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Blue Rose

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第三十四話 ハウステンボスでその六

「それで何か解決するか」
「暴力で」
「しないだろ」
「そうよね」
「人間無茶苦茶な暴力の前には何も出来ないさ」
 無抵抗になる、それを受けるか見て抵抗する意志を失うからだ。
「けれどな」
「そうした暴力を振るう人は最低で」
「そんなことする奴は何時か絶対にだよ」
「報いを受けるわね」
「因果応報ってあるんだよ」
 絶対にとだ、クラッカーを食べつつ優花に言い切った。
「それはな」
「悪いことをしたら報いがある」
「絶対にな、だからな」
「その先生も何時かは」
「報いを受けるさ、けれどな」
「その被害者に私がなったらいけないってことね」
「近寄るなよ」
 くれぐれもという口調でだ、また忠告した龍馬だった。
「本当にな」
「そうするわね」 
 優花も真剣な顔で頷いて答えた。
「さもないと嫌なことになるから」
「そうだよ、若しそうなりそうだったら」
「龍馬が」
「神戸から飛んで来てやる」
 この長崎までというのだ。
「それで御前に何もさせないさ」
「有り難う」
 龍馬のその言葉を心を受け取ってだ、優花は素直にお礼を言った。
「本当に」
「いいさ、お礼は」
「そうなの」
「俺はそうしたいだけだからな」
 優花を守りたい、ただそれだけだというのだ。
「けれど本当にやるからな」
「その時は」
「ああ、そうするからな」
「神戸から来てくれるのね」
「ここまでな」
 長崎までというのだ。
「飛んででもな」
「翼があればいいわね」
「全くだよ、そうしたらな」
「一瞬で来られるわね」
 神戸から長崎までというのだ。
「私にしても」
「人間でもな」
「ええ、けれどそれはね」
「やっぱりな、人間だからな」
 笑って言う龍馬だった。
「それは無理だからな」
「電車で、よね」
「来るからな」
 現実は、というのだ。
「今だってそうだしそうしたものがなくてもな」
「来てくれるの」
「ああ、友達は見捨てるな」
 絶対にとだ、龍馬は言った。
「祖父ちゃんに言われたからな」
「龍馬の考えでもあるわね」
「ああ、裏切ったらな」
 それこそというのだ。
「裏切られた人間はそのことを絶対に忘れない」
「それで恨むから」
「恨まれるなんて御免だしな」
 それにというのだ。
「裏切るとか助けに行かないとかな」
「男らしくないっていうのね」
「俺は男だとか女とかいう言葉は嫌いだよ」
 俗に御前はそれでも男か、といった言葉を言う者はいるが龍馬はそうではない。
「男か女かじゃなくてな」
「人として?」
「ああ、人としてだよ」
 それこそというのだ。
「間違ってるからな」
「それでなのね」
「俺はそうしたことはしないさ」
 絶対にというのだ。 
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