ガンダムビルドファイターズ ~orbit~
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夏の選抜 前編
前書き
どうも。最近なんかどうもから挨拶しかしてないんじゃない?的に思いながらどうもから始める心はいつも自由(フリーダム)です。今回のお話は、作者があれ?なにこの展開?的な思考になりましたが、すぐにこれはこれでありじゃない?的な感じで書き進めました。なので、若干どころかかなりツッコミどころ満載かもしれません。そこは、『ガンプラは…………自由だっ!! 』と思って読んでください。
さて、前書きはここまでにし、本編をどうぞ。
「これより、いちば模型店・夏の選抜を開催する!今回は単純な一対一のトーナメントバトルじゃ!なお、今大会は予選、本選に分けられておる!本選に出場できるのは十六組のみ!
ちなみに、優勝者には商品と特別ゲストとバトルすることができる!みなの健闘を祈るぞ!! 」
いちば模型店店長、イチヨウさんはド派手に大会ののろしを上げた。
「…………がんばる」
わたしセシリア リートは、こぶしをにぎっていきごむ。
ここまでのけーいをせつめいすると、イチヨウさんがたいかいにとーろくしてくれて、そこでうでだめしをすることになった。
「セーヤはどこかにいっちゃってひとりだけど、みんながんばってる…………わたしも、みんなのちからになれるようになる………」
さきほど引いたくじの紙を見て、番号を確認する。
『 1 』…………つまり一番最初だ。
「一番の方と二番の方!こちらに来てくださーい! 」
てーいんさんによばれて、じぶんがいちばんだともういちどかくにんする。…………わたしだ。
店員の所に駆け寄り、軽い説明を受ける。その後すぐにバトルシステムが作動し、バトルが開始された。
フィールドは平原。そして、相手機体はガンダムエアムスターだ。対してこちらは、ブラウドライツガンダムを使用する。
ブラウドライツガンダムの手首から発生されたライトセイバーと、ガンダムエアムスターのビームサーベルがぶつかり合う。
相手の実力は確かに高く感じたが、それでも普段戦っているレイ達や、イチヨウさんの方が強かった。即座にガンダムエアムスターを斬り伏せ、バトルは終了した。
「ふむ…………やはり、予選は勝ち抜けそうじゃな。しかし、だからといって油断してはならん。なんせ、今回もアヤツが参加しておるからのぅ」
「アヤツ…………? 」
バトルがおわったあと、イチヨーさんがこっそりとわたしにはなしかけ、とーくをゆびさした。…………あのひと…………どこかでみたことあるきがする……。
「そう!ある人物に挑むためだけにこの大会に参加し、三連覇を果たした男!シンドウ アゲハじゃ! 」
イチヨーさんがおーごえでいうと、みんながわたしたちをみてきた。もちろん、シンドー アゲハっていうひとも。
そのひとはわたしたちのほうにきて、わたしをみたあとイチヨーさんにふりかえった。
「イチヨウさん。今回もあの人が来るんだな? 」
「無論じゃ。ところでシンドウ君。今回、お主が最も苦戦するであろう人物を参加させたぞ」
「…………まさか、そこの小さいのか? 」
「むー…………ちいさくない」
「いや、明らかに中学生くらいだ。それに、とても苦戦するような相手に見えない」
「ちいさくない…………! 」
「ほっほっほっ。お互いやる気のようで助かるわい」
「俺は別にこれとやる気はありません」
シンドウはそう言いながら、こちらに指差してきた。
「むー…………! 」
「相変わらずじゃのうシンドウ君よ。じゃが、この子もカグラ君達と同じ天之川学園のガンプラバトル部の一員じゃ。腕は確かだと思うが? 」
「ふーん…………この小さいのが。けど、結局大会で負けた。それも仲間割れをして」
「………………! 」
アゲハといわれるひとからのことばに、いーかえすことができなかった。たしかにわたしたちはレイをとめることにひっしで、たいかいにまけたのだから。
「ほっほっほっ。確かに、話を聞く限りではそのようじゃな。が、それはあくまでも過去の話。過去ばかりでなく、未来を見据えなければいかん。そして一歩ずつ進んでいくのじゃ。この子は…………いや、この子達はまさにその真っ最中じゃ。
それにの……………………前にやった大会では、手加減をしてたとはいえカグラ君を落とせなかったじゃろうが。それで眼中に無いというのは、些かどうかと思うぞ? 」
「…………なるほど。確かに、あんたの言う通りだ。けど、所詮言葉は言葉。バトルで示してもらおう」
アゲハはそーいうと、バトルシステムのほーへとあるいていった。
「相変わらず頑固じゃのう…………悪いのセシリアちゃん。シンドウ君も悪気があるわけじゃない。ただ、奴はライバルを欲しておるのじゃ。互角か…………もしくはそれ以上の…………」
「次!一番の方!こちらに来てください! 」
イチヨウさんが話をしている最中に店員さんからの呼び出しがきた。
「おっと。話の途中じゃったが、仕方ない。セシリアちゃん。シンドウ君と当たったら、特別にアドバイスをあげよう。ひとまず、それまで頑張るのじゃぞ」
「…………うん」
大きく頷き、店員の所に向かう。
ーーー--
「イチヨウさん。大会の方はどうですか? 」
「おお、リンドウ君。早い到着じゃのう」
カウンターの奥、店員用の入り口の扉からヨシナ リンドウ君が出てきた。
「大会の方は変わらず盛り上がっておるぞ。しかし、時期的に大丈夫か心配じゃのう。ニールセンラボで合宿もあるのじゃろう? 」
「それは大丈夫です。大会が終わったらすぐに出発するので」
「ほっほっほっ。して、シンドウ君の様子を見に来たのじゃな? 」
「ええ。彼の調子は? 」
「いつもより一段と気合いが入っておるそうじゃぞ。今回も派手に目立っておる。若いというのはいいのう。燃え上がるわい」
「はぁ…………どうせあなたが、彼をたぎらせるようなことでも言ったのでしょう」
「むっ?バレたか」
「あなたの性格を考えれば、そうとしか考えられませんよ」
「ほっほっほっ。なんせ、今回はもう一人目立っておる人物がおるからのう」
「もう一人? 」
「天之川学園ガンプラバトル部の子じゃよ。名はセシリア リート。センスはいいが、まだまだ荒削りじゃ」
「ああ。あの外国人の………………そのようですね。予選でバトルを見た限りでは、珍しいバトルスタイルを主体にしてましたね」
「うむ。最初にノーマルの機体を使わせたが、癖になっておるのかどこか動きがぎこちなかったのう」
「使わせた?…………なるほど。彼女を鍛えているんですね? 」
「そうじゃ。ハルカゼ君から頼まれたからのう。無論、報酬も貰っておる」
「その報酬とは? 」
リンドウ君のその言葉に対し、不敵の笑みを浮かべる。
「秘密じゃ」
ーーー--
『BATTLE ENDED』
「えー。これで、一通りのバトルを終了します!勝利数が多い上位十六名を選抜するので、少々時間をください! 」
店員からの言葉を聞き、参加した人達は店内にあるガンプラやショーケースを物色し始めた。
「………………」
その間やることが無くなり、周囲をキョロキョロと見渡す。
…………どーしよ……。イチヨーさんはいなくなっちゃったし、ガンプラはマヒルがいないとよくわからないし、レイたちもいないからおしゃべりしてくれるひともいない…………。
一人でいるということを実感し、寂しさでいっぱいになる。
「………………あっ」
店内の壁際にある椅子に、アゲハを発見する。一人腕を組んで目を瞑っているようだった。
「…………ねてるのかな? 」
特にやることがないため、トコトコと近寄って確認してみる。
「……………」
人差し指で肩をつつくと、目を開けてこちらを睨んできた。
「…………なんだ? 」
「ひまだったから………」
「そうか。俺は暇じゃない。あっちに行ってろ」
シッシッと、追い払うような動作付きで言われた。
「なにしてたの? 」
しかし、本人は構わずに質問する。
「あっちに行ってろ」
「なに───」
「あっちに行ってろ」
言葉を遮って言われ、再び目を瞑る。
「……………なにしてたの? 」
隣に座り、挫けずもう一度質問する。しかし、無視決め込むのかもう反応を示さなくなった。
「…………ねえ」
「………………」
「むー………………アゲハは、なにしてたの? 」
「………………なぜ名前なのかは置いとくが、暇ならイチヨウさんの所に行ってろ」
「イチヨーさんは、どこかにいっていなくなっちゃった。ほかにしってるひともいなかったから、アゲハのところにきた」
「あの人はなにやってるんだ。子供みたいな奴はちゃんと見ないと駄目だろうに」
子供扱いされてしまい、若干むっときた。
「こどもじゃない」
「寂しがり屋の子供だ。現に、俺の所に来てる。鬱陶しいからあっちに行ってろ。そんなに寂しいなら、電話とかで仲間と話してろ」
「むー……………」
アゲハに言われてその方法に気づくも、悪口を言われたため、むくれながらもスマホを取り出す。そしてラインを開き、『ガンプラバトル部』のグループにグループ通話をかける。
すぐに繋がらなかったが、少しするとレイが通話に参加してきた。
『どうしたセシリア? 』
「…………ひまだったから、でんわした」
『暇って…………特訓はどうしたんだよ? 』
「ちょっとまってることになった」
『待ってる?指導してる人が今いねぇのか? 』
「ううん。たいかいにでて、いまはそのまちじかん」
『そっちも大会に出てんのか。調子はどうだ? 』
「だいじょうぶ…………レイは? 」
『あー…………まあ、俺はすぐにやられちまった。けど、やるべきことは掴んだ気がすんだ。セシリアも頑張れよ』
「うん…………ありがとう」
『あれ?セシリアさんにカグラ君。どうしたのよ? 』
「あっ、マヒル………」
レイとグループ通話をしていると、マヒルも入ってきた。
『セシリアが暇だから電話したんだってよ』
『そう。それより、二人共特訓ははかどってるの? 』
「…………まあまあ」
『それなりにだな。そう言うお前はどうなんだよ』
『私は…………まあ、よく分からなくなったわね』
「?マヒル……だいじょうぶ? 」
『ええ。一応大丈夫よ。そういえば、一つ驚いた事が分かったわ』
『なんだよ? 』
『ハルカゼコーチ…………結婚してたらしいわ』
『はあっ!?アイツがっ!? 』
「…………しらなかった」
『私を指導してくれる人がハルカゼで、本人からも結婚してるって言われたわ』
『嘘だろ!?なあサオトメ、ハルカゼの奴って結婚してたのか!? 』
レイを指導している人は、どうやらサオトメさんのようだ。電話越しでも、サオトメさんらしき声が聞こえた。
『トウイか?してるぞ』
『マジかよ!! 』
「…………けっこんしてたんだ」
『ええ…………私も動揺したわ』
『あんな奴を好きになるって、どんだけいい人なんだよ…………』
『私が話した限りじゃ、かなりいい人だったわよ。丁寧で優しいし、子供達の世話もしてるわ』
「こども…………? 」
『アマネ…………お前、どこで特訓してんだよ? 』
『………………保育園よ』
『明らかにガンプラ関係ねぇだろそこ!? 』
『私も疑ったわよ。けど、確かにここの保育園よ。ハルカゼコーチがなにを考えてるのか分からないわ…………』
「…………マヒル。ファイト」
『はあ…………先が思いやられるわ』
『大丈夫だアマネ。俺も今、ガンプラに関係なさそうな剣道場にいる。多分、他の皆もそういう関係の所にいる可能性もある』
「…………わたしは、いちばもけーてんにいる」
『『唯一まともな所だ(ね)』』
「えー!集計が終わりました!本選選抜者を発表するので、集まってください! 」
てーいんさんからのあつまるよーにいわれた。
「よばれたから、そろそろいく…………ふたりとも、がんばって」
『おう。セシリアもな』
『お互い頑張りましょう』
通話を切り、椅子から立ち上がってアゲハを方を見る。
「…………いこ? 」
「言われなくても行く」
ーーー--
無事本選に出場することができ、今は十六名がトーナメント表に名前を書かれている。
わたしとアゲハがぶつかるのは、じゅんけっしょう………………たぶん、これをみこしてイチヨーさんはたいかいにさんかさせたのかも。レイみたいに、わたしもアゲハとのバトルでなにかつかもう。
改めて気合いを入れ、大会に集中する。本選に出場しただけあり予選よりもレベルが高く、てこずった。だが、それでもきちんと勝利をおさめ、トーナメントを勝ち進んでいった。
それはもちろん、アゲハもだった。三連覇を果たしているというだけあり、その実力はかなり高い。
そして準決勝直前。イチヨウさんに呼ばれた。
「よくぞここまで勝ち進んだのう。じゃが、次はシンドウ君じゃ。今までのようにはいかん。というわけで、さっき言ってた助言じゃ。
お主は、自身の勘に頼って戦う傾向にある。それは悪い事じゃない。むしろいい事じゃ。じゃが、勘だけで勝てるほど、シンドウ君は甘くはない。
そこでじゃ。もう少し視野を広げてみるがいい。お主のその勘を、最大限に活かすのじゃ」
「 ??? 」
「分からぬか…………しかし、現段階でワシから言えることはここまで。あとはバトルの中で掴むのじゃ」
「?…………うん」
頷いて返事をし、バトルシステムに向かっていく。
しやをひろげる……………かんをさいだいげんにいかす…………まだよくわからないけど、バトルでつかむしかなさそう。
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