| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第39話 立ちはだかるもの

Side 地球軍月基地

オペレータA
「ホーンブロワーは第7軌道にて待機。」

オペレータB
「スターリング、ヴェーゲナー、ベックウィズは第2軌道に移動せよ。」

オペレータC
「第8空母群、加速3.7ポイントでホレイシオウと合流して下さい。」

オペレータD
「第4補給班到着、定刻より10秒遅れです。」

オペレータE
「軌道を上げろマグナム!第51戦闘群が発進するぞ。」

Sideout



Side ドミニオン艦長

ドミニオンCIC要員A
「センサーに感!距離500、オレンジ14、マーク233アルファ、大型の熱量接近しつつあり!戦艦クラスと思われます。」

ドミニオン艦長
「対艦、対モビルスーツ戦闘用意。面舵10、艦首下げ、ピッチ角15、イーゲルシュテルン起動、
バリアント照準敵戦艦、ミサイル発射管、1番から4番コリントス装填、バリアント、てぇ!」

ドミニオンCIC要員A、B
「「あぁ…」」

ドミニオン艦長
「何をやっているか、貴様等!対応が遅すぎる!これでは初陣で沈められるぞ!分かっているのか?」

ドミニオン通信士
「艦長、艦隊司令部より通信です。」

ドミニオン艦長
「ん?」

ホフマン大佐
「すまんな、気合いの入っているところを。」

ドミニオン艦長
「いえ。」

ホフマン大佐
「紹介する。こちらは国防産業連合理事のムルタ・アズラエル氏だ。君もお名前くらいは聞いているだろう。」

ドミニオン艦長
「は!」

ホフマン大佐
「この艦に配備される、3機の最新鋭モビルスーツのオブザーバーとして、共に乗艦する。頼むぞ。」

ドミニオン艦長
「は!」

アズラエル
「よろしく、艦長さん。」

ホフマン大佐
「私も戦闘ではこの艦で指揮します。」

アズラエル
「宜しく、ホフマン大佐。」

ホフマン大佐
「は!光栄です。」

Sideout



Side ラウ・ル・クルーゼ

ヴェサリウスオペレータ
「ヤキン・ドゥーエの追跡データから割り出した、エターナルの予測進路です。」

アデス
「L4コロニー群ですか、やはり。」

クルーゼ
「ふ。」

アデス
「困ったものですな、あれには。妙な連中が根城にしたり、今度のように使われたりで。」

クルーゼ
「クライン派がさほどの規模とも思えんが、厭戦気分(えんせんきぶん)と言うやつからかな。
軍内部もだいぶ切り崩されていたようだ。何が出るやら、だな。」

アデス
「バルトフェルド隊長には私もお会いしたことがありますが、よもや彼だとは…。」

クルーゼ
「口の上手い陽気な男さ。ザラ議長もまんまとそれに一杯食わされたのだろう。奇跡の生還のヒーローだしな。」

アデス
「そのとばっちりを受ける我々は堪りませんよ。」

クルーゼ
「ふ。仕方なかろう。物事はそうそう頭の中で引いた図面通りにはいかぬものさ。
ましてや人が胸の裡に秘めた思惑など、容易に解るものではない。」

イザーク
「ふ。」

クルーゼ
「今度出会えばアスランは敵だぞ?」

イザーク、ディアッカ、ニコル
「…」

クルーゼ
「討てるかな?」

イザーク
「…無論です!裏切り者など!」

ニコル
「…」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

光輝
「ここを拠点にしよう。」

バルトフェルド
「こいつは確か、開戦前にバイオハザードを起こして破棄されたコロニーだろ?」

フラガ
「ああ、このメンデルの事故はオレも記憶にある。けっこうな騒ぎだった。
でもま、とりあえず陣取るにはいいんじゃないの?」

ラクス
「当面の問題はやはり月でしょうか?現在地球軍は修復したパナマから次々と部隊を送ってきていると聞いています。」

マリュー
「プラント総攻撃というつもりなのかしらね?」

光輝
「それもあるだろうが、地上でモビルスーツ運用が難しいと言うのと、
ある程度実績を上げないと、立場が危ない連中が上にいるからな。
それなら明確な戦果をとプラントを狙ってもおかしくない。」

バルトフェルド
「元々それがやりたくて仕方ない連中がいっぱい居るようだからな。青き清浄なる世界の為に。」

マリュー
「…」

フラガ
「よせよ!」

バルトフェルド
「ふ、僕が言ってるわけじゃないよ。」

フラガ
「ま、事実だけどな。」

バルトフェルド
「なんでコーディネイターを討つのが、青き清浄なる世界の為なんだか。
そもそも、その青き清浄なる世界ってのが何なんだか知らんが、
プラントとしちゃあそんな訳の分からん理由で討たれるのは堪らんさ。
しかし、プラントもナチュラルなんか既に邪魔者だっていう風潮だしな。
当然防戦し反撃に出る。二度とそんなことのないようにってね。それがどこまで続くんだか。」

マリュー
「酷い時代よね。」

フラガ
「ああ。」

ラクス
「でもそうしてしまうのも、また止めるのも私達、人なのです。
いつの時代も、私達と同じ想いの人も沢山居るのです。創りたいと思いますわね、そうでない時代を。」

キラ
「うん。」

光輝
「そうだ、そしてそれはミスリルではいけない。与えられた平和は長く続かない。
それと人を裁くのまた人である。」

Sideout



Side アスラン・ザラ

カガリ
「こんなとこに居たのかよ。」

アスラン
「あ…。」

カガリ
「お前、頭ハツカネズミになってないか?」

アスラン
「え?」

カガリ
「一人でグルグル考えてたって同じってことさ。」

アスラン
「…」

カガリ
「だからみんなで話すんだろ?そういう特はちゃんと来いよな。」

アスラン
「ぁ…すまない。」

カガリ
「アスラン…。」

アスラン
「俺は何も出来ない。何も解ってなかったと…。」

カガリ
「ぁ…そんなの、みんな同じさ!解った気になってる方がおかしい!」

アスラン
「カガリ?」

カガリ
「だからこんなところで一人ウジウジしてないでな…ぁ!…ぁ…」

アスランはカガリに抱きついた。

アスラン
「…ごめん。」

カガリ
「ご、ごめんて…お前…」

アスラン
「いや…だから…ごめん…」

Sideout



Side ホフマン大佐

アズラエル
「あとどのくらいですかね、L4は。」

ホフマン
「間もなくです。その、何の根拠もなくL4へ向かうというのは。」

アズラエル
「僕の情報は確かですよ。それが根拠だ。別に何の根拠もない訳じゃあない。」

ホフマン
「しかし、プラントからの情報など罠かも知れません。」

アズラエル
「フリーダム、ジャスティス。それが例の2機のコードネーム。
そいつ絡みでナスカ級が3隻、L4へ向かっているっていうんです。」

ホフマン
「流石ですな、アズラエル理事。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

バルトフェルド
「弾薬や物資は突っ込めるだけ持ってきてはある。
その後の補給ルートも、ミスリルが繋げてくれる手はずになってるからな。」

ラクス
「艦の最終調整はあとどのくらいかかりますか?そう、なるべく急いで下さいね。」

マリュー
「エターナルが専用運用艦だというのなら、フリーダムとジャスティスはそちらへ配備した方がいいでしょうね。
こちらはストライクとデュエル、バスター、ブリッツで。」

光輝
「いや、エターナルは調整中だ。トゥアハー・デ・ダナンに配備した方がいい。」

キラ
「分かりました。では僕とアスランは向こうへ移乗します。」

Sideout



Side ムルタ・アズラエル

ドミニオンオペレータ
「コロニーメンデル。港内に戦艦の艦影4です。うち1隻をアークエンジェルと確認!」

アズラエル
「どうやら我々の方が早かったようですね。これはラッキー。
さ、じゃぁ始めて下さい。(ふね)は沈めちゃって構いません。
僕が欲しいのは例の2機のモビルスーツとミスリルのバルキリーなんで。こっちも発進準備だ。今日こそちゃんと仕事をさせないと。」

ホフマン大佐
「はぁ…。本艦隊はこれより、戦闘を開始する。」

ドミニオン艦長
「イーゲルシュテルン、バリアント起動。ミサイル発射管全門スレッジハマー装填。
ローエングリン照準。目標、アークエンジェル級1番艦…アークエンジェル。」

ドミニオンCIC要員A
「オレンジデルタよりミサイル急速に接近!」

ドミニオン艦長
「回避!」

ドミニオンCIC要員B
「間に合いません!」

ドミニオンブリッジクルー達
「「うわー!」」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

ルリ
「地球軍第7機動艦隊、感知。ミサイル攻撃を受けています。」

ノイマン
「う!」

マリュー
「え?」

光輝
「敵はミスリル艦が1隻と思い込んでいる。」

ルリ
「距離700。オレンジ11、マーク18アルファ、ライブラリ照合、不明艦1、アガメムノン級1、ドレイク級3です。」

マリュー
「総員、第一戦闘配備!」

ナタル
「総員、第一戦闘配備!繰り返す、総員、第一戦闘配備!」

マリュー
「アークエンジェル発進!港の外へ出る!」

キサカ
『ラミアス艦長。』

マリュー
「クサナギの状況は?」

キサカ
『出られる。大丈夫だ。』

バルトフェルド
『エターナルはまだ最終調整が完了していない。』

マリュー
「分かりました。では港の中で待機を。敵は連合軍第7機動艦隊です。」

バルトフェルド
『解った、すまん。』

ナタル
「イーゲルシュテルン、バリアント起動。艦尾ミサイル発射管全門装填。」

Sideout



Side ムルタ・アズラエル

ドミニオン艦長
「敵影は?」

ドミニオンCIC要員A
「ありません。」

アズラエル
「ん?」

ホフマン大佐
「各艦モビルスーツの発進、急がせ!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

ルリ
「艦長、敵艦の光学映像です。」

マリュー
「アークエンジェル!?」

ノイマン
「同型艦か…。」

光輝
「あれがアークエンジェル級2番艦、ドミニオンだ。」

Sideout



Side ムルタ・アズラエル

アズラエル
「カラミティ、フォビドゥン、レイダー発進です。
不沈艦アークエンジェル、今日こそ沈めて差し上げる。」

ドミニオンCIC要員B
「進路クリアー、131発進よろし。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

ルリ
「ドミニオンより、モビルスーツの発進を確認しました。」

マリュー
「モビルスーツ発進!」

ルリ
「ストライク、発進どうぞ。」

フラガ
「いくぜ!」

マリュー
「モビルスーツはアークエンジェルの援護を!」

マリュー
「デブリに気を付けて!」

ノイマン
「解ってます!」

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

カガリ
「出港後、最大戦速!アークエンジェルの左舷に付く!」

Sideout



Side ムルタ・アズラエル

ドミニオンCIC要員A
「アークエンジェル、及び不明艦2、前進してきます。進路グリーン94、マーク3、ブラボー。」

ドミニオンCIC要員B
「カラミティ、フォビドゥン、レイダーのエネルギーが急速減っています。」

アズラエル
「なに!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

ルリ
「敵カラミティ、フォビドゥン、レイダーの足が止まりました。」

マリュー、ナタル
「え!」

光輝
「トランスフェイズ装甲の欠点を突いた。ナタル、トランスフェイズ装甲の特徴は?」

ナタル
「通常装甲とフェイズシフト装甲を重ね合わせた二重装甲となっています。
通常装甲には着弾を感知するセンサーが搭載され、そのセンサーに反応して内側のフェイズシフト装甲が展開されるという構造になっており、常時の電力供給が必要無く、必要時のみフェイズシフトの展開が行われます。
よって、フェイズシフト装甲よりエネルギー消費が抑えられます。」

光輝
「その通りだ。通常ならエネルギーが抑えられる。
ただ、感知するセンサーが敏感なのだ。センサーを敏感に作らないと着弾時にフェイズシフト装甲が展開が間に合わない。
これに対応して定期的振動波を発生させる、吸着版を多数内蔵したミサイルを開発した。といっても、アフリカでの作戦の応用だ。
頻繁に振動波が来るので、フェイズシフト装甲を展開、解除を繰り返す。」

マリュー
「分かったわ。そうなると、フェイズシフト装甲を常時展開するよりもエネルギー消費が多い訳ね。」

光輝
「正解だ。間もなくフェイズシフトダウンを起こし、ライフルも使えなくなる。」

ナタル
「それだと、ストライクダガーより弱いですね。」

マリュー
「コウキさんらしい、相手の弱点を突いた武器よね。」

光輝
「フェイズシフトダウンを起こすと、吸着版は剥がれて自壊する。
地球軍は原因も分からない。今頃、混乱している筈さ。」

Sideout



Side ムルタ・アズラエル

ドミニオンCIC要員B
「カラミティ、フォビドゥン、レイダーフェイズシフトダウン。」

アズラエル
「え!」

ホフマン大佐
「アズラエル理事?」

ドミニオン艦長
「一時撤退する。」

Sideout



Side ラウ・ル・クルーゼ

クルーゼ
「さてと、どうしたものかな。既に幕が上がっているとはね。」

アデス
「エターナルの他に3隻。一つは足つきですが…。地球軍側は艦隊のようですな。」

クルーゼ
「ともあれこう状況が解らぬのでは、手の打ちようがない。
私とイザーク達でコロニー内部から潜入し、まずは情報収集にあたる。」

アデス
「隊長自らですか?」

クルーゼ
「ヘルダーリンとホイジンガーはここを動くなよ。コロニーメンデル。
上手く立ち回ればいろいろなことに片が付く。いいな!」

アデス
「は!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「ドミニオンは?」

光輝
「そろそろ、一時撤退する。」

ナタル
「最新モビルスーツがあれでわ。」

Sideout



Side ラウ・ル・クルーゼ

クルーゼ
「いいかなイザーク達、行くぞ。」

イザーク、ディアッカ、ニコル
「「はい!」」

Sideout



Side ムウ・ラ・フラガ

フラガ
「この感じ、まさか?」

デュエルパイロット
「フラガ少佐!」

フラガ
「ザフトが居る!」

デュエルパイロット、バスターパイロット、ブリッツパイロット
「「え?」」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

光輝
「さて私も出撃しよう。コロニーメンデル。
上手く立ち回ればいろいろなことに片が付く。
ラウ・ル・クルーゼ、お前のシナリオじゃない。
ミスリルのシナリオだ。」

マリュー
「え?」

Sideout

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧