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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第六章 颶風の巫女
  第5話 逆攻略

 
前書き
どうも、ラーフィです。

今週は不幸なことばかりで悲しい作者であります(笑)

では、どうぞ 

 
〜士道side〜

昨日、令音さんの部屋で寝かされたと思えば耶倶矢と夕弦がやってきて、看病とかいいながら裸になってくるし、こっちも裸にされるし、挙げ句の果てにはたまちゃん先生にそれを見られたことだ。

士道「何でこんなことに……」

今、士道がいるのはプライベートビーチだがクラスメイトどころか観光客すらいない。

それもそのはず。士道を攻略する上でクラスメイトは邪魔になるらしく、昨日のうちに手配していたらしい。

令音『昨日は色々あっただろうけど、頑張ってくれたまえ』

士道「はい……」

令音『もうすぐ夕弦が来る。彼女の水着姿を褒めるのを忘れずにね』

その言葉を最後に通信が途絶えた。

と、

夕弦「発見。ここにいましたか」

背後から特徴的な声がしたかと思うとそこには夕弦がいた。

士道「お、おう。似合ってるじゃないか。すげぇ綺麗だよ」

夕弦は一瞬キョトンとした。

夕弦「謝辞。ありがとうございます。とても嬉しいです」

と、そこで

夕弦「確認。はい、………理解しました」

慣れない動作で仕方ないだろうが二人はインカムに気をとられているのがなんともおかしな光景だったのである。

そう呑気に思っていられたのも束の間だった。

夕弦「請願。日焼け止めを塗ってください」


ーーーー
ーーー
ーー



〜上条side〜

士道よりかなり遠くの位置にいる上条は耶倶矢の到着を待っていた。

もちろん、インカムは装着している。

そのインカムから聞こえてきたのはーー





佐天『聞こえてますかー?今日はこの佐天涙子が上条さんのサポートをしちゃいますよ?ってあれ?聞こえてますかー?』






佐天だった。

一方『オイ、遊ンでンじゃねェぞ』

一方通行も一緒らしい。

上条「……お前ら、どこから見てるんだ?」

佐天『えっとですね、丁度上条さんの上空に位置する場所に〈フラクシナス〉の鑑があるんですよ。もちろん、見えないですけどね』

そう言われて上空を見上げるが確かに見えない。

佐天『そういう訳ですから、よろしくお願いしまーす!』

こちらとしてはあまりよろしくしたくない。

凜袮『ふふ、愉快な人たちだね』

上条『……そうか?』

ま、佐天に関してはそうかもな。

と、しばらくすると。

耶倶矢「ここにいたのか。随分と探したぞ……我に歩かせる等、処刑に等しい罰だと分からぬか?」

上条「そりゃあ悪かったな。士道と近くじゃ、そっちも困るかと思ってよ」

耶倶矢「フン、まあ良いわ」



ちなみに上条はインカムをつけているが、士道はつけていない。

理由は一つ。士道の好感度を上げるためだ。

鈍感で無自覚なのに恥ずかしいであろう言葉をサラッと言いのける二人だから何をしでかすか分からない。

今回はそれを利用した。

上条にインカムをつけて、アドバイスをもらって士道の好感度を上げる。

士道は無自覚に相手を褒める。

それが今回の狙いだ。


………本当にうまくいくのだろうか。

耶倶矢「貴様、確か上条当麻と名乗っておったな?」

上条「あ、あぁ。そうだけど……」

耶倶矢「くく……当麻よ、今から我に勝負じゃ」

突然の勝負宣告だった。

耶倶矢「あの岩まで先に到着した方が勝ち……貴様が勝てば我に触れるぐらいは許可しよう……だが貴様が負ければ我に忠誠を誓い、永遠と我の背中を追うがよい……」

こんな理不尽な賭けは初めてだ。

上条「意味分かんねぇよ。何で俺と耶倶矢が勝負するんだ?」

耶倶矢「とぼけるでないぞ。夕弦が言っておった……貴様は神に選ばれし異端者……とな」

夕弦は何を言ってるんだ。

講義したかったが、耶倶矢に手を引かれて海へと誘われる。

上条「お、おい、佐天さん!こういう時はどうしたら……」

佐天『う〜ん……諦めましょう!』

上条「………」

この瞬間、上条はインカムを耳から外し、ポイッと捨てた。

上条『何でこんなことに……』

凜袮『あはっ、頑張ってね当麻』

上条『ちょっと待て凜袮。お前絶対遊んでるだろ』

凜袮『ハハ……!ごめん、笑いが……ふふ……!』

上条『あんにゃろう………絶対勝つ』

こっちだって笑われたままで終わりたくないんでね。

海水が腰あたりまで浸かったところで足を止めた。

上条「……誰が勝負判定するんだ?」

耶倶矢「フン。そんなもの、我らには容易いことだろう?」

上条「上条さんはあくまで普通の高校生ですよ?」

耶倶矢「ならば今の時間を大切にするとよいわ。貴様ごときの下級の人間が我と二人きりになれるのだからな」

上条「………ハァ」

耶倶矢「ちょっ、何よ!そのため息は!」

といいつつ耶倶矢は上条に向かって海水をバシャバシャとかけた。

上条「うおっ!?」

耶倶矢「くく……我に向かってため息するから神からの制裁を受けるのだ……いい加減学べ人間よ……貴様ごときの分際がーー〈バシャッ〉って、何すんのよ!濡れたじゃない!」

当たり前だ。

上条「油断するから悪いんだよ。この上条さんもやられっぱなしでは悔しいんでね」

耶倶矢「うぅ……」

上条「お?やるか?」

耶倶矢「うりゃあ!」

上条「うぉっ!……やるな、お返しだ!」

こうして、勝負 (?)は競争から水のかけあいとなった。



その時、二人は彼氏彼女のような関係に見えるぐらいにいい表情をしていた。

それこそ、争い(デート)を忘れるぐらいに。


ーーーー
ーーー
ーー





何で二人は戦っているんだろうと、思う時があった。




ーーーー
ーーー
ーー





士道、夕弦組と合流した上条、耶倶矢組はスイカ割りをやろうという話になった。

と、そこに十香と折紙がやってきた。

十香「おおー、シドーではないか。当麻も一緒なのか」

折紙「何で八舞姉妹と一緒にいるの?」

士道「いやー……ちょっと道に迷って……」

令音「やあ、元気にしてるかい?」

上条「あ、令音さん」

耶倶矢「それよりも、闇と深緑に染まりし球はどこにある」

夕弦「要約。スイカのことですね」

令音「……申し訳ないが、スイカを用意するのを忘れてしまってね。代わりと言ってはなんだが……ビーチバレーとかはどうだ?あそこにビーチバレーのセットを用意してある」



……と、言うわけでビーチバレーが始まった。

耶倶矢&夕弦&士道、上条&十香&折紙の対決という謎のタッグ (もちろん、令音が仕組んだ)になったが……



八舞チームはチームワークが悪かった。



ボールを拾い損ねるたびに八舞が喧嘩して……全く、仲良くやってくれよ。

十香「ふ、なんだ、耶倶矢と夕弦も大したことないな」

折紙「期待はずれ。この程度で私に挑もうなんて身の程知らず」

上条「不幸をもたらす上条さんがいるチームに点をとられるなんて、恥以外の何でもないですよ?」

『………』

3人の煽りに、耶倶矢と夕弦は目を細くした。

耶倶矢「ねぇ、夕弦」

夕弦「返答。なんでしょう?」

耶倶矢「……やっちゃう?」

夕弦「同調。やっちゃいます」

何だろう、嫌な予感がする。

そんな2人を気にする気など全くない折紙と十香は位置につき、折紙は美しいフォームで隅にボールを放ってきた。

耶倶矢「夕弦!」

夕弦「応答。わかっています」

夕弦がギリギリで滑り込みレシーブをする。耶倶矢はそのボールを打ち上げて相手コートに戻した。

そのボールを上条が打ち上げ折紙が軽やかにトス。そして十香が高く飛び上がった。

十香「おおッ!」

耶倶矢「士道!止めろ!」

士道「ーーッ!?」

士道は慌てて手を組み合わせるが、悲しくも、十香の鋭いアタックは一直線に士道の顔面に突き刺さった。

士道「ぐえっ!」

この瞬間、士道の意識はシャットダウンされた。

それでも士道に当たったボールは空高く舞っている。

夕弦「賞賛。ナイスです。耶倶矢」

耶倶矢「おうとも!」

耶倶矢が一気に勢いをつけて跳躍する。その耶倶矢を後押しするかのように夕弦が耶倶矢の跳躍と同時に、片膝を突き、両手を組み合わせて手のひらを上に向けて、耶倶矢を軽々と空に放り投げた。

十香「な……」

折紙「……っ!」

上条「嘘だろ……ッ!?」

耶倶矢「はぁぁぁッ!」

天高く舞い上がった耶倶矢が上空のボールを叩き落とし、矢のような一撃が敵コートに見事に突き刺さった。

そして地面に降り立ち、自然に、夕弦とハイタッチを交わした。

耶倶矢「いやっほぉう!」

夕弦「歓喜。いやっほー」

耶倶矢「やー、今のは完璧だったね夕弦!」

夕弦「肯定。見事な一撃でした。さすがは耶倶矢です」

耶倶矢「いやいや、あれは夕弦がーー」

と、ここで二人はハッと肩を揺らし、フンと目を逸らした。

耶倶矢「ふん……調子に乗るなよ下賤。我が足に踏まれたことを光栄に思え」

夕弦「不快。手に臭いが付きました。臭いです」


全く……仲がいいのか悪いのか、本当に分からない2人だ。









 
 

 
後書き
八舞姉妹編は10話以内でいけそう 
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