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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1028話

「……なるほど。まぁ、確かに私としてもその案に反対はしないわ。寧ろ賛成したいくらいよ」

 ムウとレストランで食事を済ませた翌日。いつものように食事を済ませた俺は、あやかと千鶴の2人と共に政治班が使っている建物へとやってきて、エザリアへとナタルの引き抜きの話を提案した。
 本来なら通信で話しても良かったんだが、今回の件は色々と初めての事だからと、こうして直接会いに来た訳だ。
 まだ実際に話を進めてはいなかったが、それでも色々と面倒な事を! と怒られるかとも思ったんだが、意外や意外。エザリアは寧ろ積極的にナタルを迎え入れるのに賛成しているようだった。

「そこまで積極的だと、ちょっと驚くな」
「そうかしら? でも、ムウの恋人のナタルというのは、アークエンジェルで艦長をしている軍人でしょう? なら、こっちとしても艦長職が増えるのは嬉しいわ。これで専門外の私がニヴルヘイムの司令官をやらなくても済むし」
「あー……そんなに嫌だったか」

 エザリアが喜んでいる理由を聞き、思わずそう突っ込む。
 そんな俺の言葉に、エザリアは当然とばかりに頷く。

「それはそうでしょ。知っての通り、元々私は政治家なのよ。プラントで多少は軍人としての知識も身につけているけど、本職という訳じゃないわ。なのに、何かあれば私がニヴルヘイムの司令官として引っ張られるのよ? 今までは他に人がいないからしょうがなく引き受けてきたけど、これからは政治家に専念できるのは嬉しいわね」
「まぁ、その気持ちは分からないでもない」

 例えば、俺が無理して政治家をやっていたって感じなのだろう。……いや、シャドウミラーの代表である以上は政治家というのも間違ってないんだが。

「それで、引き抜きに関してはいつくらいを予定しているの?」
「さて、どうだろうな。正確な期日まではまだ分からない。ムウとナタルの結婚式をやって、それからなのは間違いないだろうが……ナタルにしてもアークエンジェルの艦長の引き継ぎとかをやらないといけないだろうし。……取りあえず、オーブとの交渉は任せてもいいか?」
「ええ」

 基本的にはクールビューティーなエザリアだったが、余程に嬉しかったのだろう。今は綺麗な笑みを口元へと浮かべていた。
 元々プラント出身だけに、オーブとの交渉は多少やりづらいかもしれないか……とも思ったが、それは今更か。
 レオンが来るまでは、エザリアがシャドウミラーの政治を一任されており、当然オーブとの交渉も担っていたのだから。

「それでアクセル。多少の無茶をして引き抜く以上は、向こうにもある程度の譲歩をする必要があるけど?」
「その辺に関してはエザリアに任せる。お前なら全面的に任せても、シャドウミラーの損になるような真似はしないだろ」

 今のエザリアは、シャドウミラーに対して強い愛情……正確にはシャドウミラーを自分の帰るべき場所と考えている。そんな状態である以上、無意味にシャドウミラーが損害を受けるような交渉はしない筈だ。
 それに、エザリアのようなタイプはこっちで枠にはめるんじゃなくてフリーハンドで交渉させた方がいい結果を出すというのは、これまでの経験からはっきりしいてた。

「そうね。オーブとはプラントにいた頃から色々と関係があるから、それを思えば他の世界よりも勝手知ったるってところかしら」
「……自信満々だな。なら、任せた」
「ええ、任せておいて。……それで、ちょっと話は変わるんだけど」

 自信満々の笑みを浮かべたエザリアだったが、やがて話題を変えてくる。
 その話題自体は、他の者達にしても予想がついたのだろう。部屋の中にいるあやかや千鶴、レオンといった者達も納得の表情を浮かべてこちらを見ていた。

「何だ?」
「実は、マブラヴ世界の方からちょっと要望がきてるのよ。それを判断して貰おうと思って」
「要望? まぁ、それ自体は不思議な事じゃないが」

 そもそも、マブラヴ世界は色々な意味で危険な状態にある世界だ。シャドウミラーが関係している世界の中でも、ここ以上に危険な場所は殆どないだろう。
 何しろ、ユーラシア大陸の殆どをBETAに占領されていたんだからな。
 今でこそ、俺達が手を貸す事によりようやく何とか盛り返してきたという事を考えると、色々と要求が来てもおかしくはない。

「何かそっちで判断出来ないような要求が来たのか? 資源に関しては、門世界から得た物を優先的に流しているし、ガン・ルゥのライセンス生産にしても殆ど許可した筈だろ? リニアガン・タンクに関しては技術的に無理だって話になってたし……となると、食料か? それともMSの要求?」

 マブラヴ世界からの要求で思いつくものを適当に上げていくが、そのどれもが違うらしく、エザリアは首を横に振る。

「確かにどれも継続的に要求されているものだけど、今回は違うわ。テラフォーミング技術を使った、自然環境の回復をして欲しいとのことよ」
「……ああ、なるほど」

 少し前にも考えたが、いよいよそっち関係に手を入れるつもりになったか。
 確かにユーラシア大陸にあるハイヴの奪還が成功してきている事を思えば、そろそろそっちに手を出さないといけないってのも事実なんだよな。
 幾らハイヴを攻略してBETAに占領されていた土地を取り戻したとしても、BETAによってその土地は不毛の大地と化している。
 山は削られ、森や林の木々は全て消滅し、湖や川は干上がり……といった風な状況だ。
 それを思えば、折角土地を奪還したとしてもそこで暮らすのは不可能という事になる。
 ならハイヴを奪取した今のうちから、自然環境の回復を出来る場所はやっていこうという事なのだろう。
 まぁ、気持ちは分かる。ユーラシア大陸は色々な意味で広いのだから、全部取り戻してから一気に自然環境回復させるとしても膨大な時間が掛かるのだから。

「テラフォーミング作業となると、駆り出されるのは俺達とマクロス世界か?」
「恐らくそうなるわ」

 ギアス世界はそもそも宇宙開発自体をやっていないし、SEED世界の方もコロニーはあってもテラフォーミング作業に関してはまだ殆ど手つかず。ネギま世界は俺達と一緒に火星をテラフォーミングしているが、それでもまだネギま世界単独で技術不足なのは変わりない。
 となると、やっぱり現在進行形で火星をテラフォーミングしている俺達と、既にその手の技術があるマクロス世界がメインとなる。
 この手の技術に関しては俺達よりもマクロス世界の方が上なんだが、ネームバリュー的な面で俺達が前に出ざるを得ないだろう。
 何だかんだと、マクロス世界はマブラヴ世界に関しては一番手を出していないんだよな。
 食料ではネギま世界に負けているし、武器や兵器の輸出ではVF-25のアサルトナイフくらいしか輸出してないし。
 もっとも、そのアサルトナイフは射撃戦重視のアメリカにはかなり好評で、一定のシェアは確保しているんだが。
 それでもガン・ルゥのライセンス生産を許可したギアス世界、リニアガン・タンクが突出して売れているSEED世界に比べれば、どうしても一段落ちる。
 まぁ、一応俺達を通しての輸出なので、マブラヴ世界としてはその辺の実感はそれ程ないのかもしれないが。

「それに、難民に対する仕事斡旋という意味もあるわね。ハイヴの基地化に関しては、どうしても軍事機密的なものが関わってくるから、一般人を雇える範囲というのはそれ程多くないのよ。けど、テラフォーミング作業で自然環境を回復させるという作業なら、軍事機密的な問題はないでしょう?」

 まぁ、確かに。
 難民を多く抱えているアメリカやオーストラリアにしても、それをどうにか出来るならしたいだろうし、中国を抱えている日本にもそれに関しては同様だろう。
 だが、それをやるにしても幾つかハードルがある。
 食料に関しては、その国から報酬として配給するというのもあるだろうから問題はないが……

「まず、難民を最初にそこまでどうやって運ぶかというのが問題になるな。一度運んでしまえば、ハイヴを基地化した場所の一部を開放して寝床にするという手段もあるが、最初の運搬をどうするか」
「その辺に関しては車両でどうにかしてもらうつもりよ。まさかHSSTを使う訳にもいかないし」
「……色々と窮屈そうだが、それならそれでいい。他にも幾つか問題はあるが、最大の問題はやっぱり安全対策か」

 そもそも、ハイヴの近くにある場所のテラフォーミング作業だ。当然そうなれば、BETAが襲ってくる可能性もある。

「確かにね。普通に作業している分なら、その国がリニアガン・タンクとかを出せば何とかなるけど、広範囲に広がると全てをカバーするのは難しくなるわ。それに……」

 曖昧に言葉を濁すエザリアだったが、何を言いたいのかは大体予想出来る。
 恐らく作業をやる上で膨大な人手が必要になる以上、持ち場を離れて自分勝手に行動する者が少なからず出てくるという事だろう。
 実際、折角自分達の故郷に帰ってきたのだから、その辺を確認したいとか、あるいはBETAによって荒野にされているのを見て絶望する奴とかは普通にいそうだ。
 それで自分勝手に動き回り、その結果BETAと遭遇して死亡し、護衛の部隊が守り切れなかったと騒ぎになる……あるいは騒ぎにする可能性は否定出来ない。
 そして何よりも、それを煽りそうな奴等には嫌という程に心当たりがある。

「恭順派、か」
「ええ。恐らく何らかのちょっかいを出してくるのは間違いないと思うわ。そもそも、恭順派の考えからしてBETAから奪い返した土地をテラフォーミングするというのは許される事じゃないもの」
「厄介だな」

 苦い溜息と共に呟く。
 普通に戦う分には、全く問題なく倒す事が出来る。
 だが、そもそも普通に戦うという真似をしないで、裏から手を回してちょっかいを出してくるのだ。
 1つ1つならそれ程痛くはない攻撃手段なのだが、それをネチネチと繰り返されると指の爪先に突き刺さった小さな棘のようなダメージがある。
 物理的なダメージではなく、精神的なダメージのような。
 何と言うか、細々と俺達の邪魔をする為だけの組織になってきているような気がする。
 致命的なダメージはないんだけど、いると鬱陶しいみたいな。
 特に今回のような場合、アンバール基地から兵器を盗んでいるだけにそっちの心配もしないといけないんだよな。
 非常に鬱陶しい。出来れば早いところどうにかしたいんだが、相変わらず通信機とかを使わずアナログな方法で連絡を取り合っているらしく、摘発するにしても末端程度だ。

「政治班の方で、どうにかならないのか?」
「一応対処には動いているんだけどね。中々にしぶといわ」

 そんな風に話している俺とエザリアだったが、少し離れた場所で書類を読んでいたレオンがふと顔を上げて口を開く。

「恭順派ですか。なら、いっそのこと囮としてどこか適当な場所で警備を緩くして誘き出すという手段はどうでしょう?」
「……だが、そうすると囮になる場所で働く者達が危険だぞ?」

 シャドウミラーである俺が、マブラヴ世界の住人の心配をするってのも色々と妙な話だが、もしもレオンの言った通りに罠を仕掛け、そこで働いている者が死んだりすれば、色々な意味でこっちを攻撃する材料になるだろう。
 それこそ、恭順派はここぞとばかりにマスコミや世論を煽るのは間違いない。
 そんな当然の事をレオンが考えていないとも思わなかったが、一応念の為に指摘すると、戻ってきたのはニヤリとした笑みだった。

「当然囮としての場所で働くのですから、難民の類を使う必要はありません。その国の軍人を使えばいいのですよ。……ただし、その任務に抜擢する以上はテロリストと繋がっていないという確証は必須でしょうが。そちらに関しては、私達ではなくその者達の国に任せるのがいいでしょうね」
「……なるほど」

 現地徴用兵というのとはちょっと――正確には大分――違うが、確かに軍人が囮的な扱いでテロリストの標的となるのはありか。
 視線をエザリアの方へと向けると、そちらでも俺と同じ結論になったのだろう。小さく頷きを返される。
 さて、そうなると……

「この件はなるべく人に知られないようにして進めないといけないわね」
「だろうな」

 囮としてテロリストを誘き寄せるだけに、それが知られれば全くの無意味となる。
 そうならない為には、極力秘密裏に事を進める必要がある訳だが……

「こうなると、恭順派が通信の類を使ってないのは痛いですわね」

 俺達の話を聞いていたあやかが、小さく溜息を吐きながらそう呟く。
 そう、通信を使わず伝令とかのアナログな手段を取っているだけに、どこにその耳となる人物が潜んでいるのかが分からないのが痛い。

「その辺は向こうに期待するしかないでしょうね。純粋なマンパワーという意味では、私達はそれ程高くはないのだし」
「正確には、目立たずに使えるマンパワーは、だな」

 エザリアの言葉にそう付け加える。
 目立ってもいいのであれば、それこそ量産型Wを幾らでも使えるのだ。
 それが使えないのは、やはり目立たずに動く必要があるからで……

「その辺、何とかしないといけないんだろうが……な」

 まさかハイエルフやダークエルフを使う訳にもいかず、頭を悩ませるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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