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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編
Chapter-5 触れあう手たち
  Story5-4 笑う棺桶討伐会議

シャオンside

俺は今、とある討伐会議に出ている。

そこには、名だたるベテランプレイヤーが顔を揃えており、キリトたちもその場にいた。


討伐するのはBossではない。

相手は同じプレイヤー。オレンジの、だけどな。

「これより、笑う棺桶討伐会議を始めます」

アスナの緊張した声が辺り一帯に響いた。

笑う棺桶は、SAO最大のオレンジ……そんなレベルじゃない。レッドプレイヤーの集まる殺人ギルドだ。

ギルドマスターのPoHは、アウトロープレイヤーに吟うように殺人を唆し、プレイヤー達を心酔させることでギルドを拡大し、このデスゲームで快楽殺人をしていった。

殺害されたプレイヤーは数知れない。
奴らは次々と殺人方法を編み出し、対策をとられるや否や直ぐに別の手段で人を殺めていった。


真面目なプレイヤーは話し合いで解決するといって、メッセンジャーを名乗りでたりもしたのだが、彼らは余すことなく殺された。

最悪のギルド。俺は一人で乗り込んでぶっ飛ばしたかったけど……フローラに止められた。

「ラフィン・コフィンのアジトを見つけてから2週間。大体の構造も把握できました」

アスナがマップを広げる。
実のところ、俺は奴らのアジトを初めて見た。

「……洞窟か」

あちらこちらで同様他意の声が上がる。

確か、ラフコフのアジトを探すためにしらみ潰しに不動産のショップを調べていると聞いたことがある。全てが空振りだったが。

その時、いくつかの中規模オレンジギルドの拠点も洗い出せてはいたけど……最大の標的、笑う棺桶のアジトはどう頑張っても見つけられなかったそうだ。


当たり前だ。笑う棺桶のアジトはかなり下層の、きっとプログラマーも忘れているであろうような場所にあった。

「こりゃどうりで見つからねーはずだ」

「すでにラフコフを内偵しています。彼らは現在活動期には入っておらず、制圧するならこの時期を置いて他にありません」

活動期に入っていないということは、一斉摘発するチャンスではある。
逆に、ラフコフの主力もそこにいるので難易度は格段に高くなる。

「アスナはいつ頃に制圧しようと思っているの?」

「1週間以内に」

十分に対策を練れるとは言い切れない。が……

そこで他のプレイヤーが呟く。

「少し焦りすぎじゃないか?対策を練る時間がないぞ?」

「今を逃せば彼らはまた人を殺めます。それによって殺されるプレイヤーを1人でも減らすには、1日でも早く動くしかないんです!」


笑う棺桶は殺人を平然とやってのけるのだ。

PoHの『ゲーム内でやっちゃいけないことはあらかじめ禁止されている。
PKはその対象ではないのだから、PKをして何が悪い』
という言葉を信じるプレイヤー達によって…………

確かにPKを制限されてはいないが……これはデスゲーム。
ここでの死は現実世界での死を意味する。

彼らはSAOでの死=現実世界での死
とは限らないと言うが、その逆もまた証明されていない。
不確定要素のはらむ行為を行うなど、あってはならない。

おまけに根本的な所で奴らは間違っている。

『制限がされていない行為なら何をやっても構わない』

そんなこと、赦されるはずがない。


その場は、「今すぐ討伐すべき」と「討伐には時期尚早」の二者に別れて議論されてしまったため、会議どころではなくなってしまった。

だが、それは俺の一言で変わった。

「シャオン君、どうする?」

「俺は…………今すぐ討伐すべきだと考える」

時期尚早を唱える人たちからはどよめきがでた。

「あいつらは……また人を殺す。

かけがえのない命を一つでも多く守り抜くには……1日でも早く動くしかないんだ!

でなきゃ、いずれ……俺らが殺されるかもしれないぜ」



その言葉にみな動揺をしたが、納得してくれたようで
その場では、今すぐ討伐すべきという意見にまとまった。















Story5-4 END 
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