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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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夏の選抜 後編

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Model Damage level Set to C』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

『Field 1 space』

フィールドは宇宙のアステロイド群だ。

『Please Set Your GUNPLA』

『BATTLE START』

「セシリア リート…………ブラウドライツガンダム…………いきます! 」

フィールドに飛び立ち、アステロイド群を進んで敵機を探す。

「…………いわがいっぱいある」

ぶつからないようにアステロイドを回避していき、周囲を見渡す。アステロイドは小さいものから機体よりも大きいものなど、多様なものがある。

「…………いた」

前へと視線を向けると、アステロイド群を掻い潜り接近する、騎士ユニコーンガンダムを発見する。

先手にGNバスターキャノンで砲撃し、騎士ユニコーンガンダムの出方を伺う。騎士ユニコーンガンダムは盾で砲撃を受け流すように防ぎ、剣を構えて接近してきた。

「セールピット……」

GNシールドからセールピットA、Bを二基ずつ射出し、アステロイド群を影にしつつ接近し、騎士ユニコーンガンダムに放つ。
そして追撃するように、GNバスターキャノンとGNビームガンで攻撃する。

しかし、騎士ユニコーンガンダムは旋回しながらビームを回避し、更にセールピット二基を瞬時に切断する。

その切断した隙にGNバスターキャノンで砲撃すると、騎士ユニコーンガンダムは左手の掌を突き出し、全面にサイコフィールドを発生させて防ぐ。

「かたい………」

騎士ユニコーンガンダムはそのまま残りの二基を切断し、再度接近してくる。それに対しGNシールドを投げ捨て、左手首からライトセイバーを発生させて騎士ユニコーンガンダムを迎え撃つ。

お互い間合いに入った瞬間、剣とライトセイバーが激突する。そのままつばぜり合いになるかと思ったが、こちらが押され始め、剣を振りきられてしまった。

「っ…………! 」

軽く後退りをし、体勢を整えてる間に騎士ユニコーンガンダムからの追撃が襲いかかる。
剣を縦に一閃と斬り下ろされ、右腕で左腕を支えながらライトセイバーで受けるも、耐えきれず吹き飛ばされてしまう。

バーニアを全開にし、アステロイドに激突する寸前で止まり、騎士ユニコーンガンダムへと視線を向ける。

『遅い』

騎士ユニコーンガンダムは目の前まで接近しており、剣を斬り上げてGNバスターキャノンを切断してきた。

「ライトセイバー…………! 」

GNバスターキャノンをすぐに捨て、右手首からもライトセイバーを発生させ、騎士ユニコーンガンダムに反撃する。しかし容易に盾で防がれ、剣を水平に斬り払ってきた。左手のライトセイバーで剣を防ぎ、すぐに騎士ユニコーンガンダムから距離を取る。

「ドラゴンファング……! 」

ドラゴンファング四基を射出し、騎士ユニコーンガンダムに砲撃する。騎士ユニコーンガンダムはアステロイドの影に移動し、盾代わりに防いでは次へと移動していく。

そして次のアステロイドが破壊されると、騎士ユニコーンガンダムの姿を見失う。

「!どこ…………! 」

すぐに探そうとしたところ、背後に回っていた騎士ユニコーンガンダムに、ドラゴンファング二基と左肩が切断された。

「うしろ…………! 」

振り向くと同時にライトセイバー二刀を水平に斬り払ってたが、既に騎士ユニコーンガンダムは距離を取っていた。

「どうしよう…………」

ドラゴンファングを収納し、騎士ユニコーンガンダムを見据えながら呟く。今までバトルしてきた中でも、確実にトップクラスの実力だ。

『お主は、自身の勘に頼って戦う傾向にある。それは悪い事じゃない。むしろいい事じゃ。じゃが、勘だけで勝てるほど、シンドウ君は甘くはない。
そこでじゃ。もう少し視野を広げてみるがいい。お主のその勘を、最大限に活かすのじゃ』

イチヨウさんが言っていた事を振り返る。

「しやをひろげる…………まわりをみるってこと? 」

騎士ユニコーンガンダムを視界から外さぬように、実際に広く見てみる。……………いわがいっぱいあるだけ……。

呑気にそんなことを考えていると、騎士ユニコーンガンダムが接近してきた。剣とライトセイバーがぶつかり合い、剣撃を繰り返す。

『…………弱いな』

「っ…………! 」

次第に押されていき、機体にダメージが入る。

どうしよう…………!

焦りが募り、本人は気づいてないが動きが悪くなり始める。

『…………一旦頭を冷やせ』

それを見かねたのか騎士ユニコーンガンダムは、機体を翻し、回し蹴りを繰り出した。蹴りは胴体に入り吹き飛ばされ、体勢を整えきれずアステロイドに激突する。

『なにをごちゃごちゃ考えてる?お前みたいな奴が考えても時間の無駄だ。それに、何か違うことをしようとしているようだが、付け焼き刃で勝てると思ってるなら大間違いだ。いつも通り戦え』

「……………いつもとおりじゃ、ここにきたいみがない……」

アゲハの言葉を聞き、さっきよりは冷静になった頭で答える。

『馬鹿な事言うな。お前は初心者なんだろ?なら今自分の得意な事を磨け。今できる事を伸ばせ。それから新しい事をやればいいだろ』

「っ………………わかった」

アゲハの言葉を聞いて納得し、深く深呼吸する。

いまできることをのばす…………わたしがいちばんとくいなことを…………。

「…………しょうぶ! 」

ライトセイバーを構え、騎士ユニコーンガンダムに接近する。

「ディレイ……」

スケイルピットを射出し、粒子の足場を作って移動する方向を切り替えていく。そのまま騎士ユニコーンガンダムの目の前まで迫り、剣を水平に斬り払われたが、直前にスケイルピットを一枚射出し、また軌道を変える。

『なるほどな……』

スケイルピットを用いて瞬時に軌道を変えていき、騎士ユニコーンガンダムの背後に迫る。

「ライトセイバー……」

両手首から発生させたライトセイバーを水平に斬り払うが、すぐに騎士ユニコーンガンダムは反応し、剣を斬り上げてライトセイバーを弾く。

『だが、まだ見えるな』

反撃に剣を水平に斬り払い、ブラウドライツガンダムの胴体に切り傷をつける。

「っ…………! 」

距離を取り、スケイルピットの足場を利用して縦横無尽に駆け回る。

『確かに、さっきよりはマシになった』

そう言うと、騎士ユニコーンガンダムはアステロイドの裏側へと移動する。すぐに騎士ユニコーンガンダムを追いかけようとすると、隠れたアステロイドがこちらに向かって飛んできた。

「っ───! 」

急な事でかわしきれず、アステロイドは機体に直撃して砕けた。ブラウドライツガンダムは衝撃で体勢を完全に崩し、後方へと飛ばされる。

「くっ…………! 」

騎士ユニコーンガンダムへと視線を向けると、周囲にあったアステロイドがランダムに動き回っていた。

『だが、それも簡単に封じれるな』

アステロイドの影から騎士ユニコーンガンダムが姿を現し、剣を斬り下ろしてきた。それを大型GNビームサーベル二刀を抜刀し、ギリギリ受け止める。

「どうやって…………? 」

『簡単だ。アステロイドを蹴り飛ばし、他のやつと激突した衝撃と角度で軌道を変え、更に衝撃で他のアステロイドも動き出している』

アゲハがいっていることは、わたしにはよくわからなかった。わからなかったけど、とてもむずかしいことをしているというのはわかった。

「いわも…………ふぃーるどをりようしてたたかう……」

騎士ユニコーンガンダムとつばぜり合いをする中でもアステロイドは襲いかかり、互いに距離を取る。だが、それでも別のアステロイドが右肩に激突し、大型GNビームサーベルが手離される。

「ふぃーるどもてきみたい………」

騎士ユニコーンガンダムからの攻撃を防ぎ、アステロイドからの攻撃を避ける。それは今のセシリアには難しい事かもしれない。だが…………

「もっとよくみないと……」

それでも、勝つためにアステロイドの動きと騎士ユニコーンガンダムの動きを注意深く見る。

騎士ユニコーンガンダムは再び接近し、剣を振るってきた。大型GNビームサーベルとライトセイバーで数度剣撃を繰り返すと、騎士ユニコーンガンダムは距離を取る。
その動きにこちらも反応し、アステロイドの動きを感じ取って斜めに飛ぶように後退する。アステロイドはブラウドライツガンダムが元いた場所の斜め下から迫っていたらしい。

「っ!? 」

そのまま機体を翻し、回避した方向にあったアステロイドへと着地する。

「ん…………? 」

アステロイドを蹴飛ばし、その反動で騎士ユニコーンガンダムへと接近する。だが、横から割り込んできたアステロイドにより阻止されてしまう。

そのアステロイドを足場とし、騎士ユニコーンガンダムへと蹴飛ばし、再度その反動で軌道を変える。

「…………ようやくわかった……! 」

すぐに周囲を見渡し、アステロイドの位置を確認する。その間、先ほど騎士ユニコーンガンダムに向けたアステロイドは回避され、こちらに接近していた。

「ディレイ……! 」

『っ! 』

ブラウドライツガンダムは飛んでいるアステロイドをスケイルピットと同じ要領で利用し、軌道を次々と変化させていく。

『なるほどな…………逆に利用したか』

騎士ユニコーンガンダムはアステロイドを回避しつつ、ブラウドライツガンダムの動きをしっかりと捉える。

『だが、それでもさっきと同じ───』

「スケイルピット…………フルディレイ……! 」

『っ! 』

アステロイドだけでなくスケイルピットも射出し、軌道を急転換して接近する。

騎士ユニコーンガンダムとすれ違い際に大型GNビームサーベルとライトセイバーを振るうも、剣と盾で防がれる。

『これは…………』

アステロイドによる縦横無尽に動き、スケイルピットによる急転換な軌道による包囲攻撃により、騎士ユニコーンガンダムの右肩に傷が入る。

『シャアの五艘飛びか! 』

巡り回るブラウドライツガンダムの軌道は予測しずらく、騎士ユニコーンガンダムはギリギリのところで避けては防ぐのを繰り返す。

「あてきれない……! 」

騎士ユニコーンガンダムにダメージというダメージを与えられず、改めてアゲハの実力の高さを実感する。

「なら…………トランザム! 」

トランザムを発動したブラウドライツガンダムは更にスピードを上げる。騎士ユニコーンガンダムを中心に、移動した赤の軌跡に囲まれている。

『更に上がるか…………だが、それは身体に負担をかける。いつまで持つ? 』

騎士ユニコーンガンダムは軽微に、だが確実に機体にダメージが蓄積していく。攻撃のほとんどは防がれてるが、盾にも亀裂が入り始める。

「じょうぶ、だから…………だいじょうぶ……! 」

だが、アゲハの言う通り身体に負担がかかり、疲労が溜まっていく。

『………………馬鹿が』

騎士ユニコーンガンダムはブラウドライツガンダムの攻撃を回避した瞬間、自機を取り囲むように赤いカードが出現した。

『コール』

「っ!? 」

カードから無数の電磁ランスが現れ、全方位に向けて放射された。接近していたブラウドライツガンダムは攻撃を回避出来ず直撃してしまった。

「っぅ……! 」

攻撃は右腕、左足、左脇腹に直撃し、体勢を完全に崩す。

『冬の大会に、出直してこい』

無防備のブラウドライツガンダムに対し、接近していた騎士ユニコーンガンダムは剣を斜めに斬り上げ、機体を真っ二つに切断した。

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「…………まけた」

「ふん……」

アゲハはこちらを一瞥したあと、すぐにその場を離れていった。

「むー…………」

ジト目でアゲハを見たあと、イチヨウさんの所へと向かう。

「お疲れじゃったな。ひとまず座るがいい」

椅子に座るように促され、言われた通り座る。

「よいバトルじゃった。きちんと視野を広げられたようじゃし、自身の持ち味を成長させられた」

「………けど、まけた」

「それはそうじゃ。成長できたからといって、必ずしも勝てるとは限らん。じゃが、それは逆に、次はどうすればよいかの道しるべともなる。それはお主も感じたじゃろ? 」

イチヨーさんのことばに、コクりとうなずく。

「なら、また前へと進むがいい。そして強くなるのじゃ。シンドウ君という強敵とのバトルのように」

「…………わかった」

「うむ。いい子じゃ。では、次は見て学ぶとするか」

「?…………けっしょーせんを? 」

「残念ながら違う。おそらくまたシンドウ君の優勝じゃろう。セシリアちゃんが見るバトルは、特別ゲストとのバトルじゃ」

イチヨーさんはニヤリとわらって、みせのおくにいった。それからしばらくもどってこなかったから、ひとりでまつことにした。

「…………レイ、マヒル、みんな。わたしも、もっとつよくなる。みんなのやくにたてるように、がんばる。だから、みんなもがんばって」

目を瞑り、今この場にいない皆へと向けて言う。それの共に、自分自身も強くなると決意を固めた。

 
 

 
後書き

ふぅ…………書けた書けた。今回は、セシリア リート視点の話です。そしてお気づきかもしれませんが、日本語に慣れてきております(まあ二ヶ月も経てばね)。ですが、あくまで慣れてきた程度なので、漢字表記にはなりません。キャラクターの区別もつきにくいですしね!

というわけで、今回は彼女の話でした。次回は誰視点の話にするか全くもって決めておりませんが、次回の更新にお会いましょう。
 
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