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ハルマゲドンだ

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第七章

「ハルマゲドンだの何だのと」
「戦おうというのは」
「困りましたね」
「全く以て」
「最初は何かと思いました」
「現実なのかと」
「しかし現実で」
 法皇はこれまでのことを思い出しつつ語った。
「そして何とかコロシウムまで行ってもらって」
「メギドの地ではないですが」
「まあそれは置いておいて」
「戦ってもらいました、それならです」
 それならそれで、というのだ。法皇もこの辺りはもうどうでもよくなっていた。
 そしてだ、側近の枢機卿達にこう結論付けた。
「とにかくハルマゲドンは終わりました」
「はい、それは確かですね」
「双方そう宣言していますし」
「千年王国がはじまりました」
「後は千年後ですね」
「千年後また戦うみたいですね」
「その時はまたその時です」
 千年後にというのだ。
「その時の法皇様に何とかしてもらいましょう」
「是非共」
「その時人間はどうなっているかわかりませんが」
「少なくとも千年王国ははじまったことになりますし」
 ハルマゲドンは終わった、それならというのだ。
「では後は」
「千年後の子孫に任せましょう」
「そして法皇様にも」
「そうしましょう、ただ」
 ここでだ、法皇は難しい顔になって側近達にこのことを話した。
「日本におかしな人が出たそうです」
「おかしな人?」
「と、いいますと」
「サタンの勝利を願う」
「そうした人ですか」
「いえ、ハルマゲドンがはじまった時もそうでしたが」
 どうだったかというのだ、その時に。
「千年後のことも言っています」
「その千年後のこともですか」
「その人は言っているのですか」
「はい、人類が滅亡すると」
 そう言っているというのだ。
「サタンだ、千年王国だ、ハルマゲドンだ、ゲヘナだ、メギドと」
「あの、滅茶苦茶では」
「聖書の単語を適当に言っているだけでは」
「とりあえず人類は滅亡するのですか」
「ハルマゲドンで」
「そう言っていまして」
 これがハルマゲドンの時でというのだ。 
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