| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ボロディンJr奮戦記~ある銀河の戦いの記録~

作者:平 八郎
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第26話 初陣 その6

 
前書き
いつも閲覧ありがとうございます。

これでようやくJrの初陣が終りました。そして次の戦場も…… 

 


 宇宙暦七八六年一月下旬 ケリム星域イジェクオン星系 第七一警備艦隊係留地


 カーチェント中佐との会話から一週間後。ケリム星域に向けてバーラト方面から第一艦隊一万三五五七隻が、ジャムシード方面から三個巡視艦隊一八四四隻が、それぞれ侵入を果たす。第一艦隊は両星域の境界宙域で分艦隊および戦隊単位(一六個)に分かれると、おそらくは事前に調査していた有人・無人星系を捜索・掃討していく。主力となる旗艦分艦隊はイジェクオン星系に、そしてグレゴリー叔父が率いる第一分艦隊は一路ケリム星域でもかなり辺境に位置する有人星系アグルシャプへと向かっている。

 同盟政府からケリム共和政府首相のみに伝達されたこれら一連の軍事行動に、統合作戦本部から何も聞かされていなかったケリム防衛区司令部も、当然我々第七一警備艦隊も何ら対処することが出来なかった。ただし、防衛区司令部管轄下の憲兵隊のみが秩序だって行動した。

『ボロディン中尉、“明日”はよろしく』
 カーチェント中佐から侵攻前夜に因果を含んだ短い通信を受けていた俺は、当日もそれまでと変わることなくリンチの副官業務に従事し、夕刻からエジリ大佐と共に海賊調査を行っている。海賊の襲撃行動パターンについてエジリ大佐と討論している二〇〇〇時。通告もなしに俺とエジリ大佐のいる部屋の扉が『外から』開かれた。ついで慌ただしく部屋に入ってくる複数の人影。先頭に立つ中佐の階級章をつけた憲兵を除いて、他の全員が防護ヘルメットと赤い腕章をした武装憲兵達であり、その銃口のいずれもが俺とエジリ大佐に突きつけられている。俺もエジリ大佐も椅子から立ち上がって手を挙げるしかなかった。

「ちょ、ちょっとお待ち下さい!!」
 見覚えがないのでハイネセンの憲兵本部から直接派遣されてきたであろう憲兵中佐の後から、『慌てた表情』のカーチェント中佐がそれに続いて入ってくる。
「一体どういう事ですか!! エジリ大佐とボロディン中尉が何をしたと!? 正当な罪状なく拘束するおつもりですか!!」
「我々憲兵隊は本部命令によって行動している。干渉は不要に願いたい」
 憲兵中佐はカーチェント中佐を一顧だにせず、俺とエジリ大佐を細い目で見つめて中佐に答える。
「エジリ大佐およびボロディン中尉。貴官等を同盟軍基本法における機密保護条項および収賄に関する軍事犯罪条項に基づいて拘束する」
「出頭命令ではなく、拘束するのであれば当然令状を持っているであろうな」
 そう応えるエジリ大佐の態度は、俺の目から見ても海賊と通じている人間には思えないほど堂々としていた。それに対し憲兵中佐も無表情でジャケットから紙を取り出し、刑事ドラマさながらに令状をエジリ大佐の前で開く。それを手に取ることなく、エジリ大佐は大きく溜息をついてから俺を見て、そしてカーチェント中佐を見て、再び溜息をつく。
「ボロディン中尉は一切関与していない。拘束するならば私一人で充分ではないか?」
「命令です。異存がおありなら、軍法会議の場で」
 憲兵中佐は冷徹にエジリ大佐に応じると、武装憲兵を顎で指示し俺と大佐の両腕を後に廻し、手錠をかける。

 え、手錠? ナンデ? ナンデオレマデ、テジョウナンデ?

 一瞬カーチェント中佐が俺に目配せをしたのは間違いない。だが現実は俺の両脇には武装憲兵がいて、しょっ引かれている。すれ違う戦艦ババディガンの乗組員が驚愕の目で引っ立てられる俺達を見ている。シャトルの発着所で、ラブロック中佐とドールトン准尉の姿を見たような気がするが確認はできない。不思議なのは俺と俺を拘束する憲兵四名は、エジリ大佐や憲兵中佐の乗るシャトルとは別のシャトルになったことだ。

 シャトルに乗り込んですぐ俺は手錠を外された。手錠を外した武装憲兵に視線だけで「良いのか?」と確認すると、軍曹の彼は無言で手錠をポケットにしまい込み、シートを指し示してから敬礼してシャトルの先頭方向へと行ってしまった。手持ち無沙汰で俺がシャトルのシートの間に立っていると、武装憲兵が去っていった方向から一人の軍人が歩いてきた。准将の階級章をつけている四〇代前半の男だった。

「災難だったな、ボロディン中尉」
 敬礼が交わされた後、収まりの悪い明るいブラウンの髪を持つ准将は笑顔で俺の前のシートに座ると、俺にその隣に座るよう指し示した。俺がその横に座ると、身体を傾けて左手を差し出してくる。
「君には嫌な思いをさせたが、こうでもしないと事の真相を話せそうにないと思ったからな。小官はテリー=ブロンズ。統合作戦本部情報部で第九課課長をしている。カーチェントの上司だと思ってくれればいい」
「は、はぁ」
 気軽に手を差し出してくる原作登場人物に、俺は手惑いつつもその手を取る。ブロンズ准将の手は情報将校にしてはガッチリとしていた。しばらくするとシャトル発進のアナウンスが流れたので、俺もブロンズも黙ってシートベルトを掛ける。シャトルが振動と共に戦艦ババディガンのハッチから微加速で射出されて数分後、窓の遮光カバーが外された。ブロンズ越しに戦艦ババディガンの船体がゆっくりと傾いていく姿が見えてくる。

「さてどこから話そうかな」
 准将とは思えない気さくさでブロンズは顎を撫でながら、シートを傾けて天井を見ながら言った。
「まずは『ブラックバート』団の正体だな。彼らは中途退役した同盟軍将兵で、エジリと同様専科学校から這い上がった古強者だ。指揮官はロバート=バーソンズ。最終階級は准将」

 彼、バーソンズ准将は少数艦艇による特殊戦……すなわち敵地におけるゲリラ戦の専門家で、ティアマト、ヴァンフリート・アルレスハイムといった星域で、敵補給線の寸断や情報収集を任務とし、その方面で充分な功績を挙げていた。
 ただ将官への昇進で、もはや悪弊と言っても過言ではない士官学校生優位の不文律により、准将に昇進した時にはもう次の昇進は不可能な位の年齢だった。結果、准将で退役した時、彼自身不満を抱えていたようだが、海賊集団の親玉になるほどではなかったらしい。
 鬱屈とした日々の中で、彼を海賊の親玉に走らせたのが、退役兵、とりわけ捕虜になったり、重度の障害を負って退役せざるを得なかった者達の、悲惨な境遇を目にしたからだ。帰還捕虜は厳しい帝国内矯正区での生活で荒んでいたし、障害者は擬似生体の購入や精神病院への通院等で貧困にあえいでいた。
 彼は直ちに故郷のケリム行政府に退役者の待遇改善を訴えたが、財政難で行政府は応えられなかった。さらに同盟政府にも訴えたが……行政府どころではない深刻な財政問題で苦しむ政府は首を縦に振ることが出来ない。彼は考えられる限りの事を試みた。財団の設立や各企業への支援要請、最後には政治家への立候補など。だが退役兵はただでさえ年金をもらっているのに、さらに支援しろというのは虫が良いと企業には断られ、当選もできなかった。
 結果として彼は手段を暴力的なものへと変化させていった。実戦で鍛えられたゲリラ戦の指揮能力を存分に生かし、標的艦として廃棄処分予定だった艦船の一部を奪い、財団設立の際に得た繋がりで同志を集めて、商船への攻撃を開始する。
 その一方で、得た財貨でケリム星域の最辺境アグルシャプ星系に土地を少しずつ購入し、そこに重度障害者や戦闘行為には参加しない退役兵をやはり少しずつ集め出した。現地行政府の役人もうすうす気がついてはいたが、事実上黙認していた。むしろケリム行政政府に感づかれないようと手助けすらしていた。ケリム行政府にしても投入される税金の方が税収より遙かに大きい辺境星系の事など気にも留めなかった。なにしろケリム行政議会に議員を送り込めるほどの人口がなかったからだ。

「あとは君の推察通りだろう。エジリ大佐のような軍内のシンパを通じて、機密を入手し船団勢力を維持していけばいい」
「……エジリ大佐はどうやって『ブラックバート』との連絡を取っていたのでしょうか。第七一警備艦隊はネプティスを出航後、完全無線封止を実施していました。艦艇間の光パルス以外、一切の通信が出来ませんが」
「その時点で本人が連絡を取る必要はない。事前に動きがあることを伝えておけば、後は戦艦ババディガンがネプティスに入港する、それを知るだけで海賊に警報が出る」
 ブロンズは含み笑いを浮かべて俺に応えた。
「軍の退役者には多くの技術者がいる。艦隊の乗組員が多い以上、艦船運用関連技術者は当然多い。彼らのうちまだ若く健全で充分に働ける者の過半が宇宙港などに再就職している。管制・整備・補給・航路掃宙など隠れようと思えば何処でもいい。ただこういった公共業務は年齢による制限がある。だから下請け企業などに潜り込んでいる。一番疑いが濃いのは航路掃宙業者だな。業務は危険で手当も少なく、独自に船を運用できる」
ゲリラ戦に精通している指揮官ゆえに、正規軍や捜査機関の弱点もよく心得ている。その上財団設立の際の苦難から、行政府や企業の盲点も心得ている。

「だから君のように妙なところで切れて、地元や軍内部とのしがらみが薄い若い副官の存在は、彼らにとって悪夢に近かっただろうな。情報分析科や艦船運用科のような専門分野ではなく『戦略研究科』という何処に特性があるか分からない、どの分野にもまんべんなく優秀な人材というのは」
「自分はそんな優秀な人間では……」
「やる気のないエジリ大佐が君に近づいたのも、それが理由だし、証明だ」
「……」
「いま士官学校で教官をしているフィリップ=ドーソンという大佐がいる。そいつも君同様、中尉昇進後すぐにケリム防衛区に配属された。やはり君のように『ブラックバート』の動きを察知して、いろいろと調査した。なかなか読み応えのある調査書だったが、運悪くアグルシャプ星系の行政官の目にとまってしまった」
そしてその行政官は、あらゆる政治権力を使ってドーソンをケリムから遠ざけた。しかも昇進させてまで。
「君も事件発覚がなくあと一ヶ月この地にいたら、大尉昇進は間違いなかったな。惜しいことをした」
 腕を組んで腹を押さえながら笑うブロンズだったが、俺はとても笑えなかった。俺がエジリ大佐に出世も目標の内だと言ったこと。彼はそれを聞いてどんな気持ちだっただろうか。

「今回の摘発劇で、どれだけの人が処分されるんでしょうか?」
 俺の問いに、ブロンズは笑い声を止めて、俺の顔を一度見た後、腕を組んだままシャトルの天井を見上げた。数分の沈黙の後で、ブロンズは先ほどとは打って変わった重い声でゆっくりと応える。
「君の叔父さんがロバート=バーソンズを捕らえられるか、どうかだな。捕らえられたら死刑になる人間は一人で済む。事件もある程度まで公表され、同盟政府もケリム行政府も支持率を気にして、寛大な処置をするだろう。だが捕らえられなかった場合は、エジリ大佐をはじめとして、かなりの人間の首にロープが掛かる、かもしれない」
「……事件を公表できないから、ですか」
「それもあるが『義賊』などという存在を、同盟政府は認めない。自らの不作為を証明する保身からだけでない。暴力による同盟政府への反逆を認めることになるからだ」
 ブロンズの顔は渋い。
「今回の問題は政府の統治権に対する挑戦だ。政府としても全面的に引くわけにはいかないし、軍部も首謀者が元軍人であり、廃品とはいえ戦艦を奪われたという失態もある。良くも悪くも彼一人の組織といってもいい『ブラックバート』を潰したという結果が求められているんだ」

 ゲリラ戦に識見のある相手が逃走している以上、例え第一艦隊や独立巡視艦隊を動員したとしても、捕縛することはかなり難しいだろう。動かない星系内根拠地に関しては徹底的に洗い出されるだろうが、ロバート=バーソンズ一人を逃せば、また別の場所で彼は同じ事をする。むしろもっと過激になるかもしれない。
「だから私としては彼が自首してくれることを望んでいる。軍部も情状酌量を政府に依願することも出来る。そうなれば最小の犠牲で結末をむかえられるからな」
 ブロンズのそんな独白に、僅かな政府に対する批判の粒子が含まれていることは、俺にも理解できた。だが彼が幾ら政府に批判的だからといって、弱者救済を否定するクーデターになぜ参加したのかまでは、俺には察する事は出来なかった。

 そうしてブロンズ准将とのシャトル内の会話を終えた俺は、地上に到着すると今度は手錠なしでシャトルから降り、ケリム星区憲兵本部へと向かうことになる。ブロンズ准将はそれには同行しない。ブロンズ准将の姿が万が一ケリム星区憲兵本部で目撃されては、カーチェント中佐やおそらく別の巡視艦隊に潜んでいる情報将校の活動に問題が出るからだろう。シャトルはブロンズ准将を乗せたまま、再び射出場へと移動していった。

 それから三日。俺は憲兵本部で寝泊まりする事になる。幸いにして留置所ではなかったが、二日連続会議室で憲兵の調査官と取り調べに近い意見交換をしたときは、さすがに胃が痛くなった。エジリ大佐とは結局会えずじまいで、解放された俺を迎えに来てくれたのは、リンチ一人だった。

「結果として俺がエジリを見誤っていたし、見抜くことは出来なかった。指揮官としては失格だな」
 無人タクシーの中で、リンチは呟くように俺に言った。
「それに海賊の調査の為、エジリが貴官に協力……まぁ監視か誘導かは分からないが、近づけたことで貴官にも迷惑を掛けた。済まなかった」
「いえ、これはもうどうしようもありません」
 リンチがもう少し柔軟であったとしても、神なき身である以上、エジリ大佐の行動を察知できるとは思えない。むしろカーチェント中佐を変なふうに巻き込むことになり、話は余計ややこしく、解決までに相当な時間がかかっていた可能性もある。
「……第七一警備艦隊司令部は解散することになると宇宙艦隊司令部から内々で連絡があった。戦艦ババディガンや他の艦長クラスにも禁足が命じられた。今回の事件に一定の目処がつき次第、多くの者が別の任地に赴くことになるだろう」
「そうですか……残念です」
「丁度二月で人事異動の時期には重なるが、八月までには新司令部を発足させたいとの事だ。つまりそれまでに部隊の引き継ぎや、残務・資料整理を行えということだろう。結局、貴官とは一度しか作戦行動を共に出来ず、資料整理ばかりやらせることになってしまったな」
 別に資料整理は嫌いじゃないんだが、そういってくれるということは、それなりにリンチも俺のことを気にしてくれているということなのだと思う。
「また明日から仕事を頼む。その前に今夜はウチに寄ってくれ。妻と娘が貴官の為に結構な量のジャンバラヤを作って待っている。貴官に来てもらわないと、全部俺が処分する事になるから、悪いが手伝ってくれると助かる」
 気恥ずかしそうに言うリンチに俺は承知しましたと応えざるを得なかった。


 結果として俺はそれから半年間、第七一警備艦隊に所属し、残務処理を行った。第七一警備艦隊や他の巡視艦隊が惑星イジェクオン上空で軌道係留されている間は、星域警備を第一艦隊第二分艦隊が担当した。俺がグレゴリー叔父の養子と知っている分艦隊司令官からは何度も呼び出しを受けるはめになる。

 リンチは俺より一ヶ月早く、別の任地へ赴くことになった。行き先はトリプラ星域方面所属の偵察戦隊司令官。今と殆ど同じ業務だが、有人星域ではあってもケリムとは比較にならない辺境地域だ。階級が降格ではないから、昇進見送りということだろう。第七一警備艦隊からも一〇〇隻前後がこれに同行することになる。

 カーチェント中佐はリンチと入れ替わりに来た准将の幕僚にそのままスライドした。一応俺の残務処理も手伝ってくれるが、事実上の首席幕僚扱いとなり俺がケリムを離れた後で、大佐に昇進したとのこと。

 オブラック中佐は事件発覚後、一ヶ月も経たずに第五四補給基地参事官として司令部を離れた。同盟には八四ヶ所の補給基地があるが、そのなかでもこの基地は事実上の無人星域(民間経済活動が皆無)で辺境警備の独立戦隊と補給船以外は滅多に訪れないシャンダルーア星域内にある。降格はしなかったが、事実上の左遷に等しい。

 エジリ大佐の裁判は始まった。証拠の少なさから最初は起訴すらできるかどうかと言ったところだったが、第一艦隊と憲兵隊、国家警察の共同捜査で、次々と『ブラックバート』関係者が拘束されていくにつれ、今度は自分が主犯であると逆に主張し始めた。主犯がロバート=バーソンズだと分かっている検察側と、政府と戦って名を上げたい弁護側との駆け引きが続いている。ちなみに軍法会議の方は既に第1級通謀罪が確定している。なおその線から『ブラックバート』の海賊船は三〇隻近くいたことが判明し、グレゴリー叔父がその大半を撃沈ないし捕縛したものの、肝心のロバート=バーソンズは網にはかからず、未だ逃亡を続けている。

 ドールトン准尉はオブラック中佐の左遷にショックを受けていたようだが、四月に第三幹部候補生養成学校から推薦入学許可書が届いたことで、学校のあるジャムシード星域へと移っていった。推薦書を出したのはリンチと俺だ。後で非協力的になったとはいえ、最初は戦艦の航法予備士官業務をこなしながら手伝ってくれたわけで、その功績には報いる必要がある、と考えたからだ。我ながらいささか人が良すぎるとは思ったが、リンチが強く賛成してくれたことで、どうにかなった。

 そして俺は宇宙歴七八六年七月一七日、後継の副官に業務を引き継ぎ、ケリム星域を離れバーラト星系に戻る準備をするよう人事部より命令を受けた。一週間後、端末通信ではなく、軍事郵便でご丁寧に『軍機』のスタンプが押された手紙をカーチェント中佐から直接手渡され、指紋照合で封を切って中身を読んで、俺は溜息をついた。

「ヴィクトール=ボロディン中尉を大尉に昇進のうえ、フェザーン駐在弁務官事務所づき武官に任命する。宇宙歴七八六年九月一〇日までに現地に着任せよ」

 断ってください、こんな命令!! なんて言う相手がいるわけもなく、俺はいそいそとハイネセンへ、そしてフェザーンへ向かう準備を進めるのだった。


 
 

 
後書き
2014.10.22 更新 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧