がっこうぐらし!The world in confusion
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chapter51
「管理局との…完全決着…」
悠里がいったことを胡桃は意味深な表情で復唱した。
流石にそれが何を意味するかは誰だってわかることだから胡桃の言葉には重みがある。
「この結界は人が形成した結界だったらここまで長続きするはずないし、たぶん機械…それを重要な所においておかないといけないから、恐らく…」
「装置はランダル本社にあるってわけ」
結界の出所を俺が考えた推測をみんなに説明し、胡桃は俺の話を理解して俺が言い切る前にある場所を言い当ててそれに俺は頷く。
「取り合えず異議があるんだったら遠慮なく教えてくれ」
「別に問題ないだろう」
「…それが一番安全なら私は構いません」
「名残惜しいけど…仕方がないわね」
俺はみんなに意見を聞き上から胡桃、直樹、悠里の順に問題ないといい、他の一人を除くみんなも異論はないような表情だ。
「ええ!?それじゃあ学園生活部はどうするの!?」
唯一、学園生活部が好きな由紀が反論した
まあ、やっぱりというかなんというか…
「丈槍さん、気持ちはわかるけど…先生もそっちの方が安全だと思うの」
「でも…でも~…」
佐倉先生が由紀を説得するが駄々をこねる。
「由紀…由紀が駄々をこねる訳もわからなくはない、けどな…此処を出たとしても学園生活部がなくなる訳じゃない、俺達は学園生活部であることはどこにいこうと変わりはしないだろ、大事なのは形じゃなくて…心だと思うんだ」
「…うん」
俺は学園生活部は決して消えないと説得して由紀は小さく頷き了承した。
「それじゃあ、先ずは此処を出る前に、大掃除をしないといけないわね」
「そうですね、これまでこの学校にお世話になりましたから」
「最大限の恩返しだね!」
全員了承した後、佐倉先生が学校の掃除を提案しそれにたいして、悠里と元気な声を出す由紀が賛成する。
「さてと、それならすぐにでも取り掛からないとな」
学校全体を大掃除となると丸一日費やすかもしれないし善は急げと早速俺達は行動した。
「ふぅ…漸く…全部終わった」
方針を決めた後すぐに取り組んだ学校全体の大掃除、やはりというか漸く終わって外を見ると既に空は夜空が広がっており…言うまでもなく丸一日かけて完了させた。
流石に丸一日掃除に徹していたわけでかなり疲労を感じながら俺は部室で椅子に座りながら机に俯せている。
「…もう明日には此処ともお別れか…」
同じく、掃除が終わり同じように俯せている。胡桃が名残惜しい感じでポツリと呟く。
俺達にとってはこの約一ヶ月…帰るべき家と言うべき場所そこから離れるとなるとそういう気持ちにもなるのはよくわかる。
「ゆーくん!くるみちゃん!おつかれ~!!」
この名残惜しい雰囲気をぶち壊すかのように由紀をはじめとする残りメンバーが戻ってきて、由紀に関してはあまり疲れはてていないのかまだ元気であった。
「おっ、戻ってきたか全部終わったんだな」
「ええ、学校全体となると本当に疲れたわ…でもきついとは思わなかったけどね」
由紀達が戻ってきたことにより胡桃は俯せの上半身を起こしそれに続けるように俺も上半身を起こす。
そして疲れきっている表情を見せている悠里はその反面でやりきった感じをほとばしっていた。
「ねえねえ!今日はみんなで屋上で星空を見ながら寝ようよ!」
そんなとき意外にも由紀から珍しい提案を持ちかけられてみんな由紀に視線を向ける。
「星空を見てか中々いいかもしれないな」
「ここにいるのも明日の朝が最後だし私もそれに賛成だな」
「本当!?じゃあすぐに屋上にしゅっぱーつ!!」
由紀の提案に俺と胡桃が賛成だと口にし由紀は賛成してくれたことによろこび一目散に屋上へと向かっていく。
「由紀先輩!待ってください!」
「さてと、俺達も屋上に行くか」
「そうね、ちゃんと寝袋も持っていかないと」
先走って向かった由紀を追うように直樹が部屋からでてその光景に苦笑いしながらも俺達もゆっくりとその後を追いかけていった。
「もう!ゆうくんもめぐねえたちも遅いよ!」
そして屋上では案の定、由紀と直樹が待ちわびており由紀は俺達が遅いことにご立腹のようだ。
「すまんすまん、さてと、それじゃあ寝転ぶか」
軽い感じで由紀に謝り、謝った後に人数分の寝袋をしいて寝袋のなかに入り星空を眺める。
空は視界を遮る雲はひとつもなくこの巡ヶ丘全体で明かりなどは少なくなっていることで絶景な夜空がよく見えた
「うわ~すっごい!綺麗だね!」
「ここまでの夜景早々見れるもんじゃねえな」
仰向けで寝転ぶ由紀が素直に夜空を絶賛し都会ではここまでの夜景は見れないと俺も共感した。
「…ねえねえ、みんな…みんな将来の夢とかあるの?」
少し夜空を眺めていると由紀が将来の夢につて聞き始める。
「夢か…私は…あんまりそういうビジョンは無いな…りーさんは?」
「私、私は…」
みんなで将来のことを語り合うことになり、先ずは胡桃は特にないようで悠里にバトンタッチすると悠里は寝袋から手を出して俺の体に抱きついて…
「私はゆうくんのお嫁さんなんだから…」
赤らめながら俺の嫁発言をする。
「あ~!ずるいです!悠里!私だって雄也先輩のお嫁さんなんですから!」
悠里のお嫁発言に反応して俺の左側にいる圭が対抗して悠里と同じく抱きついてくる。
というか、同じ俺の彼女だからか敬語は一切内容だ
「…永久就職か…っで後は美紀と音姉はどうするんだ?」
「私ですか?…あまり考えたことはありません…今はこの場を生き残るこれぐらいですかね?」
続いての直樹の夢は…やはり現実的な発想というか…目の前の問題に直視している
「私は…そうだね、みんなが幸せになれる職業に就きたいかな~」
「へえ~以外だな…音姉だからてっきり悠里達と同じでお嫁さんだと思ったけど」
「それはどういう意味かな…雄也くん?」
おっとこれ以上深追いするとヤバイな自重自重
「それじゃあ、雄也くんの夢も聞かせてもらおうかな?」
にこにこしながら音姉が俺に問いかけて遂に俺の夢について語る番になった。
「俺か?俺は…元々就職してたけど…今は教師になりたいと思ってるんだ」
この戦いで教師をやってみたいと思え始めた、きっかけは小学校でやった授業のお陰だけど
「教師?めぐねえと同じか?」
「めぐねえじゃありません!もう…でもどうして先生に?」
疑問に思う胡桃にまたあだ名で呼ばれたことを注意するめぐねえも俺が何故教師なのか問いかけてくる。
「この戦っていた間にさ教師のありがたみがよくわかってさ…俺みたいに子供達が道を踏み外さないように導ける存在になりたくて、それで教師になりたいと思ったんです」
「そう、本当に立派だと思うわ」
俺が教師を目指す理由を話すとめぐねえが心のそこから共感できたようでその理由に称賛する。
「さてと、俺は言ったぞ、後は由紀とジュードと優花だな」
「え?僕達も?…うーん…そうだね、僕はやっぱり一人前のデバイスマイスターになりたいかな…元々それをやっていた兄さんの後ろ姿を見て追いかけてたから」
「私は……その………ほしい」
「ん?」
「な、何でもない!別に今のところ何もないし!あんたみたいに立派な理由なんてないの!」
俺は夢を語ったので残り三人の方に話題を振るとジュードはやはりといった夢であったが優花は…何故か水を濁した…本当になんだったんだ?
「私は以上よ!後は由紀だけどね!」
半分強引に終わらせると最後のこの夢語り合いの立案者である由紀に戻ってきた。
「わたし?ふふん、実は~」
なにやら自信満々の由紀いったいどのような夢を語るのか
「先生になりたいんだ」
『え!?』
まさかの将来の夢で由紀以外の全員が唖然とした。
「なにみんな、本気っていう反応してるの!?」
「い、いや、だってな…」
「由紀ちゃん、先生って頭がよくないとなれないのよ」
「現実的に由紀先輩だとちょっと…」
「無理かもしれないと思うんですけど」
「まして高校、大学で巻き返せるかも知れないけど、勉強苦手の由紀だとな…」
「あはは…すごい言われよう…」
「まあ、由紀だから仕方がないけど…」
「みんなひどいよ!!」
まさかの解答で唖然とした俺達に由紀は反論すると胡桃、悠里、直樹、圭、俺、ジュード、優花とひどいけど正論の言葉を口にして由紀は頬膨らせる。
「私だってめぐねえみたいな教師になるんだもん!」
「ええっ!?私!?」
「うん!私、めぐねえみたいな先生になりたい!」
由紀の将来のビジョンはめぐねえのような先生とは…確かにこの中でめぐねえと親交が深いのはめぐねえであるのは間違いはないしな
「丈槍さん、先生うれしいわ」
「まあ、それなら必死になって勉強しないとな」
「へぅ!もしかしたら無理かも」
「丈槍さん!?諦めるのはやい!?」
目指す目標が自分だとしっためぐねえは嬉しい表情を見せるなか俺がそのためなら勉強しないとと忠告するとすぐさま折れる由紀、それに対するめぐねえの突っ込みが入り、そのやり取りで屋上は俺たちの笑いと笑みで溢れた。
みんな、将来はまだ見えてないけど着実にやりたいことが見えてきてる…未来は1つじゃない…様々な可能性が分岐しているんだ…だから…運命は…変えられないんじゃない…誰にだって変える力を持っているんだ
翌日
「さてと、積めるものはこれだけだな」
太陽が登り始めて間近な時俺達は昨晩中に荷造りし準備していた必要な物資を三台の車に積める
「ん~いい旅立ち日和だな」
隣で体を屈伸している胡桃が晴天の空を見てそういう、因みに耳には通信機を取り付けてある、運転するに当たって3台なので通信機を全員につけてもらいいざというときに通信をとれるようにした。
「雄也くん!もう準備完了だって!」
音姉が出発の準備が完了したと俺に教え各自3台の車に乗り込む。
俺は乗ってきた車の運転席に座り助手席には悠里、後部座席には圭と音姉がのり、胡桃が運転する車には直樹とジュードと優花、めぐねえが運転する車には由紀が乗車した。
《いよいよ、学校ともお別れだね》
通信機を通して由紀の声が聞こえてくる、その声からは別れる悲しい声が聞いてとれた。
「由紀、また来よう、平和になったら必ずこのメンバーでな」
《…うん!》
またここにみんなで来ると約束すると由紀は元気な声で返答した。
《よし!それじゃあ出発だ!!》
その胡桃の掛け声と共に車を発進させた。
一ヶ月近く続いた巡ヶ丘のパンデミック、その終わりは近い
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