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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another112 欠陥機

 
前書き
全ての軍団を排除した大輔達。 

 
全ての人造デジモン達を倒した大輔達だったが、どうやって要塞のバリアを破壊しようかと頭を悩ませていた。

賢「さて、あの要塞のバリアをどうにかしない限り、僕達は要塞に突入出来ない訳だが…」

太一「みんなでアグモン達を進化させて、バリアに向けて攻撃させたらどうだ?」

ルカ「残念ですが、ここにいる全員のパワーを集めてもバリアを破るには力が足りません。ジョグレスをしても結果は同じでしょう」

正確な分析でインペリアルドラモンとオメガモンでさえもバリアの破壊は不可能と断じられ、全員が口を閉ざす。

ミミ「それじゃあ、どうするの?オメガモンでも駄目だとなると…」

アリシア「インペリアルドラモンのギガデスやオメガモンのオメガブラストでもバリア破壊が不可能な以上…」

ヤマト「打つ手なし…か…」

スバル「……こんなこともあろうかと」

全員【ん?】

スバル「実はゲンナイさんの家から小破したメカノリモンを失敬してたんだ!!」

ブイモン[な、何だってーーーっ!!!!!?]

スバル「ナノモンに頼んで魔改造してもらったスペシャルメカノリモンに装備させたエネルギーアンチフィールド装置なら、攻撃を受けて薄くなったバリアをすり抜けることは可能なはず!!因みにエネルギーアンチフィールド装置の開発とかの代金はエテモンに押し付けました」

大輔「ああ、エテモンの借金が倍になっていたのはそのためか」

スバルによって借金を倍にされたキングエテモンを少しだけ哀れんだ大輔。

ユーノ「でも、それなら何とかいけるかもしれないね」

なのは「うん!!」

僅かに出て来た希望に全員の表情が明るくなる。

ティアナ「で?肝心のメカノリモンの武装は?スペシャルなんて言うくらいだから、現実世界で言う核弾頭並みの破壊力のある武装が…」

スバル「スペシャルメカノリモンの武装?ふふん、そんな物ない!!エネルギーアンチフィールド装置を取り付けるために無駄なエネルギー消費を抑えるために武装を全部取り除いちゃったのだ!!えっへん!!」

全員【…………】

スパンッ!!

胸を張るスバルに、全員が沈黙し、無言のティアナのハリセンが炸裂した。

スバル「痛いよう、ティア~」

ティアナ「うっさい!!この馬鹿スバル!!」

賢「ふざけるのも大概にしろスバル!!君は僕達に昔の日本よろしくカミカゼアタックをさせるつもりか!!!?」

スバル「いや~、冗談だよ冗談。でも本当にエネルギーアンチフィールド装置は1回使用すると滅茶苦茶エネルギーを使うの。だから武装は付けられないんだよ。」

一輝「ちっ…最低限の武装もない欠陥機で特攻をしなきゃいけないのかよ…」

冷や汗をかく一輝。
流石にこれは危険すぎると判断したのだろう。

大輔「まあ、そこら辺は全員の力を合わせることでどうにかして、みんな要塞に突入するのは明日な。今日は解散だ」

デジモンカイザーの基地に特攻するのは明日にすることにして、全員の身体を休ませることにする。








































そしてデジタルワールドでは、デジモンカイザーが、ある物を制作していた。
それはキメラモンにとても酷似していたが…。

カイザー「キメラモンは成熟期と完全体のデジモンのパーツで造ったデジモン…なら、完全体と究極体のパーツを使えば…僕の最強のデジモンが誕生する…」

メタルグレイモンのボディ。

サーベルレオモンの足。

スカルグレイモンとオオクワモン、ネオデビモンの腕。

アトラーカブテリモンの頭部。

ヴァーミリモンの尾。

ホーリーエンジェモンとウィングドラモンの翼。

そしてウォーグレイモンの髪。

完全体と究極体のパーツのみで造られたデジモンはとても凶暴そうで破壊しかもたらさない雰囲気を与えるデジモンであった。

カイザー「よし…完成したぞ…名前は…そうだな、虫螻共を地獄へ送る存在…ヘルキメラモンと名付けよう…さあ、行けヘルキメラモン!!愚かなる者達に裁きを!!!!!」

要塞から解き放たれたヘルキメラモンは完全体と究極体のパーツで構成されただけあり、凄まじい破壊力を誇っていた。
ヘルキメラモンは破壊の限りを尽くしていく。
目の前に動く者が居れば攻撃を仕掛ける。
まるでそれがヘルキメラモンの存在理由の如く。

カイザー「そうだ……もっと…もっと破壊しろ!ふふふ……はははははは!!!!」

モニターを通し、苦しんでいるデジモン達の断末魔を聞きながらデジモンカイザーは笑っていた。

『(ヘルキメラモン…醜悪なデジモンだが、私の新たな肉体として使えそうだな…)』

デジモンカイザーを通して見ていた存在は内心で新たな肉体となる存在に歓喜した。









































翌日、デジタルワールドの様子をモニターで見ると、見るも無惨な光景が広がっていた。
しかも、この光景を生み出した存在が更に大輔達を驚愕させた。

賢「キメラモン…?」

大輔「にしては少し変だな。ユーノ、解析を頼む」

ユーノ「はい」

しばらくして、解析が終わり、ヘルキメラモンの姿がモニターに映された。

大輔「こいつは…」

アインス「考えたものだな。完全体と究極体をベースにして造り上げるとは」

光子郎「ここまでとなると異常の域ですね…」

ギンガ「はい、アトラーカブテリモンの頭、ウォーグレイモンの髪、メタルグレイモンのボディ、ネオデビモン、スカルグレイモン、オオクワモンの腕。ホーリーエンジェモンの翼とウィングドラモン数体分の翼、そしてサーベルレオモンの足に、ヴァーミリモンの尻尾。凄まじいですね…」

一輝「…吐き気を催す邪悪がモニター越しから伝わってくるぜ……」

アリサ「あんなので喜ぶ奴なんてどうかしてる…何とか出来ないの?」

タケル「許せない……あんなデジモンを作り出すなんて……絶対に……」

ヒカリ「何としてでも止めなきゃ……私達の手で!!!」

怒りを露わにするタケルとヒカリだが…。

賢「しかし、どうする?あれはどうみても兄さんの最終兵器。生半可な強さではないだろう。少なく見積もってもギガシードラモンやラストティラノモンよりは強いだろうね」

テイルモン[真っ向から挑んでも勝ち目は薄いわ]

大輔「大丈夫だ。イザとなったら切り札を使うまでだ。ここまで来たんだ。出し惜しみするつもりはない。なあ、アインス」

アインス「無論だ」

賢「リイン。行くよ…兄さんの暴走を止める」

リイン「はいですー。叔父…もがもが」

はやて「それ以上は言っちゃ駄目やで~」

咄嗟にリインの口を閉ざすはやて。
これ以上の暴挙を止めるために子供達はデジモンカイザーの要塞への突入を決めたのだった。































そしてデジモンカイザーの要塞の真下に来た大輔達。

ルカ「さてと、大輔さん、賢さん、アインスさん、リインさんも準備はよろしいですか?」

メカノリモンに乗り込める人数は限られているために、大輔達4人と4体のみ乗り込めた。
因みにホークモンとアルマジモンはとっくに戦いのレベルについてこれなくなり、お留守番。

はやて「行くでえ、これが最後の希望や!!」

遼「お前ら、治を頼んだぜ!!」

フェイト「みんな、進化を!!バリアを薄くするよ!!」

全員【了解!!】

この場にいる全員のパートナーデジモンが進化して、要塞に向けて攻撃を放つが、バリアが薄くなる程度で破れはしない。

ルカ「今です!!発射!!」

ルカの合図でメカノリモンが要塞に向けて発射された。
エネルギーアンチフィールド装置により、薄くなったバリアが消失し、大輔達は要塞内に突入出来た。

スバル「やった!!」

次の瞬間、要塞内で新たに製造された人造デジモン達が襲いかかってきた。

太一「来たぞ!!!」

一輝「いいかお前ら!!死ぬんじゃねえぞ!!!」

全員【おう!!】

大輔達がデジモンカイザーを止めるまでの間、自分達が人造デジモン軍団の相手をするのだった。 
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