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大統領の日常

作者:騎士猫
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本編
  第四十三話 ロンディバルトVS戦争狂&蛮族

西暦2115年 11月 14日
ガルメチアス帝国軍第二特殊艦隊旗艦大和型2番艦”武蔵”


「提督、第一次攻撃隊は・・全滅したそうだ」
「そうか。蒼龍型と雲龍型、そしてヲ級に第二次攻撃隊を発進させてくれ」
「・・了解だ」

・・・同じ艦娘同士で戦わなければいけないとは・・・深海清鑑だって同じ仲間に弓引くのはどれほどつらいことだろう。
私たちがこんなことになったのも、すべて貴様らのせいだ。
「ん?何だ?何か意見でもあるのか?」
「・・いや、ない」
「そうか」

「しかし、深海棲艦が大半を占めているとはいえ2千対5万はきついなぁ。こんなことしなくても核の1発や2発撃ちこめば海域ごと消し去れるのに」
「だったら、上官にでも意見してみたらどうだ?」
彼は振り返ってきた。
笑っている。戦闘中だというのに彼は笑っている。作り笑顔でもない本物の笑顔だ。
「え?そんなことしたら楽しめないじゃないか、この火薬と血のにおいのする戦争をさ。さてと、上ではそろそろ艦隊戦がはじまってるころかな。落ちてくる艦の残骸には注意しないとね。そんなことで死にたくないし。死ぬなら戦って戦って戦い切って死にたいからね。ふふふ」
そういうと彼は笑い始めた。完全に狂ってる・・・

「まったく、首都には艦娘が300隻近く沈んだとはいえ50隻ほどが健在だったはずだろう?やっぱり、貴族の慰み者として使われるだけの奴らにはまともに戦うこともできない、か。はぁ・・僕のところに来れば戦争の楽しさを教えてあげたんだけどなぁ」

「さってとっ、そろそろ射程内に入るころかな」
「ああ、そうだな」
「じゃあ全艦一斉射用意。攻撃隊の攻撃が終了したら撃て」
「了解だ」

「さぁ、楽しい戦争の始まりだ。殺したり殺されたりしよう。死んだり死なせたりしよう。ふふふ・・・アハハハハハハハッ」


西暦2115年 11月 14日


「敵ノ第二次攻撃隊接近!数・・600以上!」
「先ホドノ攻撃デ、防巡ト防駆逐に少ナカラズ損害ガ出テオリマス」
部下の言葉を聞いた戦艦水鬼は少し悩んだ末言った。
「中衛ノ艦隊ヲ一部割イテ守リヲ固メナサイ。戦艦隊ト重巡隊ハモウ一度三式弾ヲ装填」
中衛にいた戦隊の一部が前衛に合流し、穴が開いたところを修復していく。

「うーん。さっきの攻撃で混乱してるから行けると思ったけど、ありゃ無理そうだねぇ・・」
特殊艦隊の指揮官は他人事のように言った。
「では、撤退させよう」
武蔵が無線で連絡しようとするのを、指揮官の男が止めた。
「何を言ってるの?今更退却なんて燃料と時間の無駄。少しでも注意をひきつけてもらおうじゃないか」
「なっ、しかしこのままではまた全滅するぞ!」
武蔵が声を荒げて非難するが、男は全く動じずに言った。
「たった600機、1000人程度だよ?さっきの核爆発で死んだ数に比べれば些細なものさ」
「だがっ、・・・」
『敵艦隊射程距離内に入りました』
偶然かわざとかはわからないが、艦橋に少し幼い声が響いた。
「了解だ、不知火。全艦主砲斉射」
「なっ、味方にあたるかもs・・・」
武蔵が再び抗議しようとするが、途中で轟音によって言葉はかき消された。

「ちゃくだーーーん、いま!!」

ZUDOOOMMM!!
DOGOOOONN!!
DOGONDOGONDOGON!!

「前衛ニ敵弾多数着弾!損害オオキイ!!」
戦艦水鬼は焦らずに指示を下していった。
「戦艦ト重巡ヲ前ニ出シテ応戦シロ。コチラモ攻撃隊ヲ出セ」

前衛の防巡・防駆逐・軽巡・駆逐が後退し、そこに戦艦隊と重巡隊が入り、砲撃を開始する。
後衛の空母からはこの時代では時代遅れとなったレシプロ機が、空へと羽ばたいていく。

その頃上空では、シヴァを中心に突形陣をとる第三独立艦隊とミレーニアス王国軍が激しい攻防を繰り広げていた。

既に十数発の火炎直撃砲を撃ち込まれた第三独立艦隊は、すでに艦艇数が40隻まで減少していた。が、その士気は衰えることはなく、ビッテンフェルトお得意の猪突猛進によって損害をもろともせず突き進んでいた。

「敵艦隊なおも接近!」
「両翼を合流させ、側面から仕掛けさせよ。我らはシヴァの首を取るっ!グゥワァッ」
ルガームは剣を床に突き立てると、シヴァに向けるかのように振り上げた。

「うちとれぇい!武名を上げよ!!」

「「「ypaaaaaaaaaaa!!!」」」

(推奨BGMガトランティス2199ver)

「撃ち―方始めぇ!」
ニコラフスキーが部下の発射準備完了の報告を聞いて発射を命じる。

ビュヒュリュリュルルルルル
ビュヒュリュリュルルルルル
ビュヒュリュリュルルルルル

DOGOMDOGOMDOGOM!!
DOGOOOOMM!
BARRRRR!!

シヴァの砲撃に合わせて他の艦も主砲を斉射する。

GOMGOMGOM!

DOGAAAMM!!

シヴァから放たれたレーザーが突撃してきたミレーニアスの駆逐艦数隻を切り裂き、その直後に多数の砲弾を受けて爆沈する。
主砲を斉射すると、続いてVLSからミサイルが雨のように撃ちだされ、爆沈した駆逐艦の後ろから現れた巡洋艦に向かう。巡洋艦は回転式の連射型ビーム砲で迎撃するが、その数に対処しきれず、艦艇側面に3発が命中して木端微塵に吹き飛ぶ。

艦隊後方にいるメガルーザがその五連装の大型砲塔が、レーダーに連動してゆっくりと動き出し、止まったかと思うとそこから緑に光るビームが5本発射され、主砲を斉射していた巡洋艦に容赦なく突き刺さる。
もはや原形をとどめていない巡洋艦は推力を失い落下していき、雲に消えた直後に光り輝き消え去った。

「くっ、敵の旗艦をねらえ!」
「主砲1番発射準備よし!」
「ファイヤー!」

ビュヒュリュリュルルルルル

「直撃弾!」
「回避運動―!」

DOGOOONN

シヴァの放ったレーザーはメガルーザの艦首両舷にある角のうちの右角に当たり、転送装置の片方が破壊される。

「こちら前衛打撃艦隊。間もなく戦闘空域に到達する」

右翼に配置されていた前衛打撃艦隊が、戦闘準備をしていると、雲の中から突如機体後方に2本の赤いラインが施されたF-14が次々を襲いかかった。
初弾で巡洋艦にミサイルが4発命中し、大破炎上した。
「敵襲ー!」
ディベル粒子の散布化のために目視で警戒をしていた見張り員の一人がそれを見て叫んだ。見張り員がいるのは、レーダーは一応使用可能ではあるが、航空機などの小型目標は写らない場合がまれにあるためである。
「雲に紛れて接近したようです」
副官の言葉にラエファスは舌打ちした。
「対空戦闘ー!」
ラエファスの命令と同時に、各艦が対空射撃を始める。

「アルファ3!巡洋艦にとどめを撃て!」
艦載機隊の隊長が部下に攻撃を命じる。
しかし、隊長機の後ろには迎撃機の放ったミサイルが近づいていた。
「なっなに!?くっ、ぐわぁああああ!!」
「隊長――!!」
落ちていく隊長機に涙ながら部下たちが敬礼する。

「隊長の敵だ!野郎ども、行くぞ!」
「「「おう!!」」」

彼らの熾烈な攻撃で、ムキナは発艦不可能な状態に陥り、随伴艦も4隻が轟沈し、3隻が中破するという大損害を被った。

 
 

 
後書き
本当は別の艦娘を出す予定でしたが、最近大型建造をした際、なんとビスマルク狙いでやったら武蔵が出たので、せっかくなので出すことにしました。
出来るだけ、持っている艦娘を出していきますが、数の都合上未入手艦や、未実装艦が多数登場しますので、そこの所はご理解ください。 
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