| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

大統領の日常

作者:騎士猫
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

本編
  第四十四話

 
前書き
新年初の投稿となります←なお既に1か月近く過ぎてる模様

戦闘シーンを頭の中では考えられても文章にするのが全くできず、1か月近く費やしたのに低クオリティーという最悪な結果になっております・・(´;ω;`)
他の方の小説を読んで勉強しておりますが、一向にレベルが上がりません・・。
誰か私に文才をください(´Д⊂ヽ 

 
西暦2115年 11月 14日

「っ!・・閣下!ここのままでは艦隊が壊滅します!一時後退なされてはっ!?」
第三独立艦隊参謀長のオーリック・エルゲン准将は、彼が乗る旗艦ケーニッヒ・ティーゲルのすぐ横にいた味方艦が爆沈した直後に、上官に6度目の意見具申を行っていた。
現在第三独立艦隊は、ミレーニアス軍の中央部に大きく切り込んだ状態であり、逆に半包囲の危機に陥っていた。
「・・・・」
それを彼の上官であるビッテンフェルトは無言で聞きいていた。唯一今までの5回と違うのは、無言ではあるものの、目を閉じて考えている姿でいることだろう。
これを見たエルゲンはあと一押しだと思い続けた。
「仮に我々が全滅したら、誰が大統領をお守りするのですか!」


「・・・・・全艦・・後退っ・・・」
大統領という言葉に反応したビッテンフェルトは、こぶしを震わせ、歯を食いしばりながら後退を命令した。

18時40分、ようやく後退を開始した第三独立艦隊だったが、すでにミレーニアス軍に大きく切り込んでいたため、後退するのには時間を要した。しかし、ここで勝ち逃げさせるかとばかりにミレーニアス軍が反撃に出た。

「敵艦隊反撃してきます!」
「右翼部隊の被害甚大!既に一部で突破されています!」
「本体から戦艦と巡洋艦を1個戦隊を送れ!戦線を維持させろ!」
「しかし、閣下!既に本体には最低限の護衛部隊しかおりません!」
「ではその護衛部隊から割けばいいだろう!」
「しかし、それでは旗艦の守りがっ・・」
「かまわん!
第三独立艦隊は、守勢に弱いという弱点をさらけ出し、一気に崩壊するかと思われた。

「潰走してくる艦を集結させ、敵の左翼を攻撃せよ。左翼の動きが止まったら次は右翼だ。」
「はっ」
しかし、後方でそれを見ていたハイドリヒが潰走する艦をまとめて、左翼から迫る艦隊の先端にピンポイント攻撃を加えて進撃を一時的に止めさせた。
左翼を担当していた部隊の手が空いたことで、右翼から迫る艦隊も後退しているとはいえロンディバルト軍最強の打撃力を誇る第三独立艦隊の攻撃を耐えられるはずはなく、後退を余儀なくさせられた。
両翼が一時進撃を停止したことで、前方だけに集中できることとなった第三独立艦隊はその打撃力を思う存分中央にいる本体に叩きつけた。

「大都督、両翼の進撃が止まったせいで本体に砲火が集中しております」
「かまわん、ひたすら前進して砲撃せよ。数ではこちらが勝っているのだ」
「御意」

既に50隻をわずかに超えるほどしかない第三独立艦隊は、ソ連並みの人海戦術の前には対抗することはかなわず、40分ほど本体に砲撃を集中させた後、再び全速で後退した。この時には両翼が復帰し始めていたため、再び半包囲される危険があったからでもある。


一方艦娘深海棲艦連合艦隊は、逆に敵を押し返していた。
しかし、敵である艦娘を殺したくはないという気持ちから、2000隻のうち艦娘が乗る800隻は1隻も轟沈してはいなかった。深海棲艦は、戦艦水鬼が”同士討チナンテ日常茶飯事ダシ”とかまうことなく砲撃させたため、すでに250隻近くが轟沈していた。

深海棲艦には軍閥があり、海域ごとどころか一つの海域に複数の小中軍閥がいることなどざらであった。
同じ人類打倒を目指す者同士であるが、些細なことで争うため、仲間を撃つことはなれていたのである。

貴族派側の艦娘は、轟沈してはいないものの兵装や機関を破壊されて戦闘不能に陥る艦が続出していた。
中には白旗を上げて降伏する艦もいた。こういったことから、すでに100隻近く減少した第二特殊艦隊は指揮統制が乱れ始めていた。

近づいてくる深海棲艦を迎撃していた彼女の艤装の第一砲塔が、ロンディバルト側の深海棲艦によって破壊された。
「くっ!い、痛い・・・」
その爆風は艦橋のガラスを吹き飛ばして中にいた艦娘まで壁に吹き飛ばした。
その直後再び彼女を爆風が襲った。
深海棲艦の急行爆撃機が艦橋横の機銃を吹き飛ばしたのである。深海棲艦も、艦娘をできる限り傷つけないように10キロ爆弾程度の威力の低いものを使っていたが、艦橋横となるとさすがに爆風は艦橋にまで届いていた。
「い、いた・・い・・・やだ・・死にたく・・ない・・」
彼女はすぐに近くの妖精に機関を止めて停戦するように言った。妖精も分かったようで、すぐにコクリとうなずくと、階段を駆け下りて行った。
彼女は妖精が階段を駆け下りていくのを見ると、震える手でつん新装置を開いた。
「降伏します。だから、撃たないで・・」

その通信の直後、妖精が白旗を掲げた。

「前方ノ艦ガ白旗ヲ掲ゲテイマス。」
彼女に攻撃を加えていたヲ級が旗艦であるタ級に向かって言った。
「揚陸艦ニ艦ヲ確保サセ、後方ニ下ゲサセナイサイ。」
タ級はすぐに命令を下し、伝令役のイ級が揚陸艦部隊のいる方へ向かった。

「アノ艦ヘノ攻撃ヲ止メヨ。」
タ級が命じると、すぐに彼女への攻撃は止まった。
しばらくすると揚陸艦が近づき、制圧が完了したのかその4分後には後方へ離脱していった。


西暦2115年 11月 14日
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト


あれから後退して、現在は艦隊の再編を行っている。
既に艦隊は42隻まで撃ち減らされて、艦隊と呼べるものではなくなっていた。

加えて、将兵の士気の低下が著しい。出撃時はあれほど上がっていた士気は既に敵領土深くにいることと、大統領が意識不明だということで尽きつつある。2日間絶え間なく戦い続けていることで、疲労も限界に達しつつある。後1日休みなく戦い続ければ、艦隊は崩壊するだろう。

今は敵も再編成を行っているようだったので、少しではあるが、将兵に休息を与えることにした。とはいっても各自3時間ずつの交代制ではあるが・・・。

現在下では艦娘深海棲艦連合艦隊が優勢にあるようだ。こちらも加勢したいが、将兵の休息も必要であるし、仮に攻撃すれば再編成中のミレーニアス軍がさせるかと攻撃を再開してくるだろう。再編成中とはいえ未だ大部分が健在のままだ。攻勢を受ければこちらはまともな反撃もできず全滅するだろう。


援軍が到着するまであと17日か・・・。
最悪皇帝派軍を見捨てて退却することも已むを得んだろうな。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧