女僧侶マアムがドラクエ世界救ってみた
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第1章
リア充なんて死ねばいい
「そろそろか………」
俺は魔物の事を考えつつ、さっきまで練習用に振り回していた『鉄の槍』から『英雄の槍』に持ち変える。さすがに『地獄の魔槍』は見た目的にも火力的にも僧侶の女の子が持ってていいもんじゃなそうだからやめといた。
『来ます!』
「了解!!」
さて、いっちょ殺ってやるか。
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「なんで魔物たちはさっきの笛の音で僕たちを狙うのやめたんだろ?」
「私も疑問に思ってるんですけど?」
二人がぶつけてきた疑問について答える。
「魔物には無防備な人間を優先的に襲うという本能があると聴いたことがあります。そのために魔物は笛などを吹きながら森を歩いたりする人などを良く襲うそうです。正直、こんな森の中でそんなことをする人はバカと言ってもいいんですが、今回はそれで救われたというところもあります。でもそれで死なれたら後味悪いので助けに行くだけです!」
「最後の方愚痴だよ?」
その言葉にハッとする。
「すいません!こんな一大事に」
「いいよ、それより早く助けにいかなきゃ」
「そ、そうですね!」
「………あれじゃないか…?」
それに反応して前を見て、戦闘態勢をとる。
「ほんとだ!じゃ、助け………!?」
「えっ!?」「うそ!?」「………!?」
私以外も同じリアクションだった。無理もないと思う。そこにはたった一人で、私達が相手をしていた魔物の三倍近い数を圧倒していた僧侶の女の子がいたからだ。私達と戦い疲労していた魔物がいたと考えても、あり得ない強さだ。しかも、当の本人は、
「うーん、いらない奴らまで来ちゃったな」
と、超余裕の様子で呼吸が全然乱れてない。
そのまま危なげなく魔物を全滅させてしまった。
「そこに居る四人の旅人さんたち、もう大丈夫ですよ」
隠れてたの気付いてたんだ………。
私達は言われたとおり身を隠していた草むらからでて前の僧侶さんが居る、少しひらけた場所に出る。
「え"っ」
ラルスを見てその僧侶さんが女の子が出しちゃいけなさそうな声を出す。
「そ……その人、勇者なんですか?」
当然の反応か。ラルスは勇者だからね。
「うん、そうだけど」
何か僧侶さんが小声で、
「嵌めやがったな、セレシアぁ………」
と、呟いてるけどあまり気にしない。それより、私達が守られてしまった事のショックが大きかった。
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俺は驚いた。何に驚いたかというと、草むらから出てきた四人のうちの一人が勇者だったからだ。
「え"っ」
なんていう、女の子が出したらアウトな声まで出る始末だ。落ち着け、俺。気持ちを落ち着けて言葉を放つ。
「そ、……その人、勇者なんですか?」
最初少し詰まったが、まあ大丈夫だろう。すると、本人が柔らかい声で、
「うん、そうだけど」
と、一言。あっけらかんと、言いやがって。
「嵌めやがったな、セレシアぁ………」
つい声が出てしまった。聴かれたのは、魔法使いの人だけっぽかったからちょっと安心。
『どうでしょう?』
てめえ、覚えとけ。
とか思ってると、勇者のとんでもない発言が俺を攻撃した。
「あなたの強さに惚れました!あ、あのっ弟子にして下さい!」
な、なんだって?
「お願いします!」
痛恨の一撃。
想像はできたが、あまりにもセレシアの考えていたであろうプランに乗っかりすぎだろ。その証拠か、セレシアの笑いをこらえる声が聞こえる。
此処まできて断るのは気が引ける。俺が断れないのを見越してやってんだったら、許さねぇぞセレシア。
「わ、分かりました。その責務謹んでお請けします」
「ほんとですか!?有り難うございます!」
「確かに、強さは本物ですしね」
と、魔法使い。
「私も賛成です!」
と、僧侶。
「異論なし………」
と、戦士。
「反対はないみたいですね。上手く教えられる自信はありませんがよろし……」
「あのっ、自己紹介しませんか?」
話を切って魔法使いが自己紹介を提案する。
最後まで言わせてくれよ……。
「そうだね。じゃ僕から。ラルスです。勇者で16歳です」
「私はレナ。魔法使いよ」
「アインです!僧侶してます!」
「ソルジだ……職業は戦士…」
それぞれに自己紹介の特徴があるな……。
「私はマアムと言います。僧侶です」
自己紹介はこれでよしと。問題はアインとソルジなんだがアインが妙にイチャイチャしてないか?ソルジの方も嫌ではなさそうだし。何なの?リア充なの?リア充だったら死ねば……いや、ザラキしてやりたい。
俺の苛立ちなんかどこ吹く風で二人はイチャついていた。
後書き
ほんとリア充爆発しろ。
次回 「え、リア充じゃない……だと?」
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