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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第六章 颶風の巫女
  第6話 二人の想い

 
前書き
どうも、ラーフィです。

八舞編も終盤に近づいてきました!もう少しで美九編です!

八舞編、似て異なるラストにしたいと思っております。

ではでは〜 

 
〜士道side〜

ビーチバレーも終えて(理由は士道の気絶)トイレから出てきた時に見えた人物に驚いた。

士道「耶倶矢……?」

何でこいつがここに……?

耶倶矢「ちょっと、話があってね」

今までの口調はどこへ行ったんだ?と聞きたかったがやめておこう。

士道「話?」

耶倶矢「そうそう。なんかめんどくさいからさこのまま続けちゃうけどさ、今、私と夕弦は、あんた達を惚れさせてどっちが八舞に相応しいか選ぶためにバトルしてるわけじゃん?」

士道「あぁ……そうだな。って、お前さすがにそれはずるいんじゃ……」

自分の根回しに来たのだろう、そう思っていた。

ーーだが、耶倶矢はまったく予想外の台詞を吐いた。






耶倶矢「士道。あんた、明日ーー″夕弦を選んでよ″」







士道「……へ?」

耶倶矢「へ、じゃなくてさ……」

耶倶矢が肩をすくめながら続ける。

耶倶矢「悩むポイントなくない?夕弦、超可愛いし、ちょっとは愛想はないかもしんないけどさ、従順だし、胸大きいし……多分あいつ選べばいろいろサービスしてくれんじゃないの?選ばない手はないでしょ。だからーー」

士道「ちょ、ちょっと待て。耶倶矢、おまえこの勝負に勝った方が八舞の主人格になれるって……」

耶倶矢「うん、言ったわね」

士道「だったらなんでーー」

士道の問いに、耶倶矢は頭をかきながら困ったように笑った。

耶倶矢「んー……そりゃ私だって消えたかないけどさ。でもそれ以上に夕弦に生きて欲しいの。もっと色んなものを見て、思いっきりこの世を楽しんでほしいの」

士道「っ……!?」

耶倶矢「っていうか、あんた達が乱入してこなかったらあそこで派手に激突して『やーらーれーたー』ってダウンで終わりだったのに」

士道「じゃあ、惚れさせて選ばれた方が勝ちっていうのはーー」

耶倶矢「そりゃ夕弦の方が可愛いからに決まってるじゃない。この勝負なら間違いなく夕弦が勝てるでしょ?」

士道「耶倶矢……お前……」



ーーーー
ーーー
ーー



〜上条side〜

同時刻。

俺は夕弦に呼び出されて岩陰のところで二人きりになった。

夕弦「請願。夕弦は当麻にお願いがあります」

上条「お願い?」

何だ?まさか八舞を選ぶ際に夕弦を選んでほしいとか?

などと思っていたらそんな言葉を覆すことを言った。






夕弦「請願。当麻、この勝負、″是非耶倶矢を選んでください″」







上条「………は?」

夕弦「要求。お願いします。明日、絶対に耶倶矢を選んでください。約束です」

上条「なん、で……?」

夕弦「説明。そんな耶倶矢の方が夕弦よりも遥かに優れているからですよ。当麻も耶倶矢の可愛らしさはよく知っているはずです。多少強がりなところはありますが、一途ですし、面倒見はいいですし……きっと耶倶矢を選べば、いろいろやってくれるはずです。是非、耶倶矢を」

上条「ちょっと待てよ。そんなことしたらお前がーー」

夕弦「耶倶矢こそ真の八舞に相応しいです。耶倶矢は魅力的です。選ばない道理はないはずです」

上条「だって、お前らあんなに争ってたのに……」

夕弦「解説。耶倶矢はああ見えて恥ずかしがり屋です。たたきつけてあげないと自分からはあんなアピールできません」

上条「いいのかよ、お前は……!」

夕弦「はい。確かに自分の人格が消えてしまうのは寂しいです。凜袮と話せなくなるのも残念です。ですが、それ以上に耶倶矢に生きてほしいのです。耶倶矢は夕弦なんかよりもずっとこの世界を楽しめるはずです。だからーー是非、耶倶矢を選んでください」




ーーーー
ーーー
ーー




その後、士道のところに夕弦が、上条のところに耶倶矢がそれぞれ二人きりで話し合っていた。

内容は言わなくても分かるだろう。



士道と上条は、予想外の二人の言葉に、何も言えなかった。



ーーーー
ーーー
ーー


もう一人の自分を生かすために自分の消滅を選ぶ。

もし、士道が自分の命を投げ出さねば、妹である琴里が死ぬとしたら……

もし、上条が自分の命を犠牲にしなければインデックスが死ぬとしたら……

間違いなく二人は首を縦に振るだろう。

だから、夕弦を想う耶倶矢の気持ちも、耶倶矢を想う夕弦の気持ちも痛いほど分かる。

いや、それどころか、むしろ耶倶矢と夕弦がお互いをこんなにも思い合ってることがわかって嬉しかったのかもしれない。だけど……

十香「シドー!!」

突然、耳元で大声を発せられた。

士道「うおっ!?十香……いつからそこに……」

十香「随分前から隣を歩いておったぞ。どうしたのだ二人とも」

士道「二人……とも?」

今一緒にいるのは十香だけで士道以外にそのもう一人(恐らく上条のことだろうけど)はここにはいない。

十香「今日、当麻は夕飯を食べにこなかったぞ。何だか気分が悪いとか言って……」

士道「………そうか」

士道と同じく、悩んでいたのだろう。

と、十香は小さく唇の端をあげ、士道の手をぎゅっと握ってきた。

十香「シドー、よかったら少し外へ行かないか?」

士道「え……?」

十香「その……せっかく修学旅行に来たのに、なんだかあまり話せてないだろう?だから……二人でお話したかったのだ。駄目……だろうか、」

言って、上目遣いになりながらこちらを見てくる。

士道「いや……そんな、ことは……」

これで駄目だという男がいたら是非お目にかかって………いや、一方通行なら言いそうだからやめておこう。

士道の言葉に十香は満面の笑みを浮かべていた。



ーーーー
ーーー
ーー




自室にて。

上条はベッドに寝転がっていた。

凜袮『なんだか元気がないね』

その時、凜袮がタイミングを見計らったように話しかけてきた。

上条『……まあな』

凜袮『でも仕方ないか。目の前であんなこと言われたんだもんね』

上条『………俺は、どうすればいいんだ……』

凜袮『そうだね……私なら自分のやりたいようにするかな?』

上条『やりたい、ように……か』

凜袮『うん。でも気持ちは一緒なんじゃない?士道と似てるんだから……』

上条『………だよな。選択肢なんて一つしかないよな……』

上条はベッドからゆっくりと起き上がり、靴を履いて、真っ直ぐドアへと向かった。

凜袮『……どこに行くの?』

上条『士道のところだ。少し話したいことがあるからな』

話し終えると同時、ドアをゆっくりと開ける。

でも上条はすぐには出ようとしなかった。



少し向こうに、士道と十香がいたから。




十香「シドー、よかったら少し外へ行かないか?」

そんな言葉が耳に聞こえてきた。

そして、士道と十香からは見えない位置(ちなみに上条からは丸見え)の場所から耶倶矢と夕弦が覗き込んで二人の様子を見ていた。

上条「(そろそろ潮時か?)」

士道と十香が外へと行き、耶倶矢と夕弦がそれを追いかける中で、上条は別の場所へと向かっていた。



ーーーー
ーーー
ーー


エレン「はぁっ、はぁっ……危ないところでした……」

独り言を呟き、汗を拭う。

ターゲットの夜刀神十香が男子生徒とともに外に出て行くのを見かけ、これはチャンスとそのあとを追おうとした瞬間、背後から「エーレーンさぁぁん!あっそびっまっしょぉぉぉ!」と天敵(亜衣、麻衣、美衣の3人)の声が響いてきたのである。

この3人に絡まれてからはいいことが全くない。

まくら投げに付き合わされたり、砂に埋められたりと散々であった。

エレン「ま、まぁ、ともあれ、チャンスです」

周りに注意を払いながらインカムに手を当てた。

エレン「〈アルバテル〉、見えていますか?ターゲットが旅館を離れました。仕掛けます」

『了解しました』

エレン「それと……この近辺にも〈バンダースナッチ〉を一機、待機させておいてください」

『構いませんが、なぜでしょうか?』

エレン「旅館内にはAST鳶一一曹と学園都市から来た上条当麻がいます。杞憂とは思いますが……万が一彼女達に不審な動きが見られた場合、そちらで対応してください」

『了解』

オペレーターの声を確認してから、エレンは良闇に足を踏み入れていった。


 
 

 
後書き
再びsaoの小説を書き始めました。理由はhyuhyuさんとコラボしようぜ!と言われたからです(笑)

前みたいなことが起こらないように慎重にやって行きたいと思いますので、どうかよろしくお願いします! 
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