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『小さな街の、大きな闇。』

作者:零那
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『唯の嫉妬』



唯と逢った。
カラオケで飲みながら話す事に。
零那が切り出した。

『唯が作り笑顔する度にズキッ!とする。本音が言い合える友達になりたい。相手の顔色伺って言いたいこと言えず怯えて...そんなん虐待受けよった頃と変わらんやん?そんなん絶対違う!!零那は唯と喧嘩してでも言いたいこと言うし言って欲しい!
それでも壊れん関係になりたい。解り合っていきたいって思ってる...だって、同じ傷背負ってるって、それだけで少し、なんとなく、解り合えそうな気がするやん?零那だけかな?
同じイタミを知ってる。辛いことされてきて気持ちが解る。自分と真逆の人生歩んでる人には絶対解って貰えん。
だからこそ尚更想う。同じイタミ抱えた子には何かを感じる。どうにか少しでも、幸せに近付いて欲しいって...
唯は、零那の此の考えとか迷惑やと感じてる?』

唯は首を横に振った。
でも俯いたまま。

沈黙が続いた。
でも、唯が何か言いたいことを頭でまとめてる気がした。

『あんなぁ、零那って怜の事好きなん?』

あまりにも予想外の唐突な質問にチカラの抜けた声が出た。
『へぇ?』

『ホンマに好きだったら唯が怜と別れるけん』

『ちょいタンマ!なんでそうなんの?話見えん!怜の事は好きやで!

好きやけど違うやん?恋愛感情じゃ無くて友達として仲間として、人生の先輩として、尊敬してるし好きって事。
怜から学ぶ事いっぱいあるし賢いなって思うし。でもLOVEにはならんよ。零那県外に彼氏おるし、怜も双子もソレ知ってるし。
あと、もし零那に彼氏がおらんとか、怜が唯の彼氏じゃなかったとしても、怜は恋人にはしたくない(笑)
どう考えても、怜は、お兄ちゃんになって欲しいタイプ(笑)』

唯が笑い出す。

『でもメールで好きって...だったら唯は邪魔かなって...』

『それ、違う意味で(笑)って書いてたやろ』

『一部しか見てないんよ』

『そっか(笑)お互い冗談で言える好き(笑)あー...冗談ってゆうか、LOVEじゃなくてLIKEの好き。友達として大好きやから。海斗も永斗も怜も、唯と同じで大事やし大好きなんよ』

『そぉやったんやね。唯、怜が初めてやけん解らんかった。ゴメン、勘違いやったんよね?』

『信じれん?』

『だって唯より零那のが怜とお似合いなんやもん』

唯はホンマとことん自信がない。
自信なんか皆無いんかもしれんけど。
それに、虐待されてきた子なら尚更...。
でも、それでも...
怜の想いが届いて無いのが、零那は相当悔しかった。
怜は唯を相当大事にしてた...


 
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