転生とらぶる
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マクロスF
0699話
『はぁっ!? 模擬戦相手ってアクセル1人かよ?』
オープンチャンネルで聞こえて来るアルトの拍子抜けしたような声。まぁ、確かに普通に考えればバリエーションが違うとは言っても、全機が同じVF-25であるのは間違い無いのだ。そしてS.M.Sのパイロットが腕利きでなければ入隊を許可されない以上は1対3で戦えと言われてもこういう態度を取るのはおかしくない。おかしくないのだが……
『馬鹿、アクセル相手に卵の殻を尻に付けてるひよっ子と、狙撃の俺と、電子戦用のルカだぞ? 正直、まともにぶつかれば負けるのはこっちだ! アクセル1人を敵に回している状態で不利なのはこっちなんだから、真面目にやれ!』
俺のVF操縦の腕を知っているミハエルがアルトへとそう怒鳴りつける。
……その割には賭けでのオッズで俺が不利になっているってのはどうなんだろうな。やっぱり数の差か?
『は? 何言ってるんだよ、アクセルってそんなに強いのか? けど、幾ら強くても3機で掛かれば……』
『アルト先輩、ミシェル先輩の言ってる事はそれ程間違っていないんです。実際、アクセル君はバジュラが最初に攻めてきた時もかなり多くのバジュラを倒してますし。それに新統合軍のアクエリアス小隊相手に1機で勝ってますから。オズマ隊長とも互角にやり合える技量を持っているんです』
『……マジか? アクセルがS.M.Sに入ったのは俺とそれ程差が無いんだろ?』
そんなやり取りを聞きながら、苦笑を浮かべつつ口を開く。
「さて、相談はいいな? 模擬戦……開始だ!」
その言葉と共に、VF-25Sのスロットルを全開にし、アステロイドベルトの中に浮いている岩塊を蹴り、バトロイドのまま3機へと向かって突っ込んでいく。同時に、模擬戦を開始したという事でオープンチャンネルのスイッチを切る。
お互いに……と言うか、この場合は3人組であるアルト達の作戦を聞いてしまったりしたら興醒めだしな。
まずは3機をバラバラにすべくガンポッドのトリガーを引く。無数に放たれる弾丸が周辺に浮いている岩塊へと赤いペイントをぶちまけつつも3機のVF-25へと向かい……
「なるほど、この程度は回避するか」
それぞれが違う方向へと散っていく3機。その様子を感心したように眺め、まずは直接の戦闘力が1番低く、更には劣化型ASRSの効果を試す意味も込めてルカのRVF-25へと狙いを付ける。
幸い今回はただでさえ向こうが3機という事で、ゴーストは無い。つまりは普通の電子戦機と考えればいいのだ。
VF-25Sに新たに搭載されたステルスはまだ使わず、バトロイドのままスラスターを噴射させ岩塊に紛れるように移動していき……さすがに電子戦用機と言うべきか、こちらがガンポッドの射程内に入り込む直前に察知して、ガンポッドの銃口をこちらへと向けて来る。けど……甘い。今回の場合の正解は、俺が近づいて来たのを察知したら一旦この場を離れて他の2機と合流する事だ。
「食らえ」
その言葉と共に、牽制として大型ミサイルポッドからミサイルを発射。同時にそのミサイルに気が付き、迎撃しようとしたRVF-25へと出力を最小限まで落としたビーム砲で狙いを付け……ほう、これは回避するか。けど。残念。
ミサイルの弾幕が最も薄い方へと移動して俺の間合いから逃げ出そうとしたルカだったが、その弾幕が薄い場所には既にガンポッドの銃口が向けられており……次の瞬間、緑の機体色のRVF-25に幾つものペイント弾が着弾し、赤い花を咲かせる。
自分の機体に愛着を持っているルカには悪いが、諦めて機体の掃除をしてもらうとしよう。
撤退していくルカ機を見ながら内心で呟く。
「さて、そうなると次は……」
呟き、新型のステルスを起動。そのままルカと戦った場所から退避する。
電子戦用機でもあるRVF-25ならまだしも、狙撃仕様とドッグファイト仕様のG型とF型だ。ASRSを解析して作られたステルスを見破るのは難しいだろう。
そのままファイターへと変形してアステロイドベルト内の岩塊を縫うようにして移動し……
「ビンゴ」
複数の岩塊が密集している場所には、その岩塊に隠れるようにしてスナイパーライフルを構えているミハエルのVF-25Gの姿が。少しも動かずこっちのセンサーに察知されないようにしており、少し離れた場所ではそんなVF-25Gを護衛するかのようにアルトのVF-25Fの姿がある。
どうやら俺がルカを仕留めている間に合流に成功していたらしい。だが、まだまだ慣れていないアルトに、アステロイドベルト内での警戒は荷が重いだろう。
ステルスを起動したままスラスターをそっと吹かし、VF-25Gの真上まで移動する。
何だかんだ言いつつ、ミハエルの腕は学生3人組の中では最も高い。素質という意味で考えればアルトに分があるのだが、現時点では経験の差でミハエルの方が上だと言ってもいい。
まだ気が付かれていない状態のままバトロイドに変形し、アサルトナイフを構えて……
「上がお留守だな!」
オープンチャンネルを閉じているのでミハエルに聞こえないとは承知しつつも、呟きながらスラスターを全開にする。トルネードパックで増えたエンジンを最大限に活かしながら、ミハエルの真上からアサルトナイフを構えたままで襲い掛かる。そのままゴムで出来たアサルトナイフの刃がスナイパーライフルを構えたVF-25Gの頭部へと突き刺さり――当然ゴムだから刃は曲がったが――ミハエルも撃墜扱いになるのだった。
ここまでくれば近くで周囲を警戒していたアルトもさすがに気が付き、ファイターのままで急速にこっちへと近寄ってくる。ミハエルの機体が戦場から移動していくのを見ながら、ガウォークへと変形。アルトの機体から逃げるようにして、アステロイドベルトの中に無数に存在している岩塊の中へと突入して行く。
「ふぅん、この動きにはついて来れるか」
多少離されつつ、それでも決定的に置いていかれず俺の後を追って来ているアルトに感心したように呟く。同時に、タイミング良く正面に現れた20m程の大きさの岩塊の横を通り抜け様に機体を反転。ISCを使用しながらそのまま岩塊の後ろへと身を潜める。
「さて、ステルスを起動したが……気が付くかな?」
レーダーだけを見ていれば俺が隠れているのには気が付かないだろう。だが、戦闘の流れを自分自身で感じていれば俺がここに隠れているのは気が付く筈。そんな風に思いながら岩塊の後ろにいたのだが……
「っと!?」
次の瞬間、てっきり俺の後ろを追って来ていると思っていたVF-25Fは、予想外の方向……岩塊の上を通り過ぎて瞬時にバトロイドへと変形。そのままガンポッドの銃口を俺へと向ける。
その銃撃をガウォーク状態のまま右に左にと移動して回避しつつ、距離を縮めていく。
このままでは命中弾は無いと判断したのだろう。アルト機はこちらから放ったビームから逃れる意味も込めて、近くにあった岩塊へと身を潜める。
「2番煎じとかはやめてくれよ?」
自分でも分かる程に口元へと笑みを浮かべ、岩塊の下側から回り込むようにして移動し……視線の先にガンポッドを構えたアルト機の姿があった。
「残念、ちょっとその手は惜しかったな」
呟き、最後の敵だということもあって残っていたミサイルを全弾発射。アルト機へと向かって行くが……
「確かにF型に乗るだけの事はあるな」
ミサイルの雨を回避するようにファイターで移動し、命中しそうなミサイルに関してはガンポッドで迎撃しながら岩石とミサイルが大量に存在している中を泳ぎ切る。
その先に俺がいると確信しているのだろう。そして、それは間違ってはいない。……ただし、いつでもビーム砲を撃ち込めるように準備を整えている俺なのだが。
来い、来い、来い、来い。
ミサイルと岩塊の中から出て来るのを今か今かと待ち構えている俺だったが……
ゾクリ。
瞬間、唐突に背筋に走る冷や汗。念動力が俺へと命の危機を教えてるのだ。
反射的にマクロス・クォーターへと通信を繋げる。
「クォーター、聞こえるか! 模擬戦の一時中止を進言する。同時に、周辺に異常が無いかを至急確認してくれ!」
『え? その、艦長!?』
突然の俺の通信に、慌てたようにラム・ホアが答えてジェフリーへと対応を求める声が聞こえて来る。
『アクセル少尉、何かあったのかね?』
「いや、分からん。分からんが……この感覚は、恐らく……」
そう呟くも、この数秒の遅れは致命的と言ってもいい時間のロスとなる。
『艦長、デフォールド反応! これは……バジュラです!』
『っ!? 至急模擬戦を中止してマクロス・クォーターへと帰還せよ。オズマ少佐!』
『了解しました! 2人共聞こえたな? すぐにクォーターに帰還しろ。俺はすぐに、ミシェル達も実弾に換装して出撃させる!』
「了解……と言おうと思ったんだが……ちょっと遅かったな」
『何? どうした?』
俺の視線の先には、デフォールドしてきたばかりの赤い巨大なバジュラ。恐らくあの多数いるバジュラの上位種だろう存在が、既に姿を現していた。
そして、その視線の先には間違い無く俺の機体と……そして、アルトの機体の姿が。
「向こうは最初からこっちを狙っているらしい。幸い、こうして見る限りでは以前アイランド1に入って来た、赤くてでかい奴が1匹だけで他にはいなさそうだが……」
『ちぃっ、なら俺達が行くまで何とか逃げ延びてくれ。幾らお前でも、武器がビーム砲とレーザー機銃だけじゃそいつの相手をするには厳しいだろ?』
「そうかもしれないが、別に倒してしまって……」
『うおおおおおおっ!』
俺がいつもの台詞を最後まで口にしようとしたその時、最後まで言わせずにアルトがオープンチャンネルで雄叫びを上げながらバジュラへと向かって突っ込んでいく。
ちぃっ、初陣って訳でも無いだろうに。何でいきなり!?
「おい、アルト! 戻れ! お前の機体はスーパーパックだろう! 武器は全部模擬戦仕様の筈だ!」
『俺は、俺は逃げない! 逃げて堪るかぁっ!』
バジュラを見て何故かテンパって、叫び声を上げながら突っ込んでいくアルト機。さすがにそのまま見捨てる訳にもいかず、VF-25Sで後を追う。
「オズマ、悪いがそっちに戻るのは難しくなりそうだ! 取りあえずこっちで可能なようなら奴を撃破するから、なるべく早いうちに援軍として来てくれ。バジュラがあの1匹だけとは限らないからな!」
『あー、分かったよ。くそっ、アルトの奴め。この件が終わったら懲罰としてEX-ギアの動力を切ったまま格納庫を100周だ!』
そんなオズマの言葉を聞きつつも、アルトがバジュラへと向かってガンポッドを連射している場所へと向かう。弾丸の多くは命中しているが、当然中身は演習用のペイント度弾である以上ダメージを与える事が出来ず……だが、そのペイント弾だからこそバジュラの頭部へと何発も命中して顔中にペイントを広げて視界を奪う事には成功していた。
なるほど、これなら……
「アルト、聞こえているな。そのまま奴の顔面を狙い続けろ。視界が塞がれるのを嫌がっているようだからな」
『わ、分かった! けどどうするんだよ! このままじゃ……』
「そのどうにかする為に俺がやって来たんだろうが。そもそも、お前が暴走しなければオズマ達を待つ事も出来たってのに」
前足を使って顔に付着しているペイントを拭おうとしているものの、そうはさせじとアルトのガンポッドは顔へと攻撃を集中する。更にはペイント弾に変更されているミサイルの類も発射しているのを見ながら、俺はビーム砲の照準を合わせ……
「愛」
精神コマンドの愛を使い、トリガーを引く。
次の瞬間、VF-25Sから放たれたビームは間違い無くバジュラの頭部と胴体を貫いた。
「ふぅ……ん?」
安堵の息を吐きつつも、ふとステータス表示を見て気が付く。撃墜数が増えて……いない? つまり、バジュラはまだ生きている?
『アクセル、よく1撃で……』
「アルト、まだだ! 奴はまだ死んでいない!」
『はぁっ!? 頭と胸を貫かれてるんだぞ? 幾らバジュラだからって……おいおい、マジかよ』
台詞の途中でバジュラの死骸と思われていたのが動き出したのを見たのだろう。信じられないとばかりに呟くアルト。俺にしても、あの様子を見て信じられない思いを抱いているのは事実だ。まさかこいつ、アインスト並の再生能力を持っているんじゃないだろうな? ニーズヘッグがあるのならともかく、シャドウミラーの機体に比べると攻撃力が貧弱と言ってもいいVF-25Sで奴を倒すのは……いや、ある。アダマン・ハルパーはスライムで構成されているのだから、今でも使用可能だ。だがそれを他の奴に見られる訳にはいかないし、何よりこの機体はL.A.Iによくデータを取られているのだ。それを考えると、とてもではないがアダマン・ハルパーを使う事は出来無いだろう。となると……数で押すしかない、か。
「アルト、ここにいると俺の攻撃の邪魔になる。マクロス・クォーターに戻れ」
『ふざけるなよ、こんな死に損ない相手に……』
「いいから行け! 武器が模擬戦仕様のお前だと邪魔になると言ってるんだ!」
叫び、歯ぎしりをした後に去って行くアルト機を見ながら、再び口を開く。
「愛、覚醒」
同時に機体に不思議な力が漲るのを感じながらビーム砲を発射。同時に再び愛を使おうとしたその時。
『うおおおおおおおおおおっ!』
オープンチャンネルからそんな叫び声と共にレーダーで戻って来るアルト機。そのまま真っ直ぐにビームで身体に穴が開いているバジュラへ取り付き。
「食らいやがれえぇぇっ!」
どこから持ってきたのか、ゼントラーディが使う銃の銃口をビームで穴の開いたバジュラの身体へと叩き込み、トリガーを引き……次の瞬間、バジュラは内部から爆散するのだった。
……結局撃墜は奴に持って行かれた、か。
溜息を吐きながらマクロス・クォーターに戻るべくアルトへとオープンチャンネルで連絡を入れるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:425
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:594
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