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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0703話

 目の前で次々と絵柄の変わっていくスロット。そのスロットの絵柄が揃ったところでスイッチを押して止めていく。すると7と7と7の3つが揃い、コインが大量に溢れてくる。

「ま、こんなものか」

 人外の身体能力やら何やらを持っている俺にしてみれば、幾ら素早く絵柄が変わったところで殆ど止まっているのと同様だ。777を3回連続で出すのはそう難しくは無い。

「アクセル、あんたもしかしてS.M.Sに入る前はギャンブラーか何かだったの?」

 驚きの表情で俺へと視線を向けているシェリルに小さく頭を振り、コインを集めて席を立つ。

「え? あれ? もういいの?」
「ああ。2回や3回ならともかく、そう何度も連続でコインを出し続けたりすればイカサマと間違われそうだしな」
「でも、別にイカサマはしてないんでしょ? ならいいじゃない。ちゃんとした実力なんだし」
「それで面倒な事に巻き込まれたくはないだろ? 揉め事が起きてお前の正体がバレたりしたら、色々な意味で洒落にならないしな」
「……まぁ、そうだけど。じゃあ、次は何をするの?」
「そうだな。俺ばかりってのも何だし、シェリルがやってみたいのとかはないのか?」
「そうね、なら……ポーカーでもやってみましょうか」

 自信ありげな笑みを浮かべ、シェリルはポーカーの台へと向かって行く。
 さすがにここで放っておく訳にもいかず、スロットで勝ったコインを額の大きいコインに換えてからシェリルの後を付いていくが……

「スリーカード」
「ストレート」
「フラッシュ」
「ツーペア」
「ロイヤルストレートフラッシュ」

 と、次々に役を完成させてコインを増やしていく。いや、これどうなってるんだろうな? 俺の場合は純粋に身体能力を駆使してスロットで稼いだんだが、シェリルにその類の特殊な能力がある訳でも無い。だというのに、この連勝だ。というか、良くツーペアで勝てるよな。そして何より、生でロイヤルストレートフラッシュなんて初めて見たぞ。

「ふぅ。……どう?」
「どれだけ幸運なんだよ、お前は」
「ふふんっ、私はシェ……その、幸運の女神に愛されているのよ」

 自分の名前を口に出しそうになって慌てて途中で止めるシェリル。
 ただし、ポーカーを配っている黒服の男は鋭い視線をこちらへと向けている。
 言っておくがイカサマはしてないぞ。念動力の類を使えば大抵のイカサマは出来そうだが、当然そんな真似はしていない。
 ……にしても、実は俺ってギャンブラーとして普通に凄腕扱いになるんだな。この調子で金を稼いでVF-25を個人所有……まぁ、ないな。そもそもカジノで多少勝ったくらいの金があっても、軍の機密でもあるVF-25を個人所有出来る筈もない。もし本気で個人所有を狙うなら、S.M.Sのオーナーでもあるビルラーとかいうゼントラーディくらいの財産が必要になるんじゃないだろうか。後、当然色々なコネも。いや、むしろこっちの方が重要かもしれないな。

「じゃ、次はルーレットでもやってみましょう?」
「ルーレット……か?」
「何よ、ルーレットは嫌なの?」
「嫌というか、あっちは完全に運だからな。読み合いとかの心理的な要素が無い分、ちょっと苦手だが……ま、どうせカジノには遊びに来てるんだ。やるだけやってみるか」
「そうそう。勝つとか負けるよりも、今はスリルを楽しみましょ」

 2人揃ってポーカーの台から離れ、ルーレットの台へと向かう。
 そこで待っていたのは、露出度の高い服を着てウサギの耳を頭部に付けた、いわゆるバニーガール姿のディーラーだった。
 緑の髪をポニーテールにしており、身体付きもさすがにバニーガールの衣装を着ているだけあってメリハリの利いた体型をしている。

「へぇ……って、痛っ!」

 思わず目の前に現れたバニーガールを感心して眺めていると、不意に足の爪先へと走る痛みが走る。チラリと隣へ視線を向けると、シェリルが不機嫌そうな顔をしながら俺の足を踏みつけていた。

「おい、一体何を……」
「ふんっ、仮にもあたしと一緒にいるってのに、他の女に目移りなんかしてるからよ」

 不機嫌そうに鼻を鳴らすシェリル。

「お客様、遊んで行かれますか?」

 そんなシェリルを他所に、バニーガール姿のディーラーはそう尋ねてくる。
 真面目な表情を浮かべてはいるが、その目には小さな笑みが浮かんでいるのが見て取れた。

「そうだな。取りあえずちょっとやってみるか。どうする?」
「……そうね。折角なんだし、あたしも試してみるわ」

 お互いが手持ちのコインを1枚ずつ出しながら小さく頷く。
 俺は最初ということで、1-12の場所に。シェリルは1-18の場所にへとそれぞれコインを置く。そして……

「おめでとうございます」

 回転したルーレットに放り込まれた玉は、見事に黒の8へと止まる。

「じゃあ、次は……」
「ならあたしは……」

 こうして、1度目で勝った俺達は次々にルーレットの数値へと賭けていくが、恐らくはバニーガールの技術なのだろう。勝ったり負けたりを繰り返し、最終的にはちょっと損をする程度の負けに収まる事になる。
 この辺、さすがプロのディーラーと言うべきだろうな。もしこれで俺達が本気で金を稼ごうと思っているのなら、恐らくはその技術で巻き上げられていたのだろう。こうして少しの負けで済ませて貰えたのは、恋人同士の軽い遊びと見られたからか、はたまた姉弟で遊んでいると思われたからか。
 そのままルーレットで遊び続けで30分程。そろそろ他の台に移ろうという事になり、バニーガールのディーラーにウィンクを貰いながら――ついでにシェリルからのリバーブローを貰いながら――ふとカジノの一画に30人近い人数が集まっている事に気が付く。
 シェリルもそれに気が付いたのだろう。興味を引かれた様子で俺を引っ張ってその一画へと向かう。

「ねえ、何でこんなに人が集まってるの?」
「ん? ああ、ツーアップで10連勝している奴がいてな。しかもダブルアップしていっているから、もの凄い賭け金になってるんだよ」

 シェリルが尋ねると、20代程の男がそう教えてくれる。
 にしても、ツーアップねぇ。また随分とシンプルなカジノゲームもあったものだ。
 ツーアップ。名前は大層だが、ようはアレだ。コインを上に放り投げて手の甲で受け止め、表か裏かを決める奴。コイントスと言えば分かりやすいだろう。

「なるほど。でも、10連勝とかちょっと凄いわね。確かに確率としては5割なんだから、1回や2回なら勝つのは難しくないけど、それが10回連続となると……」
「だろ? けど、特にイカサマをやっている様子も無いし、純粋に運らしい」
「……どうする? アクセルも挑戦してみる?」
「勝とうと思えば勝てそうだが……」
「そこの君、今なんて言ったのかね?」

 俺が呟いたその瞬間、まるでそれを待っていたかのようにツーアップで勝ち続けている男が俺の方へと視線を向けて来る。

「私に勝てる、と。そう聞こえたが?」

 うわ、面倒臭い奴に絡まれたな。だが、男の目は何故か俺ではなくシェリルの方へと向いている。

「ふむ、そこのお嬢さん。ここは皆が楽しむ場所。そのような帽子やサングラスで顔を隠しているというのは少々無粋ではないかね?」
「あら、そうかしら? この場所では色々と素顔を出さない、あるいは出せない人もいると思うんだけど?」
「……それこそが無粋だとは思わないのかね? ……ふむ、そうだな。丁度君の連れは私とツーアップで勝負しても勝つ自信があると言っている。ここはどうだろう? 私と実際に勝負して決めてみるというのは。もし私がそこの彼とツーアップで勝負して、私が勝ったら君達が持っているコインを全部と、君が素顔を晒す。逆に君達が勝ったら、現在私が持っているコインを全て譲ろう。……どうかな?」

 何だ? こいつ、妙にシェリルの素顔を晒す事に拘っているな。そこれそ、まるでここにいるのがシェリルだと分かっていてやっているかのような。
 この状況でシェリルが素顔を晒せば色々な意味で騒ぎになるのは確実だ。銀河の妖精と言われている程の人気を誇るんだから致命的なスキャンダルって訳では無いだろうが、それでも男と一緒にカジノに一緒にいたとなるとゴシップ紙が色々と騒ぎ立てるだろう。
 何しろ、銀河の妖精のスキャンダルだ。飛び抜けた売り上げになるのは間違い無い。
 となると、もしかしてこいつはどこぞのゴシップ紙辺りの回し者って線もあったりするのか?

「おい、分かっているな」

 小声でこっそりと呟くと、シェリルは分かっているという風に頷いて口を開く。

「いいわ、その勝負受けて立とうじゃないの!」

 おいっ!?
 シェリルの口から出たその言葉に、思わず内心で突っ込みを入れる。
 俺からの言葉に分かっていると答えたのはいいが、その分かっているというのは、勝負を受けるという意味での分かっているという事だったらしい。

「はっはっは。きちん返事をした以上、逃げる事は出来ないが構わないかね?」
「ええ、勿論。貴方も、負けたりしたら持っているコイン全てを彼に取り上げられるのを理解しているんでしょうね?」

 チラリ、と俺達の持っているコインのざっと30倍程もあるコインへ視線を向けながら、強気な笑みを浮かべるシェリル。

「よし、話は決まった。では、君。用意をしてくれたまえ」
「……分かりました」

 男の声にディーラーが頷く。カジノ側にしてみれば、俺と向こうのどっちが勝っても店に被害は無い。それどころか、取っておきのイベントとして開催できる分だけ得があるって訳か。
 ディーラー、男、最後にシェリルへと視線を向けて、小さく溜息を吐いて頷く。

「分かった。なら賭けようか」
「アクセル、負けたら許さないわよ」
「ああ、勿論だ。……ただし、後できちんとお礼はして貰うけどな」
「そうね、勝ったら考えておくわ」

 シェリルに笑みを浮かべて送り出され、俺はディーラーの下へと向かう。

「ルールは簡単です。私がコイントスをして、手の平で受け止めるので、それをお2人が表と裏を当てて下さい。不正防止の為に、2人共同時に声に出して貰います」

 そう告げ、コインの表と裏を示す。
 俺も向こう側も特に何も言わずに頷き……

「では、行きます!」

 その言葉と共に高く上げられたコインが回転しながら落ちてきて……

『表』

 俺と相手の男の声が重なり、同時にディーラーがコインを受け取った手を示すと、そこには表側になっているコインの姿があった。
 そして、ここから接戦が始まる事になる。
 表、裏、裏、表、裏、表、裏、裏、裏、表。
 それぞれが10回連続で正解し、次からはコインを掴み取った瞬間に手の中でシャッフルして出されたコインを当てる事になる。
 裏、裏、裏、表、裏、表、裏、表、表、裏。
 またもや10回連続で成功。
 同時に、周囲の客達から聞こえて来る歓声。
 それらを聞きつつ、小さく眉を顰める。
 人外の存在である俺だからこそ全問正解していられるが、普通の人間には……いや、なるほど。
 目の前にいる男の様子を見ていて気が付いた。男の右目は限りなく生身の眼球に見えるが、耳を澄まして、眼を凝らしてよく聞き、見れば、そこにあるのは人工の存在。つまりはインプラントか。このフロンティア船団ではインプラントは違法であり、つまりはイカサマなのだろう。
 なら、こちらもそれ相応の態度を取らせて貰おうか。
 再びのコイントス。空中へと弾き上げられたコインが降ってきたその瞬間……俺は瞬動を使い、男の足を刈ってそのまま床へと押さえつける。
 同時に周囲でざわめく観客達。ディーラーに、シェリルも驚きの表情で俺へと視線を向けており、体格のいい黒服の男達も俺の方へと足を踏み出していた。

「イカサマだ」

 その一言で足を止める黒服達を横目に、押さえつけられている男の右目の瞼を強引に開ける。

「確認してくれ」
「……確かに、インプラント処理されているもののようですね」

 ディーラーが確認し、そのまま男が何かを言う前に口元を抑えて強引に連行していく。勿論コインは全部残したままだ。

「何故分かったんですか?」

 そんなコインを纏めて俺の方に差し出しながら尋ねてくるディーラーに、小さく肩を竦めて口を開く。

「俺の身体能力に匹敵するような奴がフロンティア船団にいるとは思えなかったんでな。注意して見ていたところ、目の……眼球の挙動がおかしな事に気が付いた。それでだな」
「……」

 その一言が余程驚いたのか、それ以上は何を言うでもなく黙り込む。
 その後はコインを現金へと換え、かなりの額を受け取ってシェリルと共にカジノを出る。
 何だかんだ言って既に夕方近くになっていたからな。

「……アクセル、ありがと。はい、これはお礼よ」

 そう言い、ポケットから取り出したのは1枚のチケットだった。何だか、初めて会った時の事を思い出すな。

「あたしのさよならライブ。来週やるから、今度は絶対に見に来てね。アクロバット飛行のバイトとかをしないで」
「ああ、そうするよ。ついでにその時にイヤリングも持っていくから」
「……ええ、お願い。それとこれは、さっきのイカサマしてた男からあたしを助けてくれたお礼よ」

 そのまま近づき、頬にシェリルの唇が触れる。

「か、感謝しなさいよ! こんなサービス、滅多にしないんだからね!」

 頬を真っ赤に染めながら走って去って行くシェリルを見送り、俺もまた小さく笑みを浮かべるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:425
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:594 
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