ルドガーinD×D
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第十二・五話:ただ一人君の為なら~黒歌side
もうじき禍の団が本格的に動き出すらしい……
つまりルドガーの傍にはもういられないとういうことにゃ……
私とルドガーに繋がりがあることがばれれば
ルドガーはいわれのない被害を受けることになりかねない
それだけは避けないといけないから……
―私は今日この家を出て行く―
最後に本当の自分を見て欲しいという理由で人型になりルドガーを起こす
ルドガーが眠たそうな目を見開き私を見る
「にゃん♪」
出来るだけ明るく振る舞う、悲しい顔は……見せたくないから……
私をジーと見つめるルドガー……今、絶対『誰だ?』って思ってるにゃ
ここで一つ気の利いたセリフでも言ってくれればいいんだけど――
「不法侵入か」
「何でそうなるにゃ!!?」
思わずルドガーの顔目掛けて猫パンチを繰り出してしまう
そりゃ、知らない人が家にいたらそうなるけど……
ずっと一緒にいたんだから私の正体に気づいてもいいんじゃないの?
「このパンチ……まさか、クロか!!?」
判断基準そこ!!?
もっと他にはないのかにゃ!?例えば目が一緒だとかさ!!!
「何だか納得いかないけど……そうだにゃ」
納得はいかないけどこのまま話が進まないのも困るのでそう肯定する
それと何だろうか?ルドガーが猫について間違った考えをしてる気がするにゃ
「何だか勘違いしてるみたいだけど…私は猫又だから人型になれるだけにゃ」
「猫又って…確か妖怪の一種か……って俺、声に出してたか?」
「ルドガーの考えていることなら顔を見たら大体わかるにゃ!!!」
伊達に一緒に暮らしてるわけじゃないにゃ!!!
そう思い胸を張ると着物がはだけて胸が見えそうになる
それを見たルドガーが顔を赤くして目を逸らす
「そ、それでどうして急に人の姿になんかなったんだ?」
もう、遠慮なんてしなくていいのに♪
見たいなら見たいと言ってくれればいつでも見せてあげるのに、恥ずかしがりやにゃんだから♪
――そうにゃ!!
「猫の恩返しにゃ」
ルドガーの初めてをここで頂くにゃ♪
「今夜はルドガーの言うこと何でも聞いてあげるにゃ♪」
「ク、クロ、その、俺まだ高校生だし――」
「大丈夫にゃ、何も考えずに二人で一緒に気持ちよくなるにゃ♪」
ひょっとするともう二度とルドガー会えないかもしれないし……
次に会えてもルドガーに好きな人が出来ているかもしれない……
それならあなたを……愛したあなたを――
―最後に私の体に刻み付けて―
「クロ!?お前……っ!!」
「どうしたにゃ?ルドガー」
何かに気づいたルドガーがジッと私の目を覗き込む
まるで私の心の底を見透かすように感じてドキドキしてしまう
「……俺のとこから離れるつもりなんだろ?」
「な、何いってるにゃ?」
ど、どうしてばれたにゃ!?
何も言ってないはずなのにどうして!!?
「俺に嘘は効かないぞ?」
なおも見つめる翡翠色の目に耐え切れなくなり思わずため息をつく
「……どうして……どうして、わかったにゃ?」
「家族だからな」
「え?家族?」
「ああ、クロは俺の家族だ、だから目を見れば大体のことは分かる……クロもそうだろ?」
これはさっきのお返しかにゃ?
こんなことじゃ私は動揺しないにゃ……でも――
「そっか……ありがとうにゃ……」
嬉しいにゃ……こんな私を家族として見てくれて
でも…私は犯罪者、そしてテロリスト、あなたとはもう――一緒にいられない
「俺はクロが出て行くのを止めたりはしない」
「え?」
不意にルドガーがそんなことを言う、止められるかと思ってたから意外だにゃ
「それがクロの選択ならそれを止める権利は俺にはないからな……まあ、本音を言うとずっと一緒にいて欲しいけどな」
「っ///////////!!?」
にゃっ///////!!?こ、これはプロポーズかにゃ///////!!?
で、でもルドガーって素で結構大胆なこと言うこともあるし……
で、でも、にゃあああ////////!!!
「さっき、何でも言うことを聞くっていったよな?」
「っ!?…えっと……うん」
混乱しているところをルドガーの言葉で現実に連れ戻される
そ、そうにゃ私はルドガーに恩返しをするんだったにゃ
「じゃあ、今から言うことだけは絶対に忘れないでくれ」
何だろう……いつになく真剣な表情で見つめられてドキドキしてしまう
「よく聞いてくれ……クロがどこの誰であろうと、どんなことをしていたとしても――」
真っ直ぐに私の目を見つめるルドガー、そしてそれを見つめ返す私
「――クロは俺の家族だ……だから――俺はどんなことがあっても君を連れ戻す!!何度でも俺から離れたって構わない、でもな、その度に何度だって俺が連れ戻してやる!!もし君が約束を破っても、俺がその約束を本当にしてやるからな!!!」
どうして……どうして、そんなこと言うんにゃ?
私はあなたを傷つけない為に出て行こうとしてるのにどうして連れ戻すなんて言うの?
私が約束を破っても本当にしてくれるなんて言えるの?
私が誰のためにあなたから離れようとしているのかを知っててそんなこと言ってるの?
「あなた馬鹿にゃ……」
「かもな」
「私のせいであなたが危険な目に合うかもしれないのよ?」
「覚悟の上だ」
「世界を敵にまわすとしても約束してくれるの?」
「ただ一人君の為なら」
―限界にゃ―
涙が止まらない、そこまでルドガーが私のことを思ってくれていることが嬉しくて――
「ヒッ……グスッ……ずるいにゃ……そんなこと言われたら……ますます……離れたくなくなるにゃ……っ!!」
私を思ってくれるルドガーからそれでも離れないといけないのが辛くて――
私を包んでくれるこの温もりを失うのが怖くて――
「♪~♪♪♪~♪」
「っ!!?」
まるで子守唄の様に、まるで私の背中を押してくれるように
ルドガーがいつも歌う歌が私を包み込んでくれる
そのことにどうしようもない心地よさを感じ逆らうことなくゆっくりと目を閉じる
―しっかりとルドガーに抱きしめられながら―
朝日を感じ目を開けると目の前にルドガーの顔がドアップで迫っていた
き、昨日は全然恥ずかしくなかったけど
…こう、不意打ち的に顔が近くなると……は、恥ずかしいにゃ////////
恥ずかしくてもぞもぞと動いているとルドガーが目を覚ましてしまい、目が合う
「「…………おはよう」」
どちらとともなく交わしたはずの挨拶が被り可笑しくて笑い出してしまう
こういうのってなんかいいにゃ……
「ふふ、シェフ、今日の朝食は何かにゃ?」
「本日のメニューはトーストとスープとトマトサラダです」
「ルドガーって本当にトマトが好きよね」
「トマトは俺のアイデンティティみたいなものだからな――っ////////!!?」
そう言いかけたところでルドガーの顔がまるでトマトの様に真っ赤に染まる
私の裸がそんなに気になるのかにゃ?
やっぱり、ルドガーは恥ずかしがりやにゃ♪
「にゃ?恥ずかしいのかにゃ?もう、一夜を共に過ごした仲なのに♪」
慌てる反応がみたいのでわざとらしくそんなこと言いながらルドガーの背中に胸を押し当てる
自分の体には結構自信があるにゃ♪
「と、とにかく服を着てくれ!!!」
そう言って逃げるルドガーが可笑しくてつい笑ってしまう
また裸でルドガーをからかおうかと思ったけど
それだと流石に怒るかなと思ったので服を着てリビングに向かう
すると何故かルドガーにまたからかっているのかと言われた
これはいつも通りだと言うとかなり微妙な顔をされて今度から気をつけるように言われた
これは…あれかにゃ?他の男に見られたくないという独占欲かにゃ?
もう♪そんなに心配しなくても私はルドガーだけの物なのに♪
て、私の勝手な妄想かな?
にゃは♪
まあ、そんな感じで朝食も出来て、初めて人型の状態でルドガーと一緒に食事をした
スープはおいしかったんだけど猫舌だから少し冷ましてからじゃないと食べれないから
ちょっと残念だにゃ
そういうこともあって食事に結構時間をかけたと思う
……ううん、本当はただ時間が過ぎて欲しくなかっただけ
このまま時が止まってしまえばいいのに……
「そろそろ、いくにゃ………」
「ああ………」
そうは言うが中々動き出せない私たち……やっぱり怖いでも――
「ルドガー」
行かないといけない……だから――私に勇気を頂戴、ルドガー
「私の本当の名前は黒歌にゃ、覚えておいて欲しいにゃ」
「分かった」
「それと――」
勢いよくルドガーの口を私の口で塞ぐ
……触れるだけのキスだけど私にとっての初めてのキス
「初めてのキスはイチゴの味っていうけど……ルドガーはトマトの味がしたにゃ♪」
初めてをあげたんだから、責任はとってよね//////
「ルドガー、私、ルドガーのことが大好きにゃ……返事はまた会えたら聞くにゃ……」
自分でも分かるほど顔を赤くなっている//////
それが恥ずかしくてすぐに家から飛び出そうとする
「黒歌!!!」
しかし、ルドガーに止められてしまう
「な、何?」
「いってらっしゃい」
「っ!?……いってきますにゃ」
その一言で心がじんわりと温かくなり、自然と涙がこぼれてくる……
「そっか……『ただいま』って言っていいんだね…絶対私を連れ戻してね、ルドガー……」
私も……ルドガーに『おかえり』って言ってもらえるようにがんばるから!!!
後書き
黒歌side書きました!!
次回は少しいつもより更新遅くなるかもしれないです、すいませんm(__)m
それからいつも読んでくださって、本当にありがとうございます(^_^)
これからも更新頑張っていきますのでよろしくお願いします!!
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