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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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フラグ満載の回 後編

そして翌日、放課後セシリアを連れて部室に向かった。

「アキザワ部長ーー!連れてきたぜーーっ!」

「さあ入ってセシリアさん」

「ウン………………きょうはヨロシクおねがいシマス」

「いらっしゃ───ぐほぉっ!? 」

部室の扉を開けるなり、アキザワが飛び出してきたので顔面に蹴りを入れた。どいつもこいつも少しは自重(じちょう)しろ。

「メガネは…………よかった。無事だ。カグラ。いったい何をするんだよ? 」

「逆にお前は何をやろうとしてたんだよ? 」

「それはもちろん抱きしめ………………」

「一昨日のイエスロリータノータッチ宣言はどこいった? 」

「言った覚えはないな」

「死ね」

アキザワの首根っこを掴んで部室の隅に置き、セシリアを部室の中に入れる。

「ソレデ、きょうはナニをするノ? 」

「そうね。まずはガンプラを作ってみるのはどうかしら? 」

「まあそれが無難だよな。えーと…………確か昨日買ってきたやつがあったよーな…………」

「それじゃあセシリアさん。あっちで一緒に作りましょう」

「っておい!アマネオメーいつの間にガンプラ抜いてたんだよ!? 」

ヒメラギが持ってきた袋を逆さにしながら怒鳴る。重さの違いでバレないように、ご丁寧に大量のゴミが袋から流れ出てきた。

「ヒメラギ。お前汚すんじゃねぇよ」

「俺のせーなのかよ!? 」

「いや、でも確かにヒメラギのせいではあるね。なんせ袋の中を一度確認した上で逆さまにしたんだから」

「というわけでヒメラギ君。ちゃんと綺麗にするのよ? 」

「オメーら少しは手伝ってくれねーの!? 」

「フフッ…………オモシロイところ」

その後、アマネとセシリアはガンプラを製作。アキザワはポットのお湯を沸かしお茶の準備。ヒメラギは掃除をしていた。

残りの俺はというと……………………

「ZZZzzzz………………」

寝ていた。特にやることもなく、てきとうにパイプ椅子に座って寝ていた。

「ようやく掃除が終わったぜ……………ってカグラのヤロー。呑気に寝てやがるし」

「特にやることがないから、暇すぎて寝たんだろうね」

「たくっ。あっちはあっちで楽しそうにしてるしよー」

「セシリアさん。後は組み立てるだけよ」

「ワカッタ…………………………デキタ」

ガンプラのパーツを組み上げ、セシリアの手の平にはSDのHi-νガンダムが立っていた。

「綺麗に出来てるわね。流石よセシリアさん」

「ウン…………アリガトウ」

アマネがセシリアの頭を撫でながら褒めると、少し照れくさそうに返事をした。

「アキザワ部長。セシリアちゃんがこの部に加われば俺はもう満足ですが、アキザワ部長はどうですか? 」

「激しく同意する」

「ソレデ、このアトどうするノ? 」

「そうね…………一先ず休憩をしましょう。ちょうど部長がお茶とかも用意してくれたし」

「ワカッタ」

「あっ、じゃあ俺お菓子持ってくるぜ」





ーーー--





「アマネ マヒルめ…………。セシリアちゃんの頭を撫でおって…………」

「こんなところで何やってんのかな~?
サクラさん」

ガンプラバトル部の部室を覗き見しているサクラさんの後ろから声をかけると、一瞬ビクッと反応してこちらを振り返ってきた。

「貴様かハルカゼ トウイ。見れば分かるだろう。ガンプラバトル部の偵察をしにきているのだ」

「と言うわりには、さっき悶絶してたように見えたけど? 」

「ふん!何かの見間違えだ!私は決して悶絶などしていない! 」

「アハハハハ。まあいいけど。それよりも、サクラさんも中に入る? 」

「断る。私はここで偵察を続けている」

「アハハハハ」

サクラさんをその場にし、部室の中に入る。

「やっほー。皆元気にしてるかなー? 」

「あ、こんにちはコーチ」

「ちわっーす」

「こんにちはハルカゼさん」

「コンニチハ」

「ZZZzzzz…………」

「レイ君は寝ているわけね。それで、今皆は何してたの? 」

「ちょうどセシリアさんがガンプラを完成させたので、少し休憩しようとしてたところです」

「成る程ね。それじゃあ休憩し終わった後、実際に動かしてみよっか」





ーーー--





人がグッスリと眠っていると誰かに体を揺らされているのに気づき、誰かと思い顔を上げて目を開けてみる。

「んあ?誰だよいったい………………」

「オキタ…………」

「セシリアかよ……………なんだよいったい? 」

「おはようレイ君。じゃあ早速ガンプラバトルをしよっか」

「はあっ?なんでだよ? 」

「セシリアさんにガンプラの操縦の仕方を説明するから、その対戦相手になって欲しいんだよね。レイ君は寝てばっかでなにもしていないらしいし、何気にこのメンバーの中じゃ一番強いから頼めないかな? 」

「教えながらやるんだったらお前が適任だろうが」

「操縦の仕方はマヒルさんが教えてくれるけど、僕が相手だと大人げないから無理」

腕を交差させてダブルピースをしながら言ってくる。確かにハルカゼは大人げねぇからな………………初心者のセシリアにとってはガンプラバトルはつまらないものになってしまうかもな…………。

「ちっ、分かったよ」

「アリガトウねレイ」

「へいへい。そんじゃさっさとやるか」

「それじゃああっちにいきましょう、セシリアさん」





ーーー--





俺達と同じように一通りアマネから操縦の説明を受け、早速動かしてみることになった。

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Model Damage level Set to C』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

『Field 10 wilderness』

フィールドは、荒野だ。

『Please Set Your GUNPLA』

『BATTLE START』

「私もサポートするから、気張らずにやってね」

「ウン……アリガトウね。セシリア・リート。Hi-νガンダム…………イキます! 」

「大丈夫なのかよ……………カグラ レイ!アルケオニスガンダム!やるぞ! 」

フィールドに二機のガンプラが出撃し、正面からSDのHi-νガンダムが不器用な動きをしながらこちらに歩いてきた。

「まあ初っぱなからサクサク動かせるわけねぇよな。ヒメラギのクセにいきなり動かせてはいたけど」

『ひでーぞおい!? 』

通信ごしにヒメラギが怒鳴ってきたが、すぐに通信を切って目の前を見る。石に躓いたのか、Hi-νガンダムは転がって地面に倒れた。

「…………本当に大丈夫なのか? 」

『ムーー……………』

セシリアはうねりながらコンソールを動かし、Hi-νガンダムは短い手足を使ってなんとか立ち上がる。

『だ、大丈夫セシリアさん?最初は大体そんなものよ? 』

『ムーー……………けどトーヤはウゴかせてたってレイがイッテた』

『………………カグラ君? 』

「俺のせいかよ!? 」

てか意外と負けず嫌いだなおい!

『…………もうカンカクでオボえる』

『えっ? 』

「はっ? 」

すると、急にHi-νガンダムは奇々怪々の踊りをし始めた。それは手足をクネクネ動かしたりジャンプしたりとか、なんかもうカオスだ。

『セ、セシリアさん!?何をしているの!? 』

『…………だいたいワカッタ』

珍しく困惑しているアマネを無視し、Hi-νガンダムがこちらに向かってビームライフルを撃ちながら接近してきた。
その動きは、先程とは別人かのような動きだった。

「本能と直感で動くタイプかっ! 」

シールドで攻撃を受けきり、バスターライフル改でHi-νガンダムへの直撃を避けるため足元目掛けて攻撃する。
しかしHi-νガンダムは上空へと飛んで回避し、フィンファンネル全基射出してビームライフルと共に反撃してきた。

スザクモードに変形し、上空へと飛行してHi-νガンダムの攻撃を回避する。
それに対してHi-νガンダムはすぐに距離を詰め、ビームサーベルを降り下ろしてきたのでMS形態に変形してバスターライフル改のビームサーベルで攻撃を受け止める。

「このっ! 」

バスターライフル改を思い切り振り抜き、Hi-νガンダムを吹き飛ばす。

『ファンネル……! 』

射出していたファンネル三基でバリアを展開し、吹き飛ばされながらもそれを踏み台にして体勢を立て直し、残りの三基のファンネルで反撃しながら再度接近してきた。

「手加減している暇とかねぇってわけかよ」

シールドで攻撃を防ぎ、バスターライフル改でHi-νガンダム目掛けて砲撃をする。Hi-νガンダムは回避行動を取ろうとするも、SDサイズのためにかわしきれるはずがなく、そのまま砲撃に呑まれそうになる。

しかしHi-νガンダムは砲撃が直撃する直前にシールドで砲撃を受ける。そのまま受け流すようにシールドを軸として機体を回転させ、シールドを犠牲にして砲撃から逃れる。

「なんだよこの動き(マニューバ)は!? 」

『モラッた………! 』

砲撃を回避したHi-νガンダムは、ビームサーベルを突き出しながら突進してきた。

「ちっ! 」

ビームサーベルを突き出してきたHi-νガンダムの右腕を左足で蹴ってビームサーベルを弾き、そのまま回転してバスターライフル改のビームサーベルでHi-νガンダムを斬り裂いた。

『アッ…………』

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「まけチャッタ……」

「お疲れセシリアさん。初心者とは思えないほど上手だったわよ」

「……アリガトウね」

アマネがセシリアを褒めていると、なぜか違和感を感じる。だが、すぐにその理由が分かった。

「なあヒメラギ」

「なんだカグラ? 」

「アマネの奴、俺達とは対応の仕方がえらく違くねぇか? 」

「あっ!確かに!これって贔屓じゃねーか!? 」

「うるさいわね。男なんだから少しのことぐらいで騒がないでくれる? 」

「アマネテメー!世の中には男女平等ってのがあんだぞ!?男や女だなんて関係ねーだろ!? 」

「ヒメラギ君、うるさいから少し静かにしてくれない? 」

「まあ確かにうるさいな」

「オメーはどっちの味方だよ!? 」

「そして何気に俺は放置状態だね」

「アハハハハ。まあセイヤ君は仕方ないよ。それじゃあそろそろもう一人にも出てもらおうかな」

ハルカゼが部室の扉を開けて出ていくと、三分位経つと聞き覚えのある声が外に響き、なぜか腕を後ろに廻されハルカゼに拘束されているサクラが部室の中に入ってきた。

「いや~。学生の時に嫌という程拘束されると、自然とやり方を覚えるもんだね」

「くっ!離せ貴様! 」

「はいはーい」

ハルカゼから解放されたサクラは腕を擦り、周囲を見渡す。

「…………結局お前も覗きかよ」

「昨日あんだけ追い回しておいてよく出来ましたね」

「サクラ生徒会長………」

「サクラ…………それでも生徒会長? 」

「ち、違う!偶然通りかかって中の様子を見ていただけだ! 」

「いや最初から居たでしょ~。少なくとも僕が部室に来る前からいたんだから」

ハルカゼがあっさりと嘘を看破し、以降サクラは黙りこんだ。

「まあとりあえず座れよ。昨日はコイツらが世話になってんだしな」

「…………ふん。そうさせてもらおう」

サクラは近くの椅子に座り込み、そこからは黙って見ているしかしてなかった。主にセシリアを。

「う~ん。これはこれで居づれーな」

「確かにそうね」

「セシリアちゃんはショーケースの中のガンプラを見てるし」

「よし!じゃあ暇だしガンプラバトルしよっか。相手は僕がするから、レイ君とトウヤ君。ばっちこーい」

「またかよ……」

「おおっ!今日こそ勝たせてもらうぜ! 」

隣のバトルシステムに移動しようとすると誰かに裾を掴まれ、振り返るとセシリアが小さく裾を引っ張っていた。

「ナニしにいくノ? 」

「ガンプラバトルだよ。ハルカゼが暇だからって理由で巻き込まれたんだよ」

「ミテてもイイ? 」

「ああ。別にいいぞ」

「アリガトウ」

「おーいカグラ!早くしろー! 」

「へいへい」





ーーー--





「このっ! 」

「当たんねー!! 」

『アハハハハ。まだまだだね! 』

ハルカゼはウイングガンダムリベロでバトルをし、たった一機で俺達を圧倒していく。

『ほらそこ!たった一機に翻弄されてたら話にならないよ! 』

「コイツっ! 」

「当たれっ! 」

バスターライフル改でウイングガンダムリベロに砲撃するもアブソーブシールドで吸収されてしまい、ヴァサルティスガンダムは全武装を一斉砲撃するも、スーパードラグーンとツインバスターライフルによるハイマットフルバーストによって撃ち落とされてしまった。

「避けろヒメラギ!あれは撃ち落とすだけじゃなく攻撃にも繋がってるぞ! 」

「分かってるってーの! 」

スザクモードに変形してハイマットフルバーストから逃れ、ヴァサルティスガンダムはユニコーンのシールドのIフィールドで防ぎきった。

「乗れ! 」

「おうよ!! 」

ヴァサルティスガンダムがスザクモードのアルケオニスガンダムの上に乗り、そのまま旋回しながらヴァサルティスガンダムは右腕のビームガトリングとスネークアーム四基でウイングガンダムリベロに攻撃する。

『アブソーブシールド』

「「あっ」」

ヴァサルティスガンダムの攻撃は全てアブソーブシールドに吸収されてしまった。

「ならこれでっ!! 」

ヴァサルティスガンダムはアルケオニスガンダムから飛び降り、全武装をウイングガンダムリベロに向けて一斉砲撃する。
アルケオニスガンダムはウイングガンダムリベロの背後まで回り込み、MS形態に変形してシールドを投擲した。

『─────っ! 』

ウイングガンダムリベロはツインバスターライフルとスーパードラグーンをヴァサルティスガンダムとアルケオニスガンダムの二機に照準を合わせ、二方向のハイマットフルバーストを放ってきた。
ヴァサルティスガンダムの攻撃とアルケオニスガンダムのシールドはハイマットフルバーストによりかき消されてしまい、更にハイマットフルバーストを放ちながら機体を回転させ、二機を凪ぎ払っていった。

「やばっ!? 」

「間に合わ────! 」

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「う~ん。前よりはコンビネーションは良くなったけど、相変わらずアブソーブシールドを忘れてるっていう点がな~」

「うるせぇよ。ていうかアブソーブシールドを仕組む奴なんてそうそういねぇだろうが」

「まあ確かにアブソーブシステムを作り込むのは難しいからね。例え作れても、下手したら限界許容粒子量も越えて自爆するし」

「そんなデメリットがあったのかー」

「うん。ていうか、さっきからセシリアさんが目をキラキラさせてるのはなんで? 」

セシリアの方を見ると、確かに目をキラキラさせてコチラを見ていた。

「セシリア。さっきからどうしたんだよ? 」

「え~と……………ナンデモナイ」

「…………ならいいんだけどな」

隣のアマネ達がいる部屋に戻るも、セシリアは相変わらず目をキラキラさせたまんまだった。ぜってぇなんかあんだろ…………。

「さてと、それじゃあセシリアさん。生徒会とガンプラバトル部。どっちに入るか決まった? 」

ハルカゼとセシリア以外の全員が固唾を飲み、セシリアの回答を待った。セシリアの回答次第で、ガンプラバトル部の廃部が決定する。

「ジャア………………………ドッチもはいル」

「「「「「へっ? 」」」」」

「ガッコーは、セートカイにハイってもブカツドウがデキるらしいから、ドッチもヤル」

「アハハハハ。だってさ皆?まあ最初からこうなることは分かっていて体験してもらったんだけどね」

「し、しかしセシリアちゃん。ガンプラバトル部以外にも他にも部活動はあるのだぞ?別にガンプラバトル部でなくてもよいではないのか? 」

サクラがセシリアの両肩を掴んで説得しようとするが、セシリアは首を横に振って口を開く。

「オモシロかったし、ナニよりもカッコいいのがタクサンあったから、ココにはいル」

「だがしかし…………ガンプラバトル部はもうすぐ廃部になるのだぞ? 」

その言葉に、セシリアはもう一度首を横に振った。

「サクラもハイってくれれば、ココはハイブにならナイ」

「!だが、私は生徒会長という責務もある。たかがガンプラのためにその時間を割くなど…………」

「サクラもハイってくれナイ?オネガイ…………」

「分かった!入ろうではないか! 」

変わり身早ぇなおい!ていうかヒメラギとアキザワは毎度毎度悶絶すんな!鬱陶しい!

「な、何はともあれ、これでようやくガンプラバトル部の本格的活動のスタートね」

「ま、そうだな。とりあえず改めてよろしくなセシリア。それにサクラも」

「ヨロシクね」

「ふん。まあせいぜい足を引っ張るなよ」

「お前は相変わらずムカつくな………………てか俺、お前のフルネーム聞いてねぇんだけど、なんて名前なんだ? 」

「!?べ、別に知らなくていいことだ。(みな)は私の事をサクラと呼ぶ。貴様もそう呼べば………………」

「サクラのフルネームは、クズリュウ サクラ。本人は名字が男くさいという理由で自分の名字を嫌っているんだ」

「アキザワ セイヤァァァァァァァっ!!!貴様!その名を言うなと何度言えば理解するのだ!! 」

「クズリュウ サクラか。そんじゃ、今度からクズリュウって呼ぶわ」

「クズリュウというなぁぁぁぁぁぁっ!!! 」

クズry…………ではなく、サクラに思い切り頭を殴られ、反撃に俺もサクラの頭目掛けてチョップを返した。

「あらら…………またカオス空間になりかけてるよ。青春だね~」





ーーー-





軽い騒動も止み、セシリアとサクラは入部届けに名前を書いてアマネに用紙を渡した。

「セシリアさん。入部祝いに好きなガンプラを一つプレゼントするわ。あ、けどアルケオニスガンダムは無理だから」

「!イイの? 」

「?ええ、いいけど? 」

すると、セシリアはガンプラが並べられているショーケースを無視し、ある所を指差した。

「えっ? 」

「コーチのツカッてイタガンプラがイイ」

そう。セシリアが指差した先には、ハルカゼのウイングガンダムリベロが立っていた。

「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!? 」

部室にはハルカゼの驚きの声が響きわたった。あまりのうるささに耳を塞ぐ。

「ワタシ、アレがほしイ」

「え~と…………セシリアさん。あれはコーチのガンプラだから、ちょっと無理が…………」

「アレがイチバンカッコよくウゴいていたカラ、アレがホシい」

「まー確かにガンガン動かしていたからね~。そう見えてもおかしくないね………………じゃなくて!そんな理由でこれを選ぶの? 」

「ウン」

「自分にあったガンプラの方がいいと思うけどな~僕」

「キョウハジめたばかりダカラ、ナニがアうのかワカラナイ」

「………………考える時間をください」

ハルカゼは数十分ぐらい頭を抱えながら考え、出した答えがこれだった。

「ここにいるメンバー全員が一人前になって、なおかつチームとしても一人前になれたらいいよ」

「それって今は渡さねぇってことだよな? 」

「うん、そうだね。セシリアさんがウイングガンダムリベロを手にするには、皆の協力が必要。それでいいかな? 」

「ムーー………………イマはダメなノ? 」

「駄目」

「ムーー………………ワカッタ」

渋々と承諾し、セシリアはそのまま椅子に座った。ハルカゼはというと、大きく安堵の息を吐いていた。どんだけ渡したくねぇんだよ。

「さて、と。じゃあ今日のところはこれで解散。皆、今週の土日から本格的に特訓するから、それまでにセシリアさんのガンプラを仕上げといてね」

「りょーかいしたぜ」

「それじゃあ、私はセシリアさんのガンプラ製作の手伝いをするわ」

「では俺も手伝うよ」

「アリガトウふたりトモ…………」

「私はこの未熟者二人を叩き直そう。感謝するんだな」

「サクラ会長!俺もっッスか!? 」

「前回は邪魔が入ったからな。俺は別に構わねぇぜ」





「こうして、ついに天野川学園ガンプラバトル部に四人目、五人目のファイターが揃い、無事大会へと参加出来るようになったのである。頑張れ!天野川学園ガンプラバトル部!僕も応援してるよ! 」

「お前がナレーションすんのかよ」

 
 

 
後書き
フラグ満載の回!お疲れ様ですね~。てかもう誰だって分かってますね。
次回更新はいつになるのやら…………出来るだけ早く更新します…………。そしてリクエストもきちんと書くので、もうしばらくお待ちください。 
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