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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第5巻
  高スペックを持つ軍属IS×全校集会での学園祭ルール発表

ま、今言える事は使っている剣一本でIS装着者相手に挑めるんだからな。

「それにしてもあの剣は一体何なのよ、一夏。ただでさえ生身で挑む程のアンタが、摩訶不思議な剣で挑んで来た時は本気なの?と思った程よ」

「それについては詳細は言えんよ、知っている者はここにいるセシリア、シャル、簪だからな」

「私達のISは最早第四世代でも通用しないんだよね」

「そうですわね、燃費が良くSEは無限大で削る武装を使ったとしても問題ありませんわ。要するにISの完成系と言えば宜しいかと」

「ただでさえ全身装甲なのに、素早く動けて高エネルギーを使っても自然と回復している。・・・・余りにもチート過ぎる機体だ、いくら紅椿のワンオフを発動させても勝てる訳がない」

聖剣エクスカリバーを使う前は風術やIS用ブレードを使っていたが、今では黒鐵改を使わなくとも剣一本とライフル一丁さえあれば充分だ。背部ウイングスラスターもあるが、基本的なストフリモードの時のみ使っている。エネルギーは基本GNドライブからの供給なので、大量に使用しても半永久的なので瞬時(イグニッション)加速(ブースト)のチャージ時間無しでトップスペードを誇れるのだから。

「にしてももし相手をするのであれば、何かしらハンデをしてもらわないと勝てる気がしない」

「そうね、あたしも思った。一夏達国連軍のISを見た事があるけど、弱点が無い機体は聞いた事がないわ」

「姉さんが開発した第四世代でも敵わない程だ、近距離戦闘と遠距離戦闘を即時対応出来るぐらいだしな。いくら同じような訓練をしたとしても、私達では置いてけぼりだな」

「こちらは相手ISの弱点を熟知してるから、新装備の経験訓練や射撃訓練やらエネルギー運用もオールグリーンだからね。私が前使っていた打鉄弐式よりも使いやすいし、フルバースト出来る機体だから」

エネルギーに関しては無限大に近いし、物量で来られても質で勝てる我らのISに敵無しとも言われる。紅椿のワンオフ『絢爛舞踏』は白式の『零落白夜』の逆で、要するに最小のエネルギーを増大させる性質を持っていてIS同士の譲渡を接触だけで簡単に行える代物。本来なら一対の存在となっていた白式と紅椿、両方を同時に運用する事を前提に設計された。

「本来だとエネルギーを消滅させる白式と反対にエネルギーを増幅させる紅椿だが、俺らのISならコアにあるブツで簡単に回復してしまう。それにもしまたタッグ戦があったとしても、どうせ千冬・・・・織斑先生から一人でやれと言われてしまうだろう」

「近距離から遠距離が得意な私でもパートナーとしては無理だな」

「いくら幼馴染でも甲龍と相性は良いけど、二対一でも勝てる実力持ってるものね」

「私も鈴と同意見だ、セシリアとシャルロットに簪とタッグ組もうにも無双してしまうし先生から規制されてしまうだろう」

箒、鈴、ラウラは俺らのISとの相性はいいが、互いの苦手距離を克服しているので例え相棒になったとしても却下されてしまうだろう。俺は基本的に生身か黒鐵改だが、他はどうだろうな。今まで遠距離が得意だったセシリアでさえ、近距離戦をしてくる事もあるし自立支援AIハロを入れてある。撃ってる時は自動で回避するようにしてるし、機体制御や火器管制と操縦支援を行っている。

「ま、俺達のISには自立支援AIハロを入れてあるから操縦支援を任してあるかもしれんな」

「そうね、今までだと自分で全て熟していたけど今ではハロ無しでは無理な話だわ」

「最近になったペア参加のトーナメントとかないけど、その辺りはどうなのですの?」

「いきなりあるかもしれないけど、一夏はいつも通り一人で相手するだろうし僕も軍属前だとラウラとペア組んでたりしてね」

本来ならシャルと組む話となり、前と組んだだけで非難を受けるハメとなる。一体女心を何だと思ってるんだ、唐変木振りに関しては俺も文句言いたいが俺が今回の主人公としてやってるので仕方がない事だがな。箒を見て文句言われてたが、心の声で失礼な事を考えていたのか手刀を二発受けたんだと。そんで昼食を終わってから、俺らは午後の実習として再度アリーナへと向かった。

「ここはやはりと言うか無駄に広い」

「一夏専用となっているロッカールームでも、護衛として私達もここにいる事は構わないのかしらね」

「お、何時の間にいたのやら。ここにいるのは俺の護衛か?」

「そう言うのもあるけど、学園に居る者同士であって一夏の護衛は誰かしらしないとね」

黒鐵改のコンソールを呼び出して調整をしていたが、気配で感じたので後ろを振り返る必要性がなかった。声だけで楯無と分かってしまうのも職場での性かもしれんが、振り向くと生徒会長としての楯無がいた。リボンの色で二年だと分かるが、あの扇子の柄に付いているのがISの待機状態としている。そろそろ授業に遅れるといけないのだが、ここで軍からの連絡をしていると見事に遅刻した俺だった。

「・・・・遅刻の言い訳は以上か?」

「しょうがないだろう?俺は国連軍少将としての定時連絡をしていたのだ、何なら授業の実演をしても構いませんよ」

「ま、冗談はさておきデュノアの高速(ラピッド)切替(スイッチ)の実演をしてもらいたい。的は織斑で構わんが、例の剣で全て防いでみせろ」

「織斑先生、私のISは全て実弾とビーム兵器となってしまったので高速切替しなくとも出来ますが」

「あ、そうだったがISの射撃を見せてもらおうか。国連軍で使用しているISを是非生徒らに見せてもらいたい」

そう言う事で今回は実弾兵器による銃器を構成してから、俺は例の剣を構えてから実演が始まった。一応機体として実弾兵器を使った機体だったが、一瞬にして機体の容姿変化した事が主な驚きであった。銃声によりかき消されているが、俺の剣で全て受け止めているので金属音のみ鳴り響く。

「それで?実弾兵器を付けたら前よりも使いやすくなったと」

「ええそのようですわよ、以前なら実弾装備を送るよう催促するのですけどBT兵器の実働データのサンプリングする事で実弾装備は対象外でしたの」

「あー、それなら何となく分かる気がするよ。ブルー・ティアーズだったら間違いなく実弾装備不要だってあちら側と融通利かないしね」

「六限目の実習授業で様々な武装を見せましたが、やはり実弾装備は必要性があると思ったのは現場だけですの」

ニクラス分の女子を詰め込んだロッカールームでは熱気とお喋り声で賑わっていたが、エヴォルトシステム搭載機を持っているセシリアとシャルロットが話し込んでいた。本来なら携帯電話片手に持ち、本国イギリスのIS整備部門担当者に国際回線で交渉していたが現場と研究所では余りにも違う。BT兵器しか積んでいないISでは、実弾兵器満載の機体とは相性が悪い。

「午後の実習でも軽く空中制動訓練と併せて対戦したけど、やはりと言うか普通のISとは性能が違いすぎるもんね」

「燃費やBT兵器の問題もないので、私としては充分なのですが実戦データ収集だけでは無理がありましてよ」

「ビット兵器を四つから十個使えるのが最早予想外だし、この前イギリスに行った時も言ってたけど研究員から何故実弾兵器が付いてるか質問が来たと言ってたよ」

「それにISスーツではなくパイロットスーツですし、一夏さんから貰った量子変換機のお陰ですぐに制服に着替え終えますしね」

二人以外はISスーツなので着替えるのが面倒だが、量子変換機のお陰でいつも一番に着替え終わっている。俺らのISがエヴォルトシステム搭載機になってから、成績は上から俺、セシリア、シャル、ラウラ、鈴、箒の順だが四組の簪を入れると箒が最下位となる。最大稼働時はビームが曲がるらしいけど、それさえも必要性が無くなったので問題なく使えている。

「BT兵器稼働率をブルー・ティアーズで見たら、三十七%らしいですがハロがおりますし今の機体に感謝ですわ」

「過去に一度も制御に成功してなかったけど、ビットを増やしているからその必要も無くなったしBT適正Aだったけ?代表候補生の中では」

「そうですわ、私しかおりませんしIS学園入学と専用機持ちと言う待遇でした。ですが一夏さんが自ら改造してくれたお陰で、データを送る必要がなくなりましたの」

「イギリス専属から軍属となって、今じゃ遠距離のスペシャリストだしね。この後の学食カフェに行って、本来起こるはずだった事を聞いてみようよ一夏に」

ロッカールームから出た二人だったが、その会話を聞いていた箒、鈴、ラウラは一体何時になったら二人に勝てるのだろうかと思っていたそうだ。そんで放課後になると、学食カフェに行ってから本来起こる事を軽く話してから、次の日になると一限目の半分を使った全校集会が行われた。

内容は今月中に行われる学園祭であるが、俺らにとっては改めて自己紹介でもあるから俺ら軍属組は軍服を着ていたのだった。

「で、俺達は改めて全校集会で言えばいいのか。楯無」

「まあね~私の挨拶もしてなかったから、生徒会長としての私でもあるからね」

『それでは生徒会長から説明をさせて頂きます』

静かに告げたのは生徒会役員の一人で、ざわつきが引き潮のように消えていく。ちなみに俺、セシリア、シャル、簪は軍服姿としていたが、一年以外の者らはまだ知らんと言う事でここで改めて挨拶する事となった。

「やあ皆、おはよう」

壇上で挨拶をしている楯無、二年のリボンをした事で一年は緊張を見せていた。

「さてさて、今年は色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったね。私の名前は更識楯無、君達生徒の長よ。以降、よろしくね」

にっこりと笑みを浮かべて言う生徒会長は、異性同性を問わず魅了するらしく列のあちこちから熱っぽいため息が漏れていた。それと同時に壇上に俺ら参上した事で、上級生と一年一組以外の生徒からは疑問符が生まれたであろう。

「本来であれば今月の一大イベント学園祭を話すけど、その前に皆へ改めて紹介させてほしいの。まずは皆も知っての通り、一年一組の織斑一夏さんだけど国連軍少将でもある御方よ。隣にいるオルコットさんとデュノアさんに妹の簪と姉である私は、軍属となった事をまずここで報告させてもらうわ」

「生徒会長から紹介を受けたが、国連軍日本支部第00独立特殊機動部隊ブラック・シャークの長をしている者だ。よろしく頼むよ、IS学園の諸君」

軽く自己紹介してから敬礼した事で、軍服が似合った俺達であったが改めて生徒会長から今回の学園祭に限って特別ルールを設ける事となった。その内容を聞くのも既に容認しているので、問題ないが閉じた扇子を慣れた手つきで取り出して横へスライドさせる。応じるように空間投影ディスプレイが浮かび上がるけどね。

「名付けて『各部対抗織斑一夏争奪戦』!」

良い音を立てて、扇子が開くと同時にディスプレイに俺の写真が映し出された。

「ええええええええええ~~~~~~~っ!?」

割れんばかりの叫び声に、ホールが冗談では無く揺れる程であった。一斉に壇上にいる俺に視線が集まるが、国連軍少将と言う事なのですぐにその視線はどこかへ行ったのだった。

「静かにしてもらいたいわ、これについては既に織斑少将から許可貰ってるから問題ないはずよ。学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出し、それに対して投票を行って上位組は部費に特別助成金が出る仕組みでした。しかし今年度はそれではつまらないと思い、織斑少将に相談を持ちかけた所あっさりと許可を貰った事で織斑少将を上位組の部活動にお手伝いとして行って貰う事になりました」

「うおおおおおっ!」

「素晴らしい、素晴らしいわ会長!」

「こうなったら、やってやる・・・・やぁぁぁってやるわ!」

「今日からすぐに準備始めるわよ!秋季大会?ほっとけ、あんなの!」

秋季大会をあんなのと呼ぶか普通?隣にいたセシリア達からの通信で、許可した俺に対して質問が来たがそれに関しては後程伝えると言っておいた。確かに俺は部活動してないし、文部両道である俺だと運動から料理まで全てが一流だと知っているぐらいだ。だが女子の大会に出る訳にもいかんが、練習相手かマンツーマンで受けてもらうかの二択だな。

「ええと、一応言っとくが無茶な事は基本しないと言っておく。俺はこれでも忙しい身だ、了承はしたが無理な相談には乗れないので今の内に言っとく」

「頭の中がお花畑になってる全女子らには聞こえて無さそうね、でも了承した以上は働いてもらうわ」

「よしよしよしっ、盛り上がって来たぁぁ!」

「今日の放課後から集会するわよ!意見の出し合いで多数決取るから!」

「最高で一位を取るか、最低でも上位組に入る事が目標よ!」

一度火が付いた女子らの群れは止まらない事も知っているから、壇上で見ていた俺らはとりあえず軍服から制服に着替え終えて承諾して俺争奪戦が始まる。 
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