美しき異形達
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第十六話 黒蘭の力その十三
「私は賛成出来ないわ、だから」
「止めろっていうのね、相手を探すことは」
「一人ではね」
「というと」
「そう、私達でね」
全員で、というのだ。
「探すべきよ」
「忍者でしかも探偵だから調べることは得意だけれど」
「相手が悪いわ」
怪人を出してくる、そうした相手だからだ。明らかに普通の組織や個人ではないからだ。
「単独行動は禁物よ」
「では私達皆で調べていきましょう」
桜は微笑んで菖蒲の提案に賛成した。
「そうしましょう」
「だよな、六人いるしな」
薊も菖蒲を見つつ述べた。
「それならな」
「ええ、彼等と戦いながらね」
菖蒲はその薊にも答えた。
「そうしていきましょう」
「そうするか、ただな」
「それと共に」
「黒蘭ちゃん達だよな」
ここでまた彼女のことを言う薊だった。
「仲間にならないって言ってたけれどな」
「やっぱり仲間が多いとね」
どうかとだ、向日葵が薊に応えて言ってきた。
「それだけ心強いからね」
「ああ、だからな」
「黒蘭ちゃんを仲間に引き入れるのね」
「あの娘の姉さんもな」
「けれど黒蘭ちゃんは仲間にならないって言うから」
「だったらな」
それならとだ、薊は向日葵の言葉を聞いてこう言った。
「あの娘の姉さんだよ」
「その子となのね」
「ああ、会ってな」
そして、というのだ。
「その娘を仲間に引き入れるか」
「そうしたらいいわね」
「そうだろ、じゃあ何はともあれ」
次ぐにどうするかをだ、薊は決めた。それでにかっとした笑顔でこう一同に言った。
「あの娘に会って来るな」
「じゃあ私もね」
裕香も薊言ってきた。
「一緒にね」
「ああ、それじゃあ二人でな」
「その娘のところに行こう」
こうして話が完全に決まった、そしてだった。
薊は仲間達との話が終わってすぐにだった、その黒蘭の姉のところに行くことにした。裕香と共に彼女のクラスに行ってだ。
クラスの女子の一人にだ、こう言ったのである。
「開陽鈴蘭ちゃんっているかい?」
「鈴蘭ちゃんに用あるの?」
小柄な青い制服の娘が応えてきた。
「何か」
「そうだよ、ちょっとな」
「そうなの、鈴蘭ちゃん」
少女はすぐにクラスの奥の方に顔を向けて名を呼んだ、すると。
そのクラスの奥から白いブレザーの制服を着た背の高い少女が来た。薊は裕香と共に最後の戦士と会うのだった。
第十六話 完
2014・5・2
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