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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1029話

 奪還したハイヴ周辺のテラフォーミング。それは速やかに実行に移された。
 マブラヴ世界の住人にしても、やはり地球の自然環境が回復するというのは喜ばしい事だったのか、俺達が敦煌ハイヴを攻略すると提案した時は却下されたのが、こちらはあっさりと受け入れられた。
 まぁ、元々はマヴラヴ世界からの要望があったものなのだから、当然と言えば当然だろう。更に言えば、もしもこれを反対していればBETAに占領された国家を敵に回すだけのみならず、まだ占領はされていないがBETAとの最前線となっている国々をも敵に回す事になるのだから。
 同時に、マブラヴ世界の国の上層部に限って恭順派を誘き出すための罠という面もあるというのを伝え、それに対する協力も要請した。
 ……本来はマブラヴ世界の問題なんだから、俺達が協力する立場な筈なんだが、今回は色々と本気で恭順派を処理するつもりだしな。その辺を考えると、俺達が主戦力となった方が効率がいい。
 他にも、恭順派の行動には一々こっちを苛つかせる事が多いというのもあるし。
 ともあれ、レオンからの提案通りに護衛を緩くしているという噂話を流して貰っている。
 伝令とかのアナログな方法でやり取りしている以上、偽情報ってのは確認が難しいという意味ではいい対処方法でもあるんだよな。
 で、恭順派を誘き出す為に現在俺は重慶ハイヴから少し離れた場所で待機している訳だ。
 他にいるのは量産型Wのみで、囮としてテラフォーミング作業をしている帝国軍の兵士の様子が映像モニタに映し出されていた。
 ちなみに、占領した全てのハイヴで最低一ヶ所はここのように警備の緩い場所を作って囮としており、当然他のハイヴの近くにもシャドウミラーの実働班がいつでも動けるように待機していたりする。
 ただし、こうして大型VTOL輸送機の中でゆっくりと出来ているのはシステムXNを持つニーズヘッグに乗っている俺のグループだけであり、他の場所ではASRSを使って隠密行動中となっている。
 当然隠密行動中である以上は通信の類も行われていないので、フォールド通信以外の通信は禁止されている。
 そのフォールド通信にしても、自由に使えば暇な時間だけにそっちに夢中になりそうだという事で、出来るだけ使わないようにと決められていた。
 いっその事NジャマーⅡを使って通信全体を封鎖しようかとも思ったのだが、そうなるともしBETAの接近とかがあった時に情報のやり取りが遅くなるという可能性もあるので、それは却下された。
 いっそ基地にフォールド通信装置を貸すという意見もあったが、どこにテロリストが入り込んでいるのかも不明な状態だ。
 ただでさえアナログな手段に頼っている奴等だ。基地の中に入り込んでいるとかいうのは、普通にありそうなんだよな。そんな奴等にフォールド通信装置その物を盗まれたり、あるいは何らかのデータを取られたりするというのは絶対にご免被りたい。

「とはいえ、暇なんだよな。これなら、誰か他の面子と一緒になればよかった」

 そう呟くも、システムXNという転移装置を使え、尚且つシャドウミラー最強の機体でもあるニーズヘッグが少ない戦力になるのは、当然だった。
 何か異常があったら知らせるように量産型Wへと告げ、俺は大型VTOL輸送機のコックピットにある座席を後ろへと倒しながら空間倉庫から取り出した雑誌を読みつつ、こちらもまた空間倉庫から取り出したハンバーガーを口へと運ぶ。
 ちなみにこのハンバーガーは、よくあるチェーン店のものではなく歴としたステーキハウスで作られているハンバーグを使ったハンバーガーだったりする。
 焼きたてのパンズにチーズとシャキシャキのサニーレタス、トマト、ピクルス。そして主役のハンバーグは非常に分厚くジューシーに焼き上がっており、恐らく250g以上はあるだろう。それらの具を、ケチャップやマヨネーズではなく店のオリジナルソースが美しく彩っていた。
 同じハンバーガーという料理であっても、ファーストフード店で売ってるようなのっぺりとしたハンバーガーではなく、非常にボリュームのある一品。
 それを口に運びながら、読む雑誌はアウトドア特集。
 既に季節も6月に入っており、もう少しで夏だ。そうなれば当然海で泳ぎたいという気持ちはあり、その為の雑誌だ。
 特に今年からはあやか達従者組の4人もシャドウミラーに合流した事だし、少し派手に行きたいと思う。
 もっとも、去年みたいにこのマブラヴ世界の海ではなく、どこか安心して泳げる海にしたいとは思っているが。候補としては、SEED世界、ギアス世界、ネギま世界か?
 マクロス世界でもいいんだけど、あそこは地球じゃないからな。海にどんな生き物がいるのか想像も出来ない。下手をすればサメのように凶暴な生き物が……
 そう考え、シャドウミラーの面子が脳裏を過ぎる。
 基本的には生身での戦いでも鍛えている以上、それこそサメ程度が出てきてもどうとでもなる。特に生身での戦いを得意としている従者組の4人やムラタなんかは、その辺が顕著だろう。寧ろ、襲ってきた相手を逆に仕留めて食材としかねない。
 円辺りは俺と同様にアーティファクトを使った炎の攻撃がメインだが、それでも海にいる相手は仕留められる筈だ。

「なるほど。安全を確保出来るのなら、初体験って意味でマクロス世界の海もありか」
「アクセル隊長、問題発生です」

 俺の声に被せるように告げてくる量産型Wの声に、意識を一瞬で対テロリスト用に戻して視線を映像モニタへと向ける。
 そこに映し出されていたのは、確かにトラブルではあった。……ただし、トラブルはトラブルでも俺が予想していたテロリストがどうとかいうのではなく、働いている者達同士で喧嘩をしているかのようなトラブル。

「……何をやってるんだか。一応軍人の筈なんだがな」

 斯衛を借りてくる訳にはいかなかったので、当然映像モニタに映し出されているのは帝国軍の兵士達だ。その兵士達が、何が理由なのかお互いにいがみ合い、相手の胸ぐらを掴んで怒鳴り合っていた。
 映像モニタで見た感じだと、何かぶつかったとか何とか、そういう感じで喧嘩になったのか?
 疲れている時には苛立ちやすくなるものだが、まさか帝国軍の軍人がこんな事でああいう風になるとは思わなかった。
 いや、普段行っている軍の訓練とは全く違うからこそ慣れなくて、ああいう風に喧嘩っ早くなってるのか?
 ともあれ、確かに何らかの変化を求めてはいたが、俺が求めていたのは恭順派を含むテロリストの襲撃であって、こういう下らない喧嘩ではない。

「放っておけ。これに関しては俺が出る幕はない。向こうの方で適当に処理するだろ。……ほら」

 量産型Wへと告げている間にも、映像モニタでは騒動を起こしている者達の上司と思しき男が出てきて、騒動を起こした2人の頭部へと拳骨を振り下ろしていた。
 何と言うか、物凄いガチガチの筋肉だな。ボディビルダーみたいな感じと言えばいいか。
 日本人であれだけの筋肉を付けるのも色々と凄いが、何よりもあの筋肉を維持しているというのが凄い。俺達がこの世界に来る前は、食料的にはかなり厳しかった筈なんだが。
 ともあれ、それだけの筋肉だけに見た目の迫力は凄い。騒動を起こした男達も、大人しく頭を下げて自分の作業へと戻っていく。
 何となく見せかけの筋肉のようにしか見えないんだが……その辺はどうなっているのやら。あるいは、最初から兵士達に対する威嚇の為にああいう筋肉をつけているのかもしれない。
 いわゆる、鬼軍曹的な感じで。

「ま、それが帝国軍なのかもしれないが」

 残念ながら、俺の場合は帝国軍に対する知り合いは殆どいない。日本で知り合いとなると、その殆どが斯衛だったり、夕呼みたいに国連軍に所属している奴だったりするし。
 敢えて知り合いを上げるとすれば、アラビア半島防衛戦の時に観戦武官として連れていった沙霧くらいか?
 ただ、その沙霧と最後に話したのもあの時だった以上、親しいという訳でもない。
 こうして考えると、斯衛の方に比重を置きすぎたか?
 まぁ、それはあくまでも俺個人の関係だ。エザリアやレオン、あやか、千鶴辺りであれば、帝国軍に知り合いがいてもおかしくはない。

「……にしても、暇だな」

 改めて映像モニタへと視線を向けると、先程の騒動は既に完全に収められており既に皆が真面目に作業へと戻っている。
 この勤勉さに関しては、さすがに日本人と褒めるべきか。
 そのまま映像モニタを見続ける事、数分。やがて全く変わらないその様子に、俺は再び座席へと戻って寝転がる。

「確か、以前買った漫画が……」

 空間倉庫の中から取りだしたのは、ネギま世界で購入した漫画本。
 そう言えば、ホワイトスターの交流区画にこの手のサブカルチャーというのか? 漫画本とかもあるにはあるが、まだまだ少ないのが実情だ。
 個人的にはもっと各世界から書店が増えて欲しいんだが。
 ただ、ギアス世界、SEED世界にしても、紙媒体の本というのは驚く程少ないんだよな。
 電子書籍化が進んでいるんだが、それらとは別格なのがマクロス世界だ。マクロス世界では、既に本というのは絶滅危惧種……とまではいかないが、かなり少なくなっているのも事実。
 まぁ、理由は分かるんだけどな。マクロス・フロンティアは移民船団であるが故に、どうしても資源を節約しないといけない。そんな中で、本というのはかなり早い段階で電子書籍化されたのだろう。
 それでも一応書店はあるにはあるんだが、どうしてもアンティークショップ的な感じに近くなっている。
 それに比べると、ネギま世界は普通に本が使われていて嬉しい限りだ。
 ……ただし、早乙女が書いている同人誌のネタにされるのは困るが。
 聞いた話によると、早乙女の書いている同人誌はかなりの売り上げを誇っているらしい。相当に金持ちだと、美砂から聞いた覚えがある。
 高校時代には超包子には及ばないものの、夏や冬、あるいは通販でかなりの額を稼いだとか何とか……

「だからって、そっち系の同人誌をホワイトスターで流通させる気はないが」

 もし下手に同人誌という文化が広まったりすれば、それはそれで面白い事になりそうな気はするんだが、男としてはいい気がしないのも事実。
 特に他の世界なんかには色々と美形な男もいるから、そっち関係で被害を受ける可能性も高いし。
 そう言えば、マクロス世界でも微妙にそっち関係の文化が生き残ってるって話だったが……一度地球が焦土と化したのに、よくもまぁ、そっち関係の文化が生き残っていたものだ。

「……アクセル代表。再び問題発生の模様です」

 漫画に集中していると、再び聞こえてくる量産型Wの声。
 その声を聞き、映像モニタの方へと視線を向けると、そこで映し出されていたのは殴り合いをしている2人の男。
 良く見るまでもなく、先程言い争いをしていた2人だ。
 恐らく水と油的な存在なんだろうな。シュウとマサキのように。
 そして再びやって来たムキムキの上司に拳骨を頭へと落とされて2人共が地面へと叩きつけられる。

「へぇ、見せかけだけの筋肉かと思ったら……」

 実際に使える筋肉でもあるらしい。
 まぁ、見ていて暑苦しいというのは変わらない事実だが。
 少なくても俺はああいう男の側には行きたくないな。
 春から夏に向かっている季節だけに暑くなってきているのだから、ああいう男が近くにいれば体感的な温度が普通に上がりそうだ。
 こうして見ている限りなら、それ程嫌にも感じないんだけどな。
 ……ああ、もしかしてあの2人が苛々してるのって、実はあの暑苦しい上司のせいだったりしないか?
 ないか。
 ともあれ、再び騒動が収まったのを確認すると、俺の視線は漫画の方へと向けられる。 現代世界から異世界に転生? 憑依? した主人公が、大鎌を持って相棒のグリフォンと共に冒険するというのが大まかなストーリーだが、グリという召喚獣を持っている俺としては、グリフォンが相棒だというのは見ていて共感を覚える。
 去年の夏から連載されたので、まだコミックスは1巻して出ていないが先が気になるところだ。
 にしても、この主人公女に対して淡泊というか何というか……いやまぁ、レモン達複数の恋人を持っている俺からしてみれば、そう思ってしまうのはしょうがないのか?
 ……お、ギルドで猫の獣人の受付が攻勢に出てる。このまま主人公を落とせるか?
 いや、主人公を弟のように思っている生真面目な方の受付嬢が妨害したか。
 その後は受付嬢同士で言い争いを始め……

「あ、終わったか」

 ちょうどそこで1巻が終了し、思わず溜息を吐く。
 面白いところだったんだけどな。1巻が発売してから間もないということを考えると、2巻が出るのは随分と先になりそうだ。
 いっそ連載が載っている雑誌を買ってもいいかもしれない。
 そんな風に思い、氷イチゴのアイスを食べながら次の漫画へと手を伸ばして、テロリストの襲撃があるまで時間を潰すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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