。一人はラグビー部かってぐらい体格のいい男と、一人は金髪のショートカットの女だ。

「ガッハッハッ!我だ! 」

「今日はよろしくお願いしますね」

「………………あっ!その笑い方は、黒鉄学園の! 」

確か、カザマとサイオンジっつったか?なんでここにいんだよ?

「まず、その節は助かった!感謝する! 」

「…………いや。こっちがわりーんだし、謝んねーでくれ。それに俺達が勝手にやったことだし、気にすんな」

「だが、筋は通らせてもらいたい性分なのだ!そういえば、まだ名を名乗ってなかったな!我はカザマだ!一時的だが、よろしく頼む! 」

「…………おう!俺はヒメラギだ。よろしく頼む! 」

お互いに握手をかわし、後ろにいたサイオンジとも自己紹介をかわす。

「そーいや、もう一人は誰なんすか? 」

「我も聞いておらぬな。どのような奴だ? 」

「おかしいな…………そろそろ来てる頃だと思ったんだけどな」

キハラさんも辺りを見回し、残り一人のメンバーを探す。

「あっ、いたいた。こっちだよ」

人混みの中から見つけ、手招きしてこっちに呼び寄せる。すると、そこにはとんでもねー美少女がいた。女はウェーブのかかった栗色のロングヘアーで、右手には杖を持っていた。

「すいません…………道に迷ってしまいました。シイナ カエデと申します。皆さん、本日はよろしくお願いしますね? 」

シイナと言った女は、ご丁寧にお辞儀をしてきた。まるでどこかの令嬢みたいだ。

俺らはもう一度自己紹介を交わし、キハラさんの方へと振り返る。

「これでメンバーは揃ったね。一度大会が始まると止まらないから、ちゃんと機体のチェックは怠らないように。僕達は観戦してるから、頑張ってね」

「つーわけだ!気張れよ! 」

「ご武運を祈る」

キハラさん達はそれだけ言い残し、この場を去っていった。残された俺らは顔を合わせ、一つ咳払いをする。

「ひとまず、まず全員の機体を確認しよーぜ。味方が何を使うか把握してーしな」

「そうですわね。私も把握したいです」

「私とカザマ先輩は知ってますが、二人の機体は知りませんからね」

「ならば、早速確認しようぞ! 」

「だな。じゃああっちのテーブルで確認すっか」

そう言って、指差した先にあるテーブルへと向かう。しかし、ふと後ろを振り返ると、シイナが来てないことに気づく。

「あれ?どこ行ったんだ? 」

立ち止まって探してみると、人混みの中からシイナの姿が確認出来た。そして、なにやら杖で自分の前を確認しているような動作をしていた。

「もしかして…………おーい!シイナ! 」

気になってシイナの元へと行き、声をかける。

「あら?どうしたんですかヒメラギさん? 」

「どうしたって………………気になってたけどよ。オメー、目が見えねーのか? 」

「はい。正確には、ほとんど見えていないんです。生まれつきですから、お気になさらずに」

特に気にした様子は無く、笑って答えてきた。けど、そうなるとこの人混みはキツいだろーな。

「なら、最初から言ってくれっつーの。案内すっから、足元に気をつけてついてきてくれ」

シイナの手首を掴み、カザマ達の所まで案内する。

「あらあら。ありがとうございます」

「どーも」

それだけ答え、カザマ達の所に着く。そしてお互い機体の確認しあうのであったんだが…………。

「シイナさんって、目が見えないのにガンプラバトルが出来るんですか!? 」

「はい。一応出来ますよ」

「だが、どうやってバトルするのだ? 」

「ふふっ。勘ですわ」

「勘かよ…………」

「はい。勘ですわ」

俺ら三人は顔を合わせ、大丈夫か心配する。勘でバトルって、セシリアちゃんじゃあるめーし…………本当に大丈夫なのか?

しかし、それは愚問のようだった。大会が始まると、本当は見えているのでは?と疑いたくなるような実力を発揮した。

「ファンネル」

シイナの機体は、白いキュベレイだ。目立った改造はないものの、完成度の高さは素人の俺でも分かる。

そして、キュベレイは開始位置からほとんど動くことは無く、全てファンネルで対処していた。

「うむ!やるではないか! 」

「流石ですね」

「あらあら。ありがとうございます」

アルデオガンダムは前線。ダブルオーライザーの改造機、ダブルオーブラスターは中衛でアルデオガンダムを援護。俺とキュベレイは後衛で防衛目標の護衛や、二機の援護を行っている。

急造チームにしてはうまく機能しており、これなら生き残れると思った。だが、徐々に相手のレベルも上がっていき、次第にはMAも導入されてきた。

「ぐっ…………!けど、流石にキツいな! 」

「だが、まだ終わらぬよ! 」

「カザマ先輩!一度下がってください! 」

アルデオガンダムは前線で戦っているため、無論機体ダメージも大きい。かれこれ三十分近くバトルを継続している。

「ヒメラギさん。あとなんチーム残っています? 」

「俺らを含めて、七チームだ! 」

「なるほど。ありがとうございます。ところで、大きい機体が二機来ますよ」

「マジか!? 」

シイナの宣言通り、MA形態のデストロイガンダムが二機接近してきた。先程から、シイナが言ったことは的確に当たり、ここまで生き残れた要因でもある。

「一機ずつ立ったのが、今度は二機かよ! 」

「みなさん、大丈夫ですか? 」

「無論だ!一機は我が倒すが、すまぬが一機はそちらで対応してくれ! 」

アルデオガンダムはハンマーを構え、 デストロイガンダム一機を引き付ける。残りは一機はいぜんとしてこちらに接近する。

「どうします!? 」

「サイオンジさんはカザマさんをお願いしますわ。ヒメラギさん。周囲の敵は任せてもよろしいですか? 」

「一人でやるつもりか!? 」

「はい。三分くださいませんか? 」

「…………大丈夫なのか? 」

「はい。では、やりましょう」

そう言うと、ファンネルを全基射出し、デストロイガンダムの方へと飛んでいった。

「てかアイツ…………目が見えねーんじゃなかったのかよ? 」

目がほとんど見えないと言っていたはずだが、それでもバトル()出来ていた。しかも、周囲の状況を完全に把握している。

「どーなってんだよ………? 」

二機がいなくなった事で攻撃は更に激しくなり、その事を考えている暇は無かった。





ーーー--





「行きますわ」

デストロイガンダムの迎撃を回避し、最短ルートで接近する。その途中、後ろからシュトゥルムファウストが迫っているのに気付く。攻撃を旋回して回避し、両手のビームガンとファンネルで集中砲火して破壊する。

距離が縮まれば縮まるほど攻撃は厳しくなるが、それでも傷一つ付かずにデストロイガンダムの目の前まで接近する事に成功する。

「終わりですわ」

ファンネルで胴体中央に集中砲火し、その直後に肩部バインダー内に格納された二刀の大型サーベルを突き刺す。
そのまま腕を広げるように斬り開き、蹴りを入れてデストロイガンダムと距離を取る。

すると、さっきまでキュベレイがいた位置にビームが突き抜ける。残り一基のシュトゥルムファウストが攻撃してきたようだが、本体ごとファンネルで集中砲火し、デストロイガンダムを撃破する。

「さて………では戻りましょう」

ヒメラギさんとサイオンジさんが守っている防衛目標を見つめ、次にカザマさんを見る。
あちらはまだ撃破していないが、デストロイガンダムを肉薄し、既に止めを刺せる状況だった。

 
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