エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )
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第03話 崩壊しなかった大地
Side ナタル・バジルール(アークエンジェル内)
ノイマン
「開口部を抜けました!コロニー内部に進入!」
トノムラ
「モルゲンレーテは大破!ストライクが起動中!…いや、信号弾です!」
ナタル
「信号弾だと?」
マリュー
『アークエンジェル停戦して、こちらマリュー・ラミアス大尉。応答を…。』
ナタル
「ナタル・バジルール少尉です。ラミアス大尉ご無事で!停戦とは?」
マリュー
『ザフト軍との間に一時的に停戦がなされました。詳しくは後で話します。空いている場所に着艦をお願い。』
ナタル
「分かりました。」
ナタル
「皆、聞いての通りだ。警戒を厳にして何時でも攻撃出来るように!ストライクの側に着艦する。」
Sideout
ラウ・ル・クルーゼはある程度様子を伺うと、撤退していった。
キラはマリューの指示でストライクの手のひらにマリューや学生達を乗せ、着艦したアークエンジェルのモビルスーツ着艦デッキに移動した。
光輝は自ら飛んでいく。
Side アークエンジェル着艦デッキ
マリュー達がストライクの手のひらから降りていると。アークエンジェルのクルーが駆け寄ってきた。
ナタル
「ラミアス大尉!」
マリュー
「バジルール少尉!」
ナタル
「御無事で何よりでありました!」
マリュー
「あなた達こそ、よくアークエンジェルを…おかげで助かったわ。」
ストライクのコックピットが開き、キラが降りてくる。
ナタル
「え。」
マードック
「おいおい何だってんだ?子供じゃないか!あのボウズがあれに乗ってたってのか。」
ナタル
「ラミアス大尉、これは?」
マリュー
「ああ…。」
フラガ
「へー、こいつは驚いたな。
地球軍、第7機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉、よろしく。」
マリュー
「第2宙域、第5特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です。」
ナタル
「同じく、ナタル・バジルール少尉であります。」
フラガ
「乗艦許可を貰いたいんだがねぇ。この艦の責任者は?」
ナタル
「…。
艦長以下、艦の主立った士官は皆、戦死されました。
よって今は、ラミアス大尉がその任にあると思いますが。」
マリュー
「ええっ。」
ナタル
「無事だったのは艦にいた下士官と、十数名のみです。
私はシャフトの中で運良く難を。」
マリュー
「艦長が…そんな。」
フラガ
「やれやれ、なんてこった。あーともかく許可をくれよ、ラミアス大尉。
俺の乗ってきた船も落とされちまってねー。
マリュー
「あ…はい、許可致します。」
フラガ
「で、あれは?」
マリュー
「御覧の通り、民間人の少年です。襲撃を受けた時、何故か工場区に居て…
私がGに乗せました。キラ・ヤマトと言います。」
フラガ
「ふーん。」
マリュー
「うっ彼のおかげで、先にもジン1機を撃退し、あれだけは守ることができました。」
ナタル
「ジンを撃退した!?」
クルー達
「「え!」」
ナタル
「あの子供が!?」
フラガ
「俺は、あれのパイロットになるヒヨッコ達の護衛で来たんだがねぇ、連中は…。」
ナタル
「ちょうど指令ブースで艦長へ着任の挨拶をしている時に爆破されましたので…共に。」
フラガ
「…そうか。」
フラガがキラの前へ歩み寄る。
ミリアリア
「ぁ。」
キラ
「な、なんですか?」
フラガ
「君、コーディネイターだろ。」
キラ
「ん。」
皆が一同に驚く。ただし、キラの仲間は知っているのでキラの立場の事を心配している。
キラ
「…はい。」
警備兵達は銃を構える。
トールはキラを庇うようにキラの前に進み出て、手を広げた。
トール
「な、なんなんだよそれは!」
キラ
「トール。」
トール
「コーディネイターでもキラは敵じゃねぇよ!さっきの見てなかったのか!
どういう頭してんだよ、お前らは!」
マリュー
「銃を下ろしなさい!」
マリューが命令して、警備兵達は周り様子を見ては銃を降ろす。
ナタル
「ラミアス大尉、これは一体…。」
マリュー
「そう驚くこともないでしょう?ヘリオポリスは中立国のコロニーですもの。
戦渦に巻き込まれるのが嫌で、ここに移ったコーディネイターが居たとしても不思議じゃないわ。
違う?キラ君。」
キラ
「ええ、まぁ…僕は一世代目のコーディネイターですから。」
パル
「一世代目?」
フラガ
「両親はナチュラルってことか。…いや、悪かったなぁ。とんだ騒ぎにしちまって。
俺はただ聞きたかっただけなんだよね。」
マリュー
「フラガ大尉…。」
フラガ
「ここに来るまでの道中、これのパイロットになるはずだった連中の、
シミュレーションをけっこう見てきたが、奴等、ノロくさ動かすにも四苦八苦してたぜ。
やれやれだな。」
ナタル
「大尉!どちらへ?」
フラガ
「どちらって、俺は被弾して降りたんだし、外に居るのはクルーゼ隊だぜ?」
マリュー、ナタル
「「ええ…。」」
フラガ
「あいつはしつこいぞ~。
こんなところでのんびりしている暇は、ないと思うがね。」
光輝
「フラガ大尉、まだ自分の紹介が終わってませんよ。」
フラガはGを操作していたキラに興味があり、キラとの話を終え格納庫の方へ歩き出していた。
フラガ
「おっと、失礼。
その声は停戦を呼び掛けてきたのは君かな?」
光輝
「はい。コウキ・イチジョウです。民間軍事プロバイダー・ミスリルに所属しています。」
フラガ
「民間軍事プロバイダーねぇ。聞いた事はないが…、傭兵みたいなものか?」
光輝
「その解釈で概ね合っていますが、傭兵団と違ってもっと大きな組織です。
表のジン2機と捕虜6名は、私が捕獲しました。」
一同は驚きジンの方へ視線を移した。
フラガ
「あの薄緑のぐちゃぐちゃの…。」
光輝
「はい。硬化剤を使いました。
モビルスーツは機動兵器であり、硬化剤でその機動性を失えば只の鉄くずと同じです。」
フラガ
「そっそうか!?」
フラガはモビルスーツを鉄くずと言い切った光輝を呆れた眼差しで見ると同時に警戒をした。
フラガは光輝の姿を凝視している。
フラガ
「背中に付けているのは羽かな?それで飛ぶことが出来るのか?
でも武器は装備していないだろう?」
光輝
「百聞は一見に如かず。ご覧頂きましょう。」
光輝はそう言うと。ジンの方へ振り向いて手を右手掲げる。
手の先に光の粒子が集まり、ロケットランチャーに代わった。
デッキの端まで歩いて行き、安全を確認して空に舞い上がった。
ジンへ向かい100メートル程の距離でロケットランチャーを発射する。
ロケット弾はジンへ当たると液体をぶちまけた。
液体は乳白色からみるみるうちに薄緑に変化して固まった。
光輝はそれを確認すると翻って着艦デッキへと戻っていった。
着艦デッキでは全員がその様子をポカンと眺めていた。
光輝
「どうですか?」
フラガ
「『どうですか?』じゃないだろう!
先ず、そのロケットランチャーは何処から出した。」
光輝
「アイテムボックスですよ。」
光輝は当たり前のようにロケットランチャーを消した。
ナタル
「アイテムボックス!?」
ナタルは皆を代表するかのように叫んだ。
光輝
「言ってませんでしたね。私は魔法使いでコーディネイターです。」
みんなあんぐりとしている。理解が追いつかないようである。
マリュー
「わっ私も魔法で怪我を直して貰ったのよ。」
光輝
「あっ。返し忘れていました。
マリューさん、はい。銃弾です。」
光輝の開いた右手には一発の銃弾が乗っていた。
光輝
「御守り代わりにどうぞ。一部の戦士は自分で受けた銃弾を御守りにすると言います。
…。
…。
失礼、無粋でしたね。」
光輝が念じると魔法陣が現れて、銃弾がみるみるうちにハート形ペンダントトップに変わった。
左手からチェーンを取り出し、目の前でチェーンを通して改めてマリューへ差し出した。
マリュー
「あっありがとう。」
マリューは条件反射的にペンダントを受け取った。
皆はその光景を唖然として眺めているばかりである。
その後、皆がやっと落ち着いて光輝が停戦の経緯を説明して、それぞれが持ち場に戻る。
Sideout
マリュー達は艦橋へ移動した
その途中で光輝が格納庫にあるフラガのメビウス・ゼロを魔法で修復したりして、
すったもんだはあったが。
Side マリュー・ラミアス
マリュー
「はぁー。疲れたわ。」
光輝
「お疲れ様です。」
マリュー
「いったい誰のせいで!」
マリューは光輝を睨み付ける。あんたのせいよと言わんばかりに。
フラガは陰で声を殺して笑っている。
光輝
「後22時間だな。」
マリュー
「そうね!2時間も無駄にしたわね。」
光輝
「不可抗力です。マリューさんも質問していたのでは?」
マリュー
「そっそれは…。」
光輝
「建設的な話をしましょう。
まず指揮系統をはっきりさせてください。艦長は?」
マリュー
「フラガ大尉が…。」
フラガ
「先任大尉は俺だが、この艦のことは分からん。ラミアス大尉が指揮を執れ!君が艦長だ!」
マリュー
「私が!
…分かりました。」
光輝
「艦長も決まった事だし、まず私共の艦を入港させましょう。
予備の物資などは私共の艦で運びましょう。補給も必要ですから。」
マリュー
「それは助かるわ。」
ナタル
「貴君らにはメリットがないではないか?」
光輝
「然るべき所とやらで請求させて貰います。はっはっはっ。
貴方は心配する必要はありません。
誰がいくら払うかは私たちの交渉です。
ただ、この艦アークエンジェルでしたっけ、護衛の為に私のモビルアーマーの乗艦許可を頂きたい。
『然るべき所と連絡が取れ処置が決定するまで私と行動を共にしていただかざるを得ません。』
でしたよね。私の行動権利はマリューさんにあり、この艦が沈むと困るんです。」
マリュー
「むむっ。」
フラガ
「はっは。これは一本取られたな。」
マリュー
「フラガ大尉、笑い事ではありません。
乗艦を許可します。」
ナタル
「ラミアス大尉。それは?」
光輝
「ナタル・バジルール少尉、物事は柔軟に考えた方が良いですよ。
軍でも民間の傭兵団とかと合同作戦するでしょう。
それに私はミスリルの顧問をやっていて、大佐階級の権限があります。1個艦隊の指揮も出来るのですよ。」
「「大佐!」」
光輝
「ミスリル内の事です。
ミスリルは民間の組織ですので私は軍人ではありません。」
マリュー
「はぁー。コロニー内の避難はほぼ100%完了しているということだけど、
警報レベルは8のままだそうよ。」
フラガ
「シェルターは、完全にロックされてはないが、あのガキどもはどうすんだ?」
ナタル
「彼らは、軍の機密を見たため、ラミアス大尉が拘束されたのです。
このまま解放するわけには…。」
フラガ
「じゃぁ、脱出にも付き合ってもらうってのか?
出てきゃぁ、ド派手な戦闘になるぞ。」
マリュー
「…ストライクの力も必要になると思うのですけど。」
ナタル
「あれをまた実戦で使われると!?」
マリュー
「使わなきゃ、脱出は無理でしょ?」
ナタル
「…あ。」
フラガ
「あのボウズは了解してるのかい?」
ナタル
「今度はフラガ大尉が乗られれば…。」
フラガ
「おい!無茶言うなよ!あんなもんが俺に扱えるわけないだろ!」
ナタル
「ええ…?」
フラガ
「あのボウズが書き換えたっていうOSのデータ、見てないのか?
あんなもんが、普通の人間に扱えるのかよ。」
ナタル
「…なら、元に戻させて…とにかくあんな民間人の…しかもコーディネイターの子供に
大事な機体をこれ以上任せる訳には…。」
フラガ
「そんでノロくさ出てって、的になれっての?」
マリュー、ナタル
「…ん。」
光輝は航路マップを操作した。
ナタル
「勝手に操作しないで下さい。」
光輝
「まぁまぁ。それよりこの航路マップを見てくれ。
アークエンジェルが離脱してから時間を置いて、捕虜を解放する。
1時間もあれば、敵のナスカ級を振り切れるだろう。
その間にこのデブリベルトまで逃げ込む。」
ナタル
「艦長、私はアルテミスへの入港を具申致します。」
マリュー
「アルテミス?ユーラシアの軍事要塞でしょ?」
フラガ
「傘の、アルテミスか?」
ナタル
「現在、本艦の位置から最も取りやすいコースにある友軍です。」
マリュー
「でも、Gもこの艦も、友軍の認識コードすら持っていない状態よ?
それをユーラシアが…。」
ナタル
「アークエンジェルとストライクは、我が大西洋連邦の極秘機密だと言うことは、無論私とて承知しております。
ですが、このまま月に進路を取ったとて、途中戦闘もなくすんなり行けるとは、まさかお思いではありますまい。」
光輝
「アルテミスの入港はやめた方がよい。
大西洋連邦とユーラシアは友軍であるが、仲が良いとは言えない。
入港は許可されるだろうが、データを抜き出して、補給だけして護衛もなしに放り出される。
問題はザフトに時間を与えて、待ち伏せ攻撃を受ける確率が高い。
デブリベルトで我が艦から補給して、月の影に入った時に一時噴射して月でも地球でも好きな方へ行けばよい。
噴射口からの熱はこちらの艦でカバーする。
後は軌道修正しエンジンを切れば、遠くからは発見されない。
所謂ところのサイレント・ランと言うところだな。」
ナタル
「質問がある。
直接月へ向かわない理由とそちらの艦が追い付かれた時の対処を。」
光輝
「真っ当な質問だ。
まず直接月に向かわないのは、当然に敵も連絡するだろう。月と地球への直接航路は警戒される。
次にこちらの艦はナスカ級より速い。最高速度は企業秘密だな。
魔法と同じく他言無用でお願いする。
上から聞かれたら、しゃべっても構わないが魔法の事を話しても病院送りだな。
メビウス・ゼロの修復も艦内映像には残っていない。」
フラガ
「うーむ。妥当な策だな。
魔法も見せられいるので、光輝の進言も信用するしかないか?」
マリュー
「私は信用しても良いと思うわ。ナタルはどう?」
ナタル
「問題はないかと。艦長の判断に従います。」
光輝
「それなら艦の入港をヘリオポリスに、モビルアーマーの搬入をクルーに伝えて下さい。
それが終われば、ボウズ達の説得に立ち会いますよ艦長殿。」
フラガ
「ああ、そっちもあったか?てか、お前もボウズじゃないか?」
光輝
「これでも18歳です。飛び級で大学の医療、政治・経済、工学などの分野を修めて社会人ですよ。
コウキと呼び捨てで構いませんが、ボウズ呼ばわりはやめて下さい。」
「「つっ!」」
フラガ
「くー。コウキ、お前コーディネイターじゃなくて化物だろう。」
光輝
「あっはっは。便利な学習システムがあるんですよ。
空き時間が出来たら声を掛けて下さい。
フラガ大尉には私のモビルアーマーの操作を30分でマスター出来ますよ。
二人もどうですか?護身術なら知識だけなら30分で済みますよ。流石に動体視力と筋肉は鍛えないとムリですが。」
フラガ
「30分!まて、それならモビルスーツは動かせないのか?」
光輝
「動かすだけならOSを改造すれば出来ますよ。
でもジンならともかく相手にはストライクと同程度のモビルスーツが4機。それにコーディネイター相手です。
スペックが同じならパイロットの技量が勝敗を分けますよ。」
フラガ
「ぐーっ。」
光輝
「私のモビルアーマーはストライクよりスペックが上です。
それでもモビルスーツに乗りたいですか?」
フラガは両手を上げて降参のポーズを取った。
マリューは光輝に言い含められたフラガ見てニヤニヤしている。
ナタルは光輝の引き出しの多さに呆れている。
Sideout
『トゥアハー・デ・ダナン』のヘリオポリスへの入港許可とモビルアーマーの搬入の連絡を終えたマリューは、
光輝を伴ってキラ達のいる居住区へ移動した。
Side キラ・ヤマト
マリューがキラ達に話の経緯を説明した。
キラ
「お断りします!僕達をもうこれ以上、戦争になんか巻き込まないで下さい!」
マリュー
「…キラ君。」
キラ
「貴方の言ったことは正しいのかもしれない。僕達の外の世界は戦争をしているんだって。
でも僕らはそれが嫌で、戦いが嫌で中立のここを選んだんだ!それを…。」
光輝
「キラ君、冷静に話を聞くんだ。
確かにキラ君の言う通りなのかもしれないが、そう遠くない時期にオーブは地球軍と戦争する。
オーブの理念を知っているかい。
『他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。』
しかしオーブには、マスドライバー施設があり、モルゲンレーテ社がある。
オーブは地球連合の強い圧力を受けているが代表が断っている状況だ。
代表は知らないようだが、サハク家がこうして大西洋連邦とモビルスーツの共同開発を行っている。」
マリュー
「コウキ何故?」
光輝
「何故知っているかと言えば、『蛇の道は蛇』と言うだろう。
もしも、クーデターがあり地球側についたとしたら、今度はザフトとの戦争に巻き込まれる。
オーブはそんな状況にある事を知って欲しい。
君達をここへ置いて行くことは可能だろう。
私は遭えて進言しなかった。
君達の目で見て、オーブの行く末を直接感じ・考えて欲しいからだ。
私の魔法を見ただろう。
私には君達を守る自信がある。必ずオーブへ連れて行こう。
ハウメアと精霊の名において約束する。
魔法使いが精霊の名において約束することは命より大事な事だよ。
この船が出港するまでは20時間ほどある。
皆で考えて欲しい。
キラ君にはこのヘッドセットを貸しておく。
私に聞きたいことがあれば横の通話ボタンで私といつでも話せる。」
私の所属しているミスリルの分析では1年以内にオーブが戦争に巻き込まれる確率は99%以上となっている。」
「「99%」」
マリュー
「そこまで…。」
光輝
「私は政治を学んだが心理学も学んでいる。特に集団心理が専門だ。
残念ながら今のままでは、オーブも戦争となる。
それと彼らが下艦を希望したら私の責任において許可して欲しい。」
マリュー
「いえ、私が…。」
光輝
「あっはっは。マリューさんは正直過ぎるよ。
政治的に判断したら、護衛の代金を減らす材料になる。
相手に貸しを作らないと出世できないよ。艦長さん!」
マリュー
「もう!コウキって意地悪!?」
光輝
「さて、搬入の手伝いでもいきますか?」
マリューと光輝は部屋を出て行った。
部屋に残された学生達は話あった。
ミリアリア
「どうする?」
サイ
「どうするも何も、判断材料が少ない。」
トール
「コウキさんの判断だと、オーブも戦争になるよ。」
カズイ
「ただの推測だろ。」
キラ
「でもオーブの内情も良く知っていたし、ここのモルゲンレーテの事。
僕はサハク家が絡んでいる事までは知らなかったよ。」
サイ
「確実な事はオーブがモビルスーツを地球軍と共同開発していて、ザフトが攻めて来たのは確実だ。」
ミリアリア
「モビルスーツを見てしまっては事実よね。後、魔法もね。」
トール
「俺にも魔法使えないかな?後でコウキさんに聞いてみよ。」
カズイ
「手品かもしれないぞ。」
ミリアリア
「私、マリューさんの怪我を見ているのよ。治ったところは皆見ていたでしょう。」
サイ
「確かに。それとジンと捕虜を捕獲したのはコウキさんだ。
実際見ていなかったけど、デモンストレーションでロケットランチャー使っていたよ。」
トール
「あれはカッコ良かった。」
ミリアリア
「トール!真面目に考えてよ。
コウキさんって何者だろう?」
サイ
「コウキさんが言う事が全て正しかったら、ついて行くべきかも?
オーブが戦争になったらヘリオポリスは無防備だよ。」
ミリアリア
「キラ、確かニュースでカオシュンって言っていたわよね。」
キラ
「先週のニュースで確かに…。」
皆が頷く。キラがニュースを見ていたのを知っているし、その時の会話を思い出していた。
トール
「中立で安心してたけど。コウキさんは99%以上って言ってたな。」
ミリアリア
「マリューさんも驚いていたわよ。
コウキさんはマリューさんより詳しいようだったわ。」
サイ
「マリューさんも戦争になる事には否定しなかったもんな。」
ミリアリア
「ねぇ。今結論出さなくていいんじゃない。
コウキさんともっと話しを聞いて決めればいいの。
絶対に下艦したい人いる。」
サイ
「50%かな。もう少し聞いてみないと。」
トール
「俺は残る方に70%。もしオーブが戦争になるなら、コウキさんにアドバイスもらいたい。
モビルスーツなしで2機のジンを捕獲できるんだぞ。」
カズイ
「20%。家族も心配だよ。」
キラ
「僕は50%。戦いたくない、でも話は聞きたい。」
ミリアリア
「私は60%かな。戦うしろ、逃げるにしろ。情報は大切よ。
逃げるならコウキさんの国って選択肢もあるわよ。」
皆うなづいた。全員が光輝の話を聞きたいようだ。
Sideout
後書き
8000文字超えたので区切りが悪いですがここまでとします。
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