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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第0巻
  時が経って誘拐事件×ブラックシャーク隊の1日

初めてISを公開されてから随分と時は経ったが、俺の姉である千冬はお蔭で第一回IS世界大会(モンド・グロッソ)総合優勝及び格闘部門優勝者になる程の有名人となっていた。俺にとっては、まだまだだと思っていた。俺には完成型の黒鐵改があるし、何世代ではなく完成型というのはどの企業や軍属にも無いモノとされている。

姉は美貌や実力から彼女に憧れを抱く者は多く、敬意をもって『ブリュンヒルデ』と呼ばれる事もあった。俺にとっては、まだまだだなーと思いながらも観客席で試合を見ていた。第二回の世界大会を観戦する為であり、姉である千冬姉を応援?する為に来たのであった。

「まだまだだなー、千冬姉は。おっとあまり言っちゃいけないんだったな。アン・アイネス・レーネ」

一夏の肩に乗っているのは、ずっと乗っていた神姫だった。最初は大丈夫だったが、後程バレタ為に話したら束さんに連絡する程だった。

『こんな小さな人形が動くなど有り得ん!?』

と言ってたくらいだったが、今では家族の一員として一緒に応援している。

「そうですね。でもマスターが出れば総合優勝しちゃいますよ」

「ボクもそう思うな。でもマスター、まだこれを被ってるの?暑いよ」

「そうなのです。いくら秘密って言われてもです」

「しょうがないだろ。今の技術でも開発されないのに、俺の肩に堂々としていたら企業の奴らに捕まって分解されるかもしれないのだぞ」

そう、ISは各企業でも開発されているが、アン達のような武装神姫は開発されていない。ただでさえ、ハロも開発されてないから、世間が見たらIS以上に驚愕して最悪の場合捕獲されるからだ。他人からは姿が見えないように、ステルス兼光学迷彩アーマーを着ている。少々他のアーマーより重いらしいと愚痴を零していたが、捕獲されないようにする為でありアン達を守るのが現時点での俺の任務である。

「おっ、もうすぐ終わりそうだから一度千冬姉を見に行くか。三人とも捕まっていろよ?それか胸ポケットの中にでも入るか?」

三人共胸ポケットに入り、一夏は席から立ち上がって関係者立ち入り禁止の場所へ行った。途中警備員がいたけど、フリーパスなのか挨拶だけで何もされなかった。千冬姉の楽屋に入ったら、ちょうど試合終わりの千冬姉がいた。

「千冬姉お疲れ様」

「一夏か。ところで、あの三人は大丈夫だったか?」

「ここにいるよ。アン・アイネス・レーネ、もう出てきていいぞ」

マスターである俺の許可があったので、外に飛んで机に降りてからアーマーを脱いだ。

「ホントにお前達には驚いたぞ。一度束に見せたらヤバそうだったがな」

「あの時は力を振り絞って止めたよ。もう少しで分解されそうだったし、このハロもだね」

「ああ・・・・あの時見た束は私でも驚いたぞ。飛びかかっていたからな」

「マスターのお蔭で助かりましたよ。あと千冬さん、この後の決勝戦頑張って下さいね」

「ありがとうアン。さてそろそろ決勝戦が始まるから、席に戻った方がいいんじゃないか一夏」

時計を見るとそろそろ決勝戦が始まる時間だったので、神姫達をアーマーを着せてから胸ポケットに入れてから楽屋から出た。席に戻ろうとしたら、周辺一帯に黒ずくめの男達に囲まれて一人が俺の口に当てて、そのまま誘拐されたのだった。

目が覚めるとそこは廃屋の中だったが、胸ポケットには神姫もいたのでとりあえず助かった。俺が起きた事で、雑魚共が集まってきた。

「おっ、やっと起きたな。お前の姉であるブリュンヒルデの二冠を阻止する為にお前を誘拐したから、今頃お前の姉はどうしてるかね?」

「決勝戦が始まりますよ。兄貴」

雑魚共はテレビを見ていた。中継画面に映っていたのは不戦勝になっていたので、相手側が優勝していたのだった。

「お前の姉は、お前の為に不戦勝したらしいな。余程お前の事が大切らしいな。はははははは」

その時ドア付近で音が鳴り、ドアが開いたら国連軍の奴らだった。姉ではなく、国連軍第00独立特殊機動部隊ブラック・シャーク隊であり、俺の部下達だったから見知った顔ばかりだ。

「お前達やっちまえ。俺はこいつを人質する」

兄貴柄の奴は、縛ってあった椅子を見たら既に俺はいないが、代りに黒いISが次々に雑魚を倒していく所を見た。峰うちだったらしく、痛そうな声を上げていたので最後の兄貴柄のを斬り倒した。保護された俺を助ける為に、千冬姉が纏った暮桜が到着した。黒いISは、咄嗟に解除して俺の姿になった。

「一夏!?」

ISを纏った状態で抱き合った。

「俺は大丈夫だよ。国連軍の人達に助けてもらったし、黒いISが来てくれたんだよ」

「何、黒いISだと?国連軍か。私はドイツ軍に情報提供されて飛んできたら、既に戦闘は終わっていたらしいな」

千冬姉は、ISを纏ったまま一夏と手を繋ぎ外に出た。外には既に、戦闘終了後だったので地上部隊とIS部隊がいた。こちらを見たら整列して敬礼をし、副隊長がこちらに近づいてきた。

「織斑千冬様ですね。私はこの隊の副長をしています劉零と申します。そこにいる一夏様をマークしていたら、誘拐されたのであとを追ってここに来ました」

「ありがとう。私の弟を助けてくれた事には感謝するが、私はドイツ軍の情報提供で来たのだが、マークしてたとはどう言う事なんだかな?」

「一番は、貴女がブリュンヒルデと呼ばれる御方であり、その弟はいつか狙われると思いマークしていました」

「そうか。とりあえず戻るとするが、私の不戦勝になってしまったからな」

「それと提案があるのですが、一夏様をこのまま国連軍第00独立特殊機動部隊ブラック・シャーク隊に入隊されてはどうでしょうか?その方が安全でありますが、どうでしょうか?」

「一夏を?しかしまだ中学2年だぞ、子供を入隊させたらどうなるかは分からんが。私としては、恐らくドイツ軍で教官をやると思うから預かってもいいと思うが。一夏、お前はどう思う?」

「うーん、いいと思うよ。友達とは離れ離れになるけど、俺には神姫やハロがいるから大丈夫だよ。それに劉零さんとは、知り合いだし安全だから大丈夫だよ」

ドイツ軍の部隊が来たが、既に解決済みだったんで国連軍と共に撤退した。日本に帰ってすぐに、学校へ転校届を出してからトランクを持って家を出た。車で迎えに来てくれたので乗ったが、運転手は副長の劉零。千冬姉は、ドイツ軍のIS教官を務める事になった。

「お久しぶりですね。隊長」

「今の俺はまだ中学のガキだから、隊長って呼ばれる歳じゃないぞ」

「あなたがどんな御姿でも我々の隊長ですよ。皆が待ってますから行きましょうか」

嬉しい事を言ってくれた事もあり、俺は国連軍に入隊しそのまま階級は大佐となった。記憶共有者のお蔭でな。

あれから一年が経ったが、誘拐事件からあっという間だったがこっちに来たら時間がゆっくりとなっていた。ちなみに体は中学三年だが、階級は大佐であって、どんな容姿だとしても歳が十代だとしても第00独立特殊機動部隊ブラック・シャークの大隊長に代わりは無い。ブラック・シャーク隊は、主に二つの部隊に分かれている。

一つ目は、陸軍から選抜したメンバーで全員男性で、銃の扱いからヘリや戦車・車を扱う事が出来る。二つ目はIS部隊であり、千人いた中から二百人に絞って部隊編成をした。それも全員見知った顔がいるので、全員IS適性はAランランクとなっている。ISでの格闘戦や遠距離型のライフルを使って小さい物を撃てる者で、オマケに料理が出来る。陸軍選抜百人、IS部隊二百人の合計三百人の大部隊だ。

俺の仕事は、午前は事務仕事となっていて午後は隊員らとの模擬戦をやる事やIS武器を素手で持ち、相手がISを装着状態での近接格闘戦などだ。国連軍唯一の独立部隊なので、一々上からの命令を聞く事なく行動が出来る。

俺は、本日も朝九時に出勤しデスクワークをしていた。椅子は大人用なので俺の体には合わないが、そこは我慢しながら書類をチェックしていた。何かを承諾時、名前を書いて判子を押すという作業を一時間続けていたところで、副長の劉零が休憩しようとの事で休憩する事になった。

「ふうー、この体でやるのは少々疲れるな。まあ、あと一年我慢すればいい事だが」

「お疲れ様です隊長。お茶をどうぞ」

「ありがとう・・・・ふう日本茶はうまいな。今頃日本はどうなっているのかな」

今俺がいるのはアメリカであり、アラスカにあるユーコン基地にいた。本来なら日本にある支部で仕事するはずだったが、階級が大佐なのは中学二年では早いとそう判断した司令はアメリカに渡る事を薦めた。

それもユーコン基地は、ジェットファルコンが入る位の格納庫があるのでそこに収納した。ちなみにアメリカはジェットファルコンで飛ばしてきたが、幸いメンバーはほとんどユーコン基地にいたので効率がよかった。

「何でも世界中の企業は、第3世代ISを開発してるらしいですよ。まあ隊長のISには及びませんが」

「そうだな。何せ今のIS以上に強いし、俺でしか適応しないしな。測定してみたらIS適正SSSだったらしいよ」

「SSS!!!凄いじゃないですか。ブリュンヒルデ以上の強さって事になりますよ」

そう千冬姉はSらしいが、俺の適正はSの更に上の上であと一歩で計測不能になる事になったらしい。

「さて、無事仕事も終えたし昼休みにしないか。劉零」

「ええ、行きましょうか。私もちょうど終わりました。アンさん・アイネスさん・レーネさんはどうしますか?」

机で仕事を手伝っていた神姫達に聞いてみた。全員一致で一夏の肩に乗ったが、神姫達はブラック・シャーク隊の事を認知している。他の隊も神姫の事は認知してるし、誰も分解するという事は誰も考えてない。友人としているし、IS部隊からは教官みたいな感じで教えている。

俺は昼食でレストランに向かったが、劉零と神姫達と一緒に行った。ちなみに料理に関しては、世界の料理が食えるようにしてあるが、一夏は日本料理を頼む事が多い。今日は大盛りのうどんを頼んで、神姫達は一夏のポケットに入っているヂェリカンがあるので肩に乗ったままだった。席に向おうとしたらブラック・シャーク隊の面子がいたのでそこに行った。

「よお、お前達もメシか?」

「あっ隊長、そうですよ。そこのアイリッシュとIS部隊のマリアとアリアを誘って隊長達が来るのを待ってました」

「おっ、ありがとな。エリック」

「副長もどうぞ。あと隊長の肩に乗ってる神姫さん達はこっちへ」

テーブルは丸くなっていたので真ん中に神姫がいて、それの様子見ながら昼食を食べていた。神姫達はヂェリカンをぐびぐび飲んでいたが、相当喉が渇いていた。IS部隊のマリアとアリアは、神姫達とは仲良しでよく見本を神姫達が見せるようにしていた。俺はうどんを食べていたら他の隊の隊長が寄ってきたので対応した。

「昼食中失礼します。あなたが織斑一夏大佐ですか?」

「ああそうだが、こう見えてもこいつらの隊長をしている。お前は確かレノックス少佐だったな。そっちはエップスだろ」

「はい。会えて光栄です。あなたの事はよく知っています(私も記憶共有者ですから)」

「なるほどな(ああ、あのときのな)」

俺達は一緒に、昼食を食べてから自室に戻った。神姫をクレイドルで寝かせた後、軍服からジャージに着替えてグラウンドへ向かった。グラウンドには我が隊の精鋭達が整列して俺を待っていた。

「お前らいつも通りにやればいい。劉零、あとを頼んでいいか?俺はIS部隊の方を見に行くのだが」

「いいですよ。IS部隊の事は頼みましたよ」

劉零にあとを任せてIS専用競技場へ向かった。そこではブラック・シャーク隊対他の隊での三対三のバトルをしていたが、あと一歩のところで勝った。IS部隊が俺の事に気付くと全員集合して敬礼した。

「先程の戦闘見せてもらったが、まだまだ甘いと思うぞ。誰かIS専用の剣を貸してくれないか?あと誰か俺の相手をしろ」

IS専用のブレードを持ち、相手はマリアだった。近接格闘戦が始まったが、神速で後ろに回り剣を振って喉元を突き刺した。

「こんな感じかな。どうだマリア、俺の動きは見えたか?」

「いえ、ハイパーセンサーを最大にしても見えませんでした。隊長は人間ですか?」

「可笑しな事を言うな。だがこれが見本だとは思わなくてもいいぞ。これは人間業じゃないからな」

ブラック・シャーク隊の隊員は全員返事の代わりに敬礼した。そして訓練が始まった。今回は近接格闘での訓練をしていた。夕方まで訓練した後、夕食を食べた面子達は隊の主力メンバーであった。ほとんどIS部隊の女性隊員だったが、自室でシャワー浴びた後に寝た。ちなみに神姫達は神姫ハウスで銭湯にしてお風呂に入ってから牛乳を飲んでいた後クレイドルに乗って寝た。 
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