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SAO:孤独の剣聖

作者:けい。
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十話

 
前書き
ボス戦がすぐに開始します 

 
 50層のボス、ティアマト・ザ・ロアードラゴンとの戦いは2時間を超す長期戦となった。
 ボスの鱗が岩でできているためなかなかに有効打が入らずHPを削るのにかなりの時間を有している

 (このままのペースだと先に他のやつの回復アイテムが先に切れそうだな)

 俺や団長はうまくにボスの攻撃をやり過ごしているため少量の回復で済んでいるがキリトやアスナですら残りの回復アイテムが少ないのか若干のダメージだと回復をせずアイテムを温存しているようだ

 (HPゲージも残り1本と半分だけどそれでもまだ30分はかかりそうだな)

 だいたいの予想時間を考えていると一人のプレイヤーが叫んだ

 「も、もうだめだ!転移アルゲード!」

 転移したプレイヤーは回復薬が切れ死を恐れたのか弱々しい声で転移した

 「に、逃げんのかよ!なら俺も転移…」

 恐怖は遺伝するとはよく聞くが

 (この状況はまずい!)

 次々と恐怖に感染し数人が前線を緊急脱出する

 緊急脱出した人数自体は少ないが人が抜けるということは陣形を崩すということを意味する。48人のプレイヤーがいてなんとか均衡を保っていたのにそれが数人とはいえ一気に人が抜けた場合均衡は当然…

 「うわーーー!」

 崩れる

 「て、転移…」

 また一人緊急脱出を試みようとするプレイヤーがいるが

 「馬鹿!ボスの目の前で転移しようとしてんじゃねえよ!」

 「ガアア!」

 ガッ!!…パーン!

 そのプレイヤーは転移する前にボスの一撃をもろに受けてしまい残り半分くらいあったHPを全損させてしまった

 50層のボス初の犠牲者が出た

 次の瞬間には前線は混乱の渦に巻き込まれ背を向けて逃げ出すプレイヤーや転移結晶を取り出すプレイヤーが続出する

 しかしボスモンスターは集中的にそういうプレイヤーを襲っていった

 (まるでこれ以上ここから逃がさないと意志を持っているようだ)

 逃げ出そうとしたプレイヤーがボスに襲われ次々とポリゴンと化すのをみて俺はある決断をする。
 
 「団長!あれを出すフォロー頼んだ!」

 「む、そうか任せたまえ」

 「キリト、アスナ!これ以上の犠牲者はまずい協力してくれ!」

 「了解!」

 「わかった!」

 俺は三人に協力を仰ぎボスへと駆け出す

 「はぁぁ!」

 俺はボスに接近すると単発重攻撃のソードスキル・ヴォーパルストライクを放つ。普通であればこのソードスキルを放った後かなりの硬直に見舞われる。
  
 「らあああ!」

 しかし俺はすぐさま右足を一歩引き細剣の構えをとり続けざまに細剣の八連続ソードスキル・スター・スプラッシュを放つ
 
 そのあと俺はソードスキル後の硬直に入る

 ボスは硬直して動けない俺目がけて攻撃を行ってくるが…

 カーーン!

 一際高い防御音が聞こえる

 「さすが団長。痺れるね!」

 「ふっ、おだてても何も出はしないよ」

 俺と団長が軽口を叩く。

 (25層での戦いを思い出すな)

 俺が懐かしんでいると

 「「スイッチ!!」」

 後ろから声が聞こえ硬直の解けた俺と団長はすぐさま横にズレ道を開ける

 すかさずキリトとアスナがソードスキルをボスへと決め込む

 「団長達だけにまかせるなーー!続けーー!」

 今では血盟騎士団の幹部であるコドフリーがそう叫び部下を鼓舞する

 「俺たちも行くぞ!!」

 残りの攻略組も再び参戦しそこからはまさに総力戦でボスの残りのHPを削りに行きそしてついに…

 「ガアアァァァアアアァ……」

 叫び声とともにボスはポリゴンと化し直後辺りは一瞬で歓声に包まれた

 (よし、今の間に俺は…)

 俺がこっそり逃げ出そうとすると腕を掴まれた

 「ジン君…」

 「は!?」

 振り向くとアスナとキリトがそこにいたキリトは苦笑いだがアスナはどこか怖いぐらいのにっこり笑顔だ…

 (あれ?これいかんやつじゃね?)

 そう思っているとキリトが質問してくる

 「ジン、さっきのはなんだったんだ?」

 「さっきのってあれのことだよな~…」

 俺が言い訳を考えようと語尾を伸ばしていると

 「答えなさい!!」

 「はい!”剣聖”という名のエクストラスキルです!」

 アスナの気に押され速攻で答えてしまった

 「聞いたことないエクストラスキルだけどやっぱり…」

 「ああ、たぶんユニークスキルだろうな」

 キリトにそう答え効果を説明した

 一つ、自分が上げているソードスキルなら装備を変えなくても発動できるということ

 例えば先ほどのように片手剣を装備している状態でも細剣のソードスキルを使えるということ

 二つ、ソードスキルを2連続で組み合わせて使うことができるということ

 このときも違う装備のソードスキルを組み合わせることができる
 しかしこれにはデメリットがあり発動後二つのソードスキル分の硬直が待っている
 そのため安易に連発はできないということ

 三つ、傾国の剣を持っている状態でなければスキル剣聖も発動しない

 つまり一つ目の効果は装備を変えなくてもさまざまなソードスキルを発動できるといったが実質片手剣のみでしかできないということである

 「まあこんなとこかな」

 俺は剣聖の効果を説明した

 「なんで事前にそういうことを誰にも伝えないの!そんなのがあればもっと簡単に攻略できたでしょ!」

 アスナがそういって握っている手を強める

 「いやいや、団長には伝えたって!ていうか伝えなかったのにもいろいろと事情があるんだって!」

 そういうと二人が団長を見るが視線に気づいたのか団長はこちらを見て含みのある笑顔だけ見して違うところに行ってしまった

 (おいこら!部下のピンチだぞ、助けようとは思わんのかい!)

 そう心の中で叫んでいると
  
 「はあ、もういいわ」

 そういいアスナは腕を放し俺がほっと息をついていると

 「これからは週6日で迷宮探索に入ってもらうからね」

 「ちょ!?」

 「これでユニークスキルホルダーも団長とジン君で二人かね」

 そう呟くアスナから視線を外しキリトを見るとキリトは慌てたように視線をどこかへやる

 「あ~あ、明日から憂鬱だな…」

 「えっ、なんで?」

 「まあ、すぐにわかるよ」

 キリトは俺が言う意味が分かるようで苦笑いをした後、頑張れよとだけいって51層の扉へと向かった

 後日俺が泊まった宿には俺のスキルを聞き出そうとさまざまなプレイヤーが訪れそこから抜け出すのも苦労を極めたため迷宮探索どころではなかった

 しばらくして状況が落ち着きギルドに顔を出すと団長とアスナからお疲れといった顔を向けられるのだが…

 「それはそれ、これはこれ」

 といってアスナが探索の予定をメッセージで飛ばす

 「おい!なんだよこれ、毎日参加ってどういうことだよ!」

 「今回のボス攻略で死者がたくさん出ちゃって攻略が遅れてるの。だからジン君も協力しなさい」

 (俗に言うブラック企業ってやつだろ…)
 
 俺がゆっくりできるのはまだまだ先になりそうであった…
 
 
 

 
後書き
ついに明かされるユニークスキル”剣聖”
これでタイトル回収だね

ボスの名前は今までもそうだったけどソードアートオンラインエンドワールドからとっています
未プレイだけどね

とうわけで十話終了。誤字脱字見つけたら報告してくれるとうれしいな
前の話もいくつか手直ししてます
特に一話はいまだにひどいので何とかしたいけどどうしようか…
 
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