『殺し、失い、得たもの。』
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『組長宅』
色んなモヤモヤはあったけど、蓮が言うてた『手ぇ廻して』ってのがズーット気になってた。
買えんなったって。
組長が?
でも、蓮の事、何処の誰かも知らん筈やしなぁ...
いや、でもやっぱ、薬関係や売人も関与しとるよね?
でも、あんな馬鹿丸出しのチンピラやか此の組に居らんし...。
『おぉっ!元気やったか?』
厳つい顔が急にニカッ!と無邪気な笑顔に変わる。
頭クシャクシャされた。
『なんやぁ、元気ないやないか!どしたんぞ!言うてみぃ!何飲む?』
『ドライ』
『おまえなぁー...まぁえっか!付き合ったるわ』
『...』
『ほら!乾杯!零...オマエは娘みたいなもんや。言うてるやろ。
オマエもワシを父親みたいに慕ってくれとる。遠慮すな!何でも言え!出来ることなら何でもしてやるっ!!誰や思とんや!
ワシやでっ♪』
ごっつ満面の笑み♪
思わずドライ吹き出しそうやった。
『...せやんな、今更気ぃ遣う間柄でも無いよなぁ...
あんなぁ、服買って!高級なやつ!着てみたいねん1回だけ!』
『アホ、そんな事ちゃうやろ。オマエ高級品に興味無い筈や!ほんまに欲しいモンなら金額関係なく何でも買ったるで言いや♪
で?なんや?そんな言いにくいことなんか?』
言いにくいワケではない。
自分でも何で濁しよんか解らん。
『あんなぁ、こないだ蓮の話したやんかぁ...蓮に薬売ってた奴等って知ってたりする?』
『あー、そりゃ、まぁ。どした?欲しいんか?オマエがするんはワシが許さんぞっ!!』
『零もぉヤらんし。効かんし。何が楽しいか解らんからムダ』
『オマエいつの間に...もぉ絶対にすんなよっ!!』
『はいっ!...って、なんか親子みたいやし♪』
『そんなもんやろが♪』
『まぁねぇ。
そぉそぉ、ほんで、蓮に薬売らん様にし向けたんって...』
『おうっ!ワシよっ!』
『え、でも蓮の事、顔も知らんし何も知らんやん...』
『そりゃあ...零、此処が何でワシが何なんか解っとるやろ。
ガキ調べるんやか簡単よ?』
『そっか...じゃあ、父さんも』
『ストップストップ!別問題っ!前も言うたろ?情報が無さ過ぎる。県外やし、しかも大阪はなぁ...』
『まぁね!地元のガキとは違うしねっ♪』
無理矢理笑って話した。
泣きそうだった。
頭ポンポンされた。
やっぱり泣く。
『絶対に逢う度に泣いてるやん。零、ごっつい泣き虫みたい。いっつも負けた感じするし』
『普段泣かんからや。溜め過ぎなんや。まぁ、泣くんやかどぉせワシん前くらいやろが?可愛いやっちゃ♪泣け泣けぇ♪』
『もぉー...ヤメてやぁー...』
『あははははは...
ほんで蓮はどぉなっとんな?』
『今はアル中ぽい?やつれてるし人相も違うし...舞とくっつけたこと、ごっつ後悔しとる。
舞が痛々しくて正直マジ辛い』
『薬が酒に変わったか。あの薬しょったら他の下手なんは受け付けんからなぁ』
『そんなひどいやつ?』
『いや、ひどいんやのぉて質がええやつや』
『ふーん』
『零は知らんでええ』
『うん。もぉ興味無いし大丈夫やで、安心してや♪』
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