ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第八幕その六
「日本ではテレビや新聞とかに物凄く多いんだ」
「嫌なことだけれど」
「現実なのね」
「この沖縄でもそうだよ」
悲しいお顔になって思う先生でした、日本に来てこのことが嫌になる位にわかったのです。このことについてはイギリスよりも遥かに酷いとです。
そして先生は安座間さん、真喜志さんともお話をしました。お二人とお話することは何かといいますと。
「渡嘉敷島ですね」
「はい、今日はです」
「この島に行きます」
「そしてです」
「そのうえで」
「ハイをですね」
生成は応えました。
「クメジマハイではなく」
「普通のハイです」
「そのハイを探しに行きます」
「そして保護をしますので」
「つがいで十組」
会わせて二十匹をというのです。
「今日無理なら明日です」
「夕方まで行って本島に戻って」
「そうしていきますので」
「ヨットの中に蛇達を入れる水槽があります」
そこまで用意しているというのです。
「水槽は持って行きますし」
「島に着いたらすぐに森に入りましょう」
「ハイが発見された森まで」
「わかりました、ただ本当に問題は」
先生はここでも言いました。
「ハイにですね」
「出会えるかどうか」
「このことが問題です」
まさにというのです。
「本当に」
「沖縄の、しかも現地の人でも」
「見たことのない人がいる位なので」
実在さえ疑われた位です。
「見付けること自体が」
「難しいですね」
「まずはそこからですね」
「第一にして最大の難関でしょうか」
そこまでのものだというのです。
「これは」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
「一つやり方がありますが」
先生はここでこう安座間さんに言いました。
「僕に考えがあります」
「と、いいますと」
「はい、僕は動物の言葉がわかって」
そしてです。
「動物とお話が出来ます」
「そうでしたね」
「ですから」
「先生のその特技を使われて」
「ハイ達を探しましょう」
「渡嘉敷島の生きもの達とお話をして」
そうしてというのです。
「そのうえで」
「言われてみれば」
安座間さんも言われて気付きました、このやり方に。
「先生ならそのやり方が出来ますね」
「幸いにして」
「出来ることは何でもする」
「ですから」
それでというのです。
「そうしましょう」
「それでは」
「いや、助かります」
安座間さんは先生に笑顔でお話しました。
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