エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )
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第38話 ラクス出撃?
Side キラ・ヤマト
アスラン
「戻らなかったら、フラガ少佐にジャスティスを使ってもらってくれ。」
カガリ
「ちょっと待てお前、アスラン!なにお前、どうして?」
アスラン
「…カガリ…。」
カガリ
「なんでプラントなんかに戻るんだよ!」
アスラン
「ごめん。」
カガリ
「ごめんじゃないだろ?だってお前、あれ、置いて戻ったりしたら…」
アスラン
「ジャスティスはここにあった方がいい。どうにもならない時は、キラがちゃんとしてくれる。」
カガリ
「そういうことじゃない!」
アスラン
「でも…俺は、行かなくちゃ。」
カガリ
「アスラン!」
アスラン
「このままには…できないんだ…俺は。」
キラ
「カガリ。」
カガリ
「キラ…」
キラ
「コウキさんの作戦なんだ。」
カガリ
「ぁ…」
アスラン
「…」
キラ
「フリーダム、シャトル護衛のため、発進します。」
マリュー
「分かったわ。気を付けて。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
ラクス
『私達は何処へ行きたかったのでしょうか?何が欲しかったのでしょうか?
戦場で今日も愛する人達が死んでいきます。
私達は一体いつまで、こんな悲しみの中で過ごさなくてはならないのでしょうか?
戦いを終わらせることが…』
ザラ
『ラクス・クラインの言葉に惑わされてはなりません。
彼女はミスリルと通じ、軍の重要機密を売り渡した反逆者なのです。
戦いなど誰も望みません。
だが、では何故このような事態となったのでしょうか?
思い出していただきたい。
自らが生み出したものでありながら、進化したその能力を妬んだナチュラル達が、
我等コーディネイターへ行ってきた迫害の数々を!
にもかかわらず、我等の生み出した技術は強欲に欲し、
創設母体であるプラント理事国家から連綿と送りつけられてきた、身勝手で理不尽な要求の数々を。
それに反旗を翻した我々に、答えとして放たれた、ユニウス7へのあの一発の核ミサイルを!
この戦争、我々はなんとしても勝利せねばならないのです!
敗北すれば、過去より尚暗い未来しかありません。』
ラクス
『地球の人々と私達は同胞です。
コーディネイターは決して進化した違うものではないのです。
婚姻統制を行っても尚、生まれてこぬ子供達。既に未来を創れぬ私達の、どこが進化した種だと言うのでしょうか?』
ザラ
『悪意に満ちた情報に惑わされてはなりません。
我等はもはや、ナチュラルとは違う新たな一つの種なのです。
現状を抱える様々な問題も、いずれは我々の叡知が必ず解決する。』
ラクス
『戦いを止め、道を探しましょう。
求めたものは何だったのでしょう。幸福とは何でしょうか?
このように戦いの日々を送ることこそ、愛する人々を失っても尚、
戦い続けるその未来に、間違いなく待つものなのでしょうか?』
ザラ
『苦しくとも今を戦い、そして平和で輝かしい…』
クルーゼはモニターの電源を切った。
クルーゼ
「ラクス・クラインには、議長もだいぶ手を焼いておいでのようだな。
よもやそれで我等に帰国命令が出たわけでもなかろうが。」
イザーク
「しかし、私には信じられません、彼女が反逆者などと…。」
クルーゼ
「そう思う者が居るからこそ、彼女を使うのだよ、クライン派は。
君達までがそんなことでどうするね。様々な人間の思惑が絡み合うのが戦争だ。
何と戦わねばならぬのか、見誤るなよ。」
Sideout
Side 相良宗介
宗助
「ウルズ2応答せよ、こちらウルズ6。」
クルツ
『こちらウルズ6、どうした。』
宗助
「クルーゼが入店、以降監視する。」
バーラウンジのモニターにエザリア・ジュールの演説が映っていた。
エザリア・ジュール
『ラクス・クラインは利用されているだけなのです!その平和を願う心を。
そこのことも私達は知っています。だから私達は、彼女を救いたい。
彼女までをも騙し、利用しよとするナチュラル共の手から。
その為にも、情報を、手掛かりを、どうか彼女を愛する人々よ。…』
宗助
「ウルズ2応答せよ、こちらウルズ6。」
クルツ
『こちらウルズ6。』
宗助
「クルーゼが諜報員と接触、データディスクを受け取って、店の外に出た。
これより、尾行に移る。」
クルツ
『了解、こちらでも確認した。』
Sideout
Side パトリック・ザラ
ザラ
「ああそうだ。クルーゼが情報を持ち帰った。
何故フリーダムがオーブに渡ったのかなど分からんよ。
アスランが何か掴んだかもしれんが、あのバカめ、報告一つ寄こさん。」
バルトフェルド
「極秘で命じられた任務でありましょう?迂闊な通信も、情報漏洩の元ですからな。」
ザラ
「調子に乗ったナチュラル共が、次々と月に上がってきておる。
こんどこそ叩き潰さねばならんのだ。徹底的にな。」
バルトフェルド
「解っております。存分に働かせてもらいますよ。
俺の様な者に、再び生きる場を与えて下さった議長閣下の為にも。」
Sideout
Side イザーク・ジュール
イザーク
「これが新型のゲイツか?」
整備員
「ぁ!ええ、MMIの最新鋭主力機です。今こいつがどんどんラインに乗ってますからねぇ。
配備が進めば、ナチュラル共なんかあっという間に宇宙から居なくなるんでしょう?」
イザーク
「…」
整備員
「頼みますよ!…ぇ?」
イザーク
「…ふん。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「ほぉ。」
(Nジャマー・キャンセラー。これはまた…)
Sideout
Side ラクス・クライン
ハロ
「テヤンデイ!」
ラクス
「御苦労様です。どうですか?街は。」
ダコスタ
「上手くないですねぇ。エザリア・ジュールの演説で、市民はかなり困惑しています。」
ハロ
「テヤンデイ!」
ラクス
「…そうですか。」
ダコスタ
「シーゲル様のことも、まだ公表されてませんから。」
クライン派一同
「ぇぇ…」
「ぁぁ…」
ラクス
「では…」
ダコスタ
「はい、動かれた方がいいだろうと。」
ラクス
「分かりました。時なのでしょうね、私達も行かねばならない。」
ハロ
「ミトメタクナイ!」
Sideout
Side アスラン・ザラ
アスラン
「キラ!」
キラ
「うん?」
アスラン
「そろそろヤキン・ドゥーエの防衛網に引っかかる。」
キラ
「分かった。じゃぁこの辺で待機する。」
アスラン
「ああ、頼む。」
キラ
「アスラン。」
アスラン
「ん?」
キラ
「君はまだ死ねない。」
アスラン
「ぁ!」
キラ
「解ってるよね?」
アスラン
「キラ…」
キラ
「君も、僕も、まだ死ねないんだ。」
アスラン
「まだ…」
キラ
「うん。まだ。」
アスラン
「分かった。覚えておく。」
キラ
「忘れないで。」
アスラン
「こちら国防委員会直属、特務隊、アスラン・ザラ。認識番号285002。ヤキン・ドゥーエ防衛軍、応答願う。」
Sideout
Side パトリック・ザラ
ザラ
「ナチュラル共め…なんだ!」
オペレータ
「特務隊、アスラン・ザラが、単身地球軍のものと思しきシャトルにて、ヤキン・ドゥーエへ帰投致しました。」
ザラ
「なに?地球軍のシャトルだと!?」
オペレータ
「事態が事態ですので、身柄を拘束しておりますが…。」
ザラ
「すぐここへ寄こせ!」
警備兵
「失礼します!」
ザラ
「アスラン。」
アスラン
「父上。」
ザラ
「お前達はよい。」
警備兵達
「「は!」」
ザラ
「どういうことだ。何があった!ジャスティスは?フリーダムはどうした!?…」
光輝
「カット!
アスラン、これに着替えてくれ。」
ザラ
「ここまで…必要か?」
光輝
「情報はどこから漏れるか分かりませんから。
銃をお借りできますか?」
ザラ
「これだ。」
光輝はサイレンサーを付けて壁に銃弾を撃ち込む。
アスラン
「着替えました。」
光輝
「それは防弾スーツに血のりを仕込んでいる。
そのスーツの上に制服を着るんだ。」
アスラン
「はい。」
光輝
「銃をお返しします。
銃には空薬莢が入っています。
それでは銃を構えるところから再開して下さい。
後は手筈通りにお願いします。」
ザラ
「…ハァ、分かった。」
ザラは銃をスライドを引いて空薬莢を装填した。
ザラ
「答えぬと言うなら、お前も反逆者として捕らえるぞ!?」
アスラン
「…」
ザラ
「アスラン!」
アスラン
「く…」
ザラは警備兵を呼んだ。
ザラ
「アスラン!」
アスラン
「ぅぅ…うおぉーー!」
ザラ
「あぁ?」
アスラン
「てやぁー!うっ!」
ザラが発砲した。
光輝はタイミングを合わせて服に装着している火薬に点火する。
ザラ
「殺すな!これにはまだ訊かねばならんことがある。」
警備兵達
「は!」
ザラ
「連れて行け!ジャスティス、フリーダムの所在を吐かせるのだ。多少手荒でも構わん!」
アスラン
「ぅぅ…」
ザラ
「見損なったぞ、アスラン。」
アスラン
「…俺もです。」
Sideout
議長室の前の廊下の人達がひそひそと話し合っている。
Side アスラン・ザラ
警備兵A
「乗れ!おい!」
アスラン
「くっ…」
アスランは警備兵をなぎ倒した。
警備兵A
「うわっ!」
アスラン
「てぃ!」
ダコスタ
「あぁ?」
警備兵B
「あっ止まれ!」
ダコスタ
「えい!」
警備兵B
「うわぁ!」
アスラン
「てっ…はぁ…」
ダコスタ
「何だってんだもぅ!」
公安員
「待て!うお!」
ダコスタ
「えい!こっちへ!」
アスラン
「ハァハァハァ…」
ダコスタ
「背中をこっちに向けて下さい、手錠を撃ちます!」
アスラン
「ハァハァハァ…」
ダコスタ
「無茶な人ですねぇ、あんたも。死ぬ気ですか?こっちのメンバーも一人蹴倒しちゃって…。」
アスラン
「君等は?」
ダコスタ
「所謂クライン派って奴ですよ。もう段取りが滅茶苦茶だ。」
アスラン
「ぁぁすまない。知らなかったんで…」
ダコスタ
「そりゃぁそうでしょうけどねぇ…」
クライン派兵士A
「ダコスタ!早く!」
ダコスタ
「行きますよ!」
アスラン
「ぇぃ…」
Sideout
Side アンドリュー・バルトフェルド
バルトフェルド
「さてと、あー本艦はこれより、最終準備に入る。
いいかぁ、本艦はこれより最終準備に入る。作業にかかれ!」
ザフト兵A
「あぁ!?」
ザフト兵B
「ちょっと?…」
ザフト兵C
「貴様等…」
ザフト兵D
「どういうことだ!」
クライン派兵士B
「ただ降りてくれればいいんだよ!」
Sideout
Side ラクス・クライン
ハロ
「アカンデー!」
ラクス
「シィー。駄目ですよ、ピンクちゃん。寝てなさい。」
ハロ
「ア…」
Sideout
Side パトリック・ザラ
ザラ
「なんだと!?逃げられたで済むと思うか馬鹿者!すぐ全市に緊急手配しろ。
港口封鎖、軍にも警報を出せ。あれを逃がしてはならん!アスランめ!」
Sideout
Side アスラン・ザラ
ダコスタ
「ええい、急がないと!」
Sideout
Side ラクス・クライン
ラクス
「お待たせ致しました。」
バルトフェルド
「いえいえー、御無事で何より。では、行きましょか?」
ラクス
「はい!」
ハロ
「マイド!マイド!」
エターナルオペレータA
「出航プランCをロード。強行サブルーチン、1920、オンライン。」
エターナルオペレータB
「ロジックアレイ通過、セキュリティ解除確認。オールシステムズ、ゴー!」
ザフト軍管制員
『おい、何をしている?貴艦に発進命令など出てはいないぞ!』
ハロ
「テヤンデー!」
ザフト軍管制員
『どうしたのだ、バルトフェルド隊長?応答せよ!…ぅ…』
エターナルオペレータA
「メインゲートの管制システム、コード変更されました。」
バルトフェルド
「チィ!優秀だねぇ。そのままにしてくれりゃぁいいものを。
ちょっと、荒っぽい出発になりますなぁ。覚悟して下さぁい。」
ラクス
「仕方がありませんわね、私達は行かねばならないのですから。」
バルトフェルド
「主砲、発射準備!照準メインゲート!発進と同時に斉射!」
エターナルオペレータA
「主砲発射準備、照準、メインゲート!」
ラクス
「エターナル、発進して下さい!」
ザフト軍管制員A
『何をするエターナル?艦を停めろ!』
ザフト軍管制員B
『本部へアラート発令!』
バルトフェルド
「てぇ!
ダコスタは?」
ダコスタ
『ええぇい!
隊長!』
アスラン
『あぁ!?』
バルトフェルド
「ダコスタは後部ハッチへ!機体収容後推力最大!こいつは速い!振り切るぞ!」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「何だと!?エターナルが?アスランも?…ふ…」
ヴェサリウスオペレータ
「追撃命令が出ていますが…」
クルーゼ
「このヴェサリウスでも今から追ってあの速度に追い付けるものか。
ヤキンの防衛軍に任せるしかなかろう。」
ヴェサリウスオペレータ
「はぁ…」
クルーゼ
(しかし傑作だな。ザラ議長殿。)
Sideout
Side エターナル
ジンパイロットA
「ああ!」
ジンパイロットB
「は、速い!」
ラクス
「アスラン、大丈夫ですか?」
アスラン
「ラクス!ぁ…ぁぁ…」
バルトフェルド
「よぉ!初めまして。ようこそ歌姫の船へ。アンドリュー・バルトフェルドだ。」
アスラン
「…ぁぁ…」
ラクス
「うふ。」
キラ
「ぁ!」
ダコスタ
「前方にモビルスーツ部隊!数50!」
バルトフェルド
「ヤキンの部隊か?ま、出てくるだろうな。主砲発射準備!CIWS作動!」
アスラン
「この艦にモビルスーツは?」
バルトフェルド
「あいにく出払っててねぇ。こいつは、ジャスティスとフリーダム専用運用艦なんだ。」
アスラン
「ぁぁ…」
ラクス
「全チャンネルで通信回線を開いて下さい。」
アスラン
「ラクス?」
バルトフェルド
「了解。」
ラクス
「私はラクス・クラインです。
願う未来の違いから、私達はザラ議長と敵対する者となってしまいましたが、私はあなた方との戦闘を望みません。」
ジンパイロットC
「ん?」
ラクス
「どうか船を行かせて下さい。
そして皆さんももう一度、私達が本当に戦わなければならぬのは何なのか、考えてみて下さい。」
ジンパイロットD
「隊長!」
ジンパイロットE
「ええい、惑わされるな!我々は攻撃命令を受けているのだぞ!」
バルトフェルド
「難しいよなぁ、いきなりそう言われたって。んー…迎撃開始!」
ラクス
「コックピットは避けて下さいね。」
バルトフェルド
「それも難しいことでねぇ、主砲、てぇ!」
ダコスタ
「ブルーアルファ5及びチャーリー7より、ジン6。」
バルトフェルド
「来るぞ!対空!」
ダコスタ
「ブルーデルタ12に、尚もジン4。ミサイル、来ます!迎撃、追いつきません!ミサイル、当たります!」
バルトフェルド
「ええい!」
アスラン
「うっぅ…」
ラクス
「ぁ…」
キラがフリーダムでミサイルを打ち落とす。
アスラン
「キラ!?」
ラクス
「ぁっ…」
アスラン
「くっ…」
ラクス
「ありがとう。」
アスラン
「…」
キラ
「こちらフリーダム。キラ・ヤマト。」
ラクス
「キラ!」
キラ
「ラクス…」
ラクス
「はい!」
アスラン
「キラ…」
バルトフェルド
「よおー少年、助かったぞ。」
キラ
「ぁ!…バルトフェルド…さん?」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
バルトフェルド
「初めまして、と言うのは変かな。アンドリュー・バルトフェルドだ。」
マリュー
「マリュー・ラミアスです。しかし驚きましたわ。」
バルトフェルド
「お互い様さ。な、少年?」
キラ
「貴方には、僕を撃つ理由がある。」
バルトフェルド
「戦争の中だ。誰にでもそんなもんあるし、誰にだってない。」
キラ
「…ありがとう。」
Sideout
Side カガリ・ユラ・アスハ
カガリ
「いつも傷だらけだな。」
アスラン
「…石が護ってくれたよ。」
カガリ
「そっか…良かったな。しかし、あんなもんで飛び出してくるとはね。すごいな、あの子。」
アスラン
「ぇ…
ああ…。」
カガリ
「いいのか?お前の婚約者だろ?」
アスラン
「ぅ…元ね。」
カガリ
「ぇ?」
アスラン
「俺はバカだから…。」
カガリ
「…ま、今気付いただけ、いいじゃないか。」
アスラン
「ぇ?」
カガリ
「でも、キラもバカだと思うぞ。うん、やっぱコーディネイターでもバカはバカだ。しょうがないよ、それは。」
アスラン
「そうか?そうだな。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
ラクス
「ぅ……父が…死にました…。」
キラ
「ラクス…」
ラクス
「ぅ…ぅぅ…クスクス…」
キラ
「え?」
ラクス
「…という芝居です。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
フラガ
「コウキ、いつ戻ったのだ。」
光輝
「エターナルに搭乗していた。
エターナルの火器管制では、ザフト軍に死傷者が出る恐れがあったので、
ハッキングして手動操作をしていた。」
フラガ
「何がどうなっている。」
光輝
「敵を欺くにはまず味方から。
これは兵法でもある。
ラウ・ル・クルーゼを誘き出すのに、プラント全体を欺いた。
まず、クライン派が反逆したように見せた。
まさかプラント全体が欺かれているとはクルーゼも思っていない。
今頃、Nジャマー・キャンセラーのデータを手にしている。」
マリュー
「もし、地球軍に渡ったら、核ミサイルが使われるわ。」
光輝
「いや渡すのさ。」
マリュー、ナタル、フラガ
「えっ?」
光輝
「私の作ったNジャマー・キャンセラーの方を。
核エンジンの暴発事故防止が組み込んである。
もし、核ミサイルに搭載されても、起爆はするが、
核分裂に至らない。」
フラガ
「実験されたらばれるぞ。」
光輝
「どこで実験する?」
フラガ
「勿論、地下実験だろ。」
光輝
「皆、勘違いしている。
核の反応が起きないのはNジャマーが散布された一帯だけだ。
Nジャマーの影響範囲は狭く、その為に地上に多数投下されている。
Nジャマー・キャンセラーが無くても核の実験場は地下深くに密閉されるので、
核爆発は起きるんだ。
攻撃対象がプラントで宇宙にある為にそこまで、頭が回ってない。
もし地球軍に頭のキレル技術者がいてもミスリルの工作員が対処する。」
フラガ
「それだけか?」
光輝
「表向きはシーゲル・クラインは死亡、クライン派の議員は拘束。
しかし皆、エクリプスを通して、地球にいる。
戦後の和平交渉の下準備の為だ。
アスラン、包帯は取っていいぞ。」
カガリ
「え?怪我は…」
光輝
「血のりだ、映画撮影用のな。」
カガリ
「バカヤロー、心配したんだぞ!」
光輝
「すまない、そこまでしないと周りを騙せないのでな。
それに、ラクスに釣り針の事、話しただろう。
ラクスがザフトの技術者を何人も卒倒させた。
ニコルの父もいて、謝るのに大変だった。
おかげで、タンクベット睡眠を私の自費で贈ることになった。」
カガリ
「ふん!」
フラガ
「それで最後だな。」
光輝
「アズラエルが自ら、アークエンジェルを追ってくる。
それもアークエンジェル級2番艦ドミニオンで。
それと指揮するのはハルバートン提督の副官だった、ホフマン大佐だ。」
フラガ
「あのいけ好かない野郎か?」
光輝
「ハルバートン提督の邪魔だから、移動するよう裏工作した甲斐があった。
これからの事はお茶でも飲みながら、話そう。」
Sideout
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