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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第31話 アグニス火山

 
前書き
アグニス火山 

 
ルインとゼロはモニターを吟味するように見て、それぞれが向かう場所を決めた。

ゼロがアグニス火山、ルインは兵器再生工場だ。

「アグニス火山…ネオ・アルカディア軍が、アグニス火山にある基地に集結しつつあります。彼らの目的は現在のところ不明…。そして、兵器再生工場…ネオ・アルカディアの兵器再生工場を発見しました。壊れた兵器を修理し、再利用しているようなのですが…一から生産するより効率が良いらしく。ここ最近、兵器の生産量が二倍になっています。この工場を破壊し、ネオ・アルカディアの戦力を弱体化させたいのですが…。」

「ゼロさん、ルインさん…行けますか?」

「ああ」

「いつでも行けるよ」

二人が司令室の真ん中にあるトランスサーバーに乗り込んだ。

「ミッション発令…各員、転送準備にかかれ」

「転送準備完了…」

「「転送!!」」

ゼロとルインが転送の光に包まれ、それぞれがアグニス火山、兵器再生工場に転送された。

「二人共…気をつけて……」

シエルが二人の無事を祈りながら、帰りを待つ。

そして、サイバーエルフが生きる空間…サイバー空間にて、一つの再会が行われていた。

「ファントム…ようやく会えたね。」

エルピスにボディを破壊されたことで、エックスはサイバー空間に身を寄せることになり、サイバー空間に漂うファントムの気配を感じてずっと彼を探していたのだ。

そして今、ようやくファントムと再会出来たのだ。

「御身と…このような姿で相見えることになろうとは…」

ファントムもまさかエックスのボディが破壊され、このサイバー空間に身を寄せることになったという事実に、表情には出していないが、内心では穏やかにはいられなかった。

「うん。ゼロのこと…もう知っているね?」

サイバー空間には歴史の真実が流れており、それには人間に都合が悪いために改竄されてしまった戦争の真実も含めてだ。

ファントムが死んだのは約一年前なので、世界の歴史の真実を全て知って、それを整理するには充分な時間があり、ゼロのことも知った可能性が高い。

「御意。全てを知り申した。彼奴(きゃつ)のことも…あの方のことも…」

あの方とは…恐らくルインのことだろう。

自分にとって人間の母に相当する彼女のことも、このサイバー空間にて知ったのだろう。

「二人は今…人のために、レプリロイドのために戦っている。力を貸してあげてくれないか?」

「我が闇は…御身以外の光にお仕えすることはございませぬ。彼奴が人とレプリロイドを守護する真(まこと)の刃(やいば)足り得るのか…拙者に出来るのは…ただそれを見極めることのみ。拙者もまた…刃なれば…」

ファントムは四天王の中で最もエックスとコピーエックスへの忠誠心を持っていた。

その忠誠心故に、これからも二人のエックス以外の者に仕えることはないのだろう…きっとそれは例え母であるルインであっても変わらない。

普段は寡黙で温厚であるファントムの、自分やハルピュイアにも劣らない頑固さを久しぶりに見たエックスは微笑む。

「変わらないね…君は」

「容易く変わるような物は、忠義とは呼べませぬ…そしてエックス様、お言葉ですが、あの方は拙者の力添えなど無くとも、きっと乗り越えて下さるはず…歴史の中でのあの方もそうだったはずでは?」

自身に刻まれたルインのDNAが自身にそう教えてくれている。

この感覚をファントムは信じていた。

「…そうだね、分かった。君のその揺るがない心、信じるよ。僕も信じてる。ゼロとルインはきっと全てを乗り越えてくれると」

部下であり、息子であるファントムがルインを信じているのなら自分も彼女を信じよう。

そしてゼロならばきっと真実を乗り越えてくれると信じようと決めた時、サイバー空間に異変が起きた。

「ん…」

「この感じは…彼らだね。」

エックスとファントムはサイバー空間に迷い込んだ存在の正体に気付き、気配がする方向を見遣る。

「オメガとやらに敗れたか…」

「恐らくは…行こう、ファントム。」

「御意。」

二人はサイバー空間に迷い込んだ者達の魂の元へ向かうのであった。

そして一方、アグニス火山へと転送されたゼロはジョーヌとシエルからの通信を受けていた。

『ただいま強力なエネルギー反応を確認。基地の近くで巨大なミサイルを建造中のようです。この基地はミサイルの建造をサポートしている基地だと思われます。』

『ミサイル工場への転送ルート解析は、かなり時間がかかりそうなの…どうしよう…ゼロ!』

「分かった…。この基地を攻撃して時間を稼ぐ…。解析は任せたぞ…ルインのサポートもしてやれ」

『分かったわ…。ゼロ…気をつけて』

レジスタンスベースとの通信をOFFにすると、ゼロはホルスターからZセイバーを抜き放つと、基地に攻撃を仕掛けた。

メカニロイドやパンテオンを斬り捨て、それをを繰り出しながら突き進み、噴火による火山岩が降り注いでくるが、それをかわしながら奥に向かう。

マグマが噴き上がって足場が上下するが、タイミングを見計らって足場を移り、途中でパンテオンがバスターを構え、ショットを放って来たが、ゼロはシールドブーメランを構えてショットを跳ね返した。

跳ね返されたショットを全てまともに喰らったパンテオンが爆散したのを見届けて奥に進むと、コンテナがマグマに落とされている場所に出た。

ゼロはマグマに沈んでいくコンテナを足場にしながら先に進んでいき、そして足場を飛び移りながらメカニロイド達を返り討ちにして突き進む。

途中で盾を持ち、火炎を放つメカニロイドがいた。

「はあっ!!」

バスターショットを抜いてチャージを終えると、チャージショットを放つが盾に弾かれてしまう。

ならばとゼロはセイバーを構え、一気に振り下ろした。

「光幻刃!!」

振り下ろしたセイバーからソニックブームが繰り出された。

この技は元々ハルピュイアの攻撃をラーニングシステムで学習し、それを基に編み出した技だ。

セイバーでもある程度距離があっても攻撃出来るため、ゼロは技の練度を高め、セイバーの通常攻撃法にまで昇華させることに成功した。

ソニックブームは盾を貫通して、メカニロイドを両断する。

「やはり使えるな」

遠距離への攻撃手段であるバスターやシールドブーメランと違い、エネルギーチャージが必要ないから使い勝手がいい。

流石はネオ・アルカディア四天王の剣技と言ったところか。

梯子を駆け降りて、パンテオンをリコイルロッドのチャージ攻撃で吹き飛ばす。

新しいロッドのチャージ攻撃はかなりの威力であり、トリプルロッドやチェーンロッドよりも使い勝手が良くて扱いやすい。

シャッターを潜ると、広い部屋に出て周囲を見渡すと、奥にシャッターを発見したので通ろうとするが開かない。

次の瞬間、ゼロの背後にメカニロイドが出現した。

「っ!!」

咄嗟に振り向き様にセイバーでメカニロイドを両断するが、次々とメカニロイドが出現してくる。

「光学迷彩か…?」

次々に現れるメカニロイドを二十五体ほど破壊した後、シャッターが開かれたところを見ると、どうやらメカニロイドを一定数倒すと開く仕掛けだったらしい。

シャッターを潜り抜け、高エネルギー反応のする方角に向かって突き進むと、パンテオンやメカニロイドが妨害してくるがセイバーとバスターで薙ぎ払う。

そして再びマグマのある場所に出たので、コンテナを足場代わりにして奥に進む。

途中で落ちてくるコンテナにぶつからないようにタイミングを計りながら移動し、そして地面に足を着けて奥にあるシャッターを潜り抜けると、一体のレプリロイドがいた。

見た目は少々変わった人型レプリロイドだが、しかし奴から感じられるエネルギー反応はハルピュイア達四天王程ではないがかなりの物である。

モニターで見た映像とは違うが、こいつが例のこの基地のボスなのだろう。

「頼りない雑魚共を纏めるのに…正直飽きていたところだが…お前なら少しは楽しめそうだ…。歓迎するぜ!ゼロォッ!!」

次の瞬間、フリザードが戦闘形態に移行した。

モニターに映されていたエリマキトカゲを彷彿とさせる姿だ。

「シャハアァァァッ!!バイル・ナンバーズが一人!俺の名はブレイジン・フリザード!俺を熱くしてくれ!ゼェロォォォッッ!!」

こちらにかなりの勢いで飛び掛かってくるフリザードだがゼロは僅かに後退して、ロッドのチャージ攻撃をお見舞いする。

「グオッ!や、野郎!燃えて消え去れ!!」

吹き飛ばされたフリザードは体勢を立て直すと、ゼロに火炎放射を繰り出す。

シールドブーメランで受け流しながら間合いを詰め、二本のセイバーをロッド形態にするとロッドによる連撃を浴びせる。

「ぐっ!!なら、フリルブーメラン!!」

怒濤の連撃を耐えながらゼロに向けて襟巻きのようなブーメランを投擲する。

しかしゼロもシールドブーメランという武器を所有し、ルインもこの手の攻撃手段を持っているため、この手の攻撃には慣れている。

ダッシュジャンプでブーメランをかわしながらフリザードの背後を取り、攻撃手段の一つと思われる尻尾をセイバーで斬り落とした。

「ぐおおっ!?よ、よくも俺の尻尾を!!」

「フンッ!!」

再びロッドのチャージ攻撃がフリザードに炸裂する。

今回のロッドのチャージ攻撃は敵を吹き飛ばすことが出来るために、敵との距離を離したい時に重宝する。

「動きが遅い。俺はお前よりも手強い炎を操る敵と戦った。」

ロッドのチャージ攻撃をフリザードの顎に叩き込んで浮かせ、そしてもう片方のロッドのチャージ攻撃を鳩尾に叩き込んで壁に叩き付けた。

予想以上の使い勝手の良さであり、この武器はチャージ攻撃を使いこなせさえすれば近接戦闘においてかなり役に立つ。

「リコイルロッドの練習相手には丁度良い…」

「ぐっ…!練習相手…だと!?俺を練習台にしていたのか!?」

「そうだ」

フリザードの言葉にアッサリと言い返し、それによりフリザードは激昂した。

「ふざけるなああああっ!!お前を消し炭にしてやる!!ファイアスプリンクラー!!!」

襟巻きを回転させての全方位火炎放射。

まともに喰らえば大ダメージは避けられない…当たればの話し合いだが。

ゼロはロッドの片方をセイバーに戻し、チャージしていた片方のロッドを勢いよく地面に叩き込むと、衝撃によってゼロは通常より遥かに高いジャンプをした。

それはロッドのチャージ攻撃でかなりの距離があったフリザードの真上まで軽く行ける位に。

天井に足を着け、足に力を入れて一気にフリザードに向かって突撃した。

「なっ!?」

「はああああっ!!」

勢いを加算したチャージセイバーがフリザードに炸裂し、フリザードの体を容易く真っ二つにした。

「俺の炎を…掻き消すとは…!何て…奴…だっ。しかし…必ずバイル様が…世界を…炎に……包んで下さる…はずだ。お前に…我らの…新たなる世界の炎を消すことは…出来ん…。シャ…ギャハアアァァァァッ!!!」

フリザードは断末魔の叫びを上げながら爆散し、それを確認したゼロはレジスタンスベースに通信を繋いだ。

「ミッション終了。転送してくれ」

『了解』

転送の光に包まれたゼロはレジスタンスベースに転送された。

「転送完了まで…2…1…転送!!」

「お疲れ様でした」

そしてレジスタンスベースの司令室のトランスサーバーにゼロが出現すると、シエルがゼロに歩み寄る。

「ありがとう…ゼロ。ミサイルは破壊出来なかったけど……これでミサイルの建造を遅らせることが出来たはず……ミサイル工場へのルートは出来るだけ急いで解析するわ。もうしばらく時間を頂戴…ね」

「ルインはまだか?」

「ええ…無理してないといいけれど…ゼロ、メンテナンスルームに行ってきて」

(設定)年齢が近いからか、ルインはシエルにとって大切な友人である。

それはルインにとっても同じだが。

シエルがゼロにメンテナンスルームに行くように言うと、ゼロはメンテナンスルームに向かった。 
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