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『夢の中の現実』

作者:零那
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『携帯』



返済日。
チャント零那の携帯にメールが来た。
父さんに買物行くって言って家を出た。

全体の利息分プラス借用書1枚分支払って、其の借用書は燃やした。
額が少ないのから元金無くしていくだけ。
特に脅される事もなく『今度指名したるわ』って...。

零那は走って家に帰った。
階段駆け上がって玄関開けたら、父さんがビックリしてた。

『父さんっ!!やっぱ一緒に買物行こっ♪良い?』

『お...おぉ、わ、わかった』

ビックリしてる父さんも焦ってる父さんも見れた♪
可愛い♪
幸せやなぁ♪

一緒に手を繋いで階段を降りた。

『あんなぁ、買物の前に、やっぱ父さん携帯持たん?簡単操作のやつとかもあるし。零那はガラケーのまんまやけど、父さんスマホにしてみる?現代文明すごいで(笑)』

『スマートフォンゆうやつか?父さんには無理や』

『ほなガラケーでもええよ。何でもえんよ、連絡さえ取れたら』

念の為に持ってて欲しかっただけ。
出掛ける処無い時でも暇潰しにもなるし。
いろいろ調べたりも出来る。
それに、母さんと違って、父さんはテレビあんまり見んし。
でも...やっぱ1番の理由としては、不安や恐怖感。

『父さんが携帯持ってないと零那は不安か?』

『うん、もし...何かあった時、連絡つかんのは怖い。
二度と離れたくないし...
迷惑?重い?気色悪い?』

『んなわけないやろ!!
ただ、要らん負担かけたぁない。何もかも頼りっきりで父さん情けないし...』

『んなこと言わんといてや...零那が好きでしよんのに。情けなくやか無い!!父さんは零那の自慢の父さんやし♪
何より零那が父さんのこと、ごっつい好きなんやし♪その父さんに何かしてあげれることがあるってのは、零那の生きる喜びやし幸せなんやから♪♪♪』

『零那...なんで父さんは、あの時オマエだけでも引き留めんかったんやろなぁ...悔やんでも悔やみきれんわ!!ツライ目に遭わせて悪かった!!改めてホンマにすまなんだっ!!』

『父さん、零那は父さんを恨んだ事1回も無いで♪』

『そんな事ない筈や...』

良いこと考えた♪

『あっ!!わかったっ!!じゃあ~...その代償に携帯持つって事で決定♪よし、au行こか♪』

『えっ...!!!零那!!!』

戸惑う父さんに零那は満面の笑みを返す。

ショップ店員さんに勧められるがまま購入した。
零那の番号とメアドを登録して貰った。
一通りの使い方を教わって一応は覚えたらしい。
零那は大満足。
父さんはマダ戸惑ってる。

『父さんは零那の事スキ?』
『当然やっ!!』
『ほな零那は幸せや♪』
『零那...』

『悪いとか情けないとか、もうそんな風に自分のこと責めるんやめて。零那は今が人生で1番幸せ♪♪♪父さんのおかげ♪』

『...其れはホンマ嬉しい...』

『迷惑って想われるのが1番怖かったから、ホンマ一緒に居れるだけで幸せなんや...』

『ありがとう、零那...』


 
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