転生者の珍妙な冒険
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革命者降臨
前書き
長らくお待たせして申し訳ありません。
さらに言うと、今回は説明回に近くなっており、半分タイトル詐欺かも・・・・。
怒らないで読んでください・・・・。
「・・・・しくじったか。」
闘技場の上空で様子を眺めていた金髪灼眼の男は、一言そう呟いた。
声も表情も、特に何の感情も無く、ただ単に事実だけを言ったという風で、しかし・・・・
「能力を与えた、修行もさせた、この場も整えた、不殺の結界も解除してやった。それでも、しくじったか。」
その瞳には、僅かな失望と怒り、嘲りが込められ、そしてそれ以上は何も言わずに男は下へと降りていった。
闘技場、武舞台。
つい先程まで凄まじい激闘が繰り広げられ、今尚あちこちが壊れた武舞台の中央にサリナが力なく横たわっているその場所は、普段と違う様相を呈していた。
普段ならば、優勝者が決まれば上がる大歓声、それが一切聞こえない。
夜集阿が新参者だからか?
それは違う、これほどの規模や選手レベルでなくても、強者の多い戦いで新参者が勝つことは希にある。その時の観客はむしろ、普段よりも大きな大歓声を喉も裂けよと言わんばかりに投げかけるのである。
あまりにも現実とはかけ離れた戦いだったからか?
それも違う、魔法が普通にあるこの世界ではあの程度なら「ありえない」ではなく「とても凄い」の範疇だ。観客は素晴らしいパフォーマンスに惜しみなく喝采を浴びせる。
では、何故か。
武舞台には特に動きはない。
勝者でありながら、やはり激闘で疲れ果てたのだろう、動くこともなく立ち尽くす夜集阿の姿、そして倒れているサリナの姿があるだけである。
そう、それが異常。
不殺の力のある結界で守られた武舞台では、気を失った選手はすぐさま転移させられる。それが未だに倒れたままで転移されない。
一体何があったのか?
故障か?
まさかやられているのはサリナの演技で、油断を誘って攻撃するのか?
様々な推測が飛び交う中、更に観客を混乱させる出来事が発生した。
サリナが起き上がったのである。
「私、負けたんですね・・・。」
力なく起き上がろうとしながらそう呟くサリナ。
そうだ、と返事をしようとしたその時、頭に声が響いてきた。
【スキル『スタンド「タロット大アルカナ」』のレベルアップを確認。性能が向上します】
「これは・・・、聞き覚えがある。」
修行時代、「セト神」のスタンドを持つ敵と戦った時にも聞こえてきた、レベルアップを告げるアナウンスだ。
自分のステータスを確認することでどんな感じに性能が向上したのかも分かった。
どうやら、今で言う星の白金、つまり固定してあるスタンドは念じるだけで出現し、100%の力を出すことが出来るようだ。
その他のスタンドも物さえ持ってればあの長ったらしい口上言わないでスタンド名だけで100%の力のを出せるらしい。
「この性能でレベルMAX、か・・・。」
正直、レベル2に上がった時と比べたら大分地味だ、それでもやっぱり使いやすさは向上してるし、スキルの強さとしても他のスキルと比べても強い部類に入るだろう。
「ならまぁ、良いか・・・・・って、何やってんだオイ!!!」
自分のスキルの性能に気を取られていた間に、あろうことかサリナが自分の剣で喉をカッ捌いて死のうとしていやがった、てかギャラリーもこんななってるなら悲鳴ぐらい上げろよ!!
「おい馬鹿止めろっ!! 俺が何の為にお前と戦って勝ったんだよ!!」
ギリギリで剣を叩き落とし、サリナを羽交い締めにして止めるが、それでもサリナは諦めずにもがいてもう1本の剣を抜こうとしている。
「止めないでくださいっ! 貴方が殺せなかった以上、私が責任を取るしかっ!!」
「だから責任を取る必要なんかねぇだろ!! 大体何で俺を殺すんだよ!?」
「・・・・仕方ないんですよ!!」
サリナはそう言って俺を振り払うと、前髪を上げて額を見せてきた。
そこにあったのは、何か虫のようなヒクヒク蠢く・・・・・。
「それ、は・・・。」
「『肉の芽』、あの方はそう呼んでいました。人の脳に植え付けると、あの方に心酔し忠誠を誓うようになるそうです。」
そう、肉の芽。
ジョジョの中でDIOが花京院やポルナレフ、虹村兄弟の親父とかに植え付けてたやつだ。
だが、それにしてはおかしい・・・。
「じゃあ何で、サリナはそんなに苦しそうに命令を遂行する? アイツに心酔して忠誠を誓ったなら、俺を喜々として殺しに来るだろうよ。」
「それは・・・・、分かりません。ですが、あの方が『お前には何か心に強い、そう、途轍もなく強い想いがあるようだ、それが肉の芽の働きを阻害しているな。』と仰られていました。ですが、『だが、脳を刺激して命令をどうしても逆らえなくする程度は容易い。』とも・・・。」
成程・・・。
「じゃあ、ソレ取ればサリナはこっちに戻って来れるんだな?」
「へ?」
あまりに簡単そうに言ったからか、呆けてるがそんなのお構いなしに星の白金を発現。
お、やっぱり念じただけで100%出るんだな、とか呑気に思いつつも、
「『世界は止まる』!!」
お決まりの文句を叫んで時間を止める。
「成程・・・、この技使ったら精神力関係なしに5秒か。だが任意に止めず5秒経って解除されたら精神力切れでスタンドは出せず、しかも全身に恐ろしい疲労感、任意に解除しても1時間経つまでは5秒―解除するまでの時間しか止められん、か。それでも相当に強いな。っと、ちゃんと肉の芽抜かんとあと2秒じゃねぇか。」
冷静に能力分析してる場合じゃ無かった。
しかし肉の芽で良かった、もっと他の理由だったらどうしようかと・・・。
安堵しつつ星の白金で肉の芽をつまみ、引き抜く。その後に停止を解除。
「あ・・・、それ・・・。」
「な、大丈夫だろ?」
未だに再起動が微妙でぼんやりと驚いてるサリナに笑って見せ、俺の手に肉の芽が取り付く前に放り投げて日光に浴びさせ、塵に・・・変わらん!?
日の光を浴びても平然と俺の腕に触手を放ってくる肉の芽に波紋入りのクラッカーを叩き込み、今度こそ完全に消し飛ばす。
「今のは・・・・。」
普通、肉の目は日光をモロに浴びれば消滅する。それもなく襲ってきたと言うことは本体のディノも・・・。
「よ、ヨシュアさん・・・・。」
思考の海に落ちそうになってた俺の脳が、震えるサリナの声によって急浮上。
「おうサリナ、礼なんていらんぜ、俺はもう1回サリナと旅したかったからしたんだ。」
「ッ・・・。そんな・・・・あんまりですよ・・・・。私はヨシュアさんに・・・・何も返してないのに・・・、こんな・・・、また助けてもらって・・・。」
驚いた風に目を見開いたサリナが泣いてるような、笑ってるような、そんな不思議な表情になって、目からポロポロと涙がこぼれて、搾り出すようにそう言って、俺がサリナの頭でも撫でようとした、その時。
「―――そう、礼を言うのは少し早いんじゃあないかね?」
その声は聞いてると心が安らぐような、落ち着いた・・・・
それでいてドス黒い波動を持った、毒のような声。
この、この、声は・・・・!!!
「てめぇ、ディノ!!!」
「久しぶりじゃあないか、夜集阿 聖斗。スタンドが成長しておめでとうと言ってやるべきかな? そしてサリナ、がっかりだな、任務失敗か。だが、ようやく出たがってた私の呪縛から出られたんだ、祝ってやろうじゃあないか。・・・そうだ、夜集阿よ、私をディノと呼ぶのは止めてほしいな。ディノ=ブラドという名は捨てたんだ。私は・・・」
「DInOだ。」
―――雨が、降り始めた。
後書き
夜集阿 聖斗:『格闘家』『奇術師』:ランクA+
・波紋の呼吸法【レベル2】
波紋ズームパンチ
波紋疾走
波紋カッター
仙道・波紋疾走
銀色の波紋疾走
生命磁気の波紋疾走
波紋乱渦疾走
山吹色の波紋疾走
稲妻十字空烈刃
クラッカーボレイ
波紋肘支疾走
我流・冷酷な怒りの波紋疾走
深仙脈疾走
・スタンド「タロット大アルカナ」【レベルMAX】【現在固定:星の白金】
0番『愚者』の暗示する「愚者」
1番『魔術師』の暗示する「魔術師の赤」
4番『皇帝』の暗示する「皇帝」
6番『恋人』の暗示する「恋人」
7番『戦車』の暗示する「銀の戦車」
8番『正義』の暗示する「正義」
9番『隠者』の暗示する「隠者の紫」
10番『運命の車輪』の暗示する「運命の車輪」
15番『悪魔』の暗示する「悪魔」
17番『星』の暗示する「星の白金」
21番『世界』の暗示する「世界」
レオパルド・ジーク(神風 零弥):『格闘家』:ランクS-
・神砂嵐の流法【レベルMAX】
真空竜巻
闘技・神砂嵐
・漢武夷流柔術【初期レベルMAX】
神砂の拳
セーナ・フォクス:『格闘家』:ランクB
・イヌ科の嗅覚【初期レベルMAX】
・イヌ科の聴覚【初期レベルMAX】
・波紋の呼吸法
ネーナ・チュミン:『アーチャー』『補助魔術師』:ランクA
・魔導弓【レベル2】
回復型
威力型
速度型
(上から順に使用頻度の高さ順)
・補助魔法
ヒール(極小回復)
ホイミヒール(小回復)
ケンロ(防御小アップ)
ムッキ(攻撃力小アップ)
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