真田十勇士
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巻ノ六十一 姫武将との戦いその四
あらためてだ、彼は他の者達に攻め方を聞いたのだった。
「ではどうして攻めようか」
「夜襲ですな」
ここで言ったのは信之だった。
「それで攻めましょうぞ」
「夜襲か」
「はい、昼はあえて攻めず」
「夜になった時にか」
「城を攻めましょうぞ」
その忍城をというのだ。
「是非共」
「ふむ、水攻めは夜襲で崩されたが」
「しかし敵がしたならです」
「我等もか」
「しましょうぞ」
是非にというのだ。
「ここはです」
「わしもそれでいいと思う」
「それがしもです」
大谷と島は信之のその言葉に頷いて言った。
「敵は強い」
「そう簡単に倒せる相手ではありませぬ」
「しかし夜襲を仕掛ければな」
「また違いまする」
「北条家の具足は白だから見分けもつきやすい」
「同士討ち不安もありませぬ」
そのこともあってというのだ。
「夜に一気に攻めてじゃ」
「攻め落としましょうぞ」
「うむ、そうじゃな」
石田も頷いた、ここで。
「それなら上手くいけば一気に攻め落とせてじゃ」
「そしてというのじゃな」
「無駄な命を奪うこともない」
それでというのだ。
「よいな」
「ではな」
「うむ、夜か」
「一気に攻めてじゃ」
全軍を以てというのだ。
「そして攻めようぞ」
「それでは」
信之も応えた、そしてだった。
その話が終わってからだった、幸村は十勇士達のところに戻って彼等に話した。
「夜襲をすることになった」
「ではその夜襲の時にですな」
「甲斐姫が出て来るならば」
「その時は、ですな」
「殿が」
「出来れば拙者がな」
まさにとだ、幸村も言う。
「出てじゃ」
「そしてですな」
「甲斐姫を倒す」
「そうしますか」
「実はおなごでも強いとなると」
幸村としてはだ。
「戦いたくなるわ」
「ですな、我等もです」
「武器を持たぬなら男でも興味はありませぬが」
「おなごでも強ければです」
「戦いたくなりますな」
「だからじゃ」
幸村はさらに言った。
「拙者が行く」
「では、ですな」
穴山がここで言った。
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