魔法少女リリカルなのはGK《ガイキング》 ~炎の魔竜伝説~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第1話 邂逅-不屈の白と赤い炎なの-
前書き
駄文ですが楽しんでもらえば幸いです。
********************************************
「星空がきれいだな~」
と、その少年は木の生い茂る森の中、地面に寝そべって夜空を眺めていた。
「ずっと大空魔竜の中だったからなー。夜空見たのってどれ位ぶりだっけ?・・・・宇宙(うえ)と地上(した)じゃ少し星の見え方が違うしね」
<まあ、星座なんて地上から見た星の配置ですからね~。そりゃ違って当たり前でしょ、マスター>
そう、返事が返ってきた。
「・・・・・でもなー、俺さっきまで宇宙にいたはずなのになー。なんで起きたら地上にいるんだ?みんなは?」
少し間を置いてから、少年は疑問を口にする。すると、
<交信可能範囲にはお仲間はいないようですが?>
また返事が返ってくる。
「・・・・・・・・・たしか、キラキラ光る宝石みたいなのを追いかけて、それから散々追い掛け回してから大空魔竜の頭のコクッピットブロック近くでようやく捕まえた!・・・と思ったら目の前が真っ白になって・・・・」
少年は周囲を見回しながら喋り続ける。すると、
<マスター、そろそろ私と会話のキャッチボールしーませーんかー?かれこれもう20分くらい同じセリフリピートしてますよ?てか、壊れた?>
少年は黙り込んで溜息を吐いき、
「・・・・そうだな、このまま現実逃避しても始まらないし、腹くくるか。」
そう言って胸元を見る。そこには首からチェーンで吊るされた角の生えた怪獣の骸骨に似たペンダント。大空魔竜のヘッドパーツを模したそれは、目の部分を光らせながら話しかけてきた。
<まったく!元々それほど大層なオツムでもないのに無駄に考えたりするから・・・もう!マスター(笑)は手がかかりますねー>
訂正 罵倒してきた。
「なんで、初対面の相手(?)にそこまで貶されなきゃならねえんだよ!てか、(笑)ってなんだ!」
と、少年が叫ぶと
<なんの話をしてるんですかマスター?変な電波受信したんですか?勘弁してくださいよー。正直、引きますよ?>
「わかった!もういいから・・・このまま続けてもしょーもないことにしかならんみたいだし」
少年はツッコミを諦め、
<そーですねー。玩具(マスター)からかうのはここまでにして、とりあえず現状把握からしましょうか>
「・・・・・・・・ああ」
少年はこの短時間でコレの対応を理解しつつあった。
<でわでわー!まずお互いの自己紹介からはじめましょうかー!>
「テンション高いなー、おまえ・・・」
少年は先ほどのやり取りで少々疲れていた。
<始めはが肝心ですからねー。あと、わたしは『お前』ではなく『アル』っていうプリチーな名前があるので以後そう呼んで下さいね☆>
自らをアルと名乗ったペンダントを見ながら
「わかった・・アル。じゃあ、俺の名前は『石蕗 太陽』だ。 で、早速だがここどこだ?」
<『地球』ですよ>
「地球?なんだ!なら問題ないな。移動して仲間と連絡が取れれば戻<マスター>なんだよ」
<説明が足りませんでしたね。ここは、確かに『地球』ですが・・・マスターの知っている『地球』ではありません>
と、アルは先ほどまでと違って真面目な様子で話してきた。
「どうゆう意味だ?地球なのに地球じゃないって」
太陽は理解できず顔を顰める。
<まあ当然の反応ですねー。わかりやすく説明すると平行世界(パラレルワールド)の地球ってことですが、マスターに馴染みのある言葉だと『異世界』ですねー>
『異世界』
かつて、ダリウス人と呼ばれる異星人が地球の中心に作った異空間世界。
それは『ダリウス界』と呼ばれ、惑星規模の広さがあり地球はそこからの侵略を受けようとしていた。しかし、それに立ち向かう者たちがいた。
赤い炎を宿した勇気ある地上人、侵略を良しとしない心あるダリウス人。
種族を超え手を取り合い炎の魔竜に集った戦士たちは、それに打ち勝った。
そして、和解したダリウス人たちは、新たな新天地へと旅立ち、地球に平和が戻った。
「ここが異世界・・・」
太陽は呟いた。
<まあ、マスターの知るソレとは異なるんですが・・・・えーと、その、結論だけゆうとここには大空魔竜はありません。なので、仲間と連絡をとることも今の所不可能です>
アルは、できるだけ刺激しないよう様子を伺うように話をした。
「・・・・そっかー・・・」
太陽は夜空を仰ぎ見る。
<(やはり、9歳の子供には酷でしたかねー。当然といえば当然ですが)>
そう、太陽はまだ小さな子供だ、こんな形で親と引き離されて平気なはずがない。むしろ、泣き出さないのは、たいしたものだ。ソルはそう考え、
<(とりあえず、元気出してもらわないといけませんね!・・・適当にからかって怒らせてみますか。先程は中々元気なツッコミ入れてましたし)>
少し変わった判断基準によって行動を決めたソルは、
<(でわ!)マスター!とりあえZ「じゃあしゃーないか」・・はい?>
行動を起こそうとしてその相手に出鼻を挫かれた。さらに、
「まず、住む場所だよなー。野宿でもいいけど長い間はさすがにきついしな」
と、あろうことかそんなことまで言い出した。
<ちょ、ちょっと待ってください!何言ってるんですか!?「へ?何ってこれからの・・」いや、そーじゃなくて!あれ?私の話聞いてました!?帰れないんですよ!フツー『おか~さん』とか『帰りたいよー』とかいう場面ですよ!なんでそんなに落ち着いてるんですか!?本気(マジ)で壊れた!?>
驚いてアルがツッコミをいれると、
「いや、方法ないならしかたないじゃん。だったら目の前の問題からかたずける方がいいだろ?」
<・・・前向きですねー>
「後ろ向いたってしかたないからな!あとな、自棄になったわけでも、まして諦めたわけでもないからな。もしかしたら帰る方法見つかるかもしれないしな。」
そう言って太陽は笑う。
<はあ・・・えっとー>
ソルはまだ理解が追いつかないようだ。それにかまわず、
「まあ、ショックなのは本当だけど、だからってなにもしなけりゃ何も変わらない・・・だから、『諦めない』!それがウチの家訓だしな!」
と、胸を張る。
そう、太陽は確かに9歳の子供ではあるが、大冒険続ける、大空魔竜のクルーにして、魔竜に認められる程の素質を持つ少年だ。物心ついたころから大冒険を経験し、他のクルーたちに鍛えられた太陽にとって、コレくらいの事態は諦める理由にならないのだ!
<・・・はあ、マスターのことを少し理解しました>
アルは呆れたように話す。
「どんな感じに?」
興味がわいたのか太陽が問うと、
<『前向きな馬鹿』>
と、ハッキリと言い切った。
「・・・・・お前とはちゃんと話しつけるべきか?・・・・」
<そうですねー(怒)ヒトの気もしらないで・・・心配して色々考えた私が馬鹿みたいじゃないですか!>
「知るか!つーか、そもそもお前何なんだ?人を『マスター』って何のことだ!」
<ハッ!今更ですか!?普通、最初に聞くモンですがね!ああ、マスターは、フツーの頭じゃないんでしたっけ?ワスレテマシター(笑)>
「コノヤロウ、そこまでいうならよっぽどスゲーんだろうな。しょぼかったら承知しねーぞ!」
<いいですよ!!私の力を見てその偉大さをおもいしらせT・・!?マスター!>
「!!」
キィィィィィィィン
耳鳴りにも似た音が響くと共に不可思議な光が周辺を覆いつくした。
「な、なんだ!?」
この事態にはさすがの太陽も驚く。すると、
<気をつけて、結界です!!>
アルが警告する。
「結界って!?どうなってんだよ!?」
<簡単に言えば、閉じ込められました>
「なんで!?」
<知りませんよ!私に聞かないでくだS「きゃあーーーー」・・!?何ですか今度は!>
言い合いは激しくなる寸前、聞こえてきた悲鳴で中断する。
「おい!今のどこから!?」
と、太陽が言うと
<4時の方角からです・・ってマスター!?>
聞くやいなや太陽は駆け出した。
<ちょっ、ちょっと待ってください!何する気ですかマスター!>
慌ててアルが叫ぶ。すると、
「助ける!」
と、即答した。
<助けるって誰かも分からないのに・・・>
「聞こえたんだ・・声が!『助けて』って必死に叫ぶ声が!それにさっきの悲鳴!ほっとけるかよ!!」
<状況も分からず突っ込むなんて無謀すぎます。少しはあとさきを「見せてくれるんだろ?』は?>
アルに向かって挑発的に笑う。
「さっき言ってただろ、自分の力をみせてやるって・・・ありゃウソか?」
<・・・・そうきますか。>
アルは黙り込む。
「アル・・・俺だって無謀だってことは分かってる。・・・でもさ、必死に助けを求めて伸ばした手を、俺は見放したくない!だから、力を貸してくれ!」
太陽は自分の思いをまっすぐに伝える。
<・・・・・・はあ・・これでなにもしなかったら私『デバイス』失格になるじゃないですか。>
溜息混じりにそう呟いた。そして、
<わかりました。やりましょうマスター!・・・ただし、マスターにも協力してもらいますよ?>
そう問いかける。
「協力ってなにすればいいんだ?」<まずは・・!!マスター!前方50mに反応!>
「!」
警告と同時に森を抜け住宅地へ飛び出す。
そして、そこで見たのは、
ウネウネと躍動する不定形の化け物
その化け物の攻撃をピンク色のバリアで必死に防ぐ、杖を持った白い少女
そして、その後ろ、少女に守られている小動物
状況は明白、やることはひとつ。なら、迷うことはない。
さあ、いくぞ!!
???boy side
まずい!怪物が女の子に襲い掛かる。先程までは、攻撃をかわし、防いで何とか戦えていたのに怪物が標的を彼女から僕に変えたことで僕をかばって防戦一方になってしまった!
こんなときに怪我のせいでうまく魔法が使えないなんて・・・。
攻撃を防ぐだけだった彼女が、なにかしようとしたその時、
「うおおおおおおおおお!!!」
彼女と同い年位の男の子がこちらに向かって走ってきた!
「(一般人!まきこまれたのか!?まずい!)来ちゃだめだ、逃げて!」
必死に叫ぶが、遅かった!すでに怪物は標的を変え襲いかかっていた!
「・・・え!?・・あ!だめえーーーーーー!!」
女の子も異変に気がつき止めようとするが間に合わない!
怪物はそのまま男の子に覆いかぶさるように広がり飲み込んだ。
「あ・・ああ!・・」
女の子が顔を真っ青にして座り込んでしまう。
僕自身、混乱して思考が纏まらない。
絶望が重く僕たちに圧し掛かろうとした、
その時!
「でいりゃーーーーーー!!!」
そんな叫びと共に怪物が吹っ飛ばされた!
「「え!えええーーー!!」」
女の子と一緒になって驚いて声を上げる。そりゃそうだ、だって見間違い出なければ、彼が怪物を吹っ飛ばしたのだ・・・・・・・素手で。
そして、その子は、こちらに近づいてきて、
「おい!大丈夫か?」
と、聞いてきた。
(いや、ソレこっちのセリフでしょ!)
と、心の中でツッコンだ。
???boy side out
--------------------
太陽side
とりあえず間に合ったようだ・・よかった!
女の子と小動物は、大きな怪我もないようだけど。一応、
「おい!大丈夫か?」
聞いてみると、
<イヤ、マスターには言われたくないでしょ。アンタ、何考えて・・ああ、何も考えてないのか・・つくずく馬鹿ですねー>
と、相棒の罵倒が聞こえてきた。
「・・・だって、この子達襲われて・・」
反論してみるが、
<だからといって丸腰であんな得体の知れないモノに突撃しないでください!・・異相体に覆われそうになったとき、マジで『あ・・死んだ。』って走馬灯がながれましたよ!>
機械でもそうゆうことあるのか?と、疑問に思ったが、口にしなかった。
だって、アルの奴・・なんか絶好調な感じで喋っている。
<それにそこの二人を見てくださいよ>
なんか矛先まで変わりだした・・・
<足元の小動物は、開いた口が塞がらないって感じですし・・アゴ外れたんですかね?・・そっちのチビッ子にいたっては、へたりこんで・・・漏らしましたかね、チビッ子だけに(笑)「ちが・・」ふむ、その反応は・・まあ、追及しないのがヤサシサデスヨ「だからちg」ネー。大丈夫!不可抗力ですよー・・・ドンマイ!「・・・・」>
最初は、顔を真っ赤にしていた女の子は、最後あたりは無駄を悟っていたようだ。
「えっと・・・あの、君たちはいったい?」
と、小動物が喋りだした!
「な!?この世界じゃイタチが喋れるのか!すげー!!」
俺は、驚いて声をあげる。すると、イタチ(仮)は、
「いや、僕は・・<マスター!>・・え?「少し我慢な!」何!?」
何か言いかけていたイタチ(仮)を引っつかむと胸元へ放り込み、目の前の女の子を抱え上げてその場を離れた。刹那
ドバン!!
炸裂するような音とともに地面が抉れた。
あっぶねー(汗)!てかあれくらいじゃ終わらないか・・・さて、どうしよう?
太陽side out
???girl side
なんか、お漏らし疑惑が晴れないまま、別の話題に移ったの。う~~、お漏らしなんかホントにしてないのに!とりあえず、ペンダントちゃん(?)とは後で『O☆HA☆NA☆SI』しないと。
そんなことを考えていると・・<マスター!>「少し我慢な!」という声が聞こえて、直後カラダを抱き上げられ・・・ええー!コレお姫様だっこ!?なんでと疑問に思う前に男の子は私を抱えたまま、その場を飛び退く!すると、
ドバン!!
そんな音と共にさっきまで居た場所にクレーターができていた。
ゾッと背筋が冷たくなった。あんなの当たったら・・・そう考えてから少し体が震えた。コワイ・・そんな言葉が頭をよぎるが、
「(弱気じゃだめだ!私がなんとかしないと!)」
そう思って勇気を奮い立たせようと顔を上げたとき・・ソレを見た。
強い目だ。見た瞬間にそう感じた。
ーーーーーーーー
私がもう少し小さかった頃、家族で行ったキャンプで野犬の群れに囲まれたことがあった。
怖くて、怖くて・・助けて!って思ったら、お兄ちゃんが助けに来てくれた。でも、野犬はたくさんいて無理なんじゃにかって、不安に思いお兄ちゃんの顔を見たとき、不安は、無くなっていった。
『必ず守る』・・そんな決意を形にした様な瞳。
それを見たとき『大丈夫』だと確信できた。
ーーーーーーーーー
そして、また私は、同じ気持ちを感じた。すると、男の子と目が合って
「大丈夫だって!まかせとけ!」
そう言って、恐怖も、不安も吹き払うような、お日様みたいな笑顔で笑いかけてきた・・・。
うん、きっと大丈夫!そう思った時、体の震えは止まっていた。
???girl side out
ページ上へ戻る