家長カナの奇妙な冒険
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ゆらの正体と旧鼠組
前書き
第3話、スタート!
鼠を追うゆらを追いかけるカナ。
「待って、ゆらちゃん!1人じゃ危ないよ!(いざとなったら、“スタープラチナ”で!)」
カナがそう考えていると、ゆらは鼠を庭の隅の方に追い詰める。
「待ちぃ。妖怪の類いやな。」
「えっ……?」
鼠は、ゆらとカナに対し、牙を剥き出しにして威嚇する。
「陰陽師・花開院の名の下、妖怪のあなたを滅します。」
ところが、鼠はカナに向かって飛びかかる。
「家長さん!?」
「………“流星指刺”!」
“スタープラチナ”の人差し指と中指に力を溜め、勢いよく伸ばし鼠を切り裂いた。
「な、なんや!?何が起こったんや!?」
「ふぅ~……。ゆらちゃん、陰陽師なんだ。」
「えぇ、まぁ……。(家長さん、一体何者なんや……?)」
「それは、本当かね!?」
そこに、清継達が現れた。
「今の話は、本当かね!?」
「えぇ、ホンマです。」
「しかし、なぜ君がこの町に転校してきたのだね?」
「この町……浮世絵町は度々、怪異に襲われる有名な町。噂では【“妖怪の主”が住む町】とも言われています。私は、“試験”のために遣わされたんです。より多くの妖怪を封じ、そして、陰陽師の頂点、花開院家の当主を継ぐんです!」
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カナは、ゆらと一緒に帰路についている。
「……あの、家長さん。怪我はないんですか?」
「私?私なら、ほら見ての通りだよ♪」
「そう……ですか。」
「ゆらちゃん……。(やっぱり、見えてない。私の気のせい、だね。)そう言えば、ゆらちゃん。」
「はい?」
「ゆらちゃんは今、1人暮らし?」
「えぇ、そうです。」
「へぇ~ゆらちゃん、1人暮らししてるんだ。いいなぁ~……憧れちゃうなぁ。」
「別に、そんなえぇもんでも!?……。」
「?」
ゆらは、立ち止まり何かに睨み付ける。カナは、ゆらの視線を追う。
すると、ホスト風の男達が立っている。
「可愛い娘ちゃん、見っけ。」
「……匂う。」ボソッ
「……何だって?」ニヤァ
「なに、こいつら?……まさか!」
カナの第六感が告げている。“こいつらは、妖怪なんだ!”と。
「……えぇ。」
「夜は長いぜ。骨の髄まで、しゃぶらせてもらうぜ!」
「……。」
ゆらは、式神のお札を持ち、構える。だが、その前にカナがゆらの前に立つ。
「家長さん!退いてや!」
「退かないよ、ゆらちゃん……。今の私ね、こいつらのせいで、物凄く吐き気がしているの。」
「それがなんや!?いくらなんでも、家長さんが敵う相手やない!」
「じゃあ、ゆらちゃん……。今からやる事を見てもそう言える?」
「えっ……?」
カナは、“スタープラチナ”を出し、臨戦体勢をとる。
「どこからでもかかって来なさい!」
「さっきから見てりゃ、調子に乗るんじゃねぇ!お前ら、やっちぃまぇ!」
『うおぉぉ~~!』
リーダー各の鼠妖怪(テラ子安)の号令で、子分の鼠妖怪達が一斉に、襲いかかってきた。
【オラオラオラオラオラ、オラッ!】
そこに、“スタープラチナ”の目にも映らないラッシュの連打を繰り出す。
それを食らい、子分の鼠妖怪達は、跡形もなく消えた。
「「………………。」」
リーダー各(テラ子安)とゆらは、真っ先に己の目を疑った。
((一体……何が起きた?))
暫く、場の空気が凍りついたがリーダー各(テラ子安)が咄嗟に反応し、ゆらを捕まえる。
「ゆらちゃん!」
「おっと、動くなよ?動いたら、お友だちがどうなっても良いのかな?」
「……(今、下手に時を止める訳にもいかない。)。」
「そうだ。それで、良い。良くも、俺様の子分を殺ってくれたなぁ。まぁ、いい。この子猫ちゃんを人質だ。いいな、俺様が逃げるまで、その場から1歩も動くな!」
そう言い残し、ゆらを連れ去った。
「……っ!」
カナはその場に立ち尽くし、悔しさのあまり、唇を噛んだ。
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カナはその足で、小山田霊能事務所を訪れる。
事務所のドアをノックすると、中から顔を狐文字が書き綴られた布で覆い隠したポニーテールの女性が現れた。
「…………いらっしゃい、カナ。所長に用事?」ボソッ
「こんばんは。耕太さんは、おられますか?」
「………事務室にいるよ。待って、呼んでくるから。」ボソッ
「お願いします。」ペコッ
~数分後~
「やぁ、カナちゃん。どうしたの?何かあったの?」
「実は……~~」
カナは、今日の事を耕太に話した。
「そっか……。大変だったね。」
「……はい。」
「で、カナちゃんはどうしたい?」
「もちろん、助けたいです!」
「なら、やる事は分かるよね?」
「……はい!耕太さん、ありがとうございました!」
カナはこうして、決意を固めた。
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《旧鼠組アジト》
一方その頃、覚醒したリクオを率いる百鬼夜行がアジトに侵攻。
「なんだ!お前ら、誰の命令で、動いている?!百鬼夜行は、“主”にしか動かせないはずじゃ!」
「“主”なら、お前の前に~~」
ドゴォーン!!
壁を豪快に破壊され、姿を現したのは…………カナだった。
「お、お前はさっきの!?」
「ゆらちゃんを…………返してもらうから!」
そう言い放ち、旧鼠組と奴良組の抗争に介入するカナ。
はてさて、この先どうなるやら……。
To be continued→→
後書き
第3話、いかがでしたか?
次回はいよいよ、カナが時を止める!
次回、「『静止した世界』の片鱗」
お楽しみに!
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