FAIRY TAIL 忘却の最期
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第20話 その涙を見ない為に
「いいですか?」
少年は、屋敷のある一室で
ある女性と向き合っていた
「決して、その力を無暗に振るってはいけませんよ」
「けど・・・」
「大丈夫です、精進を続ければ制御ができるようになります。」
女性は、少年の頭を撫でながら微笑む
「その力は世界を救う力・・・しかし、決めるのはあなた自身。
あなたは・・・その力で何を護りますか?」
「俺は・・・俺は、ルーシィを護りたい」
少年の決意を聞き、女性は笑顔を見せる。
「約束ですよ」
二人は指切りを交わし、互いに笑いあう
「ラスト!!」
自分の呼ぶ声を聞き、ラストは目を覚ます
視界に映ったのは、心配そうな表情を見せるミラ
「ミラ・・・さん・・・」
「よかった、目を覚ましたわ」
「ここは・・・」
「あなた、ギルドの前で倒れてたのよ?」
意識がはっきりしていく内、ラストはルーシィが捕まった事を思い出し起き上がる
「ルーシィは!?ルーシィはどこに!?」
「落ち着いて!ルーシィは無事よ、ナツが助け出してくれたの」
「ナツが!?」
「ファントムの本部に幽閉されてたんですって。仮酒場にいるから、顔を見せてあげて」
ミラの言う通り、仮酒場の隅にナツ達と共にいた
「ルーシィ!!」
「ラスト!?よかった、無事だったんだ」
「もう大丈夫なのか?」
「ああ、ミラさんから大体の事は聞いている。」
「ねえねえ、ラストは知ってたの?ルーシィがハートフィリア家のお嬢様だって」
ハッピーが尋ねてきて、ラストは頷く
「ああ、俺もそこに住んでいたからな。ハートフィリア家の執事兼ボディガードとしてな」
「そうなのか?」
「ラストが何かの訓練を受けていたのはそんな理由だったんだね」
「まあ、ほとんどはルーシィの遊び相手として・・・だったんだが」
ラストが言い終わると、複雑な表情をしてルーシィに気になる事を尋ねた
「ルーシィ・・・やっぱり、今回の事はジュード様が?」
ルーシィは、黙って頷く
「一年間家出した娘に感心がなかったくせに、急に連れ戻そうとするんだもの。
パパが私を連れ戻すためにこんなことをしたんだ・・・最低だよ」
しかし、元を正せば自分が家出したせいで妖精の尻尾が襲われ、レビィ達が傷付いたと自分を責めた
「そりゃ違ぇだろ、悪いのはパパ」
「バカ!!」
「あ、ああいやファントムだ!」
「私の身勝手な行動のせいでみんなに迷惑が掛かって・・・私が家に戻れば済む話なんだよね・・・」
「ルーシィ・・・」
ラストは慰めようとしたが、ナツが先に口を開く
「そうかよ?つーかお嬢様って言うのも似合わねぇ響きだよな。」
「ナツ?」
「このきったねえ酒場で笑ってさ、騒ぎながら冒険してる方がルーシィって感じだ。
ここにいたいって言ったよな?戻りたくねえ場所に戻って何があんだ?妖精の尻尾のルーシィだろ?ここがお前の帰る場所だ」
ナツが掛けてくれた言葉が嬉しかったのか、ルーシィは涙を流す
「泣くなよらしくねえ」
「そ、そうだ!漢は涙に弱い!」
「ナツ・・・ありがとう。それに・・・傍にいながらルーシィを護れず・・・すまなかった」
「別にラストが謝るこっちゃねーよ。それに、お前も妖精の尻尾にいるルーシィの方が好きだろ?」
「・・・・・ああ、そうだな」
ラストが微笑んだ直後
地響きが仮酒場を大きく揺れた
「何だ!?」
「外だ!!」
全員が外を出ると、
「な、何だ!?」
巨大な建物が6本の脚で湖の上を歩いていた
「ギルドが歩いてるよ!?」
「ファントムか!?」
「想定外だ・・・こんな方法で攻めてくるなんて・・・!!」
エルザを始めとした全員が驚愕していると、ギルドの一部から巨大な砲塔が飛び出してきた
「あれは・・・?」
それが何なのか知っていたラストが叫ぶ
「まずい!魔導収束砲ジュピターだ!!」
「全員伏せろ!!!」
エルザは魔力を蓄積しているジュピターへ向かって走り出す
「エルザ!?」
「何する気だ!?」
「ギルドはやらせん!!」
エルザは頑丈そうな形状をした鎧に換装する
「金剛の鎧だ!」
「まさか受け止めるつもりじゃ!?」
「いくら超防御力を誇るその鎧でも!」
「よせエルザ死んじまうぞ!!」
仲間たちの制止も聞かず、エルザはジュピターに立ち向かう
「エルザー!!!」
「ナツ、ここはエルザを信じるしかないんだ!!」
エルザの方に向かおうとするナツをグレイが抑えていた
そして、ジュピターが発射された
エルザは巨大な防御魔法陣を展開し、ジュピターを受け止める
「エルザァァァァァァ!!!」
金剛の鎧にヒビが生じ始め、受け止めていたジュピターは次第に魔力が減衰していく
そして、発射されたジュピターが消えると同時に
金剛の鎧が砕け散った
その衝撃でエルザは大きく吹き飛ばされる
「た、助かったのか・・・?」
「あれと受け止めちまうなんて・・・」
「でも」
確かにジュピターからギルドは護られた・・・しかし
エルザは魔力を使い果たし倒れていた
「エルザ!しっかりしろ!!」
『・・・マカロフ、そしてエルザも戦闘不能』
幽鬼の支配者のギルドからジョゼの声が響いてきた
『もう貴様らに凱歌は上がらねぇ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ。今すぐだ』
「ざけんな!!」
「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!!」
「ルーシィは仲間なんだ!!」
アルザックとビスカ、マカオに続いてギルドの全員が叫びだす
ルーシィは渡さない
仲間を裏切らない・・・と
『渡せ!』
しかし、ルーシィはこれ以上・・・仲間が傷付くところは見たくない。
自分が幽鬼の支配者に行けば仲間に迷惑が掛からない。
(あたし・・・!)
仲間が傷付くくらいなら・・・と、前に踏み出そうとした
「仲間を売るくらいなら死んだ方がマシだ!!!!」
エルザの叫びで、その足が止まる
「「「おぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
「俺達の答えは何があっても変わらねえ!!!お前らをブッ潰してやる!!!!」
ナツを初めとしたギルドの全員がジョゼに立ち向かっていく
今、自分が幽鬼の支配者に下れば
自分を護ってくれているナツ達を裏切ることになる
その懺悔の気持ちと、どんな状況でも自分を護ってくれる嬉しさで
ルーシィはボロボロと涙を零す
「ルーシィ」
そのルーシィの前に出たラストが口を開く
「大丈夫、何も心配せずに待っていてくれ。俺と・・・妖精の尻尾の仲間達を信じてくれ」
「うん・・・!」
ジョゼは俄然とルーシィを渡さないナツ達を見て眉間にしわを寄せる
『ならば更に特大のジュピターを食らわせてやる!!装填までの15分!恐怖の中で足掻け!!!』
「まだ撃つつもりなのか!?」
「エルザでさえ1発防ぐのがやっとなんだぞ!?」
手を拱いている間、幽鬼の支配者のギルドから無数の兵士が飛び出してくる
『地獄を見ろ妖精の尻尾!貴様らに残された選択肢は二つ!我が兵に滅ぼされるか、ジュピターで消し飛ぶかだ!』
仲間の兵隊ごとジュピターで吹き飛ばす気なのかと思っていたが
ジョゼが出したのは幽鬼の兵・・・幽兵
つまり、ジョゼの造り出した人工の兵士
いくら消し飛ぼうが構わないものだった
「ジュピターを撃つ時間稼ぎか・・・」
「俺がブッ壊してくる!!15分だろ?やってやる!!」
ナツはハッピーを呼び、ジュピター目がけて飛んでいく
「今突破口を作る!アングリーブリッツ!!」
ラストはDBアングリーブリッツの電撃を幽兵の群れに向かって放ち
ナツの通り道を作った
「エルフマン、俺達も乗り込むぞ!!」
「おっしゃぁ!!」
「こっちはあたし達で守りを固めるよ!!」
「ルーシィ、こっちにきて」
「ミラさん!」
ルーシィを連れて行くミラを、ラストが呼び止めた
「ルーシィを・・・頼みます」
「・・・ええ」
ミラは頷き、ルーシィを連れギルドの方に向かった
「良かったのか?」
「ルーシィの傍にいてやってもよかったんだよ?」
アルザックとビスカがそう話しかけ、ラストは首を横に振る
「いや、ここで俺が戦った方が敵の注意を引ける。俺がルーシィを護る為に戦っているのは向こうも知っているはずだから」
「そうか。」
「でも、無理しちゃダメだよ」
「わかってる。ありがとう、アルザック、ビスカ」
ラストは、向かってくる幽兵の迎撃態勢に入った。
「行くぞ!!」
幽兵は呪いそのもの、触れれば命の力を奪われる。
次々と仲間が倒れていく
「銃弾魔法、太陽弾!!」
アルザックは眩い光の銃弾を放ち幽兵を複数消し飛ばす
「換装!!ヒーハー!!!」
ビスカはガトリングガンを換装し幽兵の群れを殲滅してく
「やるな!」
「ナイスショット!!」
しかし、その間を潜り抜け幽兵が二人に向かっていく
「しまった!?」
「二人共そのまま動くな!!」
ラストはDBを呼び出し
幽兵の各個体を中心に赤い球体が発生する
「バレッテーゼフレア!!」
そして、幽兵が爆発し消滅する
「すまない、助かった」
「いや、まだ油断できない」
ラストの指摘通り、倒したはずの幽兵が復活した
「再生した!?」
「冗談だろ!?」
「残り12分・・・ナツ、急げよ」
向かってくる幽兵を迎撃するうち、時間が刻々と過ぎていく
「くっそきりがねぇぞ!」
「仕方ない。みんな目を閉じろ!」
「目を!?何言ってやがんだ!?」
「ワカバ、ここはラストに任せよう!」
ラストはデカログスを呼び出し、剣の形状を変えた
「太陽剣・・・ミリオンサンズ!!」
太陽剣から激しい光が放たれ、幽兵を周囲から消滅させた
「な、何が起こったんだ・・・?」
「すごい!幽兵がかくれんぼした!」
「・・・どこかに消えたと言いたいのかラキ?相変わらずだな」
「だが助かった、これでしばらく休める」
「いや、そうもいかないようだ」
ラストが目線をやった先は
チャージが完了したと言わんばかりに砲口に魔力が蓄積しているジュピターだった
「ジュピターが!?」
「あ、あれから何分経った!?」
「残り1分を切ったはず」
「マジかよ!?」
このままではジュピターが発射される
まずいと思いラストはジュピターの砲身目がけて飛び上がる
「爆発剣舞!デスペラードボム!!」
爆発剣を振り下ろし、砲身に無数の爆発を起こす
しかし、傷一つ付かなかった。
「さすがに頑丈か・・・ん?」
砲身が不規則に揺れ始め、砲塔の奥から激しい振動が伝わってきた
「まずい!!」
ジュピターが発射される
と、思いきや
魔力充填の魔水晶が破壊され、その爆発でジュピターが崩壊した
「おっと!?」
ラストは崩壊するジュピターの破片を飛び移り地面に着地する
「ナツか・・・!信じていたぞ!」
「ジュピターがなければなんとかなる!」
「ここで押し切るよ!敵を殲滅するんだ!!」
ジュピターの破壊により妖精の尻尾の魔導士達の士気が向上
向かってくる幽兵を迎え撃つ
「爆発剣技!爆撃乱舞!!」
爆発剣の連撃でカナとラキに襲い掛かる幽兵を殲滅した
「すまないね、ラスト」
「ホント頼りになる!」
「だが、このままでは埒が明かない。」
無限に向かってくる幽兵をどうするか悩んでいると
幽鬼の支配者のギルドが、変形し始めた
「な、何!?」
「なんの冗談よ!?」
変形したギルドは、人の姿をし、湖の上に立っていた
「巨人・・・魔導巨人だ!!」
『ひれ伏すがいいクソガキ共。そしてその身の程を知れ!絶望の中で己の最期をたっぷりと味わうがいい!』
立ちはだかる魔導巨人、そして再び襲い掛かる幽兵の群れに全員が困惑する。
「幽兵が向かってくる!」
「巨人と幽霊・・・どうすりゃいいのよ!?」
「あたしらは幽兵に集中!巨人はきっとナツが止めてくれる!」
「つってもよ」
「ナツは乗り物が・・・」
そう、全員ナツの弱点を失念していた。
魔導巨人は・・・・・言い換えれば大きな乗り物
乗り物が苦手なナツでは、まともに動けない。
「「「「「ああ・・・・・・・・・・・・・」」」」」
全員が不安になり白くなった
「大丈夫、ナツだけじゃない・・・グレイもエルフマンもいる。」
「そ、そうだった!」
「さあ、気を取り直して迎撃するよ!!」
幽兵の殲滅していく中、魔導巨人の右腕が動いていた。
そして、それに続くように何かが描かれていく
「文字?いや・・・」
「あれってまさか・・・!」
「魔法陣よ!!」
「まさかあれは・・・!!」
「煉獄砕波!?禁忌魔法の一つじゃない!?」
「あのサイズはまずい!!マグノリアごと暗黒の波動で消滅するぞ!!」
禁忌を犯してまで潰そうとするジョゼに狂気を感じるラスト
(このままではルーシィが隠れている場所ごと・・・しかしここを動いては敵に真意を悟られる・・・!!)
この間も、徐々に魔法陣が描かれていき
そこに、ルーシィに変身しているミラが戦場に出てきた。
「な!?」
「よせ、危ない!!」
「ミ・・・ルーシィ、下がれ!!」
「あなた達の狙いは私でしょ!?今すぐギルドへの攻撃をやめて!!」
(そうか、敵はルーシィを連れ戻すよう依頼を受けている!ルーシィが前に出てくれば迂闊には)
ミラも時間稼ぎにはなると思い前に出たが
『消えろ、偽者め』
それはあっさりと見抜かれ、その想いは打ち砕かれた
『ハッ!始めから分かっていたんですよ~!そこにルーシィいないことはね』
「何・・・!!?」
ラストの読みが外れた
敵はルーシィがここにはいないことを見抜いていた
そして、時間を掛けることなく探す事ができる者がいる
ナツと同じ滅竜魔導士
鉄竜のガジル
「このままではルーシィは・・・!!」
ラストは、やるべきではない、ある手段に出ることにした。
それは・・・・・・・・・・・・・・・・・
幽鬼の支配者のマスター・・・ジョゼを倒すこと
「みんな、ここは任せる!」
「え!?」
「ラスト、何をしようって言うの!?」
「まさかジョゼと戦う気!?」
「無理だ!!うちのマスターと互角の力を持ってんだぞ!!」
仲間の制止を背に受けても、ミラが巨人に捕まってしまっても
ラストは止まらなかった
ノアズウィンドで飛び上がり、ジョゼがいるであろう巨人の頭部目がけて
「重力剣・・・グラビティコア!!!」
重力剣で頭部に突き刺し
「ジョォォォォゼェェェェェェ!!!!」
天井を破壊し、ブリッジにいるジョゼに向かって剣を振るう
「な!?」
さすがのジョゼも面食らい、爆発剣をまともに食らい
床を突き抜け、広い空間に出た
「マ、マスター!?」
「なんだあいつ!?」
「知ってるぞ!妖精の尻尾の新人魔導士!」
「うちのマスターに喧嘩を挑んできたのか!?」
そこで待機していた幽鬼の支配者の魔導士達が突然のことに困惑していた
「驚きましたねぇ・・・まさか、この私を直接叩きに来るとは」
「ジョゼ・・・!!!」
「そんなにあの小娘が大事ですか?」
「ジュード様の依頼とはいえ、ルーシィを渡すわけにはいかない!!ここでお前を叩く!!!」
殺気を込めて叫び、ラストはデカログスをジョゼに向けた
「フッフッフ・・・いいでしょう、少し遊んであげますよ」
歪んだ笑みでジョゼが手招きし挑発した
「音速剣・ハイスピード!!!」
音速剣に変化させ、更に速度を増した無数の斬撃を浴びせた
「痒い痒い」
魔力を張り防御したジョゼには一つたりとも効いてはいなかった。
「真空剣技、超突風!!!」
真空剣を突くようにジョゼに向け、強力な風を放つ
「デット・ウェイブ!!」
その突風を、エネルギー光線を放ちかき消した
余波で向かってくる魔力を
「封印剣!!」
封印剣で切り裂き防いだ
「しつこいガキだ!!」
ジョゼは闇の波動をラストに浴びせる
「ぬあぁぁ!!」
ダメージを負いラストは膝をつく
「その程度のダメージで済むとは・・・同じ属性では相性が悪い・・・ですかな?」
ラストの属性は闇
ジョゼも同じ属性の魔法を使うため、必然的にラストに与えるダメージが軽減される。
しかし、それは魔力の高さでも左右され
当然、そのダメージは軽視できなかった。
「やはり・・・強い・・・」
「当然でしょう・・・あなた方のマスターと互角・・・いや、それ以上の魔力を持っているんですからね」
息も絶え絶えになりながら、ラストは立ち上がる
「やめておきなさい。幽兵との連戦で魔力が尽きかけているでしょう?」
ジョゼは不敵ににやついた
「どうでしょう?ルーシィを差し出すのであれば貴方は見逃してあげますよ。」
「ふざけるな・・・!!!」
ラストは、ジョゼを睨み付ける
「今さら、何のためにジュード様・・・いや、あの男がルーシィを連れ戻そうとしているのか知らんが・・・」
ラストは、襲撃前に泣いていたルーシィの顔を頭に思い浮かべ
(あたし・・・ギルドにいたいよ・・・妖精の尻尾が大好き・・・!!)
「俺はもう・・・ルーシィを泣かせないとレイラ様に誓ったんだ・・・!!」
ギルドにいたい 仲間と一緒にいたい
ルーシィのその想いを胸に抱き
「その涙を見ない為に・・・俺は戦う!!!」
ジョゼに啖呵を切り、再びデカログスを向けて叫ぶ
「・・・いいでしょう。お望み通り、ここで消してあげますよ。あなたの安否はジュード様からは聞かされていないのでね」
ジョゼは両腕に怨念のエネルギーを纏う
「妖精の尻尾の前に、ここで消えろ!ダークブリングマスター!!!」
ジョゼはラストに向け怨念を放つ
「・・・・・デカログス・・・禁断の剣を使う」
デカログスの刀身が変化する。
変化した剣は、異様な禍々しさが漂っている
変化した瞬間、魔力の波動がジョゼの怨念を全て吹き飛ばす
「な、何!?」
全力ではないとはいえ、魔力が減衰したラストでは防御が不可能だった
しかし、防御どころか周囲の空間を震わせるほどの魔力を放っていた
「何だ・・・奴にこれだけの魔力が残っているはずが・・・!!」
「羅刹剣・・・サクリファー」
羅刹剣と呼ばれる剣をジョゼに向けた
「肉体、精神、感情・・・俺の全てをこの剣に捧げる。」
「何・・・!」
「覚悟しろ・・・この剣を使った以上、勝ち負けはなくなる。」
凄まじい魔力を放ちながら、ラストは剣を構える
「どちらが生き残れるか・・・ただそれだけだ」
(何なのだあの剣は・・・!エルザやラクサス以上の力を放っているだと!?)
禁断と呼ばれた剣・・・羅刹剣
それを目の当たりにし、ジョゼを含めた幽鬼の支配者の魔導士達が震撼していた。
生き残るのはラストか、ジョゼか
それとも・・・・・・・・・・・・・
第20話 完
後書き
次回予告
ナツ「ずりーよラストばっかり!俺がジョゼをブッ飛ばそうと思ってたのによ!!」
ハッピー「そんな事言ってる場合じゃないよ!ラストの出したあの剣、すっごい危険な匂いがするよ!」
ナツ「確かに危ねぇ感じだな・・・」
ハッピー「ああ!見て!ラストの腕が!!」
次回 ラストVS.ジョゼ 魔剣の暴走
ハッピー「まずいよ!このままじゃラストが魔剣に支配されちゃう!!」
ナツ「な・・・!やめろラスト!!ルーシィまで斬るつもりか!!?」
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