転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦艦ナデシコ
1322話
空中に浮かんだニーズヘッグのコックピットで、映像モニタへと目を向ける。
戦場では、既に幾つもの戦闘が始まっていた。
まず目に付くのは、やはりメギロートだろう。
30機、60機、90機、120機、150機と時間が経つと30機ずつ増えていく。
映像モニタでは、メギロートへと向かってバッタが背中のミサイルを発射しているのが見えるが、そのミサイルはメギロートが放つサークル・レーザーにより一掃される。
そうして幾つもの爆発光が起きる中を、メギロートはバッタへと向かって突っ込んで行く。
メギロートの大きさとバッタの大きさの差は圧倒的なものがあり、また装甲に関してもメギロートの方が上だ。
正面からぶつかれば、当然バッタが弾け飛ぶ。
更にバッタは集団で行動する事も珍しくなく、弾け飛んだバッタが仲間にぶつかり、その衝撃で背中のミサイルが爆発して、その爆発により他のバッタのミサイルも誘爆する……といった光景も目にする事が出来る。
また、メギロートの角により胴体を突き刺されて身体が四散するバッタの姿も見る事が出来た。
「あ」
俺の視線の先にいたメギロートが角でバッタを砕いたのはいいが、その衝撃でミサイルが爆発してメギロートにもダメージがいったな。
至近距離での爆発だった為か、関節部分にダメージがいったらしい。
動きがぎこちなくなったメギロートに向かい、周囲のバッタが背中のミサイルで集中攻撃を行う。
サークルレーザーを使ってそのミサイルの大半を空中で爆発させ、それでも迎撃出来なかったミサイルは装甲の厚い場所で防御していたメギロートだったが、それでも数十発のミサイル全てをそんな風に防ぐ事は出来ず、足の関節分や首の関節部分、あるいは背後から撃たれた為に羽の付け根といった部分へと命中し……やがて地上へと落下してしていく。
どうしても今の状況ではメギロート側の方は数が少ないので不利になっているが、それでもメギロート1機でバッタ数十機を相手に戦えている。
性能的に見ればメギロートの方が圧倒しているな。
いや、そもそもバッタは数をメインにした兵器であり、どうしても向こうにとっては雑魚といった扱いなのだろう。
事実、ようやく地上に姿を現し始めたイルメヤのスパイダーネットやビームガトリング砲によって鹵獲され、撃破されているのだから。
というか、ぶっちゃけバッタ相手だとメギロートよりもイルメヤの方が若干有利か?
メギロートが空中を飛んでいるという事は、前後左右に追加して上下からも攻撃をされているという事になる。
それに比べると、イルメヤは地上にいる為に最大の死角である下から攻撃されるような事はない。
更にビームガトリング砲はサークル・レーザーよりもミサイルの迎撃には向いている兵器だし。
……もっとも、メギロートの数が増えてくればバッタも純粋な個の戦力で押し切れるのだろうが。
ふとエステバリス隊の方が気になってそちらに視線を向けると、そこではリョーコ達がいつものようにチームワークを発揮してバッタを蹂躙している。
リョーコ、ヒカル、イズミの3人とテンカワ、ヤマダの2人。
そうやって2チームに分かれた上での連係攻撃はなかなかのものがある。
エステバリスの攻撃力不足、性能不足をチームワークで補っている形だ。
そして……
轟っ、とナデシコからグラビティブラストが放たれると、メギロートやイルメヤ、エステバリスといった遊軍戦力がいない場所からナデシコに向かって攻撃をしようとしていたバッタが纏めて消滅する。
カトンボや大型戦艦はグラビティブラスト一撃で破壊出来ないのだが、バッタはやはり別らしい。……雑魚だしな。
勿論ナデシコが宇宙空間ではない場所でグラビティブラストを連射出来ないというのは知っている。
その辺はユートピアコロニーで十分理解したし。
だが、今は戦力的にこっちが圧倒的に不利って訳でもないので、グラビティブラストの連射は特に必要がない。
「お、来たな」
次々にゲートの方からやってくる戦力の中にシャドウの姿を見つける。
数的な意味での主力がメギロートなら、質的な意味での主力。
いや、純粋に質って意味だと俺達幹部陣になるんだろうけど、やっぱり主力ってくらいだから数がいないとな。
ともあれ、シャドウが1機姿を現すと木星蜥蜴の方でも警戒したのだろう。攻撃が集中する。
バッタの攻撃はどうとでもなるだろうし、カトンボの攻撃も問題なく防いでいる。
だが……大型戦艦の方に動きがあったかと思うと、即座に量産型Wはエナジーウィングを使って機体を真横へと移動させる。
そうしてシャドウが動いた次の瞬間、一瞬前までシャドウがいた場所を大型戦艦から放たれたグラビティブラストが通り過ぎて行く。
シャドウのバリアだと受けきれないと判断したのか?
シャドウにはEフィールド、G・テリトリー、そしてエナジーウィングを追加した事によりブレイズ・ルミナスという3つのバリアが存在している。
それとビームコーティングも装備はしてるんだが、重力波砲だと意味はないんだよな。
ともあれ、その3つのバリアがあれば余程の攻撃でもない限りは攻撃を無効化出来る筈なんだが……
「量産型W、聞こえているな? 何故今の攻撃を回避した? 防ぎ切れないと判断したのか?」
ここで考えていても仕方がないと、実際に聞いてみる事にする。
俺の通信を受けた量産型Wは、いきなりの通信だったにも関わらず動揺もないままに口を開く。
『あの大型戦艦は重力波砲を持っているというデータがあったので、この機体のバリアで防げるかどうか分かりませんでした。それで念の為に回避を選択しました』
「……そうか」
量産型Wは人造人間ではあるが、レモンの長年の研究によりパイロットとしてはエース級の力を持っている。
それも一流のパイロットと超一流のパイロットの壁を分ける、明確な壁を越えつつある程度の能力を持ち、超一流半とでも呼ぶべき存在だ。
……超一流半って、何だか微妙に人聞きが悪いな。
その量産型Wが危険だと判断したとなると、そこまでの威力があるのか?
こればっかりは実際に食らって……
そう考えたところで、他にも戦場へと何機かのシャドウが姿を現しているのに気が付く。
ふむ、なるほど。これなら1機くらい被害を受けても構わないか。
最悪シャドウを大破させてしまうかもしれないと考えると少し惜しい気もするが……バリアを持っている機体でどのくらい大型戦艦のグラビティブラストを防げるのかというのは試しておく必要がある。
最悪、幹部の乗っている機体がグラビティブラストを受けて撃破されると考えれば、シャドウで試した方がいい。
可能であればメギロート辺りで試せば良かったんだろうが、バリアを持ってないしな。
だからこそ、バッタの集中攻撃で撃破されている機体もいる訳で。
「バリアを全開にして、敵大型戦艦の放つグラビティブラストを正面から受けてみろ。恐らくバリアで敵の攻撃は防げると思うが、もしどうしても駄目なら、途中で回避してもいい」
『了解しました』
俺の命令にあっさりと頷いた量産型Wは、そのまま大型戦艦の方へと向かって進んでいく。
これが普通のパイロットであれば、自分を殺す気かとか言って怒るだろうが、量産型Wは人間の形をしている機械のようなものだ。
……Wナンバーズのように特別に手を加えられた存在であれば、意思や自我といったものが目覚めることもあるんだが。
ともあれ、量産型Wの操るシャドウは武器を手にして挑発するような仕草をしながら大型戦艦へと向かう。
そんなシャドウを迎撃すべく各種レーザーやミサイル、レールガンといった攻撃が放たれも、G・テリトリーすら貫く事は出来なかった。
ああ、そうか。巨大戦艦もナデシコと同じ火星古代文明の流れを汲んでいるという事は、動力炉が相転移エンジンなのか。
つまりナデシコと同じく宇宙ではないと本領を発揮出来ず、火星や地球ではグラビティブラストを連射出来ない、と。
「量産型W、その艦は暫く次のグラビティブラストを発射出来ない。別の大型戦艦に向かえ」
『了解』
そう告げ、攻撃をせずにかなり離れた場所にある大型戦艦へと向かって行くシャドウ。
大型戦艦はそんなシャドウの背中を撃とうとして艦首を移動させるが……
「グラビティブラストを撃てないお前は用済みだよ。くたばれ」
そう呟き、T.T.キャノンのトリガーを引く。
ニーズヘッグから放たれたT.T.キャノンのビームは、T-LINKシステムを使って俺の意思通りに動く。
空中を飛んだビームは、大きく弧を描きながら艦首をシャドウに向けようと移動している大型戦艦の背後へと回り込み……あっさりと大型戦艦を背後から貫く。
ディストーションフィールドが展開されているのだが、そんなのは知った事ではないとばかりに、だ。
もし木星蜥蜴の無人機に自我のようなものがあれば、恐らく何故バリアが突破されたのか理解出来なかっただろう。
まぁ、木星蜥蜴が念動力とかそういうのを理解出来る筈もないから仕方がないが。
そうして背後から貫いたビームにより、空中に浮いている事が出来なくなった大型戦艦は地上へと落下していく。
それでも動力炉を破壊されずに空中で爆散しなかったのは幸運と言ってもいいだろう。
いや、単純に大型戦艦を少しでも多く鹵獲したいから、上手い具合に攻撃を加減したというのが正しいだろうが。
そうして地上へと不時着した大型戦艦を確認し、別の……グラビティブラストを受けようとしているシャドウとは別の機体へと通信を送る。
「量産型W、今地上に落ちた大型戦艦を確保しろ」
『了解しました』
返事が聞こえるや否や、離れた場所にいたシャドウが地上へと降下していく。
取りあえずあの大型戦艦は奴に任せておけば大丈夫だろう。
後は最初の予定通り……と、俺の視線の先では別の大型戦艦へと向かって進んでいくシャドウの姿があった。
大型戦艦の方も、自分達に向かって近づいてくる敵機をそのままにしておくつもりはなく、次の瞬間には艦首からグラビティブラストが発射される。
そうして放たれたグラビティブラスト。
シャドウは俺の命令通りに特に回避行動を取る様子もなく、真っ正面から重力波砲を受け止める。
そのまま黒い重力波砲がシャドウを飲み込み、大型戦艦からグラビティブラストの光が消えた後……そこにはシャドウが無傷で存在していた。
ふぅ、どうやら一撃で撃破されるって事はなかったらしい。
考えてみれば、カトンボや大型戦艦はディストーションフィールドだけしかバリアは存在していない。
にも関わらず、ナデシコのグラビティブラストでも一撃で撃破されなかったのだから、この結果はそうおかしなものではないかか。
「沈め」
取りあえず最大の懸案事項が解決した以上、大型戦艦にシャドウをこれ以上攻撃させる訳にはいかないとしてランツェ・カノーネの砲門を大型戦艦の方へと向け、トリガーを引く。
砲門から放たれたビームは、真っ直ぐに大型戦艦へと向かい……その身に纏っているディストーションフィールドをあっさりと突き破って艦体へと命中する。
やっぱり一定以上の威力のビームであれば、ディストーションフィールドでもビームを湾曲させて防ぐって真似は出来ないらしいな。
処理能力の問題か?
ともあれ、それが分かっただけでも幸運だった。
艦体のいたる場所で爆発を巻き起こしながら地上へと落下していく大型戦艦を一瞥し、シャドウへと通信を入れる。
「グラビティブラストを受けたが、どうなった?」
『一番外側に展開されているEフィールドは突破され、G・テリトリーで完全に防ぐ事には成功しました。ですが、G・テリトリーの方もかなり圧迫されてましたので、一度に2隻から集中攻撃されると抜かれる可能性が高いです』
「G・テリトリーで済んだとなると、ブレイズ・ルミナスの方はどうなっている?」
『そちらの負荷は全くありません』
ふむ、だとすれば2隻や3隻の大型戦艦からグラビティブラストの集中攻撃を受けても平気か?
その辺はまた後で試す必要がありそうだが、現在の敵の種類は大型戦艦がそれ程いない。
カトンボとバッタが主戦力である以上、そこまで心配する必要はないか。
「分かった、敵の攻撃を受けるという行為、ご苦労だった。機体に異常はないか?」
『はい。破られたEフィールドの方は既に復旧済です』
そうか。……無人機としては破格の攻撃力だというのは明らかだったが、それでもシャドウにとってみれば多少注意する必要がある程度という認識でいいらしい。
「じゃあ、敵の殲滅を再開しろ。出来ればあまり破壊せずに鹵獲出来るようにな」
『了解しました』
量産型Wは通信を切り、再び木星蜥蜴へと向かって攻撃を仕掛けていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
ページ上へ戻る