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ルドガーinD×D

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第十七話:俺の夏休み


おはよう、俺は今、冥界に行くために駅に来たところだ!!

………うん、駅に………

「部長、ここどう見ても駅ですよね?」

「そうよ、駅よ」

さも当然とでも言わんばかりに返される俺

……あれ?冥界って電車で気軽に行けるとこなのか?

小猫ちゃんや祐斗のような昔から部長の眷属である人たちは

特に不思議がることなくついて行ってるから大丈夫なんだろうけど……

もしかして、前はサーゼクス様の魔法陣で来たから気づかなかったけど

冥界って意外と誰でも行けるものなのか?

エレベーターに乗りながら俺がそんなことを考えてると

部長が何やらカードを取り出して何かに通していた

「あれ?部長、ここまだ下ありましたっけ?」

「一般的にはそうね、でも悪魔にはあるのよ」

イッセーの言葉に悪戯っぽく笑い返す部長、そして扉が開くと――

「「「すげーっ(すごい)!!!」」」

絢爛豪華な列車が俺たちを出迎えてくれた……ジュードが見たら喜びそうだな

金がかからない趣味として時刻表を教えたのに

まさか興味が列車に移りあそこまで立派な列車オタクになるとは思ってもみなかったな……

「…ルドガー先輩?」

「ああ、わるい、ちょっと考え事をしてた」

「…そうですか……」

何だろう?小猫ちゃんが何やら複雑そうな顔で俺をみているような……まあ、いいか

「部長、この列車は?」

「グレモリー家の特別列車よ」

は?今なんと仰いましたか?

「つ、つまり部長の実家の所有物ってことっすか!!?」

「そうよ」

「「グレモリーすげーっ!!!??」」

思わずイッセーとハモってしてしまう、いや、列車が所有物って色々と可笑しいだろ!!?

もしかしてグレモリー家にとっては二千万ガルドなんてはした金なのだろうか?

そうだとすると俺の借金返済の日々がとても空しいものに思えてくる……

……べ、別に泣いてなんかいないんだからな!!!これは目から出た汗だ!!

最近暑いからしょうがないだろ!!!

「ルドガー君どうしたんだい?急に涙を流して」

「何でもないさ祐斗、ただこの世の不条理を嘆いていただけさ」

「一体何を考えてたんだい……?」

気にしちゃだめさ、人生割り切ってかないと!!!

………それにしても特別列車か………痴漢冤罪に気を付けないとな!!!

後テロとかに合わないよな?

また、かっこよく列車に飛び乗るなんてごめんだからな!!!



「「「「キャーッ!!!リアス様――っ!!!」」」」

俺の心配も杞憂に終わり列車は特に何事もなく無事にグレモリー領に到着した

何でもグレモリー家は日本の本州ほどの領土を持っているらしく

部長の眷属である俺たちにも領地が与えられことになった……

俺はとんでもない人についてきたんだな……

目が覚めたら高額負債者になっていたあの時とは大違いだ

まあ、それはともかく俺は水はけのいい土地を選んでそこを貰った

ん?どうしてかって?

そんなの決まってるだろ?俺のささやかな夢……そう――


念願のトマト農園が作ることだっ!!!


そしてゆくゆくは自家栽培トマトで料理を作ってレストランを開くつもりだ!!

もう、誰にも――ニートなんて呼ばせない!!!(キリッ)

と、つい熱が入り過ぎたな……それにしても部長はすごい人気だな

朱乃さんが言うには部長は若手悪魔の中でもかなり有望で

さらには容姿も整っているから人気が高いということらしい

……眷属の俺も足を引っ張らないようにしないとな

「リアス様、眷属の皆様方どうぞこちらへ、馬車へお乗りください」

「ありがとう、グレイフィア」

馬車って……あんなでかいものなのか?

いや、一々気にしててもしょうがないな

取りあえず『グレモリーすげーっ!!!』で乗り切れるはずだ!!!……うん

しばらくみんなと話しながら馬車に揺られる

「…ルドガー先輩、聞きたいことがあるんですが」

「何?小猫ちゃん」

「…ルドガー先輩はどんな風にして強くなったんですか?」

どんな風にして?うーん……特に特別なことはしてないからな

そう聞かれると中々出てこないな

「正直これと言って思い出せないんだけど……どうしてそんなことを聞くんだ?」

「…強くなりたいからです」

そう言う小猫ちゃんの目はどこか危なげに見えた……

これはちゃんと答えてあげないとまずいかな

「うーん……具体的な方法とかはないんだけど……一つあるとしたら兄さんに追いつきたくて頑張ったからかな」

「…っ!?…お兄さんですか?」

「ああ、ずっと憧れて、少しでも近づこうと思ってやってきたら、いつの間にか…だな」

「…………………」

「何か憧れを見つけてそれに近づくことを目標にしたらいいんじゃないかな?」

「………………姉様」

「小猫ちゃん?」

何だろう?何かつぶやいたみたいだけど聞こえなかった

「…っ!!…すいません、ボーっとしてました」

「いや、俺はいいんだけど……具合でも悪いのか、小猫ちゃん?」

「…いえ、大丈夫です」

それっきり黙り込んでしまった小猫ちゃん

俺、何か触れちゃいけないことでも言ってしまったのか?

そのまま話題に困ってしまい何気なしに外を見ていると大きな城が見えてきた

「城か……生で見るのは初めてだな」

「あれは私の本邸の一つよ」

「………………はあ?」

うそおおおおおっ!!!??

大抵のことには慣れたけどお城が家って初めてなんですけどおおおおっ!!?

しかも本邸ってことはあんなのがいっぱいあるってことか!!!??

やっぱ、グレモリーすげーっ!!!!??



「「「「「お帰りなさいませ、リアスお嬢様!!」」」」」」

「ただいま、みんな」

何だ、このメイドやら執事の数は!?いや…もう突っ込むのは辞めよう……

……空しくなるだけだ

「お帰りなさい!!!リアスお姉様!!!――ルドガー様っ!!?」

この声はミリキャス君!!?

現実逃避をやめて顔を上げるとミリキャス君がこちらに向かって走って来ている

部長はミリキャス君を迎え入れるために大きく腕を開く、が――

「ルドガー様!!!会いたかったです!!!」

ミリキャス君は部長をスルーして俺の胸の中だ

部長はまるで錆びたブリキの人形の様にこちらを振り向き

俺対の様子を確認するとゆっくりと崩れ落ちる……ふっ、俺の勝ちだな!!(ドヤ顔)

「久しぶりだな、ミリキャス君、元気だったか?」

「はい!!ルドガー様から貰った武器の修行をしてたりしたんですよ!!!」

「そうか、ミリキャス君は頑張り屋なんだな」

「ありがとうござます!!!あ!?後で見てくださいね!!!」

「ああ、もちろんだ……ミリキャス君、そろそろお姉さんのところにも行ってあげな、お姉さん寂しがってるぞ?」

そろそろ部長が可哀想になってきたのでミリキャス君に部長の話をふる

「あ、はい!!リアスお姉様も会いたかったです!!!」

「ううううっ!!?ミリキャスウウウ!!!」

「お、お姉様!!?」

よっぽど辛かったのか涙目でミリキャス君を抱きしめる部長

いやーこれでめでたしめでたし――ん?何か部長が口パクで言ってきてるような?

なになに――

(後で覚えてなさい、ルドガー)

………………いやー、全然分からないな、俺、読唇術とか持ってないからさ、ははは……

「あらあら、後で部長からのお仕置きですね、ルドガー君」

やめてえええええっ!!?せっかくの現実逃避と言う名の盾が砕けちゃう!!!!!

「ルドガー……部長のお仕置きは………いや、何でもない」

何だよ!!?逆に気になるだろ!!!一体俺は後で何をされると言うんだ!!!??

「…ルドガー先輩と会えて良かったです」

ちょっ!!?何で死亡フラグ立ててるの!!?そんなにやばいの部長のお仕置き!!?

「ルドガー、こう言った時にいい言葉があるぞ」

おお!!!流石ゼノヴィアだ!!!普段は天然だけどこういうときは頼りになる!!!

「『何、気にすることはない』と言うものだったな」

…………………よし、一言だけ言わせてもらおう

「気になるわあああああっ!!!??」
 
 

 
後書き
どうもトマトルテです

最近タグにトマトをつけようかと悩んでいます、自分で見返してもトマトの出現率が異常なので

どうしよう……

ともかく今回も読んでくださってありがとうございます(^_^)

これからもこの作品をお願いしますm(__)m 
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