転生とらぶる
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マクロスF
0696話
待避壕から出た俺達は、そのまま軍人の女やシェリルのマネージャーだという女に護衛されるようにして、待避壕の近くに止まっていた車の場所まで案内される。
にしても、この女……シェリルのマネージャーでもあるグレイスとかいう女。こうして見ていると、妙に俺の中の念動力がざわめくのを感じる。まるで絶対に信じるなと念動力が警戒するかのような感覚。……何故だ? 話した限りでは人当たりはそれ程悪くない。シェリルに対しても親身に世話をしているように見える。だと言うのに、何故俺はこの女に対して不愉快な感情を抱いている? それこそ、念動力による何らかの干渉か? あるいは、もしかして酔った状態でリュケイオスを使った後遺症……いや、それはないか。だが、そうなると何故俺はこの女に対してここまで……
「アクセル? どうしたの?」
考え込んでいた俺に送迎用の車から声を掛けてくるシェリルに、何でも無いと首を振る。
「いや、ちょっと気になる事があってな。それよりもお前は大丈夫か?」
「ふふん、私はシェリルよ。この程度の事でどうにかなる訳無いじゃない。それに……何だかんだ言っても、アクセルが側にいてくれたおかげでそんなに切羽詰まった感じにはならなかったしね。まさかあんな時に手品を見せて落ち着かせようとするとか……その度胸にはびっくりよ」
小さく笑みを浮かべるその様子は、銀河の妖精というよりは素のシェリル・ノームそのものだった。まぁ、元々俺はシェリル・ノームというよりはシェリーとして出会っていたからこそ感じたのかもしれないが。
にしても、魔法に関してはそういう風に判断したのか。ある意味助かったと言うべきだな。本物の魔法を見せる訳にもいかないし、下手をしたら頭の可哀想な奴と見られていたかもしれなかったんだから。
そんなシェリルを見ながら小さく笑みを浮かべると、何を思いだしたのか小さく眉を顰めて口を開く。
「いい? あの時に見た視覚データをネットに流したりしたら決して許さないからね。社会的にも、物理的にも抹殺してやるんだから」
薄らと頬を赤くしているシェリル。その手は自分の豊満な双丘を抑えるかのように俺の視界から隠していた。
さすがに生で自分の胸を見せるというのは、シェリルにしても恥ずかしかったらしい。
「安心しろ、別に俺はインプラントとかはやってないから視覚データ云々ってのは無いよ」
「……そう? それならいいんだけど。あ、でも」
視覚データが無いと知り、安心したのだろう。次の瞬間には悪戯っぽい笑みを浮かべて胸元を小さく寛げる。
「そうね、ただの記憶として今晩使うだけなら許してあげるわ」
……こいつ。せめてもの仕返しって奴か。ならこっちも相応の反撃をさせて貰おうか。
「分かった。なら今晩はお前の胸を思い出して思う存分楽しむとしよう。視覚だけじゃなくて触覚や味覚や嗅覚も思いだしてな」
「なっ!?」
ニヤリと笑って俺の口から出た言葉に、シェリルの顔が瞬時に赤く染まる。
「ア、ア、ア、ア、アクセルーッ!」
「ん? どうしたんだ? 俺自身が個人的に使う分ならいいんだろ?」
「ううっ、アクセルがこんなエロガキだなんて思いもしなかったわ……」
「言われる程に年齢が離れている訳じゃないんだがな」
「何よ、あんた15歳でしょ? ……はぁ、もういいわ」
未だに薄らと染まったジト目を俺に向けていたシェリルだったが、視線をランカの方へと移す。
「ねぇ、ランカちゃん。貴方、歌うのは好き?」
「は、はい!」
シェリルの言葉に笑みを浮かべて頷いたランカの耳元で何かを囁いているシェリルを横目に、俺は車の近くでじっと俺の方へと視線を向けている人物を見返す。グレイス・オコナー、先程から念動力やら俺の直感やらが妙に危険を知らせてくる人物だ。
「……どうかしましたか?」
俺と視線が合うと、グレイスはそう声を掛けてくる。穏やかな表情を浮かべており、こうして見る限りではとてもではないが俺を警戒させるような人物には思えない。だと言うのに、何故ここまで俺の警戒心を刺激するのか。
「いや、何でも無い。そっちも大変だな。シェリルみたいなじゃじゃ馬相手だと」
「ふふっ、そうでもないですよ? 付き合ってみると素直でいい子なんですから」
お互いに薄らと笑みを浮かべながらの会話だが、俺にしろグレイスにしろ、相手を推し量るような視線を相手へと向けている。俺は目の前に立つ女が何を企んでいるのか。そしてグレイスは俺という存在が何なのか。
……間違い無くただ者じゃないだろう。だが、それがイコール俺の敵とも限らない。限らないのだが……
「アクセルさん、と言いましたよね? アクセルさんはいつフロンティア船団に?」
「へぇ。よく俺がフロンティア船団の出身じゃないって分かったな」
「ええ。シェリルのマネージャーをしていると、色々と耳に入ってくる情報が多いですから。特に、貴方はシェリルとの仲も良さそうですし、相応に調べさせて貰ってはいますわ。アクセル・アルマーさん?」
「なるほど、それで俺の事を調べられなかったから気になったと?」
「さて、どうでしょうね。単純に私が貴方に興味があるからかもしれませんよ?」
「残念だったな。生憎俺はあんたに興味はない」
「あら残念。振られてしまいましたか」
表向きにはそんなやり取りをしつつも、その間中俺の中にある念動力がこの女に対しての危機感を間断なく伝えてくる。
やはりこの女、色々な意味でただ者じゃないのは間違い無いな。恐らくは原作での敵キャラか何かだと思うが。いや、この女に対して念動力の発している危険度を考えれば、あるいはラスボス的な扱いか? かと言って、今はただのマネージャーでしかない。裏で何かをやっているのかもしれないが、それでもS.M.Sの社員でしかない俺にとってどうにか出来るかと言われれば否だろう。
いっそ、闇に紛れて仕留めるか? このマクロス世界でなら魔法という存在は未知だろう。それ故に、闇の魔法なり炎の魔法なりを使えば……いや、オズマやジェフリーに怪しまれるか。空間倉庫なんて物を持っている俺だ。不審死が起きれば当然疑われる。
「グレイス? どうしたの、行くわよ」
「あ、はい。ではアクセルさん。この辺で失礼しますね。またお会いしましょう」
ランカとの話が終わったらしいシェリルの声に頷き、グレイスが去って行く。
……ここで殺し損ねたのを後で後悔するような事が無ければいいんだがな。
「アクセル、何を話してたんだ?」
去って行く車を見送っていると、後ろからアルトが声を掛けてくるが、それに対するのは小さく肩を竦めるだけで受け流す。
「シェリルといい、あのマネージャーといい、お前が年上趣味だとは知らなかったよ」
「さて、どうだろうな」
実際レモン、マリュー、コーネリアの3人の恋人達は俺よりも年上なのは事実である以上、アルトの言葉が間違っているとは一概に言えない。
「すいません、少しいいですか?」
そんな俺達に声を掛けて来たのは、シェリルのお付きをしていた新統合軍の女軍人だった。
「あんたはシェリルと一緒に行かなくてもいいのか?」
「ええ、今回の件の後始末を任されていますので。貴方は確かS.M.Sのアクセル・アルマーさんですよね?」
「へぇ、PMCとは言っても最近入ったばかりの俺の事まで良く知ってるな」
S.M.Sは確かにVF-25の評価試験を任されているだけあって、フロンティア船団の中ではトップクラスの実力や勢力を、戦力を持つPMCだ。だが、だからといってその中で艦長やら小隊長でもない、ただのVFパイロットの俺を知っているというのはちょっとした驚きだった。シェリルのコンサートで会った時に怪しまれたのか?
「ええ。何しろこの船団の中で最もシェリルと親しい人ですから。当然どのような人物なのかは調べさせて貰いました。ご了承下さい」
「……だろうな」
「おい、いいのかよ」
勝手に人の事を調べたという女に、アルトが思わず視線を俺へと向けてくる。だが、確かにこの女にしてみれば自分の警護する人物に……それも、銀河の妖精とまで言われているシェリルが誰か特定の相手と仲良くなっているのを知れば、その相手を調べてもおかしくは無いだろう。俺でもそうするしな。……もっとも、オズマやジェフリーが作ってくれた俺の戸籍やら何やらが見破られないなら、という但し書きが付くが。で、先程のグレイスの様子を見る限りでは、見破られてはいないのだろう。
「それで……」
軍人の女が何かを言い掛けたその時、腰にある通信機が着信を知らせるピピピピ、という音が鳴り響く。
一瞬迷ったように腰と俺の方へと視線を向けて来る相手に、小さく肩を竦めて通信に出るように促す。
「失礼します。……はい、こちらは無事にシェリル・ノームの救出を完了しました。いえ、はい、はい。勿論全員怪我はありませんのでご安心を。……え? オズマ・リー少佐が負傷!?」
「何!?」
目の前の女の口から出て来た言葉に、思わず問い返す。
オズマはS.M.Sの中でも最もVFの操縦技術に長けた男だ。そのオズマが負傷? 当然その相手はバジュラで、特に俺達を襲おうとした赤い奴が原因で間違いは無いだろうが……
そうなると、恐らく俺達が待避壕に飛び込んだ後の出来事か。……待て。今の話……
ふとオズマが妹に関してはパイロットをやっているのを秘密にしていたという話を思い出して、ランカの方へと視線を向ける。
「えっ!?」
信じられない話を聞いた、とばかりに驚愕の表情を浮かべるランカだったが、そこに更に運の悪い事態が重なる。ここが展望ラウンジで、船団の外の様子が見えるという場所だったのも災いしたのだろう。俺達の視線の先では、バトロイド形態のRVF-25とVF-25Gがファイター形態のVF-25Sを抱えながら……つまりは、ルカとミハエルがオズマを抱えながら飛んでいる光景だった。しかも、コックピットに乗っているオズマの体調を考慮してなのか、ファイターは上下逆に……展望ドームにいる俺達からコックピットの中が見えるような状態で運んでいたのだ。
俺の位置からは、オズマのパイロットスーツに血が染みついているのがしっかりと確認出来、それは妹のランカも同じだったのだろう。
「オズマ……」
何故か軍人の女もまたショックを受けたように呟いているが、この女もオズマと何か関係があるのか? その割にはランカは初対面のようだったが。
「きゃ、きゃああああっ! お兄ちゃん、お兄ちゃーんっ!」
突然ランカが悲鳴を上げ、運ばれていくオズマの機体を追いかけるが、ここは展望ドームだ。当然宇宙を移動しているミハエルやルカ達に追いつける筈も無く、壁に動きを止められる。
「何で怪我をしてるの!? パイロットはもうやめたって言ったじゃない! もう絶対にあたしを1人にしないって……危ない事はしないって約束したのに! どうして、どうしてこんな事するの!? 私ちゃんとあの事内緒にしてるよ! なのに、何で……何で……嫌ぁぁぁぁっ!」
その悲鳴と共に、気を失って地面へと倒れ込む寸前でアルトが何とか受け止める事に成功する。
「あの子、オズマの……」
「どうやら色々と理由を知っているようだが、うちの隊長とどんな関係なのかを聞いてもいいのか?」
「……プライベートな内容です」
「その割には、ランカの件については知らなかったようだがな」
「だから、プライベートな内容だって言ってるでしょう!」
余程に触れられたくない話なのだろう。俺を睨みつけて大声で叫ぶ女。
下世話な想像をすると、昔の男と女ってところか?
「おい! 今はそんなのどうでもいいから、早くランカを病院に!」
気絶したランカを抱えたアルトが怒鳴り、その声で俺も女も我に返る。そうだな、確かに今この女とオズマの関係を探っている暇は無いな。
向こうもその事に気が付いたのだろう。周囲にいた部下と思しき男達へと視線を向けて口を開く。
「彼女を軍事病院に至急運びなさい」
「いいのですか? あそこは……」
部下の男が口籠もる理由も分かる。俺もこの世界に転移してきてから何度か行った事があるが、あの病院は新統合軍直轄の総合病院だ。医療設備が充実しているだけに、有名人達も利用したりする。ただし、その分費用に関しても他の病院よりも上らしいけどな。
「問題ありません。今回の件はこちらの不手際も大きいので、治療費については新統合軍が負担します」
「……了解しました」
若干不満そうな顔をしながらも、頷く軍人の男。……公私混同とでも思われたか? だがまぁ、オズマに報告する事を考えれば目の前の女の判断は俺としても助かる。シスコンのオズマに報告する事を考えれば……いや、今回の件に関しては俺よりもランカと親しいアルトが報告するべきだろうが。
「そう言えば自己紹介していませんでしたね。私はキャサリン・グラス中尉。以後も貴方がシェリル・ノームと接触するような事があればまた会う事もあるでしょう」
最後に敬礼しながら自己紹介をし、ランカをアルトから受け取ってから去っていく。
それをアルトはどこか悔しげに見つめているのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:425
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:594
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