聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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290部分:第四十話 揺れる大地その二
第四十話 揺れる大地その二
「俺だってわかってるさ」
「俺も」
「俺もだ」
「だといいのだがな」
やはりまだ疑っているアルゲティだった。不審な目であった。
「それだとな」
「そうだよ。俺達だって聖闘士だからな」
「ちゃんとしてるさ」
彼等はあえてこう言うのであった。
「だからあんたは心配しなくていいさ」
「これでも真面目にやってるんだからな」
「それでだ」
アルデバランは彼等の言葉をそのまま聞いてからまた述べてきた。
「今夜は街に入る」
「街にですか」
「そうだ。街に入る」
また彼等に告げた。
「今夜は」
「またどうしてですか?」
「まだガソリンはたっぷりありますし」
「それに食い物だって」
青銅の者達は怪訝な顔になってアルデバランに問うのだった。
「それでどうしてですか?」
「街に入るって」
「たまにはそれもいい」
だからだというアルデバランだった。
「そこでゆっくりと休むのもな」
「ゆっくりとですか」
「休む為に」
「そうだ。その為にだ」
彼はまた他の聖闘士達に対して話した。
「幸い時間にも余裕がある。今夜はそうするぞ」
「わかりました」
運転をしているモーゼスがそれに答えてきた。
「それでは街に入りましょう」
「街はわかっているな」
「はい」
モーゼスの返事は既に、といったものであった。
「それはもう」
「ならいい」
「けれどアルデバラン様」
「どうしてなんですか?」
ここでまた青銅の者達が問うのであった。
「休むっていっても」
「今まで普通に休んでるよな」
「なあ」
「車の中では限度がある」
しかしアルデバランは彼等にこう返すのだった。
「休むのにな」
「そうなんですか?」
「限度があるんですか」
「疲れは知らず知らずのうちに蓄積されていく」
そこまで考えているのであった。
「それはいざという時に出て来るものだ」
「戦いの時にですか」
「その時にですね」
「その通りだ。だからこそだ」
こうも彼等に告げるのだった。真面目な顔で。
「今日は街で休む。いいな」
「はい。それじゃあ」
「わかりました」
「特にだ」
アルデバランはまた言うのであった。
「御前達にしろ俺にしろまだいい」
「俺達はですか!?」
「それってどういうことですか?」
青銅の者達はそれを聞いただけではわかりかねていた。
「俺達だけじゃないっていうと」
「やっぱりモーゼスとアルゲティですか」
「あの二人は運転をしているな」
「あっ、はい」
「そうですね」
ここで青銅の者達も気付いたのだった。
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