『殺し、失い、得たもの。』
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『零と組長』
零は組長に相談した。
『そいつ連れて来たら薬抜いたるわ。根性も叩き直したる。任しとき!』
『誰の言うことも一切聞かんからなぁ。連れてくるんも厄介。でも、舞の為にもヤメて欲しい』
『零?おまえが思い詰める必要無いやろ?』
『2人が付き合うようになったん零の紹介やし、蓮を買い被り過ぎてたし、零の責任...』
泣いてしもた。
頭ポンポンされる。
『おまえが信じてた蓮は、もう見込み無いんか?時間が経てば変わることも在るかも知れんぞ?』
『...待ってみる。ごめん、迷惑ばっかりかけて...』
『あははははは!!おまえの迷惑くらい可愛いもんや。ワシを誰や思とんや!甘えとけ!!』
そう笑っててくれる。
零は、組長に救われて以来、父親の姿を重ねてる。
組長も解ってくれてる。
『蓮、舞の元へ』
蓮が戻って来た。
舞曰わく、薬ヤメたらしい。
でも、信用しきれなんだ...。
『蓮、ヤメたんは何で?』
『はぁ?ヤメぇ言うたんオマエだろ!俺が買えん様に手ぇ廻しくさってから!なんなんぞマジ』
『はぁ?何ソレ意味解らん!!その言い方やったら買えんけんヤメたってだけやんっ!!舞の為とかそぉゆう気持ち無いやんか!!』
『どっちもや』
『...呆れたぁ...蓮、アンタ変わったわ。信用してた自分が情けない。ごっつムカツクっ!!』
ほんっま情けない。
涙が止まらん。
悔しい...。
蓮は、もう、零の知ってる前の蓮じゃない。
確実に壊れてしもてる。
こんな奴やなかった。
薬が人格を変えるのは良く解ってる。
根は凄く優しくて真面目で、素直で可愛くて憎めん奴やった。
そぉいや、何の薬やってたんやろ...
人間やめますか?
そんなん信じてなかった。
そんな風になるのは馬鹿な奴だけって...。
薬やか意思ひとつでヤメれるのにヤメる気が無いだけやって。
前とは違う蓮。
それでも舞は変わらず優しい。
可愛い笑顔で蓮に向かう。
『愛』ってすごいんやなって感じた。
でも...痛々しかった。
蓮は、次は酒浸りになった。
御飯も食べずにやつれた。
人相も変わった。
可愛らしい面影もなくなった。
舞は、それでも蓮に尽くしてた。
酒臭い蓮が近付いて来た。
『零!もぉ俺マジ薬ヤメたけん!で、今アル中。オマエのせいやけんのぉ』
『はいはいわかった!えらいやん!薬ヤメれて!ほな酒もヤメれるわ。減らしぃや。舞見てて痛々しい』
『はぁ?そんなに舞が大事なんか零は...俺より...。俺がこんなんなっとんのにアイツ未だにヤらしてくれんのんで!限界...』
『またその話?ほな蓮は舞とヤル為に付き合ったん?ちゃうやろ?!蓮はそんなん関係無しに舞を守るって言うたやん!!』
『零...俺も男や』
『わかってるよ。それでもやんか!それでも!舞に対しては理解在った筈やんか!...もぉええ。舞と別れてやぁ...』
『はぁ?イヤやし!どぉせならヤらして貰わな損やしな!』
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