暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】
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クラス対抗戦
第13話 決戦!クラス対抗戦 Ⅲ
前書き
宣告通りに行きます。
ですが思うように進みません……
白夜SIDE
白夜「どうした、そのへっぴり腰は?さっきまでの調子は何処へやらだな」
鈴音「チッ!」
あれから数分が経過したが、凰の奴はずっと押されっぱなし。ここまで全力は出してないが結局こんな感じだ。
代表候補生にしちゃ無様なモンだな、これが現実ってヤツさ……悪く思うなよ……
これは補足にしかならないが、今回は"闇夜"は使ってない。セシリア戦で使ったのはあくまでデモンストレーションの為であったから試しに使っただけに過ぎない。しかも燃費の関係であまり使いたくないのが主な理由。
けどそれ抜きにしてもこいつ(宵闇)は強いから、別に使う必要は無い。
白夜「そんなんじゃそろそろ決めちまった方が良さそうだな。
覚悟は出来てるか小娘?」
鈴音「くっ、よくもあたしをここまでコケにしてくれたわね!もう手加減しないわよ‼︎」
フッ……生憎だが、それは今の内さ……
凰の覚悟は解ったが、それでも相手のプライドをへし折るのが俺の流儀。
だから……
白夜「もういっちょ本気になってやるかな」
鈴音「えっ⁉︎」
そう言って俺はシールドに装備されてる隠し刃《大禍時》を展開した。
鈴音「何なのよそのシールドは⁉︎いきなり刃が出て来るなんて⁉︎
てかそのシールドまさか__!」
白夜「察する通りさ。
英国のティアーズ型と同じビット機能を有してるのさ。まあこいつは相手の死角に忍び込むようにもなってるから、ちょっとでも気ぃ抜こうモンならこいつが鮫のようにテメェの死角に襲い掛かるぜ」
鈴音「そんな⁉︎」
さあさあ、せいぜい抗って見せろよ。代表候補生……
_______________
箒SIDE
箒「全く、なんて奴なんだあいつ(白夜)は」
アイツ、篠ノ之流から遥かにかけ離れた戦術を使ってるがなんて強さだ。
篠ノ之流を捨てたのは気に食わんが……私を幼馴染み扱いせんのはもっと気に食わん!
セシリア「まさか、あの機体にあんな装備があったなんて……あの様子ですとわたくしの場合、完全に手加減されてましたわね。ショックですわ……」
マドカ「あの時の戦い方から見るとこ、セシリアとの場合はテストって感じの戦い方だったからな。
今回はそれより本気って感じだがまだ手加減してるな」
何、あれでも手加減か⁉︎
まあ……この前のアイツがあれほどなら仕方ないがな……
私の言うアイツとは、この前突然と現れた一夏…いや白夜に力をやった人間の事だ。悔しいがアイツの強さは只者じゃないのは確かだ。もとより神の力であるのなら尚更だ。なら一体どうすればいいのだ?
千冬さんですら圧倒するのなら私が専用機を手にしても所詮敵わんだろうな……
ならば白夜のように…いや駄目だ、アイツから感じとれたのは恐怖だ。千冬さんですら畏怖させるほどの……
あんな奴では間違っても二度と刃を向けたくは無い……だがそれでは……
≪ズガーン!≫
鈴音『きゃあ!』
箒「⁉︎」
何だ一体⁉︎もうあの女に一撃喰らわしたのか⁉︎
全然見てなかったが…あいつは一体……
≪ドンッ!ドンッ!≫
≪ドカンッ!ズガンッ!≫
鈴音『うわあぁああああ〜〜〜!』
クソッ!私はあいつの背中を見ているしか出来ないのか?
そんなのは嫌だ!なんとしてもあいつの助けになりたい!
……でもどうすればいいのだ?どうすれば……
_______________
簪SIDE
本音「ほえぇ〜。かんちゃん見て見て、ビャッキーすっごく強いね〜〜」
簪「そうだね、私でも驚いちゃうくらい……」
前のオルコットさんとの試合も見てたけど、相変わらず強いなぁ白夜は……
本当にアニメに出て来るヒーローみたいでカッコイイ。オマケにダークヒーローとなれば、悪に染まれど正義感が増してよりカッコ良く……
本音「ほえっ、どうしたのかんちゃん?
もしかして面白くない?」
簪「えっ?そんなことはないよ!
ただ……白夜、とっても強いから…“私も強くなりたいなぁ”って……」
本音「そんなことはないよ。かんちゃんはかんちゃんでとっても強いよ。
だってヤマヤマ先生倒しちゃったんだしさ」
簪「それは…そうだけど……」
前にお姉ちゃんから“強い”って言われたのは嬉しかったけど、白夜にも褒められるのはもっと嬉しい。
さっきの試合、相手が一組副担任の山田先生だった(専用機を持ってるクラス代表が私と白夜と凰さんだけだったからという理由で急遽決まった。)とはいえ、それでもなんの苦も無く倒して、それを試合後に白夜から褒められた時は白夜本人が私だけのヒーローにみえた。私のために頑張ってくれるヒーローに……
白夜「"白夜-薄月夜(うすづきよ)"!」
≪ドンドンッ……グワーーン!≫
鈴音「うわ!うわわわっ‼︎」
試合の続く中白夜は攻撃の手を緩めずに攻撃してるけど、今の私にあるのはその白夜の事だけだった。
だから私は、これからもずっと白夜を応援するね。だって白夜は……
簪「私だけの…素敵なヒーローなんだから……」
_______________
白夜SIDE
白夜「ここまで耐えるとはな、まあセシリアよりはやる方だな。
だがそこまで消耗してどこまで耐えられるかな?」
鈴音「ハァ…ハァ……チッ!」
あれからずっと連撃叩き込んでるが随分と耐えるな……
セシリアに比べたらマシ…いやあの時は"闇夜"を使ったから仕方ないが……
白夜「そんな闇雲な攻撃じゃ俺は一生捉えられんよ、例え何度も生まれ変わろうとな。
ほんじゃ、ガキの遊びにはもう飽きたし、とっとと決めさせてもらうぞ」
鈴音「くっ、クソッ!
もう手段は選ばないわ!どんな手使ってでも勝たせてもらうわ‼︎」
フン……“手段は選ばん”か……だが今のテメェじゃそんなの最早“負け犬の遠吠え”と同じだ。
気の毒だがここで__!
≪ズドオォォォン!≫
『⁉︎』
すっかり消耗した凰にトドメを刺そうと思った矢先、観客席のシールドが破壊されたか思えばアリーナ中央に何かが落ちて、大きな音と同時にそこは土煙りに覆われた。
たく……一体誰だ、折角勝負決めてやろうとした矢先に横槍入れた馬鹿は?
ーーーーーーーーーー
≪ォォォ……≫
「……」
土煙りが晴れたそこに居たのは、バカデカイ腕の付いた黒のIS。しかも顔は頭部を全て覆い隠す形状のマスクで覆い隠されてて確認出来ない。
白夜「あれは……見るからに第2世代寄りだが、カタログに載ってないタイプだな……ならあれは……」
見た目だけで第2世代辺りだと予測したは良いけど、目の前にあいつは前に織斑先生からもらったカタログなんかには一切載ってなかった。
オマケに……
【全身装甲】
白夜「おいおい、幾らなんでもそんなISなんざ見たことも聞いたこともねぇぞ……」
画面に表示された文を見て呆れる。ISには普通、“全身装甲(フル・スキン)”のタイプなんて存在したりはしない。
もし有るとするなら軍用機だけど、それでも全身装甲のISを使用してる軍は存在しない。
じゃああいつ一体どこの__
鈴音「ちょっと白夜!」≪バキッ!≫
白夜「痛っ、何すんだテメェは!ぶっ殺されたいのか⁉︎」
鈴音「んな事言ってる場合じゃないわよ!前見なさいよ前‼︎」
白夜「何?」
いきなり凰にブタれて文句を言いながらも前を向くと……
【所属不明のISと確認。ロックされています】
【高エネルギー反応有り、高出力ビーム】
≪キュイーーンッ!≫
画面にそんな表示があって、しかもそのISはレーザーキャノンらしき砲口をこっちに向けてエネルギーを溜めていた。
げっ、ヤバッ!
≪バシューーッ!≫
白夜「チッ!」
≪スッ……ドオォオオーーッ!≫
声を発する間も無く撃って来て舌打ちしながらもシールドを構えてレーザーを躱した。
別にこいつ(宵闇)の出力でならPIC全開にして躱す事も出来ただろうけど、そうなれば観客席の生徒達に危害が及ぶと判断してわざわざシールドで躱したんだ。
まあこのくらい教師陣にも出来る芝居だろうがそんなのはどうだって良い。
ーーーー
≪カチッ≫
白夜「織斑先生聞こえますか⁉︎聞こえたら返事してください!」
千冬『騒ぐな白夜、言われなくとも聞こえてるし状況も既に把握してる』
白夜「ならば直ちに応援をお願いします!凰はすっかり消耗してますから俺一人で倒すには流石に限度があります!急ぎ増援をお願いします‼︎
それと、アリーナ全体の生徒達を全員避難させてください!下手をすれば生徒達にも被害が及びます‼︎」
千冬『なぁに、避難なら既に始めてるから大して問題は無い。
だが増援は暫く無理だ。何より遮断シールドが強制ロックされてるから解除するのに時間が掛かる。シールドを解除出来るまではお前が時間を稼げ』
俺でもやれるだろうが持久戦に持ち込まれようものなら幾ら強力な相棒でも長くは保たない。
増援と同時にアリーナ全体の生徒達の避難を通信を通じて織斑先生に進言するも、避難は良くても増援はシールドを解除するまでは望めないとの事で、それまでは俺がどうにかしろとの事だった。
白夜「……、仕方ありませんね……解りました、全力を尽くします」
不満はあったが雇い主からの命令である以上は従わざるを得ない。だがそれはまだしも……
白夜「って、凰はどうしますか?本人は俺との戦いで消耗してるのですよ?」
肝心の問題はそこだ……
千冬『本来ならすぐに退避しろと言いたいとこだが、さっき言った通りシールドを解除しない限りはどうしようもならん。
悪いが凰を守りながら戦え、出来るか?』
案の定それかよ……まあ状況が状況だから仕方ないか……
白夜「努力します……」
千冬『では健闘を祈る』
ーーーー
こうなったらもう後には退けない……
白夜「やも得ん……こうなりゃ気が済むまで暴れてやるか!」
丁度最近鬱憤が溜まってたからどこかで晴らしたいと思ってたから良いだ。この際鬱憤晴れるまで好きにやらせてもらうとすっか!
鈴音「待ちなさい白夜!あたしも手伝うわ‼︎」
何でオメェが出て来んだよ?やるだけ邪魔だ!
白夜「消耗したお前じゃ足手まといだ、解ったら引っ込んでろ。でなきゃ__」
鈴音「そんなの関係無いわよ!第一あんたに散々コケにされて最後にのけ者扱いなんて、あたしのプライドがそれを許さないのよ!あんたが何言おうと手伝わせてもらうわよ‼︎」
チッ!面倒臭えな……ああもう勝手にしろ‼︎
白夜「しょうがねぇな!ならお前は衝撃砲で後方から援護射撃して隙を作れ!それに乗じて俺が叩きのめす‼︎
それなら文句は無いだろ⁉︎」
不本意だが手伝わせることにするけど、消耗してる以上はどこまでやれるか知ったモンじゃないから条件に援護攻撃に限定する。それなら少しだけでも活躍の機会を作れるから凰にもメリットはある。
鈴音「そんなの嫌よ!あたしも近接武器持ってるからあんたが__!」
白夜「消耗してるお前じゃどこまで持ち堪えるか解んないから心配してやった上で譲歩してんだよ!これでも結構妥協してる方なんだ!そんで死んだって俺は一切の責任取らねぇぞ‼︎」
鈴音「はあっ、何でそうなるわけ⁉︎」
白夜「んなモン自業自得に決まってんだろうがたく学習しろ!解ったら言う通りにしろ‼︎」
鈴音「……仕方ないわね……あんたがそう言うのなら従うわ……」
けれど折角の交換条件を蹴って来たから半ば脅しにと“責任取らん”と言って説き伏せた。
たく……扱いの困るヤツだこいつは……
まあいい……
白夜「なら早速掛かるぞ!嫌でも合わせろよ‼︎」
鈴音「解ったわよもう!」
これ以上は時間の無駄だからサッサと終わらせようと目標(所属不明IS)に攻撃しに掛かった。
後書き
今回は箒視点でも書いてみましたが、今回のはまさか頑固さ和らいでる方なのでは?
いやいや、そんな事なら“幼馴染み”とか引き合いに出さない筈!ならば今回のは断じて違う!そうだ!絶対にそうに違いない‼︎(実際のところは読者の見解次第ですからそこのところについてコメントお願いします。)
そしてもう一つ。
実は“のほほんさん”こと本音が山田先生をどう呼んでるのか全く知らない(なので今回は“ヤマヤマ先生”と表記しました。)ので、知ってる方は誰でもよろしいので教えてください。
さて本題。
次回は白夜AND凰VSゴーレムⅠ。さらに白夜の力が解放…するk__(以下略)
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