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女僧侶マアムがドラクエ世界救ってみた

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第1章
  え、リア充じゃない……だと?

 
前書き
9月18日 誤植の訂正 

 

森を抜けて大河を跨ぐ橋を歩く時の事。

「あのっ、回復魔法について色々教えてくれませんか?」

アインにそう尋ねられるが俺が知っている事と言えば上位回復魔法の名前だったり効果位……いや、この世界では凄い情報かもしれない。一応言っておくべきか。

「えーと、回復魔法の基礎はホイミから始まって、べホイミ、ベホマ、ベホマラーとなります。他にも強力な呪文、ベホマズンという回復魔法もありますが僧侶には使うことは出来ません──って、回復魔法を皆さんにかけないと!」

よくみると皆、埃まみれで傷だらけだ。何故今まで気付かなかった俺。

「ベホマラー!」

全体回復魔法をかけ、全員を回復させる。セレシアの魔力により事実上はベホマズンにしか見えないが、『ベホマラー』と言っているので多分大丈夫だろう。

「わぁ、凄い──!」

「これがベホマラー……!」

「凄い魔法とは聞いていましたが此処までとは─」

「……!」

それぞれ上からアイン、ラルス、レナ、ソルジの反応だ。やっぱソルジの無口がすげぇww表情がねぇな。
そんなことを思っていると、思い立ったようにラルスが口を開く。

「あの……師匠。今日、僕の家に来てくれませんか?」

「突然の問題発言に驚いているのですが」

俺は男だから問題ない。だが、この身体は一応女の子だからいきなり男の家にお邪魔するのは問題ありだと思う。

「ち、違います!親に師匠を紹介したいだけですから親も居ます!」

ラルス君が必死で反論したが、『うん、知ってた。からかってみただけ』とは言えないので普通に言葉を返す。

「あ、そうですか」

更にラルス君が続ける。

「後、アリアハン王にも師匠を紹介しなきゃ。それに他には……」

うへぇ。アリアハンに着いてからがしんどそうだな……俺は他人と接するのが大の苦手だ。

「アリアハンの城門が見えてきました!」

俺の心境を知ってか知らずか、レナさんが喜んだ顔で今の俺が一番聴きたくない事を言う。
オワタァ \(^o^)/

「……覚悟決めるか………」

「? 何か言いました?」

アインさんが心配したようにこちらをのぞいてくる。

「ううん。何でもない」

とか強がってみるものの、迫ってくる様にすら感じる、アリアハンの城門を前にセレシアにしか聞こえないあろう方法───心の中でこう呟いた。

ダレカタスケテ。

なんかクスクス笑ってやがる。このやろう。覚えとけ。





「ただいま、母さん。今日は新しい仲間がいるんだ」

ラルス君の家に着くとラルス君はサクッと俺の存在を告げ、いつも座っているのであろう椅子に崩れるように座り込んだ。疲れてたんだろうな。レナさんやアインさんもくたくたのようで椅子に座る。ソルジだけが何事もなかったかのように椅子に座って──

「何でお前─あなた達も!?」

危ない危ない。素が出るところ、いやもう出てたな。お前らって言い切る寸前だったぜ。それはそうと、真面目な話、何であいつらがいる?
まさか全員家族、何て事はないだろう。

「あの~」

ラルス君の声で我にかえる。

「えっ、あ、何でしょう?」

「何か考え事してるみたいなので、何を考えているのかと思いまして」

此処で正直なことを言うと馬鹿にされること間違い無しなので、それとは別で気になっていたことを聞く。

「アインさんとソルジ君は付き合ってるのかなーと思ったんですが」

そう。リア充か否か。これは聞いておきたい。しかし、俺の言葉はアインさんに正面から否定される。

「何を言ってるんですか、ソルジは私のお兄ちゃんです!」

「──え?」

 
 

 
後書き
まさかの兄妹。
次回 「謁見」  
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