Blue Rose
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第二十八話 長崎での生活その九
「凄くね」
「それはいいことね」
「お勉強も家事もちゃんとしてるから」
「どっちもなのね」
「部活もはじめたし」
優花はこのことは自分から話した。
「快適よ」
「それは何よりね」
「クラスも部活もいい人ばかりで」
「変な人はいないのね」
「今のところはね」
優花が気付く限りでは、というのだ。
「いないわ」
「それは何よりね」
「クラスメイトも部活の人達も先生も」
「学校の設備は?」
「流石に八条学園程じゃないけれど」
それでもと言うのだった。
「いい感じよ」
「そうなの」
「動物園や植物園はないけれどね」
「いや、普通はないわよ」
笑ってだ、優子は優花に返した。
「そうしたものは学園にはね」
「それはそうだけれどね」
「八条学園は特別だから」
「保育園から大学院まであって」
「学科、学部も沢山あってね」
「それで動物園や植物園まであるって」
「そうした学校は他にないわよ」
こう妹に話すのだった。
「だから特別だから」
「八条学園は」
「そう、比べたら駄目よ」
それこそとだ、優子はまた優花に話した。
「そこにいて感じたことが真実っていうかね」
「そのうえで考えればいいのね」
「そうよ、それで感じた限りではどう?」
「充実してるわ」
微笑んでだ、優花は電話の向こうの姉に話した。
「プールも体育館もしっかりしてて敷地も広くて」
「他にも色々な施設があるのね」
「グラウンドも広いの」
「それはいいわね」
「野球部とサッカー部が一緒に部活してまだ余る位にあって武道場もあるわ」
「あら、そこで剣道や柔道もしてるのね」
「テニス部のコートもあるわ」
この施設も、というのだ。
「とにかく色々充実してるわ」
「運動部の施設がいいみたいね」
「何か体育会系の部活が多いわ」
「そうなのね」
「けれど文化系の部活も結構あって」
「美術部もあるのね」
「そうなの」
実際にというのだ。
「それで私はそちらに入ったの」
「そうなのね」
「若し変な部活だったら」
「例え美術部でも」
「ええ、入っていなかったわ」
「それがいいわ、幾ら美術が好きでもね」
それでもだ、優子は優花に言った。
「顧問の先生が部員が悪いと」
「悪い部活になるから」
「そうした部活には入らない方がいいの」
「悪い場所には近寄らないことね」
「最初からね」
「それ姉さんがいつも言っていたわね」
「腐った水は飲まないことよ」
こうも言った優子だった。
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