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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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未来へのミチシルベ 後編

『じゃあ、作動させるよ』

そう言うと、バトルシステムから粒子が散布される。いや、それだけじゃない。この空間一体に粒子が散布されている。

『あとは自動で始まるから、頑張ってね』

「ああ。わざわざありがとな」

バトルシステムから散布される粒子は、散布というより、噴出に近い量を放出していた。そしてその量は膨大となり、空間全体が粒子で一杯になる。
粒子は目が開けられないほどの輝きを放つ。

「っ………」

自動で始まると言っていたので、指示が来るまで目を瞑る。その間は少し長かったが、聞き覚えのある声が聞こえた気がした。

「…………へー。まるっきり同じだ。うん、これは素直に凄いな」

その声は気のせいではなく、ゆっくりと目を開け、声の主を見つめる。

「久しぶりだな…………」

「久しぶり、レイ。一週間ぶりだ」

「ああ…………」

今俺の目の前にいるのは、俺の夢の中で出てきた男だ。ソイツは本当に感心しているらしく、手をにぎっては開いてを繰り返している。

「…………単刀直入に聞かせてもらうぞ。お前は、俺の別人格ってわけだな? 」

「さあ?どうなんだろうね?けどまあ、あながち間違いじゃないと言えるかな? 」

「そうか………………じゃあ、これで確定したな」

「?なにが? 」

「お前の正体だよ。お前は俺の別人格()存在。けど、不可解な点が沢山あった。お前は俺の知らないことを知りすぎている。けど、肝心の俺の小せぇ頃の事は何も知らない。そこから推測した結果、この答えに辿り着いた。

お前は、俺の心臓のドナーなんだろ?レイエン ユキヤ。そして、臓器移植は本来の持ち主の性格が反映されやすく、そこに解離性同一障害が重なった。その結果、お前が出てきたってわけだ」

「へー?さすがレイ。情報が集まればすぐに答えを出せるね。そうだよ。僕はレイエン ユキヤ。レイの心臓の持ち主だ。そして、精神病により確立された人格だ」

「やっぱりな。薄々分かってた」

「けど、だからと言って何かが変わる?いいや変わらない。知ったところでどうにもならない。治ることも無いに等しい。
それに、これから僕達は戦うんだ。どっちが主にふさわしいか、殺し合いに近いバトルを」

その言葉には、言葉通りに殺気がこもっていた。だが、臆することなく答える。

「なら、ここでお前を倒せば、お前はもう邪魔をしないわけだな? 」

「それが出来るならね。けど、その前にレイの精神を潰すよ。あっ、それと、僕の事はお前とかじゃなく、ユキヤと呼んでよ。名字は大っ嫌いだからさ。あのロリコンと同じ理由じゃなく、真面目な理由で」

「…………分かった」

「よし。じゃあ始めよう、レイ。君の最後のバトルだ。悔いのないようにするんだね」

「いいや、最後にしねぇよ。俺の、俺の未来のためにも、ユキヤ。お前を倒す」

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

フィールドは、荒れ果てた平地の荒野だが、地面からはプラフスキー粒子が所々から漏れ出ていた。

『Please Set Your GUNPLA』


力を貸してくれ…………アルケオニスガンダム!


『BATTLE START』

「カグラ レイ!アルケオニスガンダム!やるぞ!! 」

フィールドへ飛び立った瞬間、既に目の前には黒いアルケオニスガンダムが迫っていた。

「っ!? 」

勢いをつけた放たれた回し蹴りをシールドで受けるも、地面へと蹴り飛ばされる。そこに追撃をかけるように、バスターライフル改で砲撃してきた。

「ぐぅっ…………! 」

シールドで砲撃を防いだが、勢いを殺すことが出来ず地面に不時着する。だが、ユキヤは攻撃の手を緩めることはなく、次々と砲撃してきた。

「くそっ! 」

スザクモードに変形し、紙一重のところで砲撃を回避する。そのまま低空飛行から上空へと舞い上がり、MS形態に変形してバスターライフル改で砲撃する。

砲撃は回避され、バスターライフル改で砲撃しつつ距離を詰めてきた。こちらも砲撃を回避し、バスターライフル改からビームサーベルを発生させて黒いアルケオニスガンダムに接近する。





ーーー--





「さて。始まったところだし、あとは任せたよウスイ君」

「分かりました」

「え?どこに行くんスか? 」

急に部屋から出ていこうとするハルカゼコーチに疑問を思い、聞いてみる。

「不確定要素の除去。行くよヒロヤ君」

「分かってる」

「サオトメさんも行くんですか? 」

「コイツだけじゃ頼りないからな」

「アハハハハ。ま、何かあったらウスイ君を通して呼んでよ」

それだけ言い残し、ハルカゼコーチとサオトメさんは部屋から出ていった。





ーーー--





「説明しなくてよかったのか? 」

「いいのいいの。何かあったら大変だしね」

「じゃあアイツらが不安になるような単語を出すなよ」

────不確定要素の除去────

「アハハハハ。確かにね。けど、実際見られるんだから、遅いか早いかの問題だよ」

「たくっ…………付き合わされるこっちの身にもなれ。それと、さっさと不確定要素について説明しろ」

「了解。不確定要素のその一、プラフスキー粒子の結晶化。空間に散布される粒子濃度が異常に高いし、結晶化が起きてもおかしくない。だから、僕達は結晶化が起きた際に、皆に危険が及ばないように破壊しに行く」

ある部屋の中に入り、電気を付ける。

「お前、本当に危険な実験するなよ。責任取れるのか? 」

「そうならないための行動だよ。それに、これはレイ君達の未来のためだよ」

「あんまりかっこよく言えてないからな」

「アハハハハ。さて、じゃあ不確定要素のその二。人体への影響。基本的プラフスキー粒子はこれといった毒性は無いけど、あれだけの濃度だとちょっと分かんないかな」

トウイは白衣を脱ぎ捨て、GPベースとガンプラを取り出す。そして、壁際にあるバトルシステムの前に立つ。

「害悪は無いと思うけどな。もしあるなら、昔起きたアリスタ事件で何人か起きてもおかしくない」

その隣に立ち、俺もGPベースとガンプラを用意する

「そうだね。じゃあ、最後の不確定要素」

二人してGPベースとガンプラをバトルシステムにセットし、コンソールに手をかける。

「最近起きてる、遠隔操作によるバトルの乱入。さて、じゃあ僕達大人はそれらを止めに行きますか」

「大人はマジで辛いなおい…………」

「アハハハハ。まっ、行こうか。ハルカゼ トウイ!アストライアフリーダム!!行きます!! 」

「たくっ…………サオトメ ヒロヤ!アウローラガンダム!!出る!! 」

コンソールを前に出し、バトルシステムの先にある小さな穴にめがけて、機体を潜らせていく。

 
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