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第四真祖一家が異世界から来るそうですよ?

作者:黒螺
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YES!ウサギが呼びました!
  第六話 「白夜叉VS第四真祖一家」

 
前書き
遅くなりました。 

 
白夜叉曰く、今いる空間は白夜叉が所持しているゲーム盤の一つとの事、この広大な土地がただのゲーム盤とは笑えない冗談である。

流石の問題児達も相手との『差』に、渋々『試練』を受ける事で合意する。

その『試練』の内容とは、『グリフォンの背に跨り、湖畔を一周する』というもので、耀が見事に成功させた、勝利したグリフォンとも友達になりなんかのギフトも貰ったらしい。本来なら、これで終わる筈なのだが・・・・・・白夜の魔王は古城一家に別のゲームを持ちかけてきた。曰く、

「箱庭に来たばかりだというのに、私との実力が測れるというのはそうそうできる事ではないからの~・・・・・・ちとばかし手合せをしてみんか?」

古城の方はあまり乗り気ではない様で、すぐに断ろうとしたが白夜叉の次の言葉で断るのを躊躇った。

「もちろん、タダでとはいわん、参加すれば勝敗に限らずギフトを1つ用意しよう。もし勝つ事ができたなら、ギフトを3つにしてもよい・・・・・・どうじゃ??」

「何・・・・・・?」

「それは・・・・・・」

「おお~白夜叉ちゃん太っ腹~」

少し怪訝に思いながらも手合せをするか考える古城達・・・・・・もっとも白夜叉の本当の目的は、古城達の持つ神格やギフトを見定めるためだったりするので、ギフトの1つや2つで確認できるなら安いものと言う認識であったりする。

「そのギフトというのは、どの様なモノでもよろしいのでしょうか?」

「もちろんだとも、私の用意できるものであるなら必ず用意して見せよう、伊達にコミュミティの幹部なんぞやっとるから大概のモノは大丈夫じゃよ」

白夜叉の言葉に、三人は元の世界に帰る方法の手がかりになるかもしれないという事で、そのゲームを受ける事になった。



『ギフトゲーム名 “白夜と暁の狭間”

・ プレイヤー一覧 暁 古城
          暁 雪菜
          暁 零菜


・ クリア条件 白夜叉(ホスト)に実力を認めさせる。
・ クリア方法 ギフトを使用し、ホストに攻撃を行う
・ 敗北条件  降参または死亡、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します
                            “サウザンドアイズ”印』


「さて、始めるとしようかのう?」

「もう一度確認するが三対一でいいんだよな?」

「もちろんだとも・・・・・・さあ、どこからでも、かかってくるがよい!」

古城の確認にも余裕の笑みを見せる白夜叉に、最初に攻撃に出たのは雪菜であった。

「はぁーーーっ!雪霞狼----!」

槍による突きを白夜叉は扇子で受け止める、その隙に零菜が懐に入り

「若雷っーーー!」

瞬く間に接近して放たれる掌底を槍を弾くと同時に後ろに下がり回避する。

「中々に、鋭い攻撃じゃの」

嬉しそうに笑う白夜叉だが、内心ではこんなものではないと警戒を強めている、すると零菜が

「あちゃ~やっぱり私だと素手のままじゃ~厳しいかな?」

と苦笑いを浮かべながらおもむろに右手を掲げ、叫んだ。

「おいで!槍の黄金(ハスタ・アウルム)!!」

「っ!?」

掲げた右手から鮮血から噴き、その鮮血が姿を変え雷光を纏った黄金の槍となった。

これこそが零菜の持つ眷獣で、『意思を持つ武器』でもある『槍の黄金(ハスタ・アウルム)』である。形状は雪菜の持つ雪霞狼と酷似しており、稲妻を操り魔力無効化能力をも備えた槍であった。

零菜の変化はそれだけで終わらず、青い瞳が赤く染まり、犬歯が目立つようになっていた。

「おぬし、まさか吸血鬼か!?」

驚きの声を上げる白夜叉に向かって走り出す零菜、それを見て雪菜も白夜叉に突っ込んでいく。

「「はぁーーーーーー!!」」

「のおぉぉぉーーーーー!?」

迫りくる金と銀の斬撃や刺突を扇子で防ぎ、或いは回避で何とか躱するが所々に体術も混ぜ込んでくるので非常に、やり難い。

「ええい、これでどうじゃ!!」

そんな二人に白夜叉は扇子を広げ扇ぐ様に、雪菜達に振るうとまるで暴風が吹いたかな様に二人を吹き飛ばした。

「きゃっ」

「いっ痛ーーー」

なんとか体勢を立て直そうとする二人を放置して、白夜叉は古城に狙い御定める。

「次は、おぬしの番じゃ」

「まぁ~そうなるよな」

「それ、行くぞ!」

「げっ!?」

白夜叉は空中にいくつもの火球を生み出し、それを古城に投げつけられ、辺りに砂煙が舞う。

「古城さん(君)!?」

「しもうた、ちとやりすぎたか?」

威力が思った以上にあり、焦る白夜叉。
砂煙が晴れた先には、血を流す古城がいたが、その様子が零菜同様に変化していた。
体の周りに雷光が走り、赤く染まった眼と犬歯が目立つようになり、そして存在自体が大きくなったかの様な圧力を生み出していた。


「何?」

古城の変化に驚く白夜叉だが零菜の変化を見たばかりなのでそこまで衝撃を受ける事はなかつた。

「痛ってーなったく・・・・・・まぁおかげで距離が離れてくたんだ、これで遠慮なく戦えるってもんだ」

「何じゃと!?」

古城の言う距離とは十六夜達がいた最初の地点の事で、雪菜と零菜の攻防でかなりの距離が空いてしまっていた事に、白夜叉はようやく気付いた。

「俺の攻撃は威力がデカすぎて加減が難しいんだ・・・・・・だから二人にここまで誘導してもらったんだ」

「・・・・・・して、そこまでして距離を稼いだんじゃ、いったい何を見せてくれるのかの?」

「そうだな・・・・・・こんなのはどうだ?」

古城は右手を掲げ、吹き出す鮮血が、輝く雷光に変わる。周囲にも膨大な光と熱量、そして衝撃が伝わる。

「疾く在れ(きやがれ)、5番目の眷獣 “獅子の黄金(レグルス・アウルム)”---!!」

顕現したのは、巨大な雷光の獅子、その正体は荒れ狂う雷の魔力の塊で、全身は目が眩む輝きを放っている。

「グオオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

雷鳴の如き咆哮が大気を震わせ、白夜叉に襲い掛かる。

「くぅ!?」

もっとも、そんな暴力の塊に迫られる白夜叉からしたら堪ったものではない。

「舐めるでないわ!!」

再度、火球を生み出し、獅子の黄金(レグルス・アウルム)を迎撃するがその勢いは衰えない。

「こうなれば・・・・・・はぁぁ!!!」

白夜叉は全身を炎の膜で覆い、獅子の黄金(レグルス・アウルム)の攻撃をやり過ごした。

「ありかよそんなの!?」

「こちらの攻撃を当てるには、あの炎の膜をどうにかしないと・・・・・・」 

「ん~私の槍の黄金(ハスタ・アウルム)と雪霞狼で切り裂けないかな?」

「「え?」」

「え?」

「あれって炎だけど切れるものなのか?」

「どうでしょう・・・・・・魔力なら問題なく無効にできるのですが・・・・・・」

「魔力の塊(獅子の黄金(レグルス・アウルム))を防げる障壁、って事は少なくとも魔力には作用してるって事だよね??なら同じ理由で、魔力を無効にする槍の黄金(ハスタ・アウルム)と雪霞狼の効果が効いてもおかしくないよね??」

実は零菜のこの指摘は、かなり正解に近かった、もっと正確に言うと雪霞狼は古代の宝槍を核にして作られているのでギフトとしての『格』がかなり高いという事と、組み込まれている“神格振動波駆動術式”という術式が相まって『ギフトを無効あるいは破壊する事が可能な槍』にしているのである。
零菜の場合は、槍の黄金(ハスタ・アウルム)も“神格振動波駆動術式”に似た性質の術式を持っている事と、古城(第四真祖)から受け継いだ真祖の能力や呪いで『格』を補えていた。

もっともそんなことを知らない古城はその作戦で行けるか不安でしかないのだが。

「う~~~~~ん」

「そうですね、他に策もない事ですし・・・・・・やってみてはどうでしょうか?」

「そうそう!何事もチャレンジが大切なんだよ!古城君」

「はぁ~~~~分かった。ならその作戦で行くか」

「では・・・・・・行きます!」

「行くよ!槍の黄金(ハスタ・アウルム)!!」
 
雪菜は走りながら祝詞を唱え始め、その隣では零菜の槍の黄金(ハスタ・アウルム)が赤い輝きを放ち始めた。

「む?」

白夜叉も動きだした雪菜に火球を放つが零菜の槍の黄金(ハスタ・アウルム)に切り裂かれる。

「獅子の巫女たる高神の剣巫が願い奉る。破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威をもちて我に悪人百鬼を討たせ給え!!」

雪菜の体内で練り上げられた呪力を雪霞狼が増幅させる。
雪霞狼から放たれる強大な呪力の波動に、白夜叉の表情が引き攣る。

「雪霞狼!!」

降り下された雪霞狼を中心にピキッピシッと炎の膜に亀裂が走る。

「槍の黄金(ハスタ・アウルム)!!」

更に零菜が槍の黄金(ハスタ・アウルム)を降り下し、完全に炎の膜を破壊する事に成功した。

「ぬおおぉぉーーーーーー!?」

流石の白夜叉も、これには驚きを隠せないでいる。

「よし!雪菜、零菜離れてろ!獅子の黄金(レグルス・アウルム)!!」

「グオオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「のあぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

獅子の黄金(レグルス・アウルム)が白夜叉を直撃し、周囲に砂塵が舞う。しかし、

「見事じゃ」

直ぐに砂塵が吹き飛ばされ、少し煤けた白夜叉が古城達に声をかけた。

そしてこの言葉により古城達の勝利が決まったのであった。








 
 

 
後書き
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