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Blue Rose

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第二十八話 長崎での生活その十

「花には蝶が寄るでしょ」
「いい場所にはいい人が集まるのね」
「悪い場所には悪い人が集まるのよ」
「そうした悪い場所だから」
「寄るべきじゃないの」
「最初から」
「それなら他の部活に入った方がよかったわ」
 電話の向こうの優花に話していく。
「花に寄るべきなのよ」
「花に」
「そう、美術部以外は考えていたかしら」
「そう言われると」
 優花は優子の今の言葉には戸惑って返した。
「実は」
「考えてなかったの」
「そうだったの」
「そう、けれどね」
「それでもなのね」
「それがいいの」
 こう妹に言った。
「悪い場所には寄らないこと、特に顧問の先生はね」
「大事なのね」
「悪い先生はね」
「生徒の教育が出来ないから」
「その部活も悪くなるわ」
 そうなるというのだ。
「悪い先生が顧問だとね」
「そうした先生多いわよね」
「残念なことにね」
 苦い顔でだ、優子はこう答えた。
「多いわ」
「そうよね」
「八条学園は先生の適正をいつもチェックしているからおかしな先生はとても少ないけれど」
「公立だと」
 優花が今通っているその高校である。
「そうはいかないわね」
「ええ、公務員だからね」
「学校の先生も公務員なのね」
「そうなの、公立だとね」
「公務員だと」
「あまりクビにはならないわね」
「ええ、おかしな位だと」
 その教育がだ。
「そうはならないわ」
「だからおかしな先生がいるのね」
「悪事を働いても」
「それが隠蔽されるから」
「そう、悪事はばれないから」
「おかしな先生が残るの」
 こう話すのだった。
「だから公立は余計に注意しないといけないの」
「おかしな先生には」
「よく見てよかったと思うわ」
「そうなのね」
「さもないと嫌な思いをしていたかもね」
「私の判断は正しかったのね」
「いい部活に入ることは大事よ」
 美術や他のことに関わらず、というのだ。
「悪い場所には自然と悪い人が集まるから」
「花に蝶が寄るのと逆ね」
「汚物には蠅が集まるわ」
 まさに花と蝶の正反対にというのだ。
「そうしたものよ」
「悪い先生のところには悪い生徒が集まる」
「世の中ってそこが不思議なのよ」
「それで悪い場所にもなるのね」
「そうしたものよ、そこを見極めないといけないの」
「自分が嫌な思いをしない為に」
「これからも気をつけてね」
 このことはというのだ。 
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