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ミーデル

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第五章

「俺元気百倍だぜ」
「生きるにあたってか」
「そうだよ」
「そうだろうな、あれだけ可愛いとな」
「あんな娘にお兄ちゃんって言われたいな」
「スイスの娘でもか?」
 国席が違うがとだ、信彦は問い返した。
「それでもいいんだな」
「いいさ、可愛いならな」
 これが信彦の返事だった。
「国籍とか人種とか姦計あるか」
「だからか」
「ああした娘をな」
 まさにというのだ。
「妹に欲しいな」
「そう言うんだな、あの服もよかったな」
「そうだな、あの娘の服もな」
「店のウェイトレスの娘皆そうだったけれどな」
 よく見ればそうだった、二人でこのことについても話した。
「あの如何にもスイスって感じの服がな」
「よかったな」
「スイスの高原に似合うな」
「本当にそうだな」
「あの服何ていうんだ?」 
 二人は話の中でだ、共にだった。
 店の中で少女達が着ていたその服の名前についても考えた、一体どういった名前かと。
「スカートにエプロンにな」
「ブラウス」
「それとあのベスト」
「カチューシャもよかったな」
「何でいう名前だろうな」
「それも知りたいな」
「ミーデルですよ」
 二人のところにだ、前川さんがだった。
 ゆっくりと来てだ、微笑んで話した。
「あの服は」
「あっ、俺達の話聞いてましたか」
「そうでしたか」
「さっきここにコーヒーを飲みに来まして」
 その時にとだ、前川さんは二人が座っている四人用の席四つの席により構成されているところの空いている席の一つに座って話した。
「それで盗み聞きの形になりましたが」
「いやいや、盗み聞きとか」
「違いますから」
 二人はこのことは断った。
「お気になさらずに」
「俺達も隠すつもりはないですから」
 今の自分達の会話をというのだ。
 このことを断ってからだ、二人は前川さんにあらためて言った。
「けれどミーデルですか」
「あの服そうした名前なんですね」
「そのままアニメに出てきそうな」
「凄く可愛い服ですけれど」
「はい、あのベストみたいな部分をミーデルといいまして」
 前川さんは二人にコーヒーを飲みつつ話していく。
「それで全体としてハイジ=ドレスと呼ばれたりします」
「ハイジ=ドレスですか」
「そう呼ばれることもあるんですね」
「はい、そのままあの作品の呼び名ですね」
 そのアルプスの少女のだ。
「そう呼ばれてもいます」
「そのままあの作品に出そうですしね」
「いい呼び名ですね」
「確かにハイジですね」
「アルプスの少女ですね」
「そうですね、私もそう思います」
 こう二人にも言うのだった、前川さんも。 
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