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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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天空の巫女

 
前書き
ようやくシリルがちょっと活躍します。戦いじゃないけどねw 

 
「こいつら…」

「強ぇ…」

俺たち連合軍は現在地面に突っ伏している。そしてブレインがダークロンドという魔法を放とうとしたのがウェンディを見つけてそれを止める

「どうしたブレイン」

「知り合いか?」

コブラとレーサーがブレインに問いかける。するとブレインはウェンディを見て少しほくそ笑む

「ウェンディ…間違いない。天空の巫女だ」

「なっ!!」

俺はブレインの呟いた言葉に驚く。なぜあいつがその事を知っているんだ!?

「天空の…」

「巫女?」

「なにそれ」

ブレインの呟きに連合軍はみんな?マークを浮かべてウェンディは頭を抱えてしゃがみこんでしまう

「あいつ…なんでウェンディのことを知ってるんだ?」

「おいシリル!!どういうことだ!?」

グレイさんが俺に問いかけるけど…そんなの説明してる時間はない!!

「こんなところで会えるとは…これはいいものを拾った。来い!!」

「ひっ!!きゃあ!!」

「「「ウェンディ!!」」」

ブレインはそう言って杖から緑色の魔法で作った手を出してウェンディを掴む

「ウェンディ!!うっ!?」

俺はウェンディを助けようと立ち上がろうとしたけど体が痛くて動けない

「きゃああああああ!!」

「「ウェンディ!!」」

「シリル!!シャルル!!セシリー!!」

ウェンディをシャルルとセシリーが走って追いかける

「待ってて!!オイラが助けるから!!」

それを追うようにハッピーもウェンディを追いかける。

「何しやがるこのヤロウ…」

「金に、上下の隔てなし!!デスネ」

「「「「「「「「「「「「うわあああ」」」」」」」」」」」」

ホットアイの魔法で俺たちは全員飛ばされる

「シャルルー!!セシリー!!」

「ウェンディー!!」

「手を伸ばして!!」

シャルルとセシリーが懸命に手を伸ばしてウェンディを掴もうとする。そしてウェンディはしっかりと伸ばされた手を掴んだ。そう

「あれ?」

「あ!!」

ハッピーの手を

「ちょっとアンタ!!」

「ハッピー!!ウェンディ!!」

ハッピーはそのまま何もできずにウェンディと一緒に引っ張られていく。そして二人はブレインの杖から出た緑色の手と一緒にどこかに消えてしまう

「「「ウェンディ!!」」」

「ハッピー!!」

するとブレインの杖が再び魔力を溜め始める

「うぬらにもう用はない。消えよ!!ダークロンド!!」

ブレインがダークロンドを放つとそれは上から俺たち全員に向かって襲ってくる

「ルーシィさん!!」

「きゃああ!!」

ヒビキさんがルーシィさんを抱えて

「危ねぇ!!」

「うわぁ!!」

レンさんがなぜか俺を抱えて

「シェリー!!」

「ああ。これがリオン様の愛」

リオンさんがシェリーさんを抱えて横に飛ぶ

「岩鉄壁!!」

すると俺たちをダークロンドから守るように岩の屋根が現れダークロンドを受け止める

「間一髪」

するとそこにいたのはジュラさんだった

「ジュラ様!!」

「おお!!」

「すごいやジュラさん!!」

「ありがとう。助かったよ」

「あんたも何気にありがとう」

「大丈夫か?」

「はい。ありがとうございます」

ルーシィさんはヒビキさんに俺はレンさんにもお礼を言う

「あいつらは!?」

「どこにもいねぇ!!」

「くそぉ!!逃げられた!!」

ナツさんの問いにグレイさんが答えるとナツさんは悔しそうに地団駄を踏む

「ウェンディ…」

あいつら…ウェンディをつれていきやがって…

「完全にやられた…」

「あいつら強すぎるよ…」

「六魔将軍(オラシオンセイス)なんてやつらだ」

「たった6人なのに俺たちの魔力を遥かに越えてましたね

「頼りのクリスティーナまで…」

あまりの実力差に俺たちは全員が暗くなる

「あの心が覗けるという女言っていた。我々の作戦は全てわかったと」

「あの…クリスティーナに乗ってた人って大丈夫なの?」

ルーシィさんがそう言う。確かにそれは心配だ

「それなら心配ない」

「クリスティーナは遠隔操作で目的地まで行けるからね」

「拠点を見つけたあとで僕たちが乗り込むはずだったんだ」

「そっか…よかった~」

ヒビキさんたちが説明してくれてひとまず安心する。するとリオンさんがジュラさんに近づいていく

「ジュラさん。無事でよかった」

「いや…危ういところだった」

ジュラさんがこちらを振り向くとお腹のところに巻かれた包帯から少し血がにじんでいた

「そのきず…」

「恐ろしい力だった。今は一夜殿の“痛み止めの香り(バルファム)”で一時的に押さえられてはいるが」

「六魔将軍(オラシオンセイス)め。我々が到着したとたんに逃げ出すとは。さては恐れをなしたな?」

後からやってきた一夜さんがそういう…かなりボロボロの状態で

「あんたボロボロじゃねぇか!!」

グレイさん…ナイス突っ込みです

「これしきのケガなんともない」

一夜さんがキラキラしながら言う。結構ボロボロなのになんともないんだ

「皆さん。私の痛み止めの香り(バルファム)を」

一夜さんが小瓶を一つ開けると中からとてもいい匂いが辺り一面に広がる

「わぁ。いい匂いですわ」

「本当だ。痛みが和らいでいく」

「おぉ…体もなんとか動く」

シェリーさんとルーシィさんと俺は体から痛みがなくなっていくのを感じていた

「さすが先生!!」

「「先生!!」」

ヒビキさんたちが誉めると一夜さんは照れたようなポーズを決める

「というかまた呼び方変わりましたね」

「俺はもうつっこまねぇぞ」

グレイさん…それさっきも言ってましたよ?

「あいつら…よくもウェンディとハッピーを…」

ナツさんが怒りを露にしながら立ち上がると突然叫びながら走り出す

「どこいったこらー!!」

「ナツ!!どこいくの!?」

「ナツさん!!」

俺とルーシィさんで呼び止めようとするがナツさんは構わず走っていく。しかし…

「んが」

後ろからシャルルとセシリーにマフラーを引っ張られて後ろに倒れるナツさん

「まったくもう…少しは落ち着きなさいよ」

「ナツくんごめんね~。大丈夫?」

シャルルは翼(エーラ)を出しながらナツさんを見下ろしセシリーは倒れたナツさんに近づく

「羽?」

「羽ですわ」

「猫が飛んでる」

「すごいやぁ」

シャルルとセシリーが翼(エーラ)を出して飛んでいることにみんな驚いている。まぁ確かに猫が空飛ぶとかちょっとへんだもんね。俺とウェンディも最初は驚いたなぁ。するとシャルルがこちらに向き直る

「これは翼(エーラ)って魔法。ま…初めて見たなら驚くのも無理ないですけど」

シャルルがなぜかドヤ顔で言ってくるのが少し腹立つな…

「ハッピーと被ってる」

「何ですって!!」

「ドォドォドォ」

「セシリー!!私は馬じゃないわよ!!」

ナツさんの一言にシャルルが怒ってそれをセシリーがなだめようとしたがそのセシリーも怒られる

「とにかく、ウェンディとオスネコの事は心配ですけど、やみくもに突っ込んでも勝てる相手じゃないってわかったでしょう?」

「シャルル殿の言う通りだ。敵は予想以上に強い」

「メェーン」

気を取り直してシャルルが言うとジュラさんと一夜さんもそれに賛同する

「それに」

シャルルが視線を動かすとそこには苦しそうに腕を押さえているエルザさんがいる。その押さえている腕はかなり変色しているようだった

「エルザ!!」

「しっかりして!!」

ナツさんとルーシィさんが声をかけるがエルザさんは苦しそうなことにかわりがない

「ヘビに噛まれたところから毒が浸透してるのね」

「一夜様」

また呼び方変わりましたね

「メェーン。わかっている。マイハニーのために。痛み止めの香り(バルファム)香り増強!!」

一夜さんはかっこよくポーズを決めながら痛み止めの香り(バルファム)の効果を増やしていく…が

「痛み止めって…毒治すことできませんよね?」

「あ。それあたしも思った」

俺とルーシィさんは同じことを考えていたようでそれを聞いてみる

「先輩の香り(バルファム)は傷の治療だけでなく、毒の浄化作用もあるんだ」

「すごいや!!」

おぉ!!それなら俺は出番無さそうだな。安心した。なんて思っているとエルザさんはなおも苦しそうな顔をしている

「エルザ!!大丈夫か!?」

「よけい苦しんでねぇか?」

ナツさんの言う通りエルザさんは楽になるどころかますます苦しんでいっている

「メ…メェーン…」

「これは…」

「そんな…痛み止めの香り(パルファム)が効かないなんて!!」

「エルザ!!しっかりしろ!!」

「どうしよう!!」

「ルーシィ…すまん…」

エルザさんは苦しみながらルーシィさんの名前を呼び

「ベルトを借りる」

「え?きゃああああ!!」

ルーシィさんのベルトを引き抜いた

「「「おおおおおお!!」」」

「見るなぁ!!」

ルーシィさんをガン見していたトライメンズはルーシィさんに蹴り飛ばされる。ちなみに俺はシャルルとセシリーに目を塞がれました

するとエルザさんはルーシィさんから借りたベルトで変色している腕を縛っている

「何してんのよエルザ!!」

「すまん…このままでは戦えん」

エルザさんはハンカチを口に加えると剣を地面に突き刺す

「切り落とせ」

エルザさんは毒にやられる腕を出しそう言われた俺たちはみんな驚いてしまう

「バカなこと言ってんじゃねぇよ!!」

「頼む…誰か…」

「わかった。俺がやろう」

そう言ってリオンさんはエルザさんが地面にさした剣を抜く

「リオン様」

「リオン!!やめろ!!」

剣を持ったリオンさんの前にグレイさんが立つ

「やれ」

「よせ!!」

急かすエルザさんと止めるグレイさん

「リオン。本当にやる気なの?」

「今この女を失う訳にはいかん」

「けど…」

「もぉ!!妖精さんはどれだけ甘いんですの!?」

「あんたに何が分かるっていうのよ!!」

ケンカを始めてしまうルーシィさんとシェリーさん

「やるんだ!!早く!!」

リオンさんはエルザさんに向かって剣を振り上げる

「やめろ!!リオン!!」

「よさないか!!女性の体に傷をつけるなんて!!」

「そんなことしなくても」

「エルザ殿の意志だ」

止めようとする皆さんとそれを阻止する蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の皆さん

「行くぞ!!」

リオンさんが剣を降り下ろす。しかしそれをグレイさんが氷を使って受け止める

「貴様はこの女の命より腕の方が大事か?」

「他に方法があるかもしれねぇだろ?短絡的に考えるなよ」

リオンさんとグレイさんはお互いににらみ合う。すると

ドサ

その後ろにいたエルザさんが倒れてしまう

「エルザ!!」

「エルザ!!」

ナツさんとルーシィさんがエルザさんにすぐに駆け寄る。そして皆さんも周りに集まっていく

「まずいよ!!このままじゃ毒が全身にまわって…」

「あるわよ…助けられる方法」

「「「何!?」」」

シャルルがそういうと全員がこちらを向く

「どうすりゃいいんだよ!?」

「シャルル!!どうすればいいの!?」

グレイさんとルーシィさんがこちらに詰め寄ってくる

「シリル。ちょっと見てあげて」

「わかった。セシリーもちょい手伝って」

「わかった~」

シャルルに指名されて俺とセシリーがエルザさんに近づく。そしてエルザさんの呼吸音、心拍数、脈拍、血圧を調べる

「完全には無理っぽいけど遅らせるぐらいならいけるかな?」

「わかったわ。あとはウェンディにやってもらいましょ。とりあえず今は…」

俺はうなずいて意識を集中させる

「何やってんだ?」

「静かに!!シリルの気が散るでしょ!!」

「わ…わり…」

ナツさんがシャルルに怒られるが今は気にしないでおこう

「モード…水天竜」ボソッ

俺は小さく呟く。よし…これであとはエルザさんの腕に治癒魔法を当てて…

「魔力の質が変わった…」

「水天竜?」

そして俺が魔法をかけると少しずつエルザさんの腕の色が元に戻っていく

「腕が…」

「元に戻っていく?」

そして大分治ってきたところで俺の水天竜モードも限界に近づいて来たのでそこでやめる

「ふーっ…とりあえずはこんなところが限界かな…」

「お疲れさま~。はいこれ」

「ありがとうセシリー」

治療が終わるとセシリーがどこからか水を持ってきてくれていたのでそれを飲む。よし…力が戻ってきた

「すごいや!!毒が治ってる!!」

「治った訳ではないわ。これは応急処置程度よ」

「そうなのか?」

「はい…さっきより毒がまわるのは遅くなると思いますし命に問題あるほどは毒も残ってないと思いますけど…完全に解毒した訳ではないです」

「じゃあどうすんだよ!!」

「ひっ」

ナツさんが怖い顔で迫ってくるので思わず一歩後ずさる

「あとはウェンディにやってもらうわ。とにかく今はウェンディを早く助けることよ。ついでにオスネコも」

シャルルのやつ…ハッピーの扱いひどいな…

「あの子も解毒の魔法が使えるの?」

「すごいな」

「本当はウェンディが本職よ。シリルはちょっとしかこういうことはできないわ。それでも解毒だけじゃなく解熱や痛み止め、傷の治癒もできるの」

「わ…私のアイデンティティーが脅かされているような」

イヴさんとレンさんの問いに冷静に答えるシャルル。一夜さんはとりあえずスルーで

「でも…治癒って失われた魔法(ロストマジック)じゃなくて」

「そうだよ~」

シェリーさんにセシリーが答える

「もしかして天空の巫女ってのに関係してるの?」

「そうですよ。ウェンディは天空の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)。天竜のウェンディとも呼ばれています」

俺がそういうと全員が驚く

「滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)!?」

「つまりシリル殿も天空の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なのか!?」

ジュラさんに問いかけられる。まぁ治癒ができるとそう思っちゃうよね

「シリルはね~。水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)水竜のシリルなんだよ~」

「治癒魔法はあの子と小さいときからいたから少しだけやり方を知ってるだけなのよ」

まぁそんなところですね

「詳しい話はあと!!といってももう話すこともないけど」

「今僕たちに必要なのはウェンディなんだよ~」

「シリルの治癒魔法はこれぐらいで限界!!でもウェンディならエルザを完全に治すことができるわ」

シャルルとセシリーがそういうと全員の顔が引き締まる

「となれば…」

「やることは一つ」

「ウェンディちゃんを助けるんだ」

「エルザのためにも」

「ハッピーもね」

「おっし!!」

ナツさんが拳を前に出すと全員がそれに合わせ拳を出す

「行くぞ!!」

「「「「「「「「「「「「「「オオッ」」」」」」」」」」」」」」

こうして俺たちはウェンディとハッピーの救出作戦を開始した



 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか?シリルの活躍が中途半端ですがこのぐらい控えめな主人公も私的にはいいかな?って思っています。また次もよろしくお願いします
 
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